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2014年08月28日

ドリーム・シンドローム

ハッピーとナツの口げんかに巻き込まれてしまったルーちゃんは。どっちの味方に着くのかな~?

?なんて考えててこんなんなりましたww

板挟みなルーちゃん。可愛そうだけど見ていられるなら楽しそう♡だって絶対可愛い♡

 

「ナツのわからず屋~!!!!」

 

ルーシィがギルドの扉に手をかけた時に聞こえてきた怒鳴り声。

とっても聞き覚えのあるかわいい声と、よく知っているバカと呼ばれた人物の名。

 

これは。。。

ナツってば、また何かやらかしたのね!?こんなにハッピー怒らすなんてなにしたのかしら?

と思案しながらこのギルドに所属する星霊魔導士のルーシィ・ハートフィリアは、そっと入り口の扉を押し開けた。

 

「・・・おはよう。」

 

ポツリと小さい声で言うと、ルーシィは目の前の惨状に目を向けた。酒場の中心で桜頭の少年と、白い羽をはやした青猫が睨み合っている。

空飛ぶ、喋る青猫のハッピーとそのハッピーをタマゴの時からそばに置き、孵化させ、それからずっと一緒に過ごしてきている火の滅竜魔導士ナツ・ドラグニル。この1人と1匹は相棒同士だ。そしてルーシィと仲のいいチームメイトでもある。

 

いつも一緒にいるのナツとハッピーが喧嘩をすることは、多々あることだった 。それも、少しすればすぐどちらが謝ったでもなく、自然と仲直りしている。。。下手に係わるのはやめよう!とルーシィは、取りあえず火の粉を浴びないようにその二人を避けてカウンターに向かおうと足を一歩前に出した。

すると、件のうちの1匹がその胸へ飛び込んできた。

 

「わ~~~~ん!!ルーシィィィィィィィ!!ナツってばナツってば酷いんだよ!!分からず屋なんだ!!!頭固いんだ!!」

「・・・・うん。」

 

ルーシィは青猫を抱き留め、チラッといまだ酒場の中心で憮然として立っている桜頭の少年を覗き見た。するとハッピーの訴えを受け、相槌を打ったルーシィにまで食って掛かってきた。

 

「うんってなんだよ!!!ルーシィ!!ルーシィはハッピーの味方なのかよ!!!」

 

ダンダンダンッ!!と大きな足音を立てて、ナツがこっちにやってくるのがルーシィの視界に入った。その目は何時もに増して凶悪につり上がっている。

・・・完全に巻き込まれてしまった。ルーシィは口許をひきつらせながら、ドカドカと迫ってくるナツに視線を向けた。

 

「ハッピーの味方っていうか、、、、だってナツは頭固いじゃない。普通に。」

「あい!!ルーシィは流石だねっ!!ナツをよくわかってるね!!」

「あぁ~ん!?頭は固い方が、ケガしなくっていいだろうが!!!」

「・・・・いやっ!そっそういう事じゃ・・・。」

 

何とも話の内容がずれていくナツに、ルーシィはひきつった笑みを向けた。ハッピーに至っては目に涙を浮かべ完全に怒ったままだ。

 

「やっぱりナツは、人の話を聞いてないんだよ!!最後まで聞かないから話が通じないんだ!!」

 

ハッピーの言葉に、ナツの眉間のしわが一層深くなっていく。

 

「うっせぇ!!最後までってなんだよ!!言いたきゃいやぁいいだろうが!!」

「ひどいやナツ。オイラはいつだって一生懸命話してるのに、ナツってばオイラの話を右から左に流しちゃうんだ!!」

「・・・・確かにね。」

 

ハッピーの言い分もよくわかる。

・・・・何のことで喧嘩になっているのかは、よくわからないままだが、ルーシィは思いっきりハッピーに賛同してしまった。その様子にナツは驚愕した。

一瞬ひるんだようにグッと言葉を呑みこもうとしたが、結局飲み込めずナツは声を荒げた。

 

「!!!ルッルーシィまで、そういう風に思ってたのかよっ!!!!」

「うっ。。まっまぁ、とりあえず落ち着こうよ。2人とも!!ねっ!?」

 

しまった!ややこしくしたかも!!と、慌てたルーシィは2人の唾を浴びながらも、何とか仲裁しようと試みる。が、目の前の相棒同士はどちらも引きそうにない。

・・・いったい何があったのだろう??おろおろとナツとハッピー、双方の間をルーシィの目が泳いでいた。

 

「関係ねぇルーシィは黙ってろよっ!!これは男と男の喧嘩なんだかんな!!」

「オイラは、もうナツと話すことなんかないよ!!」

「なっ!!ハッピーから突っかかってきたんだろぉ!!!ふざけんじゃねえ!!」

「だって、ナツにどんなに一生懸命話したって、ちゃんと聞いてくれないって十分わかったんだ!!もういいよ!!」

 

