2014年1月7日
ウエンディ風邪をひく
あけおめです。看病するルーシィが書きたくって、ウエンディに風邪をひかせてしまいました。。。。m(__)m
しっかり者のルーシィさんです☆
誤字脱字に注意してお進みください。どぞ ^^) _☆~~
ここは商業や魔法に秀でた街マグノリア。
その街のある部屋のベットの上で、少女が朦朧とした意識の中、周りを探っている。
???
何がどうなっているんだろう??
頭がボーっとする。。。
うぅ~??
確か。。気分が悪くってギルドから帰ってこうとして。。。
あれ??
ここ、、、どこ?!
シャルルは??
うまく回らない頭を、何とか動かそうと、とりあえず体を起こそうとする。
『ズキズキズキ!?!?!?』
頭が割れるように痛い!!
それに体が、燃える様にあつい。
「うぅ~。。。。しゃ。る。。る。。?」
喉が痛くて、声が擦れる。
思うように、身体がいうことを聞いてくれない。
近くに人の動く気配がする。
体調のせいでか?鼻が利かないが、よく知っている気配だ。
それが誰だか分かると、自然と身体の力が抜ける。
・・・ここは、安心できる場所だ。
大きな掌が、おでこにあてられる。
「うおっ。まだ結構あちいな!!」
聞きなれた声がする。
「・・なつさん?・・」
何とか重たい瞼を持ち上げると、天井のライトが目に入り眩しい。
ボンヤリと影が視界に映る。
どうやら目が回っている様だ。視点がうまく定まらない。
もう1人、パタパタと動き回る足音。
その気配が、近づいてきたかと思うと、おでこにヒンヤリとしたものがのせられた。
あぁ。。。
傍らに腰を下ろしたその人はそっと、頭を撫でてくれる。
「・・大丈夫よ。シャルルも隣で眠っているわ。」
その労わるような口調に、やさしい声に覚えがある。
「るーしぃさん?」
「うん。大丈夫。。少し寝ようね。」
何度もやさしく、頭を撫でてくれている。
なんだか ルーシィさんに撫でられると、頭の痛みがスーッと引いていく気がする。
「・・・て、きもちい。。。」
ウエンディは、ルーシィよりも少し小さい手を、伸ばしたところにあったルーシィの服をキュッと握った。
ふふっとルーシィの微笑んだ声がする。
ウエンディがキュッと握っている手を、ルーシィはやさしく包み込んだ。
「大丈夫よ。ここにいるから。すぐよくなるわ。少し眠ったら、お薬飲みましょ?」
手を優しく撫でながらルーシィは、呪文の様に大丈夫とウエンディに安らぎをおくる。
「・・・ウエンディ。すぐよくなるわ。ゆっくり休んでね。」
ルーシィの声を子守唄代わりに、ウエンディは意識を深い夢の中に沈めた。
ウエンディが眠りについても、ルーシィはしばらく手を撫でながら、「大丈夫」と繰り返していた。
*
今日ウエンディは、ギルドに来る時かしんどかったようだ。
先日から出かけていた依頼先で、体調を崩したようで仕事の報告を済ませ早々に帰路に着こうとしていた。
ギルドを出て少し行ったところで、限界を迎え意識を手放した。
そこへ丁度ナツが通りかかり、慌ててルーシィの家に運んできたのだ。
「ルーシィ!!!ルーシィ!!!ルーシィ!!!!」
ナツの声がしたと思ったら、ドンドンとうるさくドアがたたかれた。
「?ナツ~??」
不機嫌そうにルーシィが玄関のドアを開けた。
「ちょっと!!うるさいわよ!!って、ナツが玄関からなんて?・・・・!?ウエンディ!?!?シャルル!!どうしたの??」
扉の先には、ナツに抱えられて苦しそうに呼吸する少女と、その少女の腹の上あたりに乗せられている同じように苦しそうな白猫。
ルーシィが慌てた様子でナツを部屋に招き入れ、ベットへと誘導した。
ウエンディの額に手をあてると、ものすごく熱い。
「どうしたの??」
ナツを見上げてルーシィが問うと、
「ウエンディ達が、、、道に落ちてた。」
とナツが答える。
「はぁ??倒れてたってこと?・・・震えているわね。。。ナツ上掛けとってくれる??」
ルーシィの指示に、ナツは黙って従っている。
ナツから上掛けを受け取り、ウエンディにそっとかけてやった。
ふうふうとウエンディの口からもれる苦しそうな息遣いが、少女の熱の高さを物語っている様だ。
ルーシィはキッチンに向かいボウルに氷水を作って、タオルを冷やした。
「いあっ。偶然通りかかって。。。」
ナツはおろおろと、ルーシィの後ろをついて歩く。
「・・・・ナツ。落ち着いて!!」
「うぅ~。。。。しゃ。る。。る。。?」
ウエンディの悲痛なうめき声で、ナツがベットにかけよった。
