top of page

2013年11月26日

お風呂の日

 

ここは、フィオーレ大国の東方に位置する 魔法も盛んな商業都市 マグノリア。

そんな街の一画にあるレンガ調のアパートの2階の部屋。

この部屋の家主が、立ったまま、机に向かいペンを走らせている。

・・・バスタオル1枚の姿で。。。

 

 

 

 

 

ちょっと、お風呂を沸かしたまま、うかんだ小説のネタをメモしていたら集中してしまった。

 

・・・そう言えば?

さっきナツ達が来たような??

部屋の中を見渡すが、桜色も、青色も見当たらない。

・・??

気のせい?・・・構ってあげなかったから、帰っちゃったかしら??

 

『 クシュンッ!!』

 

いけない!いけない!!

体冷えてきちゃった!!

 

・・・まあいいや。

お風呂 入っちゃお~っと。。。

 

浴室に入ると、湯気が充満していた。

 

「あ~ぁ。お湯だしっぱにしちゃったから、すっごい湯気ね。。。」

 

浴槽に注ぐ蛇口を閉めようと、手を伸ばすと。

 

『ガシッ!!』

 

不意に手を掴まれた。

 

「きゃっ?!?!?」 

 

なななななに~?!?!?!?

 

咄嗟に、掴まれた腕をはがそうと、思いっきり引っ張った。

するとあろうことか、バランスを崩し、頭を強打!!

っと想ったら、すんでの所で掴まれていた腕が強く引っ張られた。

その引っ張られた勢いで、そのまま浴槽にダイブした。

 

「あれ~?ルーシィも一緒に入るの~??」

 

ハッピーの声が遠くで聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ??」

 

気が付くと、浴槽につかっている。

 

( あれ?あたし、、、、寝てた・・・・?? )

 

白い泡が湯に浮かんでいる。

 

「今日、泡風呂にしたっけ??」

 

独り言ち、背を後に預けると、背中が暖かい!そして、タイルよりも 柔らかい感触に行き当った。

 

「いっ!?!?」

 

何でか後ろを向こうとも思わず、浴槽の中を手探りで探ると、自分とは違う、ちょっとゴツゴツした、筋張ったものに触れた。

 

「・・・・え・・・???」

 

ゆっくりと、後ろを振り返ると、桜色が目に入った。

 

「・・・・は・・???」

 

桜色の髪の物体が、片手を軽く上げ「よっ!」っと。。。。。

 

「っきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

勢いよく立ち上がろうとすると、すぐに肩を押さえつけられた。

 

「なに?なになに???は~な~し~て~!!!!」

 

「おおお落ち着け!!!」

 

「おお落ち着けるか~!!」

 

咄嗟に、ヨッと上げていた手で、口を塞がれる。

 

「落ち着けって!!今出たら全部見えるぞ!!!」

 

「ふがっ!?!?!?」

 

涙目で、桜色の方を向き体の力を抜いて、首まで湯につかった。

ようやく、口を塞いでいた手が離された。

 

「・・・意味が解んないんですけど???」

 

そのまま、桜色を睨み付けると、ぬっと頭に手が伸びてきた。

 

「痛っ!!」

 

ナツがさすったところが痛い。

 

「お前、ここぶつけて、気い失っちまったんだ。・・・悪かったな。。。」

 

・・・なるほど、、、だから痛いのか。。。

 

「ハッピーが急いで、ウエンディを呼びに行ったんだけど、まだ戻ってこねぇ。。。」

 

ほうほう。治療しようとはしてくれたのね!!

 

「そっそれでよぅ。。。」

 

急にごもり始める。

 

「それで、お前を風呂から出そうとするとだな、それはそれで、裸みたー!!って怒られそうだしよ~。」

 

じぃっとナツの目を見る。

 

「みっ見てないでしょうね??」

 

「んなもん、見てねぇから、このままなんだろうが!!タオルでくるんででたって、拭く時見えちまう上に触った!!って、また怒んだろ!!それに オレが出ちまうと湯が冷めちまうし、溺れちまったらやばそうだから オレも出れなかったんだぞ!!少しは感謝しろってんだ!!!体が見えない様に泡風呂までしてやったんだぞ!!」

 

ナツに必至な形相で捲し立てられ、つい

 

「ああありがとう。・・・ってもともとアンタのせいでしょ~!!!」

 

ナツの頭を掴んで、勢いよく湯船に沈め、その隙に脱衣所までダッシュしようと立ち上がると、

 

『ズキッ!!!』

 

ぶつけたところが傷んで、そのまま又、へたり込んでしまった。

 

「痛たぁ・・・。」

 

ナツに抱き留められていた。

肌に感じるのは、しっとりとした自分よりも高い温度の肌。

掌には、筋肉質な背中。

目の前には、鍛えられた腹筋。

そこに押し付けられてつぶれる自分の胸。

頬に触れるのは分厚い胸板。

耳に聞こえてくるのは、ドクンドクンと力強い鼓動。

 

もう自分の音なのか?相手の音なのか?