ハッピーは、その大きな目に涙を一杯溜めてナツを睨み付けている。そんなハッピーに、ナツは容赦なく鋭い視線を投げ返した。

 

「はっ!!じゃあハッピーの負けだな!!!」

「なんでオイラの負けになるのさ!!しょぼい脳みそのナツの負けだよ!」

「頭の悪さは、喧嘩とかんけーねぇ!!逃げた方の負けだ!!」

「オイラ逃げてなんかないもん!!!どうしたって、ナツが言葉を理解できないだけじゃないか!!」

「じゃぁもう一回言ってみろ!!」

 

ナツの物言いにつられて、ハッピーは大きく息を吸い込んだ。が、ちらっとルーシィを見て当初言おうとしていた言葉を飲み込んだ。

 

「・・・もうやだよ。オイラ。」

 

シュンと耳を垂らすハッピー。

確かにナツに何かを言葉で教えるというのは、骨の折れる事だ。ルーシィ自身も、ナツにモノを教えるときは十分に覚悟を決めてから取り込むくらいなのだから。

・・・でも、その辺はハッピーもよく心得ていることなのに・・・?

 

「ハッピー??」

「ルーシィ。。。オイラ。ナツに解ってほしかったんだ。デリカシーってやつを。。。」

 

 

 

その日は、家に帰りたくないというハッピーを『もう!しょうがないわねっ。』とルーシィは、自分の部屋に泊めてやった。ハッピーを胸に抱き運河沿いを歩きながら、もしかしたら・・・ナツが家にいるかもしれないと思ったが、、、部屋の扉を開けても、ナツの姿は見当たらなかった。少しいつもと違う様子の2人に首をかしげながらも、まぁこの2人なら大丈夫だろうとルーシィはハッピーを抱き眠りについた。

 

だが、今のところナツトハッピーの様子に変化はない。次の日も、その次の日もギルドでナツとハッピーは顔を合わせても会話はなかった。お互いその背中に時折視線を送っているのだが、かみ合わない。目線がかみ合うことはなかった。見ていてもどかしい!!お互いに完全に仲直りするタイミングを見失ってしまっているのだろ。

 

きっとナツにいたっては、、、なんで喧嘩になったのかもわからないのだろう。。。

ハッピーはずっとルーシィにベッタリとくっついていた。喧嘩の内容はたいしたことはないと言っていた。いつもの事だって。ただ『ちょっとむきになっちゃったんだ。。。』と、ハッピーがこぼしていた。

 

おかげ様で?ナツは独り酒場の隅のテーブル席から仲のいいはずのチームメイトの様子を眺めて過ごしていた。視線の先できらきらと光を反射する金色の髪と優しい笑顔。その膝には自分の相棒の青猫。その隣には、、、、、自分がいるはずなのに。。。

 

・・・。ナツ自身は、すでに怒りはなかった。というよりも、ただの言い合いに乗っかっただけだ。怒っている理由が・・・ないのだ。ハッピーがいきなり怒り出して、泣き出したんだ。自分からしたら、ハッピーがただ突然にだ。・・・何か言っちまったんだろうが、自分が何を言ったのかさっぱり覚えていいない。その場で思ったことが口から出てくるのだから、脳みそに残っていないのだ。

 

オレは何もしていない・・・ハズだ。思ったことを言っただけなんだ。・・・確かにハッピーが何か言っていたが、、、意味が解らずちゃんと聞いていなかった。・・・本当は自分が何かをやってしまっているのかもしれない。

 

・・・・なんであんなに怒んだよ。ハッピーの野郎。

 

なんで?そう思っても、普段そのなんでを気付かせてくれるルーシィはハッピーに独占されているし、ミラやリサーナには自分で気付きなさいと言われてしまった。

 

・・・・気づくって、、、何をだよ。誰か教えてくれよ。。。

 

マカオやワカバに聞いても、なんか愛だ恋だとくだんねぇ話しかしてくんねぇし。誰か答えを教えてくれよ!!とギルドの中を見渡しても、あいにくとエルザやグレイも依頼に出ていていない。

・・・早く仲直りしたい!!こんなところで1人なんて。。。ナツは、そのままテーブルに突っ伏した。

 

ルーシィは、酒場の端にあるテーブル席に陣取るナツを視界に入れて、溜息をついた。

もともとの言い合いの原因は解らないままだが、ハッピーの言い分もよくわかる。が、あいつにデリカシーというものを求めたって、、、、そんなのはっきり言って難しい・・・というか、無理だ。いつだって天然で、思いついたことを思いついた通りにしか行動しない。ちょっとでも気に食わないと我慢しないのだ。深く考えることをしないし、気に入らなければ暴れ、そのつもりがなくったて壊してしまう。。。・・・子供だ。

 

そんな子供のナツに、いつからか目が離せなくなっているのだから、自分も大概だとは思う。

頬をほんのり赤く染めながらどうやって仲直りさせようかとルーシィがぼんやりと思案していると、そこにいたはずのナツの姿が見えない。

 

