2014年7月11日
“初めてのともだち”
本誌ネタバレなうえに、しんみりしちゃうと思います。
moの勝手な想像です。本誌では違う展開になると思います。
それは、星霊の王が古き友に見せた・・・・・温かくも・・・悲しい夢。
ルーシィは目を覚ました。
自室のベッドの上。まだ試行を始めない頭をふりながら、ベッドの上に体を起こした。
そしてすぐに違和感を感じた。
自分の頬が・・・・涙に濡れているのだ。
そして、大切な友を失いぽっかりと空いてしまった胸の奥が、何かで埋まっていくような。。。
「・・・・アクエリアス。」
そうポツリとルーシィの口から消えそうな声が漏れ出ると、隣に寝ていた桜頭がピクンと揺れた。
あれから何日たったのだろう。マグノリアの町はひどい有様ではあったが、みな協力し合い復興を手伝っている。壊れてしまった大聖堂も、他の街からの協力を得て作り直されることとなった。
「・・・ルーシィ?」
ギルドは吹き飛び、住む家を失ったものも多い。ナツとハッピーの家は住めないことはなさそうだが、少し修繕が必要であったのだ。その修繕が済むまでと言って、ナツたちはルーシィの部屋に転がり込んでいた。
泣き顔を見られたくない。ナツに背を向けたままでいると、ギシッとスプリングが揺れ背後から、抱きしめられた。
「大丈夫だ。」
それだけ囁いて、あとはただルーシィを自身の体温で温めるように抱いている。
ナツがいてくれてよかった。ナツがいなければ、心が凍ってしまいそうだったから。
その心地よい暖かさに、ルーシィはそのまま背を完全に預けポツリポツリと震える声で言葉を紡いだ。
「・・・ナツ。あのね?」
「ん。」
「・・・夢を見たの。」
「・・・夢?」
「うん。悲しいけど、うれしい夢。・・・・きっと、彼女に会えるわ。」
ルーシィは握っていた手のひらを開いて、それをナツに見せた。
*
*
*
夢の中で、ルーシィは光る星の中を歩いていた。
その先に見えるより光る場所を目指して。
「きっとあそこね!!」
なぜか確信があった。
一歩一歩。歩みを進めていく。
星で出来た土。
そこに生える星を生む木々。
その先に、目的の泉があった。
細かい星で出来た水が揺らめいている。
その泉の中心に、星で出来た小さな島。
光り輝くその島に、うずくまる青い影。
「・・・・・!!!」
叫ぼうとしても、声が出ない。
でない声で叫びながら、星の水をかき分け全力で走った。
彼女の傍らに駆け寄ると、思いのほか小さい彼女がいた。
『死ぬ訳じゃない。』
彼女が言った声が頭の中に響く。
『もう会えなくなるだけだ。』
その意味は、目の前にいる彼女の目が語っていた。
「・・・あんた誰?」
ルーシィの目から流れ出る雫。
唐突に理解した。
そうか、そういう事だったのか。。。
確かに、もう会えない。
あの彼女には。
でも、、、、ここに彼女は確かにいるんだ。
目の前の小さな人魚が、眉間にしわを寄せルーシィを見つめている。
まっすぐ見つめてくるブルーの瞳に、ルーシィは微笑みかけた。
「あたしは、ルーシィ。」
「ルーシィ?」
「そう。」
「あたしは、アクエリアス。」
「うん。知ってるわ。」
「しってるの??」
「そうよ。だってあんたは。。。」
ルーシィは言おうとしていた言葉を途中で飲み込み、新たに言葉を紡いだ。
「あたしは、あんたの初めての友達だもの!!」
そう言って、ルーシィは小さく何も知らないアクエリアスを抱きしめた。
腕の中で、小さな人魚の目から透明な雫が流れ落ちた。
「ともだち?」
「そうよ。友達。」
ルーシィのほほを温かい雫が滑り落ちていく。
『バカ野郎が。』
心の中に、響いてきた声。
彼女の魔力がわずかに残っていたのかもしれない。
優しい古き友の為に、優しい精霊の王が見せた夢なのかもしれない。
目覚めたルーシィの手の内には、砕け散ったはずの宝瓶宮の鍵が握られていた。
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ただ、唐突に頭に振ってきたものです。
本誌がどう動くのかもわかりませんが、moの中で何とかアクエリアスのことを消化しようとモヤモヤしまして。。。
彼女にはもう会えないけど、確かにそこに彼女が存在する。
何か煮え切らない感じですが、宝瓶宮が空席になることはないんじゃないかな?って思います。
なったとしても1時的であるはず。そうでなければ、どんどん黄道12門が減っていってしまいますものね。。。
そして、希望としては、宝瓶宮にはやはりアクエリアスがいてほしい。
鍵が砕けたことで、その分だけ、星霊が小さくなりその分の魔力も記憶もなくなる。
死ぬ訳ではないけれど、ルーシィの初めてのともだちである彼女にはもう会うことが叶わない。
すなわち、それまでのアクエリアスは、過ごしてきただけの記憶があっての彼女の性格があったのだから、これから新たな経験を積んでいくであろう小さいアクエリアスは、同じだけど同じじゃない。経験によって違う性格になるから。
そうつじつま合わせをした結果です。
しんみりと暗い話になってしまったかもですが、moの中では明るい方向に向かっているお話です。
すみません(*ノωノ)