top of page

2017.02.22 #フォロワーさんの絵から小説を書かせていただく くまねこさんのナツルハッピから

何時もの場所で・・・

見渡す限りないグリーンの絨毯のような芝生が広がる丘の上。

穏やかな風がそよめく今日、ルーシィは読みたかった本を持参してそこに来ていた。

  

のバスケットに、分厚いベーコンとレタスにトマトとマスタードを効かせたサンドイッチが沢山入ったランチボックスと、ポットに暖かい紅茶をたっぷり持参して。

 

 

*

 

それは穏やかな太陽が登ったのを確認した日中、ギルドに行こうとサクラ頭の青年と幸せを運ぶ青猫のが、チームメイトで仲の良い金髪の少女を誘おうと、少女の部屋の窓から現れた時だった。

 

金髪の少女ルーシィは、驚きもせず待っていましたとばかりに、ひとりと一匹に笑顔を向けた。

 

「ねぇナツ、ハッピー…行かない?」

 

ルーシィの声にひとりと一匹は、嬉しそうに目を細めた。

 

「 おうっ!!」

「わぁ~い ルーシィのお弁当だぁ~」

 

青猫のハッピーの視線の先には、大きめのランチボックスが収まっているバスケット。

何故か肩を回して張り切る桜頭のナツ。

彼らの様子に、ルーシィも楽しみとばかりに笑顔の花を咲かせた。

 

ゼレフの悪魔達との戦いから、矢継ぎ早におとずれたギルドの解散、仲間との別れから約一年。

ルーシィの元に残された手紙どおり、ナツとハッピーは帰ってきた。

 

ルーシィ1人では踏み出す事が出来なかったギルド再建を目指し、みんなを家族をマグノリアに呼び戻したのは、つい先日のことだ。

 

久しぶりに降り立った マグノリアの地は、変わらない繫がりを運んできてくれた。

ルーシィはギルドの建造工事の合間に、マグノリアのあちらこちらをナツとハッピーと見て回った。

変わらない街並み、模様替えした店、変わらない人達の笑顔、新しく増えた笑顔にも出会った。

ここにいなかった約1年間が無かったかのように、ここにいたかのようにあっという間にマグノリアの街は自分たちをここの住人に戻してくれた。

 

 

「ルーシィ、早くいこうぜっ!!」

「ルーシィ早く早く~!!」

「もー、早くって言うなら、荷物ぐらい持ちなさいよね~っ」

 

小走りで彼らが向かう先は、街の外れの突き出した丘の上。

魔導士かロッククライマーでなければ簡単にはたどり着けない切り立った崖の上にあるその丘は、街並みを見下ろせるその丘は大きな木々と、ふわふわの芝生が広がっている。

優しい風が流れるそこは、それぞれのお気に入りの場所だ。

 

以前から約束なんかしていなくても、なんとなくそこに足が向かって行くとそこでばったりと彼らは出会っていた。

ルーシィはそこで静かに本を読むのが好きだし、ナツはその脇で寝転んで昼寝をするのが好きだった。

ハッピーは空を旋回して2人をからかったり、遊び疲れてナツの上でお昼寝をしたり、皆が皆、好きなことをして楽しんでいた。

 

 

 

 

「わあっ! ここも変わらないね~」

「きっもちい~!!」

「早く飯食おうぜっルーシィ」

 

 

フワリと優しい風が舞う。

一年前、心が締め付けられる思いでマグノリアを後にしたのが、まるで遠い昔の様だ。

 

ルーシィの作ってきたサンドイッチの入ったバスケットをひろげたシートの真ん中に乗せ、ルーシィを挟んでナツとハッピーが座る。

ルーシィがバスケットの中から水筒を出し、お茶を入れている間に、ナツとハッピーはバスケットの中をガザゴソと漁り出した。

オレんだオイラんだと争う声と、その様子に笑うルーシィ。それもずっと前から続いてきたことの様だ。

 

「こらこらっ まぜこぜしたら潰れちゃうじゃないっ」

「腹減ったんだっ」

「あいっ…オイラもお腹ペコペコ∼」

 

『キュルルルルルルッ』

 

ナツとハッピーの腹の虫が見事に重なって鳴ると、ルーシィはまた楽しそうに笑いだす。

 

「もうっあんた達は、まったく……フフッ」

 

眉を下げながらルーシィがバスケットの中からサンドイッチを取り出してやると、ナツとハッピーは嬉しそうに食らいついた。

キャッキャッと楽しそうな声が丘の上に響く。

 

何でもないこの時間が、安らぎを運んでくる。

このまま時間が止まってもいいと思えるほどの幸福感と、またこのメンバーで冒険したいと思う胸の高鳴り。

ルーシィの目には、油断していると涙が滲んでしまう。

 

 ――いけないっ……

 ――こんなに、楽しいから……

 ――楽しくって、幸せで、涙がでちゃうなんて……っ

 