ルーシィが酒場の中に視界を巡らせると、ギルドの入り口のドアがキィと音を立てている。

 

「あら~。ナツでてっちゃったわね。」

「・・・・・。」

 

カウンターの中からかけられた声に、ハッピーはルーシィの膝の上でしょんぼりと耳を下げた。

ハッピーも何とかタイミングを見計らっていたのかもしれない。ルーシィはそんなハッピーの頭を撫でやり、一度抱き上げてからカウンターに座らせた。

 

「ちょっと見てくるね?心配なんでしょ??」

 

優しく頭を撫でてくれるルーシィに、ハッピーはコクンと頷いた。

 

「ルーシィ。。」

「大丈夫よ!!ちょっときっかけが掴めなくなっちゃただけでしょ??連れて帰ってくるから~ちゃんと仲直りするのよ?」

「・・・・・あい。」

 

耳を下げたままの可愛い青猫の頭を撫で、ルーシィは安心させるようにふんわりと笑った。

 

「ミラさん!!ハッピーお願いします!!」

 

ルーシィは右の腰にあるキーケースをポンと撫で、鞄も持たずにギルドから飛び出していった。

行先は、、、、ここ妖精の尻尾から少し離れた大きな木があり草原の広がる丘。魔導士や、ロッククライマーでなければ登っていくことのむずかしい崖の上に位置している。

その為、ほとんどの人が寄り付くことはない。ナツやハッピーは、この気持ちのいい風が吹く草原が大のお気に入りだった。チームを組み仲良くなったルーシィを連れ、お弁当を作らせ、よくここでピクニックや星を眺めたりしている場所だ。

 

昔ハッピーがまだ思うように飛べなかったとき、よくここで練習したんだぜ!!以前ナツがそう話してくれたことがあった。ナツはきっとここにいる。

崖の下にたどり着きルーシィはその上の方を見上げた。普段はハッピーが連れて行ってくれるのだが、今はギルドにおいてきている。ルーシィは腰に掛けてある星の大河に魔力を通した。

岩場の所々から生えている木々をめざし、鞭をふるった。

 

ナツは、ここにいる!!

 

「ナツー!!ナツー!!ナーツー!!!」

 

本来であれば、ナツが近づいてくるルーシィの存在に気が付かないわけがないのだが、、、帰ってくる声はない。

 

・・・大分いじけているのかしら??

・・・待てよ!!気が付いていて、、、あたしを驚かそうとでも!?

・・・寝た振りかしら!?

 

今までされてきた悪戯の数々により、警戒心の強くなっているルーシィはあたりを静かに、きょろきょろと見渡した。ここにいないとは思えなかった。目を凝らすと大きな木の根元に、桜色の髪が揺れて見えた。・・・どうやら横になっているようだ。

 

「・・・寝てるの?ナツ??」

 

ナツの傍らまで来ると、ルーシィなその隣に腰を下ろした。

 

「ナツ?」

 

返事は帰ってこない。何か変・・・静かすぎる。普段寝ている時にかいているはずの鼾(いびき)までしていないのだ。何か変だが、ただ寝ているようにも見える。。。

ルーシィは頭をかしげてしまった。大体寝ていたとしたって、これだけ近づけばナツの優れた五感からすれば、気配で起きるだろうに。。。。起きるどころかピクリとも動かないナツの額に、ルーシィはそっと触れてみた。。。。その途端、ルーシィの意識も吸い込まれるように遠のいていく。

 

 

 

 

ここは・・・・・・夢だ。。。それだけは漠然とわかっていた。。。

 

気が付くと、ルーシィの目に六角形の天井が映っている。ゆらゆらと揺れる椅子にも垂れ込むように体を預け背を伸ばしている。・・・今まで、本を読んでいたようだ。部屋の中心に、天蓋付きのベットが見えた。

 

 -・・・え??ここどこ??

 

ルーシィの思考とは関係なく、体が勝手に動いていく。読んでいた本をとじ すぐ脇のテーブルにその本を置くと、部屋にある唯一の出入り口に向かって歩いていく。

 

その扉を開いた。

 

風が吹き抜けていく。

 

扉の先に広がる視界に、ルーシィは息をのんだ。

 

どこまでも続く薄紫色の空。

 

優雅に舞う雲。

 

もう夕方のようだ。

 

ルーシィの居る場所は、ずいぶん地面から離れている。

 

バルコニーに出て、ルーシィは下をのぞいた。

 

背中がゾクゾクとするほどの高さだ。

 

バルコニーの柵にしっかりとしがみつき、それでも興味を惹かれたルーシィは眼下に広がるどこまでも続く緑を眺めた。人がわけいっては来なそうな、深い森が広がっている。

 

ふとその視界に桜色が揺れた。

 

  -ナツ!!!

 

ナツの格好はいつもの黒衣ではなかったが、確かにナツだ。・・・なにか、何処かで見たことのある服装に感じる。そう思えば自分が纏っているドレスにも覚えが、、、、無い事も無かった。見覚えがある!!

