強敵あらわる? ~上~
ナツに強敵です。勝てるのか?勝ってほしい!!てか勝たなきゃ、ナツルーじゃないじゃん!!
突如 思いついて 書き始めました。誤字脱字あると思いますが、おろしければどうぞ(@^^)/。
「ルーシィ。ちと 頼みがあるんじゃが。」
「「「えっ!?」」」
カウンターの隅でじゃれあっていた、桜色の髪の少年と 幸せを運ぶような青い猫 金髪の可愛らしい少女がそろって振り返る。
ここ、魔導士ギルド『妖精の尻尾』の一番の問題児と彼のチームメイトだ。
マスターに呼ばれた、金髪の少女 ルーシィが応える前に、
「なんだぁ~?じっちゃん。」
と桜色の髪の少年 ナツが返事をする。
「ちょっ!?あ・た・し・よ?呼ばれたの!!」
空かさず、ナツに突っ込みを入れ このギルドのマスター マカロフに向きなおり
「なんですか?マスター。」
とルーシィは返事を返す。
「・・・・実はのぉ~。・・・・ちとあっちで話すか?」
とマスターは、奥の部屋へルーシィを促す。
「あっ。はい!」
その後姿にに、チームメイトを振り返りもせず続くルーシィ。そして、ルーシィに続いて、部屋に入っていこうとするおまけ達。
が、ぬっと大きな手が現れ ルーシィに続くおまけを遮る。
「おぬしらは、ちと待っておれ。」
扉が閉まる音がする。
「なんだぁ~??」「あうぅ。るぅしぃ~。」
下唇を突き出し、いぶかしげな表情をするおまけこと、ナツと青猫のハッピー。
2人はしぶしぶカウンターに戻る。
「ナァ~ツ!そんな顔しないの!!」
「そうそう。ちょっと話しているだけじゃない。」
銀髪のよく似た姉妹が声をかけてくる。
「あい。でもいつもと違う感じが。。。」
「あんだよー!!じっちゃん!!依頼なら俺らも一緒だっつうのに~。。。」
頬を膨らませ、今度は不貞腐れたようにカウンターに突っ伏す。
「ナ~ツゥ~。マスターの話なんだろうねぇ?オイラ達に内緒なんて。深刻な話なのかな。。」
小さくつぶやく相棒の青い猫に気が付き ナツは、ニカっと笑顔を作って
「いぁ~、ルーシィ。じっちゃんになんか悪戯でもしたんじゃねえか??」
「あい。悪戯するのは、ナツです。あっ!?ナツのアリバイ調査とか?」
「!?!?うおっ!?!!?まずいのは、オレか?」
「もぉ~!ナツ何悪戯したの~??」
短めの銀髪を揺らしながら話しかけてくるのは、ナツの幼馴染。そっくり姉妹の妹の方リサーナだ。
「はいはい。これ食べてもうちょっとおとなしく待ってなさいね?」
銀髪の姉、このギルドの看板娘のミラジェーンがリンゴを剥いて持ってきてくれた。
そんな中 奥の部屋から、ルーシィの大きな声が聞こえてきた。
『こっこっこんやくぅぅぅぅ!?!?!?!?』
よく透るいつもより大きなルーシィの声が、ギルドに響く。辺りが、シーンと音をなくした。
『ガタンッ!!!』
静寂を破ったその音のする方向を皆が見ると、桜色の髪の少年が ワナワナとその場に立ち尽くしている。
「ナツさんよぉ~??気になるよなぁ~?」
ニヤニヤと笑みを浮かべた黒髪の半裸の男が歩み寄ってきた。
「あんだよ!!変態氷野郎!!」
「ああ゛~?テメェがオタオタしてっから、声かけてやってんだよぉ゛!!このぉ くそ炎!!」
「あ゛んだとぉ~??やんのかぁ~!?変態パンツ!!」
「グレイ服。」
白熱する男二人を目の端にとらえ、ミラが口を挟む。
「うおっ!?」
あたふたと、服を拾い集め 着始める変態パンツこと グレイ。
「フンッ!変態移るから近づくんじゃねぇ!!」
「いらだってんじゃねぇよ!!くそ炎!!」
「そうね!八つ当たりはダメよ?ナツ。。。」
そして、今度は 滅竜魔導士のナツにだけ聞こえてきた。
『ムッムリありますって~!!』
漏れてくるルーシィの声に、もう我慢の限界!!
