top of page

2014年6月5日~

秘密結社『妖精の尻尾』シリーズ  

処女宮の星霊『バルゴ』

 

ここは、魔法が廃れ忘れられた世界。

そして、魔法に成り変わるように発展していく機械類がそこかしこに、溢れかえっている。

 

鉄筋コンクリートに囲まれる繁華街の一角に、探偵事務所兼なんでも屋の『妖精の尻尾』がある。

だが、その裏の顔は忘れられた魔法を操る事の出来る存在、魔導士を有する秘密結社である。

 

その事務所のある建物の地下に、『妖精の尻尾』が経営する酒場がある。 そこは、妖精の尻尾に所属する銀髪の美人姉妹が切り盛りしている。

夜は酒場として来るものを拒まず営業をしているが、一般に開放していない昼間は、魔導士たちのたまり場として、特殊なものを食して魔力を補充するような魔導士たちに専用の料理をだす喫茶店のようなこともやっている。魔導士にとって、とても貴重な場所だ。

 

そのカウンター席に、金髪の少女が座り本を読みふけっている光景は妖精の尻尾ではもう当たり前の光景になっていた。少女は分厚い本をカウンターの上に開き、アイスカフェラテに挿したストローをたまにクルクルと回しながら、本の頁をパラリとめくる。

本の内容にのめり込み、表情豊かに顔をしかめたり、緩めたりする姿は可愛いものがある。

そして、読書を楽しむ少女の背後から忍び寄る影がある。

 

桜頭の少年と青色の猫が金髪の少女の背中に狙いを定め、今!跳びつこう構えていることを、本に夢中になっている少女は気が付きそうにない。

 

酒場にいる他の目は、半ばあきれながらそのこうけいを眺めていた。

確実に、この後少女にお説教を喰らうだろうによくやると、見守る目は弛み苦笑が漏れている。

だが、怒られながらも嬉しそうにしている少年と青猫の姿を見るのは、皆悪い気はしていないのだ。それに、しょうがないわねっ!と最後には笑みそもらす少女の姿も、周りの心をほんわかと させている。

 

今にも跳びつこうとしている少年は、桜色の髪が印象的で、その幼さの残る容姿に反して危険な古代魔法・炎の滅竜魔法を使う魔導士ナツ・ドラグニル。

その頭に乗っている青猫は、背に白い羽を広げて宙を舞う。その姿はさながら幸せを運ぶなんたら、、、のような喋る青猫ハッピーだ。

 

そして、今!!

1人と1匹は金髪の少女に飛びついた!!!

 

「「ルーーーシーーィーー!!!」」

 

ナツが背後から少女の肩を抱くように跳びつき、一瞬遅れてその頭からハッピーが少女の顔の前に「ばぁ!!」と滑り落ちてきた。

 

「っ!?!?!にゃっきゃわわわわわわぁぁぁぁぁ!!!」

 

少女が、突如体を襲った衝撃と、目の前に振ってきた存在に驚き叫び声をあげた。

 

毎度この1人と1匹にいじられているの金髪の少女は、ルーシィ・ハートフィリア。

彼女は世界有数のハートフィリア財閥の・・・・・。

まぁ、それはまた別の話。

そしてルーシィは、星霊に愛し愛される星霊魔導士であり、ナツとハッピーの初めてのチームメイトでもある。

彼女の何にでも返してくれる面白い反応に、ナツとハッピー楽しみを覚え毎度の様に彼女をからかい奇声を上げさせている。

 

 

「カッカッカッカッカッカ~!!!」

「プフフフフフフフッ!!」

「ルーシィはおっもしれーなー!!」

「あい!!ルーシィの反応は天下一品です!!あい!!」

 

この親にしてこの子とでも言うのだろう。。。同じように笑うこの1人と1匹。

ナツが、ハッピーを卵から羽化させここまで育てただけの事はある。。。

似なくていいところまでそっくりだな。

賢さに関しては、すでに追い抜かれているような気もする頭のまわる青猫と、そんなのお構いなしにとノー天気にニコニコと笑う桜頭だな。

 

