2014.12.03 1000hit記念 モールド様よりリク『いつも通りラブラブなナツルーのお話』
揺れるマフラー
モールド様リクありがとうございます!!そろそろお名前教えてくださいw←なんてw
いつも通りのリクエストでしたが、せっかくリクをいただいたので、ラブラブを目指して書いてみました!!
気に入ってもらえるといいんだけど……(*'ω'*)
進行方向の先の方で、揺れる白いマフラー。
それは、夏でも冬でも変わることはなかった。いつだって、あの単細胞バカはそのマフラーを大事にみにつけていたんだ。
――子供のころから見慣れた光景。
”ふーふー”
少女は、冷たくなってしまった自分の手に息を吹きかけ、何とか暖めようと努力していた。
「あ~もう。寒くなってきたわね~」
「あい。オイラも寒いです」
少女の腕に抱きかかえられた青い猫は、その豊満な胸にスリスリと愛らしい顔を擦り付けた。すり寄られた少女も、互いの熱を移し合う様に、ギュっとその愛らしい猫を抱きかかえた。
「お~い。ルーシィ!! ハッピー!! 早く来いよっ」
少女と、青猫の向かう先には、真冬だというのに片袖だけむきだしの腕を、力いっぱい大きく振る桜頭の少年がいる。少女の腕の中で、青猫ことハッピーはプフフと、いたずらに笑った。その様子に少女ルーシィは、頭を傾けて自分の腕の中にいるハッピーの顔を覗き込んだ。
「オイラ。いーいこと、思いついちゃったっ」
ルーシィはハッピーの愛らしい笑みにつられ、その口に耳を近づけた。さすがに距離もあるし、耳打ちの内緒話は、先行く聴覚のするどいマフラーをした桜頭の少年、ナツには届かないだろう。
――何やろうってんだ?
耳打ちされた内容にルーシィは、にやりと笑ってコクリと頷いた。楽しそうにいたずらに輝る琥珀色の瞳。ルーシィは物音をたてない様に、ターゲットに悟られない様に、近づいていく。
――ありゃ、バレバレだろう……
呆れた視線を投げると、ルーシィが振り向き口の前に人差し指を立てた。吐き出しそうになった溜め息を、音を出さない様に息を飲み込んだ。
――どうせ、どんなに足を忍ばせたって……ばれちゃうのは解ってるのよっ
――あい。それも作戦のうちです。
ルーシィとハッピーはアイコンタクトをして、ターゲットのナツの背後へと回った。途中ルーシィの腕の中から、ハッピーは抜けだした。ふよふよと宙を漂い、空の上から事のてん末を見守るようだ。
「えいっ」
ルーシィは計画通り、ナツの後ろから風に漂うドラゴンの鱗のマフラーを掴んだ。マフラーはルーシィに引っ張られ、ナツの首に食い込んだ。「グエッ」と、ワザとらしい声を上げながらナツは、体を後ろに傾けた。
――グフフフッ。計画通りです
空中では、ハッピーが羽を広げその様子を目にとめ、口に手を当て見守っている。
案の定。始めっから気が付いていたらしいナツは、ルーシィに見えない様に口角を持ち上げている。瞬間身を翻し、自分の首からマフラーを引き抜き、ルーシィの肩を囲み込む様にマフラーをまわし、両端をもってルーシィを引き寄せた。
「うりゃっ」
「わっ。きゃっ!!」
勢いよくルーシィは、ナツの胸に顔を埋めることになる。
――プフフッ。これも計画通りです。あいっ。
空から見守るハッピーはニヤニヤとした目を、片目だけ可愛らしい手でかくして旋回している。
――まぁ。これも最近じゃぁ、見慣れた光景だな。
――これで付き合ってねぇとか……ったく、このバカはなに考えていやがるんだか。
ルーシィを抱き込んだナツは、嬉しそうに歯を見せて、空を旋回する相棒に笑いかけている。ナツの腕の中で、真っ赤なゆでだこ状態のルーシィには、気付かれてはいないようだ――。
――ったく、詰めがあめえんじゃねえか? ナツさんよぉ……
ルーシィは、ナツに抱き込まれながらも期を狙っている。そしてナツの隙を見て、その手からマフラーを奪い、自分の首にしっかりと巻き付けた。ニコニコと、楽しそうにルーシィは、目を細めた。
「わ~。あったか~いっ」
してやったり。嬉しそうにほほ笑むルーシィを、ちらっと目に止めちょっとスースーする首を擦りながら、ナツは熱が集まってきたであろう顔を隠そうと、当初の進行方向に向き直した。
――可愛いことしてんじゃねぇよ。
その後姿へ、間髪入れずルーシィが手を伸ばした。
白く細く柔らかいそしてキメの細かいさわり心地のいい――しかし、とっても冷たい何かが、ナツの首に触れた。
「うっひィィっ」
ナツの口から、聞いたこともない音が漏れ出た。自分の声に驚き、咄嗟に口を押え、顔に熱が集まった状態でナツが首を庇いながら振り向いた。その暖かい手は冷たい正体を握った。
ナツの手に捕まえられた、冷たくなっている――ルーシィの手。
ルーシィとハッピーは顔を見合わせた。ナツから、少し熱を分けてもらった手を引き抜いて、空中から降りてきたハッピーと、パチンと手を合わせるルーシィ。
「やったねっ。ルーシィ!!」
「やったわねっ。ハッピー!!」
「ナツってば……うっひィっだって!! プフフフフフッ」
「だねっ。アハハハハハハハハッ」
――クックックックック。お~お~。可愛いこって。
「てめえらっ……笑ってんじゃねぇ」
ナツが宙に火を噴いた。顔に集まった熱を早々にひかせて、ナツはハッピーと共に逃げるルーシィを追いかけていく。捕まるまいと逃げるルーシィを、ハッピーはあっけなく見捨てて空へと逃げていく。ハッピーに何か文句を言いながら、ナツに捕まるルーシィ。
――ったく元気な奴らだなっ
ナツは先程の仕返しにと、ルーシィの首元に自分の手を差し込んだ。ビクッと体をこわばらせたルーシィだが、すぐにキョトンとした表情に変わる。
――あん? 姫さんどうしたんだ?
「あったか~い!!!!」
ルーシィはにっこりとほほ笑みながら、首の後ろに挿しこまれたナツの手を取り、両手で包み込んだ。そのまま、何やら言い合いを続けている。ナツとルーシィの手は、繋がれたまま。
「オイラいい加減付き合っちゃえばいいと思うんだ。」
ハッピーが宙を旋回しこちらにやってきた。ポスンと頭の上に舞い降りると、ため息交じりに、でも嬉しそうな口調で「いちいち間を取り持つ身にもなってほしいんだ」そうぼやいた。
「ははっ。ご苦労さんだな。でもよう……完全に俺の存在を忘れきってるだろう。アンニャロ達」
「さすが氷の造型魔導士。どんなに寒い扱いされても……平気なんだねっ」
「……いや。俺は氷の造型魔導士だが、心に風が吹くのはいいだけないぜ」
「心の、寒さは感じるって言いたいの?」
「みなまで………」
「……言ってることが、さむすぎだよ。」
「ぐぬっ」
Fin
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えっとねぇ、エルザの出る余地がなかった。珍しく短い←すっきりすっきりだわ(*'ω'*)♡
最強チームの依頼帰り予定でしたが、きっとエルザは緊急呼び出しがかかって、帰り道は別になったんだよ←
……そういう事でお願いしますw