ナツはそのまま制止を振り切り、奥の部屋へと続く扉へ歩み寄る。
『ガチャッ!!』勢いよくドアを開ける。
中をのぞくと、ルーシィとじっちゃんと・・・・ラクサス??
「ナツ。ちっとは待てねぇのか!おまえは!!はぁ。。」
ラクサスがいる!!
「ふぅぅ。やはり 我慢できんかったかぁ。」
マカロフのつぶやきが漏れる。
「ナツゥ~。。。」
真っ赤な顔をしたルーシィが、目を潤ませナツに振り向く。ラクサスが ニヤリと口元をゆがめ、ルーシィの肩を抱いている。
「ワリイなぁ!!ナツ。」
(なっなんだこの状況!?!?!?)
「わわっ!?なんで!!ラクサスがぁ!!ルーシィがぁぁ!!!!」
後ろから入ってきたハッピーが叫び、ほかのギルドのメンバーもこちらをうかがう。
それに また口元を歪めたラクサスが、肩を抱いていた腕を、ルーシィの腰に回す。
ラクサスが「・・・・」と小さい声で呟いた後、「ルーシィと婚約した!!」と宣言したのである。
ギルドのメンバーが「おぉー!!」だの「きゃー!!」だの「うらやましー!!」だの叫んでる。
ボボボボッ!!と音が聞こえるんじゃないか!の勢いでルーシィの顔が茹蛸の様に真っ紅に染まった。
マスターが 『ふぅうぅ。』とため息を一つ。
「ルーシィ。スマンが頼むぞ!」
「うぇ。・・・・はっはい。」
ルーシィは茹蛸のまま、目に涙を浮かべ 何とか笑顔を作り返事をした。
お祝いムードに沸くギルド。そんな中
言葉を失い。
動きを失い。。
思考を失い。。。
ただ、その場に立ち尽くす 桜色の少年。
「・・・・ナァツぅ~?」
そんな相棒を心配しながらも、自らも困惑した表情をする青猫。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
言葉が出ない。
*
ナツside
あ゛あ゛~!!!イライラする!!!
いつもの様に ルーシィは、ギルドにいる。
いつもの様に 毎日顔を合わせる。。。隣には、・・・ラクサスがいる。。。
ハッピーといつもの様にルーシィをからかう。
いつもの様にルーシィの頬がプクッと膨らむ。ホッとする。
・・・クシャリとラクサスがルーシィのあの綺麗な蜂蜜みたいな髪をなでる。
んで、ルーシィの頬はいつもと違い紅く染まる。
いつもの様に、ルーシィの隣に座る。
反対側には、グレイじゃなくて、ラクサスが座る。
・・・・・・・・・・・。オレじゃない。。。
オレは、ルーシィが大好きだ!!
優しいし、頭いいし、頼りになるし、良いにおいがする。
大切な仲間だ!!!
はじめて会った時から、他の奴らと違う。
だから、、、、特別な仲間だ。
・・・そう特別だから、チームに誘ったんだ。
大切な、大切な、仲間なんだ。
ラクサスも好きだ!!ぶっきらぼうだけど、本当は誰よりも仲間を大事に思ってる。
ラクサスに追いつきたくて、かまってほしくて、いつか抜かしてやるって思ってる。
憧れてきた。
それに、大切な仲間だ!!!
2人とも、大切な仲間なんだ。。。
ギルドは、家族なんだ。
仲良くしていて、悪いわけがねぇ。
ルーシィも、はじめはワタワタしてたけど、今は楽しそうに笑っている。
ルーシィを任せられる。。。ラクサスなら・・・。
いいことなんだ。。。。
・・・でも・・・なんだよ!!オレ!?!?!?
どうしてこんなに、変な感じがするんだ??
