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2014年3月8日 

涙ヲナガスバショ ㊤

ナツ出番少なめ。。後半活躍予定です。
『ヤキモチ』では、スティング完全当て馬いいとこ無しだったので、、、
今回は、ちょっとかっこよいポジションで。。。とか思ってたら、、、ルーちゃんが!!!。。。。。(/_;)
 ※注 ルーシィが痛い思いをするのは、、、無理!!!と言う方は、こちらでお帰りくださいm(__)m
何でもこいの方は、誤字脱字に注意して、自己責任でお進みくださいm(__)mどぞ ^^) _☆~~

 

 

ギルド『剣咬の虎』若きリーダーと、その片翼はそれぞれの相棒を連れ 依頼から帰る途中に、ある街に立ち寄った。

既に、太陽も沈みかけている。

 

双竜と呼ばれるこの2人のは、滅竜魔法を使う魔導士だ。

そして、、、、なぜか滅竜魔導士というのは乗り物にもっぱら弱い。

この2人も例外ではなく、移動の際は ほかの魔導士よりも時間を食う。。。そう。。。歩くからだ。。。

そして、今は野宿を避けるため、街に足を踏み入れた処だった。

 

『イヤーーー!!!』

 

つんざく様な女の悲鳴が耳に届いた。

スティングとローグと顔は見合わせる。

 

声のする方へ行ってみると、見知った匂いがしてくる。

背筋に冷や汗がつたった。

路地を進み、角を曲がった先で その光景が目に飛び込んできた。

 

金髪の少女と青い髪の少女が後ろ手に拘束されている。

双竜は辺りの気配を探った。

あの少女たちは魔導士だ。

簡単に捕まるわけがないのだ。

これは、、、何かの作戦かもしれない。。。

そうなれば、下手に手を出すわけにはいかないからだ。。。

 

「・・・・・ナツドラグニル達はいないみたいだな。」

「あぁ。他の人の匂いがしないな。」

 

金髪の方は、地面にうつぶせに倒れ込んでいる。

そこに青い髪の少女が駆け寄っている。

 

「ルーシィさん!!!」

「うぅ。。ウ。。エン。。。ディ。。に。。。にげ。。て。。。」

 

フラフラと なんとか立ち上がり、背にウエンディを庇うルーシィ。

それをあざ笑うかのように、囲んでいた男の一人が金髪に手を伸ばす。

強い力で髪を引っ張られ、よろけた処を蹴り上げられた。

 

「くぅっ!!」

 

「おいおい。あんま体に傷つけんなよ~。」

「速いとこ縛り上げて、運んじまおうぜ!!」

「そうだな、アジトに行ったらお楽しみタイムだな。」

 

男達から、下卑た笑いが上がっている。

地面に倒れ込んでいるルーシィの腹を執拗に大男が蹴り上げる。

駆け寄ろうとしているウエンディも、他の男に捕まってしまったようだ。

 

「・・・可笑しいな。なんで反撃しないんだ?」

 

スティングとローグは顔を見合わせた。

双方頷くと、スティングは大きく息を吸い込み、ローグは自身の陰に身を沈める。

 

「おい!!何やってんだ!!」

 

路地から飛び出たスティングが、なるべく大きな声を出して男達の注意を引く。

ルーシィがいたぶられるのを薄ら笑いを浮かべ見ていた男達が、スティングに向かってくる。

むかって来た男達を光を放ちながら薙ぎ払っていくスティング。

仲間達が次々やられていく様子に、ルーシィを蹴り上げていた大男がスティングに向き直った。

 

大男がルーシィから離れた隙にローグが、ウエンディを拘束していた男を音もなく地面に沈めた。

 

「スティングさん!!ローグさん!!」

 

ウエンディが、声をあげる。地面に倒れ込んでいる金髪の少女は、ピクリとも動かない。

よく見ると、服は破かれ下着が露わになっている。

 

ローグは着ていたマントをルーシィにかけると、他に人がいないか辺りを探る。

 

「気を付けてください。壁から現れます。」

 

ウエンディが、スティングとローグに声をかける。

 

「ローグさん!私の手錠外せませんか?ルーシィさんが!!」

 