一度瞼を持ち上げたウエンディは、ルーシィに寝かしつけられ、今度はすーすーと寝息を立てている。
ふと疑問に思って、ナツがルーシィに質問する。
「頭冷やすのに、体は暖めるのか??」
ナツは不思議そうな面持ちだ。
「うん。頭は冷やさないとだけど、寒がっているうちは暖めてあげた方がいいのよ!汗をかき始めたら、すこし涼しくしてあげるの。」
ルーシィがナツに振り返って目を細めてそう言った。
さてどうしようかと、ルーシィが一息つくと、か細い声が聞こえた。
「・・・ルーシィ??」
ルーシィが振り返って見ると、どうやらその声の主はシャルルのようだ。
そっと、ルーシィが近づいて耳を傾ける。
「シャルル!大丈夫??何かあったの??」
「・・・風邪よ・・・多分。依頼先で、寒い中 雨に打たれたからだと思う。」
枯れた消えそうな声で、シャルルが説明する。
(・・・良かった。変な薬とか魔法効果とかじゃないのね!!今は、辛そうだけど、それなら直ぐ良くなるわ!)
「そう。大丈夫?症状は?」
「・・・頭が痛いわ。それにすっごく熱いわ。。。」
顔をゆがませ、シャルルは苦しそうに何とか答える。
だが、ウエンディに比べていく分か、症状は軽いようだ。
汗をかき始めている。
熱のピークは過ぎているようだった。
「うん。・・・何か食べられる?」
やさしく問いかけるルーシィ。
「・・・いまは。。。ムリそう。。。」
シャルルの返事に、眉を下げ申し訳なさそうに、
「ん。わかった。でも、水分は採ろうね?」
そう言ってルーシィはシャルルをナツの腕に預けキッチンに向かった。
「・・・ナツ。ちょっとお願いね!!」
ナツが訪ねてくる前に お茶を入れようと沸かしてあった、やかんの中で少しぬるくなったお湯に何かを溶かして持ってきた。
ナツから、シャルルを受け取りゆっくりとコップを傾ける。
「シャルル。ゆっくりね。」
何とか1口2口飲ますと、ウエンディの隣に寝かせた。
「偉いわね。シャルル。汗かいたらすぐに良くなるわ。」
ルーシィに頭を撫でられ、シャルルは目を細め、そのまま夢の中へと落ちでいった。
テーブルの上には、薄い琥珀色のぬるま湯の入ったコップが置かれている。
「・・・なんかやる事あるか??」
ナツの問いに、ルーシィはう~んと考える。
「ねぇ。ハッピーは??」
「ん?ギルドじゃねぇか??」
「よし!!丁度いいわね。」
ルーシィの微笑みにナツは首をかしげる。
「いい?ナツ。まず初めに、今メモ書くからギルド行って、ハッピーにポーリシュカさんにお薬貰ってきてもらって!!」
「おっおお。」
ナツの肩に力が入る。
「それとその足でナツは、大根と蜂蜜とリンゴ。あと食べやすそうな。。。う~ん。。ヨーグルトとかゼリー買って来てくれる??」
「おう!!」
ルーシィの書いたメモを持って、ナツはギルドへ走った。
メモには、1人と1匹の様子が記してある。
ハッピーは事情を聞くと、メモを受け取り、翼を出してマックススピードで飛び出していった。
ハッピーを見送ると、ハッピーと一緒に事情を聞いていたミラがサンドイッチを持たしてくれた。
オレ達の食事だという。
ナツは頼まれた買い物を済ませ、急いでルーシィの家まで戻る。
部屋の前まで来るとナツは、ウエンディ達が眠っているので、静かに玄関の扉を開き部屋の中を伺う。
ルーシィが、ウエンディとシャルルとの額にのせたタオルを交換していた。
キッチンでコトコトと鍋がおとをたてている。
「ただいま。」
なるべく小さな声でルーシィに声を開けた。。
振り返ったルーシィがにっこりと笑って立ち上がり、ナツの方に寄ってきた。
「おかえり。ナツ。」
小さな声でそう言うと、ナツから荷物を受け取る。
「ミラから、差し入れ!オレ達で食えって。」
「へっ?あぁ。もうすぐお昼だもんね!さすがミラさん。気が利くわね!!」
ルーシィが嬉しそうに笑った。
「ハッピーが来たら食べましょ?今は2人とも眠ってるから、とりあえずお茶入れるね?」
キッチンに向かうルーシィ。
何となく後追おうナツ。
「??どうしたの?ナツ。」
不思議そうにルーシィが振り返った。
「いあ?ルーシィすげぇなって。。。」
正直、びっくりした。
ルーシィがしっかり看病できるってことに。。。
俺なんか何していいか解んねぇもん。
ウエンディとシャルルがあんなに苦しそうなのに、ルーシィに言われなきゃ何もできなかったな。
、、、ルーシィってやっぱり、やさしくって頼りになるよな!!