そんな事が頭の片隅を過りながら、ルーシィはきょうもまた、顔を真っ赤に染め、頬を膨らます。

・・・そして、拳に力を込めるのだ。

 

「もー!もー!!もーーー!!!!」

「おっ?なんだルーシィ!牛に転職か??」

「ウププッ。ルーシィおっぱいだけじゃなくって頭も牛になっちゃったの~??」

「!?そんな訳ないでしょ!!胸だって牛じゃないし!!いっつもいっつもあたしばっかりおどろかして~!!」

「うおっ!!牛じゃなくてゴリラに転職だな!すっごい顔だぞ?ルーシィ!!」

「プフフフフフッルーシィ顔真っ赤!!」

「キィ―――!!あんた達!おちょくってんじゃないわよぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ルーシィの叫びと共に繰り出された渾身の右ストレート。 1人と1匹の頭には大きなこぶができた。

まあ、それですんだのなら軽い方だった。

だが、振り返ったルーシィがカウンターの上で転がるグラスを見て、怒りは収まる事を放棄してしまっている。

再び、1人と1匹にギロリト視線を向けたところで、読んでいた本を救出してくれていた、酒場の看板娘のミラジェーンが やさしく笑みを浮かべて言葉を挟んだ。

 

「クスクス。相変わらずの仲良しね♡」

 

ミラジェーンの微笑み交じりの言葉に、現実に戻ってきたルーシィは頬を赤く染めた。

 

「あい!!オイラ達はすっごく仲良しなんだ!!」

「おう!仲良しはいい事だろ??」

 

なっ!と、ハッピーとナツはミラの言葉に明るくかえす。

 

「ええ。仲良き事はいい事よ!でもほどほどにね?ルーシィは女の子なんだから!ねっ?」

 

ミラに微笑みかけられ、ルーシィは慌てて振り上げていた拳を背に隠した。

 

「あはっ。。はい!!そっそうよ、あたしはレディなんですからねぇ~!!」

 

そういって、ルーシィはこぼれされたカフェラテを片付け始めた。

 

「もう!あんた達のせいでカフェラテこぼしちゃったじゃない!」

「ウププッ。オイラ達は脅かしただけで、こぼしたのはルーシィでしょ?プフフフッ」

「うっ・・・・。あ~ぁ、大事に飲んでたのになぁ~。今月金欠なのになぁ~。 誰かさんのせいでぇ~。。。」

 

再度怒る気にもならず、ルーシィは小さく息を吐きながらぼやいた。

 

「それより、金ねぇんなら仕事行こうぜ!!仕事!!」

「プフフフッ。ナツってば、ルーシィが本読んでばっかりだから構って欲しかったんだよね~!!」

 

ニヤニヤと笑うハッピーに対して、ナツは普段通りおう!といってめを泳がせただ。

 

「なによ~。遊んでほしかったんなら他の人に頼めばいいでしょ?何もあたしじゃなくったって。。。」

「・・・・・ルーシィ。」

 

ルーシィの発言に、ナツとハッピーは大きく息を吐いた。きっとこの鈍感な彼女には何も伝わっていないのだ。

ハッピーの発言に内心焦って、必死で平静を装っていたナツは、ムッと下唇を突き出した。

 

「うるせぇ。。ルーシィといるのが楽しいんだからいいんだよ。。」

 

ぼそぼそと呟いたナツの声は、残念ながらルーシィには届いていない。

 

「で?仕事って??何かあるの??」

「あ?いあ。これから探す。」

「ルーシィは~どんなのがいい??」

「え~??どうせあたしが言ったって、ナツが暴れられるのに決めちゃうんでしょ?」

 

ルーシィの口からため息が漏れたところで、ミラが1枚の依頼書をカウンターに置いた。

 

「ルーシィにピッタリの仕事あるわよ?」

 

2人と1匹はその紙に見入った。

『 

依頼書

 

 枯れた温泉を復活または、

新しい温泉を掘り当ててください!!