ローグは手錠に手を伸ばした。

それに触れると、魔力を吸い取られてしまい魔法を発動できない。

とりあえずローグは、この場から距離をとる事にした。

少女2人を担ぎ上げると影をつたって、建物の屋上に避難した。

 

上からスティングの様子を見たウエンディが叫んだ。

 

「スティングさん後ろの壁です!!」

 

その時、スティングの背にある壁から男のものと思われる武骨な手が現れていた。

その手には、手錠が握られている。

素早く反応したスティングは、壁から覗く腕を掴み壁から男を 引っ張り出した。

 

「その人捕まえてください!!」

 

戦闘は、スティングだけで片付いていた。

避難していた、レクターとフロッシュが、倒れている男達をつついている。

ふぅっと小さく息を吐いたスティングが、建物の上に向かって声をかける。

 

「ルーシィさん、ウエンディ。大丈夫か??」

「はい、私は。。。ルーシィさんを早く治療しなきゃ!!」

 

ルーシィとウエンディを拘束している手錠は、魔力を封じているようだった。

ルーシィは意識がなく、眉間にしわを寄せたまま荒い呼吸を繰り返している。

その場から身を乗り出しウエンディが下にいるスティングに問いかける。

 

「スティングさん!さっきの壁の中から出てきた人、手錠の鍵持っていませんか??」

「おお。」

 

スティングが、そいつを目の前まで引きずってきて身体を探るが、、、、カギが見当たらない。

上にいる人物に向かって、スティングが頭の上でバツ印を作った。。

 

建物の屋上では、ぐったりと動かないルーシィの口から、鮮血がつたい落ちている。

 

「うぅぅ。。。ルーシィさん!!。。。私のせいだぁ。。。。」

 

 

 

 

ルーシィは、後ろ手に手錠をかけられたまま、ピクリとも動かない。

 

そこにすり寄る様にルーシィと同じように 後ろ手に手錠をかけられたままのウエンディが、ルーシィの身体に額を寄せ涙を流す。

 

「ウエンディ。ここへは依頼で?宿はとっているのか?」

「え?」

「そうだな。移動した方がいいだろう。」

「!フローもそーおもー。。。」

 

心配そうに眉を下げたカエルの着ぐるみを着た猫が、ウエンディの顔を覗きこんだ。

 

「!はい。」

 

ローグが、自分のマントでくるんだルーシィを抱き上げる。

ウエンディは自分の足で立てそうだったが、拘束されたままで動きづらそうだった。

 

「スティングくん。ウエンディくんを運んであげたら如何ですか?」

「おおっ。そうだな。悪かったな!!」

 

ジッっと、ローグの腕に抱かれた少女眺めていたスティングがひょいっとウエンディを胸に抱いた。

 

「あわわわわっ!?だっ大丈夫ですから!?」

 

慌てるウエンディにお構いなしに、「で?どこだ??」と足を進める。

 

ホテルの部屋に入ると、ローグはベットにそっとルーシィを寝かせた。

ウエンディも、その隣のベットに降ろされた。

 

「うぅ。。。ありがとうございます。」

 

頭をペコリと下げる少女の顔色も、青白い。

 

「早く、、、ルーシィさんの治療を。。。」

 

ホテルの従業員が、救急箱と手錠の鍵を持って部屋に入ってきた。

どうやら、この街では有名な悪党どもだったらしく、他にも被害があり手錠を外すカギは街の至る所に置いてあるらしい。

 

はめられていた手錠をはずしてやると、ウエンディはルーシィに駆け寄り治癒の魔法を発動させる。

ルーシィはひどいケガだった。この治療は一気に魔力を解放させる必要がある。

ウエンディが、すぅーっと深く息を吸い込んだ。

 

完治とまではいかないが、ルーシィの青白かった顔に色が戻ってくる。

 

「ふぅ。。。とりあえず、、、、これ。。で。。。。。。」

 

反対に顔の色を失くしたウエンディがルーシィの寝るベットに頭を預けたまま意識を失ってしまった。

 

ウエンディをベットに寝かせ、どうしようかと、双竜は顔を見合わせる。

 

「まぁ、とりあえず妖精に連絡を入れた方がいいだろう?」

「フローもそーおもー」

「・・・どうやって?」

「!!スティングくん!!見てください!!」

 