 

すると、勝手に動いていた体が動きを止め、自分の思うように体が動かせるようになっている。

ルーシィは慌てて、自分の姿を改めて鏡に映した。

 

見覚えのあるドレスは、取り敢えずどうでも良かった。問題なのは、、、確認したかったのは・・・髪。

姿見に映った自分に息を飲んだ。

髪が・・・とってもとても、長くのばされている。長い長い三つ編みにされた金髪。これは、、この姿は、、、そう!!まさに童話の『ラプンツェル』。。

 

そう思い当たって、再びバルコニーからナツを見ればその恰好は、、、王子に見えないこともな・い?

カボチャパンツと白いタイツは見えないが、仕立ての良さそうなマントを羽織っている。旅人風ではあるが、上等なものに見えた。

 

きっとナツが、ラプンツェルと逢瀬を重ねる王子様・・・・・・・って/////!?!?

 

先日、仲間の子供にラプンツェルの本を読んで聞かせてやったばかりだ。・・・多分・・・・いや、間違いなさそうだ。あの時、あすかちゃんだけじゃなくって、ナツも珍しく聞き入っていたのだ。

 

ここは、ナツの夢の中なんだ。

 

 

 

「ナツを探してくるね!!」

 

そう笑顔でギルドを後にしたルーシィが、いつまでたっても戻ってこない。

ルーシィの事だから、ナツがいる場所なんてすぐに検討が付くはずだ。もしかして・・・何かあったのではと、ハッピーは嫌な予感に包まれた。プルプルと首を振り、ただ待っていることが歯痒くなってきていた。そして、とうとうハッピーは翼を出して、ギルドを飛び出していった。

 

「オイラっ。。。ルーシィとナツを探してくるっ!!!」

 

白い翼を広げたハッピーの後ろ姿を心配そうに眺めていたギルドの看板娘のミラジェーンは、カウンターに座る彼らのチームメイトに向かってニッコリとほほ笑んだ。その微笑みを向けられた半裸の男は、口元をひきつらせながらもガタリと椅子から飛び降りハッピーの後を追った。

 

「グレイお願いね~!!」

 

背中にミラからの声援を受けながら、グレイはハッピーの後を追って走り出した。。。

ナツとハッピーの喧嘩は妖精の尻尾のメンバー全員の知るところである。そして板挟みのルーシィが困っているという事も。彼らのチームメイトでもあり、彼らの間に挟まれたルーシィを可愛がっているグレイは、今日の様子も気にかけていた。ハッピーが飛び出さなければ、そろそろ自分がルーシィを探しに行こうとも思っていたところだった。

 

「おーい!!ハッピー!!!!」

 

ハッピーはまっすぐと森の方に向かっている。森に入る手前で何とかハッピーを捕まえグレイは、共に崖の上の草原に足を踏み入れていた。

 

「ナツー!!ルーシィ!!!ナツーーーーー!!!ルーシィィィィィィ!!!!!!!!」

「お~い!!姫さ~ん!!どこだぁ~!!?ついでに馬鹿でドジで単細胞で意地っ張りでつり目のチョロ火~!!どこにかくれてやがるっ!?」

 

辺りは日が落ち既に薄暗くなってきていた。

薄紫色に染まった空を見上げ、グレイは肩に乗せたハッピーに訪ねた。

 

「ここにはいねえんじゃねえか?」

「・・・ここだと思うんだ!!もうちょっと奥まで行ってから、、、あっ!!!」

 

ハッピーが再び翼を広げ、グレイの肩から飛び出した。ハッピーの向かっていく先の大きな木の下に、桜頭が見える。その脇には金髪も。どうやら2人は眠っているように見えた。・・・が、先に2人の元にたどり着いたハッピーが焦った声を上げた。

 

「ナツ!!!ルーシィ!!!どうしたのさっ!!!ナツ!!!ルーシィィ!!」

 

ハッピーが叫んでも、ゆすってもひっぱたいても、水をかけても起きないナツとルーシィ。それどころかピクリとも動かずスースーと吐息を立てている。こんなにして、起きないわけがない!!ハッピーとグレイは顔を見合わせた。そして2人を慌ててギルドへと運ぶことにした。

 

ギルドの医務室に運び込まれたナツとルーシィは相変わらず、静かに眠っている。事情を聞いたジェットによって慌てて呼んでこられた薬師ポーリュシカに診察を仰げば、原因はすぐにわかった。

 

ポーリュシカの口から出た病名は、『ドリーム・シンドローム』またの名を『フェアリーテール・シンドローム』

 

「ふぇありー・・・テール??」

「そうさっ。ただここの妖精の尻尾とは違うよ。テイルじゃなくてテールさ。。。おとぎ話の事だよ。」

「おとぎ話の夢を見るってこと?」

「そうさ・・・・。」

 