報酬:20万J 

 

シロツメの街、温泉組合 

「・・・シロツメの街かぁ。。。フフッ」

 

なんか懐かしいわね!!とルーシィが微笑んだ。

 

「おぉ。そうだな。」

「あい。バルゴがゴリラメイドだった頃だね!!」

 

そういやそうだな。と懐かしむ2人と1匹にミラが付け加える様に口を開いた。

 

「この依頼はね『何でも屋☆妖精の尻尾』にきたモノよ。くれぐれも、、、気を付けてね?」

 

そうなのだ。表向きの何でも屋の方に来た依頼では、魔法は使えない。

いや使ってもいいのだが、、、見られるわけにはいかないのだ。

ここは、魔法が忘れられた世界なのだから。

 

ルーシィは依頼書を手に取って、にっこりと笑ってミラにウインクしてみせた。

 

「・・・バルゴに頼めば、すぐですよ!」

 

 

バルゴ。

 

 ルーシィの腰にいつもの様に鎮座する金と銀の鍵。 星霊界とこの世界の間に扉を作りその扉を開けるための鍵。 バルゴは、そのそれぞれが世界に1つしかない金色の鍵の、黄道十二門が一人、処女宮の星霊バルゴだ。

 

そのバルゴが 穴を掘るのが得意な星霊なので、ミラからこの依頼を進められたのだろう。

 

しかも、場所はシロツメ。

 

ナツとハッピーとチームを組んではじめて訪れた街で、バルゴと出会った場所だ。

 

その時バルゴは、敵の星霊だったんだ。

6・6

*

*

*

 

あれは数か月前。

 

まだルーシィが『妖精の尻尾』に所属してすぐの事だった。

 

ルーシィは新たに生活することになった このマグノリアの地で住む部屋を見つけ、引っ越しの片づけに汗を流していた。

片付けといっても、トランク1つで旅をしていたのでそんなに荷物もない。必要最低限の生活用品を買い、備え付けの家具にしまっていく位なのだが。。。

 

悩みながら配置していたためか、少々時間が押してしまっていた。 そして、やっと一段落着いた処で、汗を流すためお風呂にはいる事にした。 このアパートは1人暮らし向きのくせに、しっかりしたキッチンと大きなお風呂が付いている。

少し古い物件だったが、建物の外装と、キッチン周りそして、お風呂の大きさでルーシィは、この部屋を選んだのだ。

 

たっぷりのお湯をお風呂に貯めて、その日購入したばかりの入浴剤を入れた。

足をのばして、手をのばして、んんー!!とからだ全体でのびをする。

すると、片づけで同じ体勢をとっていたために固まっていた筋肉がほぐれていく。

初めて使う入浴剤は上々だ。やさしい上品な香りとしっとりと肌に潤いをあたえてくれる優しい肌触り。

 

 ルーシィがお風呂を楽しんでいる間、部屋に侵入者が来ていた。

 

『ドンドン。ドンドン。』

「ルーシィ。」

「ルーシィ!!」

 

ドアをたたいても、呼んでも返事がない。 ナツは仕方なく開いていた窓から、ハッピーを潜り込ませ、内側から玄関のドアを開けさせた。

そうして、ルーシィの部屋に侵入したのだ。

どうやら、諦めて出直すという気は始めからないらしい。

 

サンダルを大雑把に脱ぎ散らかし、裸足のまま床に足を付けると、部屋の奥の方から水の流れる音と何やら鼻歌が聞こえてくる。 ルーシィの声だ。

どうやら彼女は今風呂に入っているらしい。   これはこれで面白いと、ナツはハッピーと共に部屋の中を物色しはじめた。

 

出会ったばかりだったが、ルーシィという少女は屈託がなく、打てば響くいい反応そしてくれる。 しっかりしているようで抜けていて、派手な見た目に反し流行の物などはあまり知らず、難しい本を読みふけっているのでこれまた意外に物知りだ。

ナツの周りには今までいなかったタイプの人間だった。

そして、同じ先を見据える事が出来そうな、そんな予感さえするのだ。

 