レクターの声に振り返ると、部屋の隅に置かれている彼女達の荷物に光っている水晶が見えた。

 

「レクター!よく見つけたな!!」

 

スティングがレクターの頭を撫で、その光る水晶に手を伸ばした。

水晶に触れると、途端 水晶の中に人が映る。

 

「ルーシィ!!!なんで俺置いて行くんだよ!!!・・・??あぁ??」

 

その通信用魔水晶の中に、桜髪の少年が写っている。

 

「ナツさん!!!」

「あれ?これ妖精の尻尾の魔水晶だよな??」

 

水晶の中で、首をかしげるナツの後ろに緋色や青色、銀髪も見える。

 

「ナツ・ドラグニル。。。緊急事態だ。。。」

 

この状況を忘れて、嬉々として水晶の中のナツに夢中になっているスティングから魔水晶を奪いローグはベットに寝ている2人の少女を映した。

 

水晶の先の人物たちの表情が凍ったのがわかる。

 

「たまたま、行きあって保護した。2人とも、意識がない。誰かこちらに人を送ってくれ。」

 

「ミラっ!!!」

「場所は何処だ?!!」

 

その場で桜頭と緋い頭が、銀髪に振り返る。

 

「ハッピー行くぞ!!」

「あいさー!!!」

 

青色が桜頭を掴み、ギルドを飛び出していく。

その後ろを、白い猫が翼を広げ、それに緋い頭が捕まるのが見えた。

そして、魔水晶には銀髪の女性が映る。

 

「とりあえず、ナツとエルザが向かったわ。状況を詳しく説明してもらえないかしら??」

 

ローグが、自分の見知った内容を伝える。

 

「オレ達は通りかかっただけだ。あとは、ウエンディが話していた内容だ。」

「・・・そう。2人の様子はどうかしら?」

「はい!!ルーシィくんの意識はありませんが、先ほどウエンディくんが治療をしていたので顔色が良くなりました。

 ウエンディくんは、魔力を消耗して眠ってしまったようです。」

「フローもそーおもー!」

 

ミラの質問にレクターが答え、フローが賛同する。

 

「あなた達、ナツ達が到着するまで そこに付いていてもらえるかしら?」

 

「はい。いいですよ!なぁ?ローグ。」

「ですね!スティングくん。ローグくん。」

「ああ。問題ない。怪我人を置いて行ったりしない。」

「フローもそーおもー!!」

 

魔水晶の通信が切られる。

 

 

スティングとレクターが話をしていたが、その内レクターが眠ってしまった。

フローも、ローグの膝の上でウトウトしている。

暫くして、金髪の少女が目を覚ました。

 

「え??」

 

「あっ。目冷ましました?ルーシィさん。」

 

目の前にいるスティングに、驚いて声も出せない。

 

「スティング。近すぎだ。」

 

身を乗り出しているスティングの服を、ローグがひっぱる。

それにこたえ、椅子に腰を戻すスティング。

 

「ルーシィハートフィリア。体は平気か?」

「えぇ・・・?」

 

混乱した頭を整理するように、体を起こそうとしたルーシィが、腹を抱える様に蹲る。

 

「っう。。。」

「まだ寝ていた方がいいだろう。」

「・・・・ありがとう。あなた達が助けてくれたのよね?」

「気が付いていたんですか??」

「ん~ん。助けが入ったなぁって感じただけ。白い光が見えたから。。。ロキかと思ったんだ。ごめんね?」

 

だから、、、だから、そこで意識飛んじゃった。と、眉を下げ笑顔を見せるルーシィ。

 

彼女の説明によると、チームのメンバーが他の依頼に行っている間、簡単な依頼を受けていたらしい。

その内容は、、、ただの猫さがし。

猫を探しながら、入っていった路地でこの騒ぎに身を落としてしまったらしい。

 

先程のウエンディの説明によると、その路地に入っていったのは自分なんだと言って涙を流していた。

 

ルーシィはそんな事を気に止めている様子もなかったしそのことに関しては、口を開かなかった。

 

「そうよね。。ロキもカナと依頼に行ってるんだった。。」

 