カーッと顔に熱が集まっていく。

浴槽の中に抱き合う形で崩れ落ちた。

 

 

「・・・・るうしぃ。。。」

 

 

呼ばれて、顔を向けると 真っ赤な色の男の顔。

 

 

「・・・な・・・つ・・・。」

 

 

いつの間にか、頬にまわされた暖かい掌。。。

 

 

すべてが、スローモーションのように感じる。

 

 

徐々に近づいてくる、桜色。

 

 

ゆっくりと、下りる自分の瞼。

 

 

目を閉じても、近づいてくる桜色の影に鼓動が早くなる。

 

 

唇に、ナツの吐息がかかった。

 

 

 

 

 

 

「ナツーーーー!!!ルーシィィィィィィィ!!!」

 

青い塊が、窓から飛び込んできた。

 

続いて、白い猫にぶら下げられた青色の髪の少女が窓から入ってきた。

 

ルーシィは、ルームウエアに着替えて、ソファに身を沈めていた。

 

「あっ。ウエンディ!!シャルル!!わざわざごめんね??」

 

体を起こして、自分よりもずっと小さい少女と、白色のオシャレな猫ちゃんの方を向いた。

 

「ルーシィさん!!!頭ぶつけたって聞きました!!大丈夫ですか??」

 

さっと、素早い動きで、青色の少女が金髪に手を伸ばした。

ぶつけた場所を見つけると、掌をかざした。

すぅっと痛みが引いていった。

 

「ありがとう。ウエンディ!!」

「いいえ。大したことなくて良かったです。」

「本当よ!!気を付けなさい。」

 

「でも、シャルル。ルーシィさんは、被害者だって。。。」

「はぁ。。。ハッピー達ね??・・・駄目じゃない!!」

「・・・・ぁぃ。。。」

 

青猫は、白猫に怒られてしぼんでしまった。

 

「ウエンディ!!シャルル!!紅茶飲んでって!!今淹れるから。」

 

ルーシィが、にっこり笑って席を立った。

 

「・・・っていうか、あれはどうしたのかしら?」

 

白猫は、部屋の片隅でボ~っとどこかを見ている桜色を指さした。

 

「ナ~ツ~??どうしたの~??」

 

青猫が、桜色の髪の少年の目の前まで行って声をかけたが、「おう。」と答えたが上の空だ。

 

「ルーシィ~!!ナツが変なんだけど、どーしたの~??」

 

キッチンの方から、ルーシィの声が聞こえる。

 

「ナツがおかしいのなんかいつものことでしょ~!!ウエンディ。シャルル。今日はミルクティにしようと思うんけど、いいかな~??」

 

「はーい。」「いいわよ。」

 

それぞれ、少女と猫ちゃんが答えた。

 

「ナツー!!ちょっと来て~!!」

 

ルーシィが、呼ぶと桜頭の少年は、ボンッと顔を茹で上げフラフラとキッチンに吸い込まれていった。

 

「・・・ナツ??」

 

その様子に、呆然とした様子の1人と2匹。

ピョッコリとキッチンから顔を出したルーシィが、お茶請けにとクッキーを運んできた。

 

「ナツが今ミルク暖めてくれるからね!!」

 

と言って、また来キッチンに消えた。

遅れて、掌にミルクポットを載せたナツが戻ってきた。

 

「ナツ?」

「んあ?いあ!!何でもねぇ////。」

 

その後ろから、ティーセットをルーシィが運んできた。

カチャカチャと、紅茶を出際よくカップに注いでいく。

 

「ナツ。。。。お風呂でのぼせちゃったのよ!!」

 

ルーシィが、クスクス笑いながら説明した。

 

 

おまけ

 

 

 

「お~っす!!」

 

いつもの経路、いつもの手順で、今日もルーシィの家に忍び込んだ。

 

部屋を見渡すと、、、、、家主発見!!!

 

「おい!ルーシィ!!そんな格好で風邪ひくぞ~!!」

「・・・・・・。」

 

無反応だ。

しきりに、紙に何かを書き殴っている。

 

あろうことか、タオル一枚で。。。

 

おいおいおいおい!!!

まぁ、慣れてはいる。

ルーシィを無視して、いきなり襲ったりするもんか!!

だが、だがしかし!!

・・・侵入してきたのが変態とかだったらどおすんだ!!!

 

「ナツ~。ルーシィ気が付かないね?」

「おお。つーかよ?なんか水出てんな。」

え??と言ってハッピーは水音のする方を見に行った。

 

大方、風呂に入ろうと、湯を溜め、服を脱いだところで、何かうかんで、、、今の状況なのだろう。

・・・・・。

 

よし!!

 

脱衣所に向かった。

 

「ハッピー!!丁度いいから、風呂 入っちまおうぜ!!」

「・・・あい!!ルーシィ集中して気付かないから 今が チャンスです!!」

 

1人と1匹は、三日月眼で、クックックックと笑い風呂場へ消えた。

 

 

 

 

 

ルーシィを脅かしたら、頭を打って気を失ってしまった。

どうする事も出来ず、動く事も出来ず、とりあえず、手の届くところにあったボトルの中身を湯の中に入れ泡立てた。

 

 

 

 

ルーシィが意識を取り戻した。

案の定 ひと暴れして 今の状況を飲み込んだ。

 

 

 

急に立ち上がったルーシィが倒れ込んできた。

 

その勢いで、泡が流れ出た。

 

視界には、好きな女の。。。裸体。

 

2人しか居ない風呂場。。。

 

・・・・・・・・・・。

腹のあたりに、弾力のある柔らかいものが。。。。

 

思わず、「るうしぃ」と呟いたら、こちらを見上げる瞳と視線がぶつかった。

 

赤くぷっくりした形のいい唇が、自分の名前を紡ぐ。

 

そこに、吸い込まれるように顔を近づけた。

 

彼女の瞼が下りた。

 

お互いの吐息が唇にかかった。

 

 

 

 

* 

あとがき

 

お粗末様です。。。すみませんm(__)m

全力で謝罪します。

朝、今日ってお風呂の日なんだ!!って思ったら、、、、書いてました。 

bottom of page