『ナツー!ここにキワドイ下着が入ってるよ~。』

『おぉ。そうかそこか!わかった!!ってか食いもんねぇのかよ。。。』

『ナツー!こっちにお菓子の匂いがするよ~。』

『お~し。探し当てろ!オレはこの辺を。。。』

『あっナツ!机はやめときなよ~。ナツ直ぐ紙燃やしちゃうんだから。』

『ぐぬぅ。。なんかその紙の束が気になんだよな。』

『ナツー!お菓子あったよ~!』

『よーし!食おうぜ!!おっ♪このソファ座り心地いいな!』

 

ナツとハッピーは、遠慮なく人の家を探索し、それを終えると買い置きしていた食糧に手を出していた。   ルーシィは、大きめのタオルを体に巻き、肩に小さいタオルをかけたまま脱衣所から出てきた。

 

何かの鼻歌を歌いながら、冷蔵庫をあけコップに冷たい水を注いだ。

冷蔵庫のパタンとしまる音と一緒に、水の入ったコップを持って振り返った視界に。。。

そして、大きく口を開けたまましばしフリーズしたのだ。

 

「っ!?!?!?!?!」

「よっ!!」

「もぐもぐ。」

「あっあたしの部屋~!!」

「なんであんた達が!!」

「あ?ミラが部屋決まったって教えてくれたんだ。」

「あい。遊びにきました?」

「って!!だからって、勝手に入ってきちゃダメでしょ!!」

「ルーシィ、変な下着いっぱい持っているんだね~!」

 

ハッピーが、タンスから真っ赤な紐のような下着を引っ張り出した。

 

「!?きゃー!!コラッ!!やめなさい!!!」

「そんなに怒ると、血管切れちゃうよ?ルーシィ。」

「そうだぞ!!ルーシィ!猫のやる事だ気にすんなっ。」

「・・・ねえ。モラルは??親しき仲にも礼儀って言葉知らないの?不法侵入は立派な犯罪行為よ!!!」

「残忍な奴だな。キズつくぞ!?」

「はぁ!?傷ついてるのは、あ・た・しー!!」

 

ルーシィの悲痛な叫びがそこに響いた。

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 何時ものやり取り(´艸`*)♡

 

*

0607

ひとしきり叫んで、何とか落ち着きを取り戻したルーシィ。

ルーシィのパニクル様子を、興味深げに 楽しそうにナツは観察していた。

自然とその眉はいつもよりも下がっていることに本人は気付いていない。

そして、わずかに口角も持ち上がっていた。

ルーシィといると、なぜかワクワクしてきて、何をやっても楽しくなってくるのだ。

 

勝手に来て、帰れと言っても帰らずしまいにはお茶と菓子はどうしたんだと、何だかんだと言いくるめられルーシィが1人と1匹に紅茶を入れてやっている。

その後姿にも、この部屋に入った時から感じているやさしい匂いにも、どこかホッとしてしまいナツは、、、最早ここから帰りたくないのだ。

それから思い出したようにナツは、ニッと犬歯を見せて笑うと提案した。

 

「なぁ。ルーシィの鍵の奴ら全部見せてくれよ!!」「くれよ!!」

「や~よ。星霊呼ぶのって、結構魔力使っちゃうのよ。ってそうだ!」

「あんだ??ケチルーシィ。」

「なーに?ケチルーシィ。」

 

間髪入れずにルーシィに否定され、ブー垂れならナツは下唇を突き出した。

それにつられて、ハッピーも同じようにした唇を突き出す。

 

「ケチって。。。もう!!ちょうどいいしぃ~折角だからぁ~、星霊魔導士が星霊と契約するところ見せてあげようと思ったのになぁ!?」

「「おぉっ!!見せろ!!」見た~い!!」

 

ルーシィは、クスッと笑ってナツとハッピーに笑顔をむける。

本当は知らない街、初めての部屋で、、、ワクワク楽しいのも本当だけど、少し心細かった。

お風呂から上がってナツとハッピーの姿を目にして、驚いたけど結構うれしかったのだ。

けして本人たちには言うまいと思ったが。。。

 