自分の肩を抱きながら、へへへっとルーシィは舌をだした。

 

「そうだウエンディは?」

 

ルーシィが自分が寝ていたベットから、体を引きずりながらウエンディの眠るベットに歩み寄る。

 

「・・・眠っているのね。。。大したケガはなさそうね。。。」

 

ルーシィは自分の荷物の中から、1つの袋を取り出した。

その中から、クリームを手に取りウエンディの傷口に塗っていく。

見ている間に、軽い擦り傷は治っていく。

 

「凄いっすね。その薬。」

 

その様子を覗きこんでいたスティングが、感心したように言う。

振り返ったルーシィの顔には笑みが浮かんでいる。

 

「へへっ。すごいでしょ?星霊界の薬なの。フフッ。」

 

星霊の薬をほめられて、嬉しそうにしているルーシィ。

ハタと、スティング動きが止まり、顔が赤く染まっていく。

その目線の先には、むき出しになったルーシィの柔肌。。。

 

「スティングくん??」

 

いきなり動かなくなって、言葉を発しなくなったスティングに対し、首をかしげるルーシィ。

ローグが、後ろから声をかける。

 

「ルーシィハートフィリア。身体を隠した方がいいんじゃないか?」

「・・・・・・・へっ?」

 

ウエンディの治療をする為に、纏っていたマントを肌蹴させていた為、先ほどの戦闘で破かれた洋服の隙間から下着や肌が覗いている。

ルーシィは、ビクンと肩を揺らした。

 

「あっ/////」

 

マントで体を覆い、真っ青になったルーシィが スティングとローグを改めてみる。

 

「これ。。」

「ああ。オレのだ。」

「そっか。。。」

 

ローグが答えると、ルーシィは改めて、頭を深々と下げた。

 

「ありがとう。ほんとに。。。」

 

ルーシィは小刻みに震えてしまうんであろう自身の肩を、マントの中で爪が食い込むほど掴んでそれを納めようとしている。

 

「頭をあげろ。たまたま通りかかっただけだ。」

「そうそう。気にしないで下さいよ!!そう言えばナツさんとエルザさん、こっちに向かってますよ。」

 

又も、ルーシィの肩がビクリと揺れた。

ルーシィの表情に戸惑いが見える。。。

 

「・・・・ナツが。。。」

 

ローグの座っているカウチの脇に、妖精の尻尾の魔水晶が見える。

きっとこちらから連絡がなく、心配したミラ辺りが連絡くれたのかもしれない。

 

「・・・よかった。あたしじゃ、ろくにお礼も出来ないもの。。。」

 

改めて、自分の格好を確認したルーシィが、オズオズと口を開く。

 

「マントごめんね?洗って返すから。。。」

「気にしなくていい。」

 

ローグの言葉に、微笑みで返しルーシィは、ウエンディの治療を進める。

 

「ウエンディ。。。早く良くなってね。。。」

 

少女の青い髪を、細い指で梳いた。

 

‐ウエンディが無事で本当によかった。

‐こんな、幼い少女には衝撃的な光景だったろうと思うと、胸が締め付けられた。

‐いくつもの修羅場を、一緒に掻い潜ってきた仲間だ。

‐その強さもよく知っている。

‐でも、、、、今回の悍ましい体験は。。。。

 

ウエンディの規則的な寝息が、荒くれだっているルーシィの心を優しく撫でていく。

何とかもっと、、、自分がどうにかできたのではないかと ルーシィは胸を押さえた。

 

・・・・・ナツ。。。

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 

ルーシィ(/_;) ナツー早く来て‐!!

 

おまけと言うか、ほそく?説明。。。

 

 

 

今日ルーシィとウエンディは、2人きりでこの街に依頼に来ていた。

ルーシィのチームは、個別に指名で入った依頼に出かけていた。

それに加え、ウエンディと何時も一緒のシャルルは、ハッピーやリリィと一緒に荷運びの依頼に出かけていたため2人きりとなったのだ。

 

依頼の内容は『猫さがし』。

 

なぜワザワザ魔導士に頼んだのか?