いくら飯をたらふく食っても、炎を貪っても、腹がはち切れるほど満腹になっても、、、満足できねぇ。。。
落ち着かねぇ。なんか、足んねぇんだ。。。
「・・・・はぁ。。」
体に、力が入らないらねぇ。。。目の端に、緋色の髪と黒髪と・・・金髪が2つがぼんやりと映る。
「・・・・・・・・・・はぁ。」
机に突っ伏して、考えるのをやめようと努力するが とまらない。なんなんだ!?自分が分かんねぇよ。。。
背後から、よく知った気配が近づいてくる。
「よお。死んでんな。。。。」
「うるせぇ。変態氷」
「おっ。そんなこといっていいのかぁ?」
「あんだよ?うぜぇなぁ~。」
また 見知った気配が近づき、肩に手をおく。
「ナツ。チームで仕事だ。」
「・・・・・あぁ?!」
「ナツさんよぉ?チーム仕事だ!!ルーシィもくるぞ!」
「ルーシィも?」
「そうだ。一泊ぐらいの仕事になるだろう。少しはルーシィと話せるかもな?」
緋髪のエルザが、優しく微笑んだ。
「そうだ、この際だし しっかり話せよ?根暗炎。」
「・・・・話すことなんて・・・。」
そっと、ルーシィのいる方に目線を送ると 目があった。
「ナーツ!!盗賊退治よぉ~!!余計なもの壊さないでよ~!!」
いつものルーシィだ!!ルーシィが笑顔を向けてくる。いつもの、俺に、向けてれる笑顔だ!!
とっさに、俺はマフラーを引き上げた。口が緩んで、ニヤケてしまう。そっと、ハッピーが隣に降り立った。
*
盗賊退治は、チームで行けば簡単に終わる仕事のバズだった。
「んあ??」
ナツが目を開けると、見慣れない木目模様?。どこかの宿だろうか?天井が見える。
「ナツ!!」
ふわっと、自分の掌に温かい、柔らかいものが触れる。ぼやけていた視界がだんだんクリアになっていく。
「わかる?気分はどお??」
ポタッと、己の頬に温かいしずくが落ちる。
「る、るぅしぃ?なんで??」
カラカラの喉から声を絞り出す。
「わからない?あんた、戦闘中まともに攻撃くらって、、、、気がついてよかったぁ。。。」
ルーシィの目から、ポタポタとしずくが落ちる。
「・・・るーしぃ。泣くなよ。。。」
「あっあんたが!!あんたのせいじゃない!!?」
ルーシィがそっぽを向いて、涙をぬぐう。
「わりぃ。・・・・・・そうだ。依頼どうなった?」
「大丈夫よ!!あたし達最強チームでしょ?」
ルーシィが、ふんわり微笑む。
「ハハッ。そうだな。」
2人の間に柔らかい空気が漂う。心地いい。
『ドンドン』
その音と共に、見知った気配が何個か 近づいてくる。
「ナァ~ツゥ~!!大丈夫なの??心配したよぉ!!」
「気がつたか?ナツ。」
「ナツさんよぉ。ボケっとし過ぎだ!うちの姫さん泣かせやがって!!」
「・・・ナツ。情けねな。」
ラクサスの言葉に固まる。
「ラクサス?なんでいるんだ?」
「ギルドに連絡がきたんでな。んで、雷にのってきた。」
ナツが黙ると、ラクサスが続ける。
「エルザ、グレイとハッピー連れて周り視てこい。しばらく戻ってくんなよ?」
ラクサスがそういうと、名前を呼ばれた者たちが腰を上げ戸を出ていく。
気配が離れていくことを確認した後、ラクサスがまた口を開く。
「おいナツ。お前何考えてた?戦闘中に。」
「・・・・。」
「お前だけケガすんのは勝手だが、チームメイト泣かしてんじゃねぇ!!」
「ラクサス!今そんなこと言わなくてもいいじゃない!!」
「・・・いあ。ラクサスの言うとおりだ。」
「・・・。」
押し黙るルーシィ。
「ルーシィ。ちょっと飲み物でももらってきてやれ。」
ラクサスに促され、わかった!と部屋を出ていくルーシィ。それを横目に、ラクサスはナツに向きなおる。
「ナツ・・・。なさけねえな~。何考えてやがった!!俺がいねぇときは、お前がルーシィ守んねぇでどぉすんだ!!」
「・・・すまねぇ。」
「で、何に気ぃとられてたんだ?」