「ん?すごいって~?」
ルーシィは蜂蜜で何か作っている。
「いあ?なんでもねぇ。何つくってんだ??」
キッチンに甘い匂いが漂っている。
「ふふっ。これはウエンディ達によ?喉に良いの。さっきシャルルにも飲ませたんだけど丁度なくなっちゃったから。」
四角く切った大根を蜂蜜に付け込んでいる。
「大根がか?・・・蜂蜜かぁ??」
「ふふっ。どっちも!!相乗効果っていうのかな?」
ルーシィが目を細めてやさしく笑っている。きっと、ママが教えてくれたんだな。
ふふっ。こんな時になんだけど、なんか可愛いな。ナツ。
オロオロしちゃって、、、よっぽどウエンディとシャルルが心配なんだね。
2人が早く良くなるように、しっかり看病しなきゃな!!
やっぱり滅竜魔導士同士、通ずるものがあるのかな??
騒がしいお兄ちゃんと、可愛い妹みたいよね。ナツとウエンディって!!
そうだ!大根蜂蜜。出来たらナツにも飲ませておかなきゃ!!
風邪予防にもいいって、ママが言ってたし。
ウエンディ達の風邪貰っちゃったら、きっと落ち込んじゃうだろうからな。ウエンディ達。
あたしも、気合入れとかなきゃな!!
お湯が沸き、ナツは紅茶を入れたカップをナツがテーブルに運んだ。
まだキッチンで、何かやっているルーシィを待たずカップに口を付けた。
喚起の為、薄く開けていた窓から、ハッピーが到着した。
「ルーシィ!!シャルルとウエンディは~?はっはぁっ。」
薬の入っている包みをルーシィに渡し、ハッピーは息を切らせたまま部屋を見渡す。
「お疲れさま。ハッピーありがとうね。2人は今は寝てるから・・・ね?」
飛んで、シャルルの元へ行こうとするハッピーの尻尾をルーシィが抑えた。
「おう。今のうちに飯食うぞハッピー。」
ナツに頭を撫でられ、ハッピーは渋々頷く。
「・・・・あい。」
ハッピーはションボリと肩を落としたまま、テーブルに着いた。
「もうすぐ、起きると思うわよ?」
ルーシィもよしよしと、ハッピーの頭を撫でてやる。
手早く食事を終えたルーシィとナツは、ベットの脇に腰を下ろした。
ハッピーはシャルルの近くに座って、彼女の手を握っている。
時折、濡らしたタオルを取り換えたり、ひっくり返したりしてやった。
しばらくすると、ウエンディが、目をさました。
「・・・なつさん?・・・るーしぃさん?」
ウエンディは、2人に目を向けぼーっとしている。
まだ、目が潤んでいてシンドそうだ。
「・・・気分はど?ウエンディ。」
ルーシィが、ベットに腕をつきウエンディの顔を覗きこんだ。
「かっ体が熱いですぅ。。」
枯れた声で、ウエンディが答えた。
どうやら、悪寒は治まったようだ。
「お薬あるんだけど、食べれるかな??少しでもいいんだけど。。。」
ルーシィが労わるように話しかけると、ウエンディは、コクンと頷いた。
それを確認すると、ルーシィはウエンディの体を支えてやるようにナツに言いつけ、用意してあった飲み物をとった。
力の入らない体を支える様に、ナツはウエンディの後ろに回って その小さい背を抱えて座った。
「寄っ掛かってていいからな!!薬飲んだら すぐ楽になるからな!!」
ナツは、ルーシィから飲み物を受け取ると、さっきルーシィがシャルルにやっていたように、ウエンディの喉にゆっくり流し込んでやった。
その間に、ルーシィはキッチンで、リンゴをすりおろして持ってきた。
「う~ん。ハッピー??」
動く人の気配に、シャルルも目を覚ました。
「シャルル!!気が付いた??大丈夫??」
ハッピーが、シャルルのおでこに手をあてている。
「シャルルも何か飲んだ方がいいよね。オイラ貰ってくる!!」