今までだって、ここにたどり着くまでにいろんなところで寝泊りしてきた。

ただこれまでは、移動途中だった。生活費を稼ぐために泊り込みのバイトをしても、仲良くなる人がいても、その場を取り繕っておくだけだ。

そこから移動してしまえば、また知らない人になっていたんだ。

人との繋がりが、本当は心の底から欲しかった。

 

ここはすぐ離れる訳では無い。

『妖精の尻尾』という大切な場所を見つけたのだ。

自分で、ルーシィでいてもいい場所を手に入れたんだ!!

ここからもう離れる気はさらさらないのだから。緊張もするし、失敗もしたくない。

自分で自分に変なプレッシャーをかけてしまっていたようで、心が押しつぶされそうな感覚があったのだ。

それが、ナツ達の侵入によりいつの間にか、かき消されていた。

 

ルーシィは棚の上に大切に置いてあった、小犬座の門を開く銀色の鍵を何もない空中に挿しこんだ。

ナツとハピーは息をのんでその光景に見入っている。

 

「我・・星霊界との道をつなぐ者。汝・・・・その呼びかけに応え門をくぐれ。開け小犬座の扉!ニコラ!!」

 

ルーシィの魔力が鍵を握る手に集中し鍵を通って空中に魔法陣を描き出す。

魔力によって、ファッときれいな金髪が宙に浮いた。

そして扉を開ける軽快な音が鳴った。

 

“ポンッ!!”

 

「プーン!!」

 

続いて・・・可愛らしい鳴き声・・・?

まん丸の頭にまん丸の体。それに対してヒョロとした細い手足。。。。

しかもガタガタと体を震わせている。

 

(・・・・・。これはもしかして。。。。)

 

ハッピーは最悪のシナリオを脳内に展開させた。

チラリと相棒の顔を覗きみると、びっくりしたような、呆気に囚われているような、、、微妙な顔で、額からじっとりとした汗をながしその光景を見つめていた。

 

「わあぁっ♡」

「「・・・・・。」」

 

ルーシィが歓喜の声と弾けるような笑顔で、そのプルプルに駆け寄って行った。

ナツとハッピーは微妙な面持ちのまま。

 

「「・・・・ドッドンマイ。」」

 

ぽそりとその口からそろって、慰めの言葉が漏れ出た。

 

「!?ちょっとぉ!?失敗してないわよ!!おいでプルー!」

「プルー?」

「うん。名前!なんか語感がいいでしょ??」

「プップーン!!!」

 

ルーシィの腕の中に白くて丸くて、黄色くてとんがってるのが抱え込まれ、スリスリと頬擦りをされた。

 

プルーとの出会いは、ナツ達と一緒だった。

最近では、妖精の尻尾からの帰り道には毎度呼び出し、ルーシィに癒しをあたえてくれる存在だ。

 

次いでナツ達の前で、プルーとの契約を済ませた。

すると、プルーは身振り手振りで何かを伝えてくる。

・・・・。

だがしかし、その意味が契約者のルーシィにも解らない。

ハッピーがルーシィを見上げていると、その脇でなぜかナツがそれを理解していた。

 

そして何かを納得したようなナツが、輝く様な笑顔をルーシィに向けた。

 

「そうだな!プルーの言うとおりだよな!!オレもそう思うぞ!!」

 

ナツは嬉しそうに、プルーの頭を撫でた。

 

「何話してたの??ナツ」

「ナツって、、、やっぱり人外だったのね。」  

 

興味津々のハッピーと、訝し気にナツを見つめるルーシィ。  

 

「・・・ルーシィって結構失礼な奴だよな!」

「ナツー!!ナツは人外でもいいからさぁ、プルーは何言っていたのさ!!」  

 

てへっと笑うルーシィと、早く話の内容が聞きたいというハッピーに、ナツはプルーを抱え上げてニヤリと笑って見せた。  

 