ニヤリと笑みを浮かべるラクサス。
「うっ!?俺ここんとこ、ずっとなんか足りなかった?食っても食っても満足できねぇし、なんか、夜目がさえちまって寝れねぇ、いあ、変だったんだとにかく。でも、ルーシィといるだけで、ルーシィとなんでもねぇ会話したら モヤモヤが消えんだ。安心できんだ。うれしいんだ。何か、やっと落ち着いたんだ。そしたら、ルーシィが、振り向いて笑ったんだ。ただ、笑っただけなのに、目がはなせかったんだ。」
ナツが、ラクサスと視線を合わせないでつぶやく。
「・・・ラクサス、・・・オレ・・・呪いでも請けたんかな?」
ぶっ!!と吹き出すラクサス。
「ナツ。鈍すぎだ。。お前、気づかねえか?でめぇの気持ちに」
「・・・俺の気持ち。」
ナツは、自分の掌を見つめている。
「足りなかったんだろ?ルーシィが。」
ラクサスに言われ、顔を上げる。ラクサスと目が合うと、含んだ笑みを返される。
「呪いってうまいこと言ったなぁ。クックッ。ナツにしては。ルーシィに囚われちまったてことか?」
クックックと笑われている。
「・・呪いじゃねぇ。。。オレどおしちまったんだ??」
「ックックックッ。まだ言うか?・・・・・じゃぁよ、ナツ。10年後てめぇの隣に誰にいてほしいんだ?」
「・・・・。」
ナツは想像してみる。
少しは背の高くなったオレ。ふよふよと頭の上を飛ぶハッピーと、・・・シャルル?かな。
むこうで、グレイ達が相変わらず暴れて、それを諌めてやり過ぎるエルザ。そのわきでワタワタするウエンディ。
・・・。
オレの肩の上にちょこんと座る、ピンク色の小さいやつ。
オレは、誰に寄り添っている?
金髪の綺麗な女の腰に手を回す?
・・・そうだな!!おれの隣は、ルーシィだ!!!
「隣にいる、ルーシィは、ただの仲間か?」
「・・・・んあ。。。?」
「仲間は、今以上には触れねぇぞ?」
ラクサスが、真顔で言う。
「ルーシィに、、、もっと、、、触る。。。」
「・・・ナツ・・・いくらなんでも、おまえ 性欲ないとか言わないよな・・・?」
「/////////////////////。」
途端うつむく、ナツ。
「女の服の中を触りたいとか、においにクラクラしたり、しないのか?」
ちょっと心配になる、ラクサス。
「////////////する/////////////////」
「ほぉ~。」
真っ赤なナツに、またもニヤリとするラクサス。
「で、ルーシィはお前のなんなんだ?」
「・・・・・・ルーシィと一緒にいねぇオレが想像できないんだ。だからずっと一緒にいるんだ!家族になるんだ!!ルーシィにもっと触りてぇし!!他の奴には触らせたくねぇ!ラクサスも触んな!!!」
「おぉ! いろいろ話飛んだな。。。」
「オレ、もうずっと前から、ルーシィが好きなんだな。」
やっと出た言葉に、ふっとやさしい顔をするとナツの頭を、ラクサスはクシャリとなでた。
と、廊下に足音が近づいてくる。ルーシィの気配だ。
「戻ってきたな」と言いラクサスは立ち上がり、戸を開けてやる。
「あっ!ありがとうラクサス。ナツおまたせ~!!喉乾いたでしょ?」
ニコニコとやさしい眼差しのルーシィが笑っている。
///カーーー!!!////っと、顔に熱が集まるナツ。そんな2人を見て、ラクサスは告げる。
「ナツ、ルーシィ。 あと7日だ!さっさと決着付けちまおう。それまではたっぷり触らしてもらうけどよ」
「っ!!!ラクサス!!」
「さっさわるって!!もう!!いつもやり過ぎなのよ!!!ラクサスは。で、1週間後って、、、あの音楽会?」
ルーシィがそう言うと、ナツにしたようにラクサスはルーシィの頭をクシャリとなでた。
「じゃぁな。オレはいったんギルドに戻る。お前らは、明日ゆっくり帰ってこい」
めずらしく、少しご機嫌な感じのするラクサス。
あっ、そうだ。とルーシィに 耳打ちして「じゃあな。」と部屋を出ていった。