ハッピーがルーシィの元へ飛び立とうとすると、すでに用意された飲み物を持ったルーシィが目の前まで来ていた。
「ふふっ。はいハッピー。」
飲み物をハッピーに渡しルーシィは、手を伸ばしシャルルの額にあて笑顔を見せた。
「うん。さっきよりは大分いいわね。」
「ええ。幾分マシになったわ。」
そう言って体を起こそうとするシャルルに、ハッピーがそっと肩を貸す。
「ムリしないで!シャルル!!」
「ありがと///」
「シャルルも、水分とって、少し食べよう。ハッピーが貰って来てくれたお薬もあるからね!」
ルーシィは枕で背凭れを作ってやって、シャルルをそこに寄りかからせてやると、
「ハッピーお願いね!」
とウインクして、ハッピーの脇にお盆に載せたリンゴのすりおろしたものとゼリー、お薬を置いた。
「あい!」
「ちょっ!自分でできるわよ~!!」
シャルルの少し力の入った声が聞こえて、少しホッとする。
「シャルル。ムリはしないで、食べられそうなものだけ食べればいいからね!」
「さっ。ウエンディ?少し飲めた?」
ナツに支えられる様にナツの足の間に座らされた少女の前に、ルーシィがペタンと座った。
白い手で、おでこに張り付いた髪を梳いてやる。
「・・・はい。」
ウエンディは、まだかなり辛そうだ。
「ムリしないでいいからね。気持ち悪くない?食べれるかな?」
ルーシィが摩り下ろしたリンゴを、スプーンに少しのせ、ウエンディの口元に持っていく。
ウエンディが小さく口を開けたので、そっとスプーンを運ぶ。
飲み込むのを見止めると、
「んっ。偉いね!」
ルーシィが、次の一口を運びながらにっこり笑い、ナツが後ろから頭を撫でた。
沢山とは言えないが、何とか食べ物を口にできたので、薬を取り出す。
「お薬飲もうね!!」
水を取りに、ルーシィが立ち上がると、
「・・・・・苦いのは。。ヤです。。。」
消え入りそうな小さな声が聞こえた。
ナツに背を預けている少女が、眉毛を下げて毛布を握りしめている。
「・・・匂いだけでも、苦いもんな!」
一緒になって、ナツまで苦そうな顔をしている。
「滅竜魔導士って、匂いとか敏感だものね。。。困ったわね。。。体調悪い上に、無理させれないし。。。」
ルーシィは少し考えて、ガサガサと冷蔵庫を漁った。
皿に何かを盛りつけ、ウエンディの前までやってきた。
「う~ん。。少しだけ我慢して?はい。あ~ん。」
ウエンディは、ギュッと目をつぶって口を開けた。
冷たいくて甘いものが、口の中に広がった。
「アイスか!」
ナツが感心したように言う。
「少しは、ましかと思って。ウエンディ!頑張ってゴックンしちゃって!!」
ルーシィが心配そうに見守る中、ウエンディの喉が動いた。
「大丈夫??」
ルーシィがウエンディの顔を覗きこんだ。
コクンと頷くウエンディ。
何とか薬を飲ませ終わると、ウエンディはすぐに微睡み始めた。
ナツは、ウエンディをそっとベットに降ろした。
枕もとには、折れ重なるように2匹の猫ちゃんが眠りについていた。
「ふふっ。ナツ、お兄ちゃんみたいだったね!」
ソファに座ったナツに、飲み物の入ったコップを手渡す。
「んー??そうかぁ~??」
受け取ったコップから、ウエンディ達が飲んでいたものと同じ匂いがする。
「そうよ~。うんとやさしいお兄ちゃんね! 風邪予防よ。ナツも飲んで!!」
甘いけど、ちょっと渋い匂いに眉をしかめながら、ナツはコップに口をつける。
「あんめぇっ!?・・・ルーシィは、お母さんみたいだったぞ??」
ナツにそう言われ、ルーシィは少し微妙な顔をむける。
「えぇ~。ウエンディのお母さんかぁ~。じゃぁ、ナツのお母さんにもなるのね??」
くすくす笑いながら、ルーシィも同じ飲み物に口を付けた。