「一緒にいると楽しい事が増えるって言ってたんだ!!」

「へぇ。」

「仲良くなって、助け合って、いっぱい一緒に冒険をしたいんだってよ!」

「わぁ!!プルーいい事言うわね♪」 

 

 ナツの口からプルーの言ったことが伝わると、ルーシィが楽しそうに目を輝かせた。  

 

「冒険かぁ。楽しそう~!!」

「なんかそれって、チームみたいだねっ。」  

 

ハッピーは、プルーの手を持ち上げたり、口を開けさせその中を覗きこんだり、鼻?ツノ?をツルツルと撫でてみたり、観察しながらポツリと言った。

その言葉にルーシィは首を傾げた。

 

「チーム?」

「あい!!チームって言うのはね!妖精の尻尾の仲間の特に仲のいい者同士が集まって結成するんだ。1人じゃ難しい依頼もチームでやれば楽になるしね!!」

「へぇ。。。ナツとハッピーもチームってこと?」

「ん~。オイラとナツはいつも一緒に行動してはいるけど、チームって言うのとは少し違う気がするし。。。」

「ま~なっ。ハッピーは相棒だしな!!そんなチーム組む必要性も感じねぇしなっ。」

「・・・ナツは問題児だから、チーム組めって言われてるんだけどね。イグニールが帰ってきたらまたチーム組むって言って組みたがらないんだ。」

「・・・そうなんだ。」

 

ルーシィは天井を見上げ、プルーを見て思案し、ポンと手を叩いた。  

 

「ねぇ。ナツ!!あたしとチーム組まない??」  

「へっ?」

「あたしも、イグニールを一緒に探すんだもん!!いいでしょ?」

「「!!!!」」 

 

 ナツの顔が嬉しそうに崩れて笑った。

ハッピーも嬉しくってたまらないとばかりに、部屋の中を旋回している。

床に置かれたプルーに至っては、なんだか意味が解らない踊りを踊っている。  

 

「プルーの言ったとおりになったな!!」 

 

 ナツが楽しそうにプルーの頭を撫でた。どうやら、あの時プルーはナツからチームの存在を聞いて、みんなでチームを組んだら楽しそうだとも言っていたらしい。

 

「で?どうなのよ??」

「あい!!!」

「おう。オレとハッピーとルーシィ!!それとルーシィの友達みんなでチームだな!!」 

 

 ナツが嬉しそうに笑うと、ルーシィの胸があったかくときめいた。  

 

「プルーもいいでしょ??」

「ププ~ン!!」

「フフッ楽しいなっ。チーム!!面白そう!!!!」  

 

ルーシィの嬉しそうな笑顔と、その言葉をうけて、ナツとハッピーもこぼれんばかりの笑顔を返した。 

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

チーム結成!!みんな同じ気持ち(*´▽`*)クフフッ

 

 *

0609

「でなっ。もう依頼は受けてきてんだ!!」

「えっ!?」

「ルーシィ引っ越ししたばかりで、お金必要でしょ??」

「うっうんまぁ。。。」  

 

この仕切りの良さは・・・??

あれ??・・・もしかして、あたし嵌められた!?!?

・・・でもなんか心地いい。どうしたって笑みが漏れ出てしまう。

ナツとハッピーと一緒にいると心から笑える自分に会えるんだ。

 

彼らが、あたしにあたしをくれる。

沸々と沸き上がってくる心地のいいドキドキを胸に秘め、ルーシィは緩んでしまう口元を引き締めなおした。  

 

「よし!!早速仕事行っくぞぉぉぉぉ!!ホレッ!!」 

 

ナツは気合を入れながら、ルーシィの前に1枚の依頼書を差し出した。

 依頼書

  シロツメの街、エバルーの屋敷から

“日の出”という本を探し出し、焼却してほしい。

方法は問いません。

その本がこの世から、存在しなくなればいいのです。

報酬 20万J

尚、エバルー氏は無類の女好きで、変態です。

ただいま、金髪のメイドを募集中。

                 』

 

ルーシィはその依頼書を持って、その場で震えだした。

 

なにコレなにコレ!!