バスケットの中身が少なくなると、ナツとハッピーが小競り合いを始める。

お互い頬にたくさん詰め込みながら、次のサンドイッチに手を伸ばす。

のどに詰まりそうになりながらも、最後のサンドイッチを自分のものにしようと必死な姿が何とも可笑しい。

 

 ――ふふふっ

 ――やっはり、ナツもハッピーもすごいなっ

 ――一瞬で、あたしを幸せにしてくれるんだから……っ

 

いよいよナツとハッピーが喧嘩しそうになると、ルーシィがバスケットとは他のカバンから小さな箱を取り出した。

 

「ハッピー、サンドイッチはナツにあげちゃって、お魚クッキー食べよっ」

「っ!! あいっ!!」

 

元々真ん丸の大きな目玉をもっと大きく開いて、ハッピーはすぐさまルーシィの膝にのる。

それはハッピーのお気に入り。ルーシィ特性お魚クッキー。

別に魚が入ってるわけではないが、魚の型抜きクッキーで以前からハッピーの為に作ってやっていた。

 

「おいっハッピーばっかり、ずりーぞ~ルーシィ」

 

最後のサンドイッチを頬張りながらジト目を向けてくるナツに、ルーシィは悪戯な笑みを向ける。

 

「あ~ら、そんな睨むんなら、こっちのチョコクッキーはあたしだけで食べちゃおっかな~?」

 

もう一つの箱に入っているのはチョコクッキー。それはドラゴンの型抜きクッキーだ。

もちろんナツのお気に入りである。

会話も弾み楽しい食事はあっという間に、皆の腹に納まった。

 

賑やかな声が丘の上に響き、優しい風が吹き抜けた。

ふと会話が途切れたところで、ルーシィは鞄から本を取り出した。

それを合図のように、ナツとハッピーで何でもない事を話しだす。

 

「あ~ナツー。あの雲お魚の形してるよー」

「おぅ……あっちは、ハッピーの尻尾みたいだなっ」

「えぇ~それを言うなら、ルーシィの長くなった髪の毛だよ~」

「おぉ……そうだな……ぁ」

 

心地よい風が吹き抜けると、満腹感も重なって彼らに眠気が襲ってきたようだ。

ルーシィが本を開いて座る背中に、ナツは背中を預けてきた。静かに黙っているところを見ると眠ってしまっているのかもしれない。

彼の相棒は既に、ルーシィの膝の上で鼾をかいているのだから。

 

「……ねぇ寝たの?」

 

本を開いたまま、そっと囁く。

 

「……」

 

返事はない。

 

「寝ちゃったかな……」

「……」

 

返事はない。

 

「……ねぇ、修行中もちゃんと食べてた? どうせ修行に夢中になってハッピーのお世話になってたんでしょ?」

「……」

 ――あたしが一緒なら、ちゃんとご飯食べさせてあげれたのにな……

 ――でもきっと、それも必要な事だったんだよね……

 

「……あたしを置いていったんだから、それなりの成果でたんでしょっ?」

「……」

 ――じゃなきゃ許さないよっ

 

「ねぇ……少しは寂しかった?」

「……」

 ――あたしがいなくて、寂しかった?

 

 

「あたし…ね……あんた達がいなくなって……あんたの事……」

「……」

 ――やっぱり好きなんだなって、思ったんだ…

 ――胸の真ん中にぽっかり穴が開いたみたいで…どんなに振り切ったって、かわりなんて見つかるわけがなかったよ…

 

「…あたしもね、ちょっとは強くなったのよ…大丈夫、大切なあんたの背中くらい守ってあげるから…」

「……」

 ――ナツに敵う訳ないけど、あたしだって……あたしらしく戦うんだからっ

 

「大丈夫…置いていかれた事なんて……帰ってきたんだから、もういいんだよっ」

「……」

 ――だって、一番にあたしを見つけてくれた

 

「ふふふっ……あたしね、またここに…ナツと一緒にこれて……うれしいんだっ」

 

 ――変わらずにいてくれるあんたが……やっぱり好きなんだ…

 

話すだけ話して、ルーシィは本に目を戻した。

別に起きていても、寝ていてもいいのだ。返事が欲しいわけではない。

ただの独り言。

 

すると、背中に感じるぬくもりが、わずかに震えた気がする。

 

ナツの目はまだ閉じていない。優しい笑みを浮かべて、じっとルーシィの声を響かせていた。

ただ、ただ、ルーシィの囁くようなきれいな声が、ナツの胸に沁みていき、ナツを優しく夢の中へといざなう。

 

 

何か伝えたいと、小さく動くナツの唇。

らしくもない小さな囁き。

 

 

「……オレも…」

 

 


 

 

 

Fin

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

わぁ~ん(*’▽’)山も落ちもない;;;;

ただただ日常が戻ってきて、ホッコリしてるナツルハピにしたかったんだよ~;;;;

くまねこちゃんの優しいナツルハピのイメージに合えばいいんだけどっ(*ノωノ)ニャ

bottom of page