「!?オレの・・・母ちゃんじゃ・・ねぇだろ?」
「お母さんみたいって言ったの、ナツよ??・・・お母さん、息子にお手伝い頼んじゃおっかな~?」
目を細めて、小さな声で笑うルーシィに、ちょっとぶすくれるナツ。
「違った!!母ちゃんみたいじゃねぇ!!・・・いいお母さんになりそうだなっだ!!ん?その前に奥さんか?!」
ナツが胸を張って、どうだとばかりに言い切った。
「・・・あぁ。。ありがとう??」
(そんなに、アタシがお母さんじゃやなのかな?ナツは。。。散々甘えてくるくせに。。。。)
視線をベットに移すと、規則正しく波打つ毛布と 1人と2匹のスースーという寝息が聞こえる。
静かにナツがベットに近づき、ウエンディの額に手をあてた。
「薬効いたみたい??」
ルーシィの問いかけに、ナツが笑顔で返す。
「みたいだな!!」
窓の外はすっかり暗くなっていた。
しばらくウエンディとシャルルを看ていたルーシィは、2人がだいぶ落ち着いてきたのを確認して、
その後ろから見守るようにくっ付いているナツに向かって言った。
「・・・・ナツ帰りなよ。」
「・・・何でだよ!!」
「・・・・泊まる気?2人とももう大丈夫そうだし、、、寝るとこないわよ??」
ルーシィが、溜め息交じりにそう言うとナツの目を見た。
「ここでいいじゃねねぇか!」
少し苛立ったような目で、ナツがルーシィを見返す。
「ここって!?アタシがソファで寝るのよ!!」
「・・・一緒に寝ればいいじゃねぇか。」
「はぁ??2人じゃ、落ちちゃうわよ!!」
「・・・大丈夫!!抱えててやるよ!!」
「バカ言ってないで!!ねっ?お家帰て寝て!!」
「ハッピーは泊まるんだろ?オレも泊まりたい!!」
「だから~、寝るところないわよ!!」
「ん~。どうにかなるだろ!!オレがいた方があったかいぞ!!」
ナツがソファに深く寄りかかり、隣に座るルーシィの肩を引き寄せた。
「!?ちょっ!!」
「大きい声出すなよ!!せっかく寝てんのに、起きちまうだろ!!」
首の後ろから廻された手で口を塞がれた。
ルーシィが静かになると、口は解放されたが、ナツはまだ居座る気だ。
ため息をつき、ルーシィは諦めたようにソファーに背を沈めた。
「・・・・もう。しょうがないわね!」
ナツはルーシィに見えない様に口の端を持ち上げ、しっかりルーシィの肩を抱いて二人は眠りについた。
朝
ハッピーの元気な声で起こされる。
「ルーシィ!起きて~!!ナツとイチャイチャしてる場合じゃないでしょ~!!」
ルーシィの朦朧としていた意識が、一気に覚醒した。
「!?!?ハッピー!?・・・おはよー。って!?ナツ離してよ!!」
いつの間にかソファーに横になり、腰をナツにガッチリ抱えられている。
「んんぅ。。。」
ナツは、ピクリとも動かない。
「何二人でいちゃついてんのさっ!?『でぇきてるぅぅ』だよ~!!!」
「!?!?いちゃついてないし!?できてないし!?」
「プフフッ。そんな恰好で言われてもぉ~。説得力無いよ?ルーシィ。」
「あたしのせいじゃないし!ナツ!!起きてよ~!!は~な~せ~!!!」
* * *
おまけ
「ってそんなことがあったんだよ」
ここはマグノリアにある魔導士ギルド『フェアリーテイル』の酒場。
看板娘のミラジェーンと青猫のハッピーが今日も、ナツとルーシィの話で盛り上がっている。
「へぇ~。さすがルーシィね!!ナツも頑張ったじゃない!!」
カウンターに頬杖をついたミラが、目を細めてハッピーの話を聞いている。
「はい。おかげさまで、すっかり回復しました!!」
「そうね。正直ルーシィには感謝しているわ。」
青色の髪のまだ少し幼さを残した少女ウエンディと、白猫のシャルルが、話に加わる。