ポーリュシカがドリーム・シンドロームについて説明をしてくれた。

この病は、童話の世界に入って行って戻ってこなくなるといわれる病だそうだ。

詳しいメカニズムは解っていない。が、悩んで頭を使いすぎたり、思いつめたり、つまりは脳がキャパシティーオーバーしてしまった状態で、眠りについた時稀に発症すると言う。子供の頃などに読んで聞かされた童話の世界を夢の中に作り上げ、そこに逃げ込んでしまうらしい。

 

永遠と同じ物語の中を繰り返し、繰り返し過ごす。その夢を見ている人間はそれが夢だという事を忘れ、そしてまた同じ物語に入り込む。ずーっとそうやって逃避し続けるける事になるのだと言う。。。変化がなければ夢から覚めることは・・・ない。

 

夢を見ている者。この場合はナツが助けを求めてくれれば、求められた者のみ夢に招かれるそうだ。夢の登場人物として。。。ナツは、ルーシィに助けを求めたんだろう。。。

ただ、、、助けに入った者が間違った選択をすれば、その者も夢に囚われてしまうと言う。

 

「このお嬢ちゃんが、、、、、、、して、描き直してやれればいいんだけどねぇ。。。。」

「ナツ。。。ルーシィ。。。」

 

2人の寝顔を覗き込み、しょぼんと耳を垂らすハッピー。

 

「ねぇ!!ポーリュシカさん!!このまま起きなかったらどうなっちゃうの?」

「・・・・衰弱していくだろうね。確実に。。。夢を見ながら・・・魔力をどんどん消費しちまうからね。」

「オイラっ。オイラ助けに行く!!!どうすれば夢の中には入れるの?」

「・・・夢を見ている者、つまりナツがハッピーを呼べば入っていけるよ。」

「そんなの。。。」

 

オイラたち喧嘩してるんだ。ナツがオイラを呼んでくれるわけないよ。。。と言ってハッピーは、耳を垂らしたまま目に涙を浮かべてしまった。そのまま下を向く青猫の背中を白猫が強く叩いたっ!!

 

「しっかりしなさいっ!!ハッピー。要は夢を見ているんでしょ??こっちから呼んでやればいいのよ。」

「え??シャルル。・・・何を言っているの?」

「しょぼくれ過ぎて、脳みそまで固くなっちゃったの?ハッピー!?寝ていたって声は夢の中まで届くはずでしょ?」

「あっ!!ハッピー!!呼んでもらえばいいんです!!」

「そっか!!」

 

シャルルの言葉に、ハッピーは目が覚めたと目に力を宿した。ニッコリとシャルルとその相棒のウエンディに笑顔を向け、ナツとルーシィの手を握って大きく息を吸い込んだ。

 

「ナツーーーーーーーーー!!!!!ルーーシィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」

 

夢の中まで届くよう。精いっぱい腹の中からその名を呼んだ。

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ナツの夢の中では。。。

 

「ナツー!!ナーツー!!!!」

 

ルーシィは下に映る桜色に向かって大声で叫んだ。

桜頭はきょろきょろと辺りを見渡し、何故か地面にある置物の中を調べたり、木や草むらの影をのぞいたりしている。。。ルーシィは、あきれた声を塔の上からかけ、自身の長く伸びた髪を、桜頭めがけて投げた。

 

“ぴゅ~~~~~ん。。。。ゴツッ!!”

 

桜頭に、重しとして髪につけた砂袋が命中。遅れてきれいな金髪がファサッとナツの顔を覆った。

 

「いってぇ!!ルーシィ!!何しやがる!!!って、、、ルーシィ??」

「はやく登ってきなさいよっ!!ばかナツ!!」

 

ルーシィと口をついて出てきたナツ王子は、言われるがまま金色の髪を掴んだ。ズシンと髪に重さがかかる。ルーシィはたまらず髪の途中をバルコニーの塀に縛りつける。ナツ王子は、ギシギシと塔の外壁を登ってきた。ようやくバルコニーに降り立ったナツ王子は、そこでルーシィを目にし、キョトンとしした表情を向けた。そのバルコニーに足を付けた。

すぐ目の前に見慣れた少女がいる。見慣れないのは、、、そのながすぎる髪。

 

「ルーシィ。。。あれ??お前なんて格好してんだ??で?ここどこなんだよ??」

「・・・たぶん。夢の世界?童話ラプンツェルの世界によく似てる。」

 

頭を抱えながら、ルーシィは溜息をつくようにナツ王子に説明してやった。ナツの猫よりもしょぼい脳は、どうやらハッピーとの喧嘩も1人ギルドを抜けだしたことも今まで忘れていたらしい。というか、ラプンツェルの登場人物ナツ王子になりきっていたようだった。

 

・・・・・・これは、明らかに何かの呪い、もしくはトラップに引っかかったか、、、、とりあえず普通の夢ではなさそうだ。ルーシィが現れなければ、ナツはこのまま、童話の登場人物としてその中から物語を眺めているだけだったのかもしれない。・・・・自身の記憶すらなくして。。。