それは、依頼主が仕事中の為詳しく聞けなかったが、そんなに難しそうでない依頼に油断していたのかもしれない。

 

表通りを1周。2周。。。猫は見つからなかった。

聞き込みを続けると、倉庫街の裏路地が猫のたまり場になっているという情報が入ってきた。

ただ、商店の人たちは口をそろえて、もう夕方だからそっちにはいかない方がいいと。十分気を付けろと言っていたのがルーシィは気になっていた。

 

そんな中、ウエンディがその路地に入ろうとすると、ルーシィは眉を寄せた。

 

「なんか変な感じがする。。。」

 

ウエンディは、耳を澄ませたがゴソゴソと動く音がするだけで、話し声などが聞こえなかった。

 

「でも、後はこの路地だけですし。。。」

 

仕方なく、そこを調べていると奥に入っていったところで、男達が集まっていた。

壁から顔を覗かせてたが、ルーシィとウエンディは顔を見合わせ、踵と返した。

面倒なものにはかかわらない方がいいと判断したのだ。。。

 

だが、、、少女たちに気付いた男がいた。

何か見られたら都合の悪い事でもあったのだろう、、、そっと少女たちの後ろに立ち壁からウエンディの手に手錠をかけた。

 

ウエンディを人質に、攻撃も出来ずルーシィにも手錠がかけられた。

 

2人を捕らえた男達は、薄ら笑い 卑下た視線を送ってきていた。

少女2人を舐めまわすような目で見ていた男の1人が、ルーシィの身体に手を伸ばしてきた。

ルーシィは身をよじって逃れようとするが、拘束されていてうまく逃げれない。

逃げる者を追い詰めるのが楽しいとでもいう様に、男達はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。

ルーシィの男の一人を蹴り上げえると、男達の顔色が変わった。

 

「おねぇちゃんよう。あんまり逃げてると、、、このお嬢ちゃんどうなるかな?」

ウエンディを後ろから羽交い絞めにした男が、薄ら笑いを浮かべた。

悔しそうに眉間にしわを寄せるルーシィ。

 

でも、黙ってされるがままになるつもりもない。

どうにか逃げなければ、自分もだが、、、ウエンディの心にも傷が残ってしまう。。。

身体のキズは、、癒えるけど、、心の傷は、、、なかなか癒えないのよ!!

 

ルーシィは、負けないわよと強い意志を瞳にのせる。

その眼差しに、ウエンディも震えたった。

 

ルーシィがウエンディを押さえている男に向かって、石を蹴りつけた。

男がひるんだ隙に、ウエンディが何とか抜け出す。

 

「こっちよ!!ウエンディ!!」

「はい!!ルーシィさん!!」

 

来た道は男達が立ちふさがっている。

選んだ道の先が、行き止まりでない事を祈った。

 

「ウエンディ。。追いつめられたら、、、あたしを置いて逃げて。」

「そんな事できません!!」

「2人で捕まったら意味ないのよ!!お願い。助けを呼びに行くのよ!!!」

 

祈りは届かず、進んだ先は行き止まりだった。

高い壁の建物に囲まれた場所。

1つの壁の少し高い位置に、小さな小窓が見えた。

 

「ウエンディ!!」

「っ。。。。。はい!!」

 

かがんだルーシィの肩に捕まると、ルーシィが立ち上がった。

バランスを取りながらルーシィの肩に足を置きウエンディが立ち上がると、何とか小窓に届きそうだ。

そこに男達の足音が近づいてくる。

 

「ルーシィさん。。。やっぱり置いてなんか行けません!!」

「・・・・・ウエンディ?ダメよ。。。。お願い。。。」

 

その少しのためらいの間に、先頭の男が追いついてきた。

 

「おぉ~。あんた達がんばるねぇ~!!」

 

すんでのところで、窓まで届かなかった。

男に足を掴まれ転げ落ちた。

 

「ウエンディ!!」

「いっぅ。。。」

 

ぞろぞろと、男達が集まってくる。

それでもあきらめないと、ルーシィとウエンディは背中合わせで、男達を迎え撃とうと、身体に気合と力を込めた。

 

男の手が伸びてきた時、ウエンディが咄嗟に叫び声をあげた。。。。

 

 

その声が、双竜の元に届いたのだ。。。

 

+ + + + + + + + +

暗い話だm(__)m 

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