「ルーシィさんとナツさんって、なんか暖かいですよね!安心します。」
「あい。本当ルーシィがいてよかったよね!!これが ナツだけだったら・・・・・。」
「ちょっと!!そんな怖い事、想像させないでくれる!?」
シャルルに軽く睨まれ、ハッピーはショボンと耳を下げた。
「あっ!もうシャルルッたら!!」
ウエンディが慌てて、2匹の間に入る。
「わたし、ナツさんと、ルーシィさんに憧れちゃいます。ほんとのお兄さんとお姉さんだったらよかったのにな。」
ウエンディの発言に、ミラが悪戯っぽい笑顔をむける。
「あらウエンディ?私たちみんな家族よ?それとも、私がお姉さんじゃ不満かしら?」
「まぁったく、ウエンディには、お兄さんもお姉さんもたくさんいるじゃない!」
シャルルが、カウンターの上に立ち肘を組んで、ウエンディをにニッと笑いかけた。
ミラは、フフフッと笑いながら腕を伸ばし、ウエンディの頭を撫でる。
「それにしても、ナツもルーシィも抱き合って寝ていても、何にも進展しないのね?」
ミラが、爽やかな笑顔でサラッと言った。
「あい。無自覚天然ナツと、無自覚鈍感ルーシィなんで。」
「ふふっ。相変わらずね?」
ミラが、楽しそうな笑みを浮かべている。
「しかしホント、あの二人の無自覚イチャイチャぶりったら。。。。」
「はははっそんなこと言っちゃダメだよ!シャルル!!私たちの為に看病してくれたのに!!」
「まぁ。確かに感謝はしているわよ。ルーシィのお蔭で、早く回復できたんだから!」
「うん。ルーシィさんに感謝だよね!ナツさんとハッピーにも。ね!」
「・・・何がいいたいのよ?」
「シャルル~。オイラ頑張ったんだよぉ~??」
もじもじと、腰をくねらせながら、ハッピーがシャルルに熱い視線を送る。
「フフフッ。2人もお似合いよ!」
ミラの発言に、2匹は顔を赤らめている。
「お似合い。。。ナツさんとルーシィさんお似合いだし、お互い信頼し合っているし。いいなぁ///」
明後日の方向を見て、うっとりとするウエンディにミラが笑いながら会話を続ける。
「・・・いまだ付き合っていないのが、信じられないわね。」
「そうですね!!でもなんかそれが、お二人っぽいのかな??」
「あい!!・・・でも、こんな調子じゃ。。。。いつくっつくのやら。。。はぁ。」
「あら?そう言えば、ナツとルーシィは??」
「あい。ナツがルーシィに看病してほしくって、風邪ひいた振りしてルーシィのとこに行きました!!」
「「「・・・・・・ルーシィ(さん)。。。ファイト!!。。。。」」」
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
あとがき
はい。お粗末様ですm(__)m最後何だか変になっちゃいましたね。。。((+_+))ごめんなさい(/_;)
大根蜂蜜。知ってます??
うちでは、このシーズンの定番で、冷蔵庫に常備しています。
蜂蜜に切った大根を漬けておくと、大根のいい成分が溶け出してくるので、それを掬って舐めるというのが本当だと思います。
ニガ甘くて変な感じですが、喉を通りやすく飲み込みやすいので、喉の弱いmoの家族には好評です。
喉が痛くて何にも食べれない時は、大根は切らないで摩り下ろして、蜂蜜をかけておきます。
しばらく置いてそのままスプーンで食べる。
枯れた声と痛い喉が、一発でよくなりますよ(´艸`*)ヘヘッ。
看病するルーシィが書きたかったんです(*ノωノ)ナツが仮病で、ルーシィの気を引くとか、、、末期ですね。。。Σ(゚Д゚)グハッ
お目汚し失礼しましたm(__)m 皆さま、本年もよろしくお願いいたします(*´▽`*)ノ、