 

ブルブルっとルーシィが危うさに肩を震わすと、ナツはのんきに『寒いのか?今夏だぞ!?変わったやつだな!!やっぱりルーシィだな!!』などと首をかしげたり笑っている。

ルーシィは、『しょうがないわねぇ。』と今の状況を解っているところだけでもナツに説明してやった。

 

「ラプンツェル??」

「そう。ほらっ!!この間ギルドでアスカちゃんに、絵本読んであげたじゃない?その時ナツも一緒に聞いていたでしょ?!ハッピーと喧嘩する前よっ。」

 

「・・・・あっああ!!髪の長い女と、目の見えない男の話か?」

「そうそれそれ!!」

 

場違いな呑気なナツの声に、ルーシィの声もつられるように明るくなってきていた。ルーシィの表情に笑顔が咲き始めると、今度はナツもつられて目を細めた。

 

「じゃぁ、ルーシィが長い髪の女か!!・・・オレ、、、目見えてんぞ??」

「…そうよ!!初めは見えてるのよ。見えなくなるのは魔女に見つかって、ラプンツェルが荒地に追放されて、その後、塔から飛び降りて茨が刺さって見えなくなるのよっ!!っていうか、ナツがお王子さまって!!」

 

そう思うとルーシィは、なんだか可笑しくなってきて腹の底から笑いが込み上げてきた。

ナツはかぼちゃパンツに白いタイツ!!ではなかったが、上から見たマントの下はヒラヒラレースのシャツにスカーフ。カチッとしたベストには、シャラシャラと揺れて輝く細工の綺麗なチェーンなどが飾られ、ピタッとしたズボンは膝下まであるブーツの中にしまわれている。

 

あまりにも普段の黒衣との違いに違和感を感じ、ルーシィの眉はハの字に下がったままだ。

その様子を『なんだよっ』と口を尖らせていたナツが急に怪訝に眉を顰めた。楽しげに動いていたルーシィの口を手で塞ぐと、ナツは黙ったまま目を閉じた。その時、ナツは下の方から自分と同じ様にルーシィの長い髪をつたって登ってくる気配を感じていた。ルーシィを黙らせそのまま無言で立ち上がると、ナツは立ち上がってバルコニーから下を覗き見た。

 

「あっ・・・・・・?」

「どうしたの~??ナツ~!!」

「いあ・・・。」

 

視界の先に黒い影を確認し、ナツの性能のいい耳は下から上がってくる人物の声をひろった。ルーシィもナツに倣ってバルコニーから下を覗くが、、、その視界には何も映らなかった。ただ髪に伝わる振動が、ルーシィの動悸を速めていた。不安げにギュっとナツの服の端を握りしめた。

 

『話し声ぇ!?・・誰だ?男?・・・男の声がするな。・・・・ラプンツェルめ、、、私に隠れて逢引きをしていたのかぁ!?』

 

低く囁くように、髪をつたう者の声がナツの耳には届いている。ナツの傍らから、心配そうに顔を覗き込んできたルーシィに、ナツはニィっと歯を見せて笑いかけた。

 

「ルーシィ!!なんか下から黒づくめの、ばあさん上がってくるぞ~!!」

「え?・・・それって。。。」

 

『お仕置きだ。懲らしめてやる。2度と2人が逢えないように。。。』

 

「なんか怖いこと言ってんぞ??お仕置きだとか。。。百叩きとか、火あぶりだとか、水攻めだとか。。。」

「・・・それって魔女!?・・・こわっ!!」

 

ルーシィが咄嗟にお尻を手で隠す隣で、ナツはクツクツと笑いながらルーシィの髪に手を伸ばした。

 

「こないだの話でよう。思ったんだけどな?」

 

ナツのつり目が不敵に光った。塔の壁を登ってくる重さに頭が引っ張られないようにと、バルコニーの一角に縛りつけてあったルーシィの長い長い金髪にナツが触れた。そして、ルーシィに振り返ってニヤッと笑顔を向けてくる。

ルーシィが何を言う間もなく、ナツの手刀が金糸をスパンと切り落とした。

長くきれいな金を織り込んだような髪は、切られたところから自重に逆らえず地面を目指して落ちていった。

 

『ぎゃーーーーー!!!!』

 

・・・・魔女と一緒に。。。

ナツはバルコニーから下を覗き、落ちていく金色の髪と悪い魔女をしっかりと確認し、満足そうに口角を持ち上げたままルーシィに振り向いた。

 

「おおっ!!ルーシィ!!!魔女落っこちたぞ!!!髪切っちまえば、魔女上がってこれなくって良いだろ??」

 

ナツの目には目を見開いて、ぽかんと口を開いたままのルーシィが映った。

 

「ぶはっ!!!ダァハハハッハッハッハッハッハッハ!!ルーシィ面白い顔になってんぞ!?プハハハハ!!!」

「っ!!////////////////もうっ!!やることめっちゃくちゃ!!」

0905

 

