20150520 Twitterタグ企画 『#フォロワーサンの絵から小説を書かせていただく 』で、
酸桃ちゃんからいただいたイラストを元に作文しましたぁ~!!
あの日焦がれた夢
↓そして酸桃ちゃんから、イラスト強奪させていただきました!!↓
あの日、
小さい頃、見た夢。
あぁ。
そっか、
そうなんだ……
*
*
*
「… … ……ッ ! 」
――あ?
「… …!! ツ… ナツッ!!」
――この声……ルーシィか?
――ルーシィが、呼んでる?
「ナツ!……ナツっ……ナツってばっ!!」
「……んぁあ?」
数度名を呼ばれていた桜頭の青年ナツが重たい瞼を持ち上げれば、目の前にはキラキラと輝く金髪をもつルーシィ。――顔を覗き込んでくるルーシィとの距離は、ほんの数センチ。
――ちけぇな…
「あっ起きたっ」
琥珀色の瞳が見開かれ、近距離にあるルーシィの顔が笑顔になった。まるでそこに一輪の花が咲いた様に。
――こっちから近づくと、逃げるくせに……
「…んあぁ…起きたぞ? んな顔近づけて、チューでもしてくれんのか?」
その言葉にルーシィは弾かれた様に体ごとナツから離れ、慌ててその場に立ち上がった。ナツに背を向け何やらブツブツつぶやいている。
――ちぇっ
――逃げやがったか……
「ごっごはんっ!! もうすぐできるからっ///」
小刻みに震える華奢な背中。その背中を見ただけでも、はっきりと彼女の表情がナツには思い浮かぶ。
――自分からしといて、照れてやがる
ナツはのっそりと体を起こした。ベッドに腰を掛け、コキコキと首を鳴らした。
――何か……足んねぇ?
首を傾げながら、足りないものを部屋の中を見渡して探したが、その姿は見つけられたなかった。
「なぁ、ハッピーは?」
「シャルルのとこ行くって~。あんた相棒なのに、聞いてなかったの?」
「ん~。最近はルーシィのが仲良いだろっ……そっかっ……いねぇのか…」
口元を押さえてニヤリと笑う相棒の姿が、ナツの脳裏をかすめた。
――ハッピーのヤツ…
――気ぃ使いやがったな…
ナツの普段は空気の読めない小さな相棒は、今日はとっても気が利いたらしい。まぁ、当然と言えば当然かもしれない。
「なぁ、今日何かすんのか?」
「え~?」
キッチンから聞こえてくるルーシィの声に釣られる様に、ナツはそこへ足をむけた。長い金髪を、結わきもせずそのまま垂らしているルーシィの後ろ姿がある。
――今日は、そのまんまか
――まぁ、しばってても しばってなくてもどっちでも……
――ルーシィの匂いがすればいんだけどな
「なんもねぇなら、オレと遊ぼうぜっ」
「…何よ、改まってぇ。……もともと、ナツと過ごすつもりだよっ」
金髪から覗く、形のいい耳が赤く染まっている。
――おっ
――なんか……うまそう
赤く染まった肌色に、吸い寄せられるままナツは顔を寄せた。
“カプッ”
――あっ……やっちまった…
――ルーシィは、何処も彼処もうまそうなんだよな……
「っ//// なっなっなっなにすんのよぉぉぉぉぉおお!!!!」
瞬時に全身を真っ赤に染め上げ、食まれた耳を庇いながら抗議をしてくる愛しい少女に、その反応の良さに、ナツは顔を綻ばせて抱き着いた。ルーシィがまだ何か、ギャーギャーと文句を言っているようだが、もう何でもいい。
――場所とか……雰囲気とか? 何でもいい……
――早く……
――コイツを捕まえる……逃すもんかっ
終わることなく抗議してくる少女を抱きしめたままナツは、赤く染まったルーシィの耳にまたも唇を寄せた。
――ルーシィと想いを通わせて、もうどれくらい経ったんだっけ?
―― 一緒に暮らすようになって、どれくらい経ったんだ?
――少し大人っぽくなったって、こういうとこは変わんねぇよなっ
カッカッカッカと、ナツも昔と変わらず笑う。
「……顔、真っ赤っ」
「//////もうっ」
ナツの言葉に、プクッと頬を膨らませて金魚のように赤くなっているルーシィ。そんな彼女が、愛しくてしょうがないのだ。
「なぁ、ルーシィ」
「なっなによっ///」
「…好きだぞっ」
「あっあたしもっ///」
「ずっと、一緒にいようなっ」
「……え? きゅっ急にどうしたのよ///」
「ルーシィ。俺とずっと一緒にいてくれよなっ」
「っ!! そっそんな言い方……プロポーズみたいじゃない///」
大人しくなって、頭を下に向けるルーシィの耳にナツは再び囁きかけた。
「まぁ ……そういうこったっ」
「……へ?」
「あ?……だから結婚しようぜ」
ナツは何かを握った拳をつきだし、ルーシィの目の前でひろげた。そこには、飾り気のない大小のリングが一つずつ。ルーシィは言葉を失っている。
「オレの火にも負けねぇ位の……耐火性の作ってもらったんだ」
「……ホントに?」
「嘘なんかつかねぇだろっ! こんな大事な事。まぁ…返事は聞かなくてもわかってっけどなっ」
「……うん。……うん。結婚するっ!!」
何の飾りもない、スッピンの笑顔でルーシィはナツに抱き着いた。
ルーシィを抱き留めて、ナツはその金髪に頬擦りする。
*
*
――夢を見た
――幸せな、幸せな、夢
――草原に、ハッピーと遊ぶ金髪の少年と、桜頭の少女
――顔は見えなかったけれど、あれは……
――そこに寄り添って笑い合う者は、遠くない未来の自分たちのはずだ
かけがえのない幸せを、腕に包み込んでナツはらしくもなく眉を下げて、情けなく幸せそうに笑った。
――遠い昔に、焦がれた夢
――大人になった俺と、寄り添う家族たち……
――あの日焦がれた夢は、もうすぐ現実に――
fin
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お粗末さまでした!!
酸桃ちゃんすてきなイラストありがとうございます!!!もう絶対ハッピーエンドしかないなってw
moには珍しく、付き合ってるナツルちゃんでした♡
楽しく描かせていただきました(*'ω'*)♪
ありがと~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!