 

ナツの久しぶりの笑顔に、ルーシィの胸の中がホカホカと暖かくなっている。やっぱりナツには、太陽みたいな笑顔がよく似合う。ルーシィは下がってしまいような眉をわざわざ持ち上げていたが、ナツにつられるように眉を下げめをほそめた。ひとしきり笑ったナツが、目に滲んだ涙を指で拭った。

 

「・・・で?なんでこんなことになってんだ??」

「はぁ??って、気付いたらナツがギルドからいなくなってたから、ナツを探しに来たのよっ。」

「なんだよ?オレのせいにすんのか!?こんな本の中みたいな世界、ルーシィのせいだろっ!!」

 

文句を言いながらも、数日ぶりのルーシィとの言い合いに、ナツの表情はしっかりと緩んでいる。というか、にやけてしまいそうな表情を必死で引き締め顔を作っているが、どうしても口角が上がってしまっている。その表情の変化に、ナツの雰囲気の変化に優しい風が吹いたようにルーシィは感じていた。

 

「はぁ!?!?違うわよ!!ナツが寝てたの!!ナツってば珍しく鼾もかいてないし、動かないし、、、声かけても起きないしで、、、、不安になっちゃって、、、ナツの頬に触れてみたの///。そうしたら。。。。ここに。。。」

「ふ~ん///ルーシィ。俺が心配だったんだなっ!!」

「///あっあっったり前じゃない///なっ///仲間でっでしょ///?」

 

どうにもむず痒い会話に、ルーシィの頬が桜色に染まっていく。その桜色に染まっていくルーシィに気をよくしたナツが、会話を楽しむ様に口を動かす。唇と尖らせたまま。。。

 

「あ?でもルーシィは、すぐハッピーの味方すんじゃねぇかっ。。。」

「・・・はぁ!?…あんた馬鹿でしょ?それでいじけてたの??どっちの味方でもないよ。あたしはあたし!!・・・・どっちかじゃないナツとハッピー、2人の味方よ!!」

 

ナツは不貞腐れた様な表情のまま、にこにこと笑っているルーシィを視界にとめた。

きれいに揺れる金糸。すぐに笑顔に変わった。

 

「・・・おうっ。」

 

(・・・ナツも。ハッピーも、、、大好きだもんっ。)

 

へへへっと2人が笑い合う仲、塔の下から何やら不思議な呪文が聞こえ始めた。

グニャリと塔がゆがむ。

 

「きゃっ!!何??」

 

バランスを崩したルーシィを抱き寄せ、ナツはその部屋のバルコニーから下をのぞいた。

そこには先程の魔女の姿が見える。杖を地面に突き刺し何やらこの塔を囲むように魔方陣を描いている。

 

「てめぇ!!なにしやがる!!!!」

『ハハハハッ。私を謀ったラプンツェル。。。恋人と共に、この塔に封じ込めてやるのさっ!!』

「・・・イカレテルわね。。。」

 

ナツの腕の中からルーシィが反目でつぶやいた。ギュっとナツの服を掴んでいる。

 

「・・・飛び降りっか?」

「えぇ??ここからぁ!?!?」

 

下にいる人物は、ルーシィの目から見れば豆粒ほどの大きさだ。

この高さは・・・・。ファントムの本部につかまった時のことが思い出された。

・・・ナツと一緒・・な・ら・・・うん・・大丈夫!!

ルーシィの腕がわずかに震えている。

ナツはルーシィを肩に担ぎ直し落ち着かせるように、ぽふっとその尻を叩いた。

 

「コラっナツ!!」

「お?わりっ。。ヘヘヘッ。」

『飛び降りて来い。飛び降りてくれば別々に封印してやる。。。クツクツクツ。。。』

 

魔女のたくらみが風にのってナツの耳に届いた。

 

「・・・飛び降りたら、、、あの魔女なんかしかけてくるらしいぞ?」

「ええっ!?相手は魔女なのよ!何で髪切る前にこうなるかもって考えないのよ!!」

「・・・こっから燃やしちまうか??」

「え?待って待って!!なんか壊して、ここからでられなかったらどうするのよっ!?」

「んあ?・・・めんどくせけなぁ。・・・・・・。」

「ハッピーがいればなぁ。。。」

 

ポツリと、ルーシィが呟いた。そうだ。相棒のハッピーがいれば。。。

 

『ナツーーーーーーー!!!!!ルーーシィィィィィィィィィィィィィ!!!!!』

 

2人の耳に届く、耳慣れた声。

 

「「ハッピー!!!!」」

 

空を裂いて、青猫が塔の中に飛び込んできた。

 

ポーリュシカから聞いたこの夢の真相を聞き、ルーシィとナツとハッピーは目配せをする。

 

「「ナツ!!」」

「ああっ!!」

 

ニカァッを、決して主人公には向かない凶悪な笑みを浮かべナツが笑うと、ルーシィはハッピ-の頭を撫でた。

 

ドリーム・シンドローム脱出法。

これを夢だと認識し、物語が完結する前に・・・・・・自分でぶち壊す!!!!

 

ハッピーがルーシィを掴んで空へと逃れると、ナツは炎を纏い、部屋の床に拳を立てた。

石を焼く熱と、煙、轟音が轟き、出入り口の無いその塔が見事に崩れ落ちた。

ついでにぶっ飛ばしちまおうと思っていた魔女は、塔の瓦礫で頭を打ち既に意識を手放していた。

 

ハッピーがルーシィを抱えナツの隣に降り立つと、ナツの体から光があふれだし、2人と1匹は意識を手放した。

次目覚めるのはギルドの医務室だろう。

 

 

 

Fin

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なんとなくいつも通り(*'ω'*)

 

 

 

 

おまけ~喧嘩の原因~

 

「オイラ達、いつもルーシィにお世話になってるから、ちゃんとお礼をしようって話し合ったんだ!!ルーシィは何貰ったら喜ぶかなって。。。オイラ沢山考えて、ルーシィは本が好きだから押し花のしおりを作ってプレゼントしようって言ったんだ!!」

「おう言ったな。ぺったんこな花、作ったじゃねえか!!こないだ。」

 

「あい。オイラ頑張って作ったんだ。お花を摘んできて押し花にして。。。でねっ!!沢山作ってシャルルにもあげようかなって。。。」

「・・・うん。」

 

「押し花がきれいに出来たから、しおりにするのに紙を溶かしてって思って綺麗な色の紙を鍋で煮てたんだ!!そしたらノリが足りないことに気が付いて。。。ちょっとそのままにして取りに行ったんだ!!!・・・・ほんの少し目を離しただけなのに。。。」

「あぁ~(なんとなくその続きがよめるわ)。。。」

 

「ナツにはいじっちゃだめだよって言ったのに!!オイラが戻ってきたら・・・ナツが紙を煮ていた鍋を手にもってって・・・・その中身を、、、ちょうど食べようとしてて、オイラ慌てて止めたのに。。。」

「んあ??」

「・・・・(そうね。。。ナツなら・・・)はぁ。。。」

 

「勝手に食べて、、、なんじゃこれ~!!って怒って火を噴いて・・・全部焼けちゃったんだ。」

「・・・・ハッピー。」

 

しゅんと耳を垂らす青猫の頭をルーシィはそっと撫でてやった。

 

「・・・・あれって、、、紙だったのかっ!!!!食いもんじゃねえもん鍋に入れとくのが悪いんだろっ。。。。。まずいかった訳だなっ。。」

 

「オイラが怒っても、ナツはこんな調子だし・・・しおり作れないじゃないかって言ったら、まずかったんだからしょうがねえだろって!!ナツが噴いた火で、うまく作れてた押し花も全部燃やしちゃったんだよ。」

「・・・・うっ。」

 

「最初っからやり直そうとしても、、、もうルーシィの好きなお花、、、咲き終わっちゃってるんだもん!!!」

「・・・・ナツが悪いんじゃない。。。全面的に。」

「っ!!!ううぐぅ。。」

 

「もう!…ハッピーありがとうねっ!!あたしハッピーの気持ちだけでとっても嬉しいわ!!」

「・・・ルーーーシィィィィ!!!」

 

ルーシィの豊満な胸に、涙を流す青猫がすり寄っている。ルーシィはナツにあきれた視線を向けた。

視線を向けられたナツは、、、シュンっと縮こまってルーシィとハッピーを見ている。

ルーシィは小さく息を吐くと、ニヤッと悪戯っぽい笑みを浮かべハッピーの顔を覗き込んだ。

 

「(しょ~がないなぁ~!)今回は、ナツを許してあげて?ハッピー。。。ナツも反省して今度は簡単に燃えたりしない栞を、プレゼントしてくれると思うのっ!!」

「・・・あっ!!そうだね!!簡単には燃やせないようにしないと・・・ルーシィが本に取られた時、本に焼きもち焼いてまた燃やしちゃったら困るもんね!!!・・・・・あっ!!!そういう事だったんだ!!!」

 

「やっ///焼きもちって。。。」

 

「オイラ冷静になって思ったんだけどね?ナツってば栞なんかプレゼントしたら、またルーシィが本ばっかり読んで構ってもらえなくなっちゃうって思って、ワザと燃やしたんじゃないかなって。。。」

「へっ////」

「だって、滅竜魔導士のナツが、、、、いくら鍋に入ってたからって間違えて紙を食べたりしないと思うんだ!!」

 

ハッピーはにやりと笑い、ルーシィは真っ赤に顔を染め、揃ってナツを見た。

ナツは真っ赤にそまった顔をマフラーで隠し、異様に汗をかいている。

 

「あっ。。。いあっ。。。うっ。うっ。うっうるせぇぇぇぇ!!!!」



ナツの声はどこまでも抜ける群青色の空に響いた。

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