金髪のメイド募集って!!

それって、、、、あたしが金髪だからチームに誘いに来たってことよねぇ!?!?

さっきのジーンとした感動は何だったの!?あたしの感動返せぇぇぇ!!!!  

 

ルーシィは、うっすらと目に涙をたたえてナツを睨み付けた。  

 

「・・・あっあたしが金髪だから誘ったの・・・・?」

「んお?あぁ!!ルーシィ金髪でよかったな!!なっハッピー!!」

「あい!!この依頼にもってこいだね!!メイドさんお洋服着てね!!プフフッ」  

 

実はそれだけではない。

ルーシィに純粋に興味があったんだ。

本当はどういう奴なんだろうって。

いつも楽しそうに笑ってるけど、たまに寂しそうな目をするんだ。

その目を見ると、なぜか俺まで胸が締め付けられんだ。  

 

本当は、とりあえず今回の依頼だけ一緒に行こうと誘いに来たんだ。

でも、プルーのおかげでチームを組むことになった。何でか知らないけど、ワクワクしてくる。

目の前で、楽しそうに笑うルーシィを見ると。  

 

「なっ!?」

「星霊魔導士って、約束大事にすんだろ??よろしくなっ!ルーシィ!!」

「よろしくなっ!!」  

 

「・・・・・。はっ嵌められたの??」  

 

ルーシィは下唇を噛みしめた。ナツとハッピーの言い方は、金髪だからルーシィを誘ったとも、たまたまルーシィが金髪でよかったんだとも聞こえる。

どうせなら、後者の方がルーシィとしてはいいが、、、その答えを直接聞く勇気はその時のルーシィにはまだ無かった。 

 

まぁ、後から聞いた話ではこの仕事は、マスターがルーシィの肩慣らしにと持ってきてくれた仕事で、ルーシィと誰を同行させようかと考えていたところ、ルーシィが行くならオレだろうと、ナツがその依頼を引っ手繰ってきたというのだ。

つまり、前者でも後者でもなく、ルーシィにきた依頼にナツがくっ付いて来たと言うだけだったのだが、その時のルーシィに知る由もなかった。  

 

しかもその依頼、そんな泥棒まがいの仕事は、本来マスターの元で断られるものである。

だが、今回はこの依頼に紛れてエバルーの裏調査を遂行できそうだと、引き受けられたのだ。 

 

ナツが強引にその依頼を奪ったので、マスターからその裏仕事を言い渡されたのはハッピーだった。

もちろん、ハッピーからルーシィにも伝えられ一緒に探すのだが。。。  

 

エバルーには黒い噂が以前からあったのだ。エバルーはシロツメの街の権力者だった。

まぁ、もっと広い視点で見れば地方の小者の政治家だが。

問題は、そのエバルーという男が、魔導士だという事。

そして黒い噂。  

 

賄賂・収賄・詐欺・恐喝、その他いろいろ。小物の悪者によくありがちな奴だ。

その土地に住む者は、被害は受けていても土地の権力者のエバルーに逆らう事が出来ず、随分ひどい扱いを受けた者もいるらしい。

だが、その権力ゆえに逆らえなかったようだ。過疎化の進んだ孤立し街ならではの事なのかもしれない。  

 

そんな黒い噂は聞いていたが、なかなか内部調査に踏み込めていなかった時に、ちょうどよく表の看板『探偵事務所兼なんでも屋妖精の尻尾』にこんな依頼が来たのだ。

マスターはその依頼を持って、政府にかけあい今回の仕事になったのだ。  

 

『騒動に紛れて、エバルーの黒い噂の証拠を入手せよ!!』

 

これが裏の依頼だ。  

 

 

もちろんナツはそんなことは聞いてはいなかった。とは言っても、ナツが聞いていたしても役割は変わらないのだろう。

ナツが暴れて、その間にハッピーが証拠集め。それは常であるのだから。  

 

「ねえルーシィ。ナツが今までチームを組まなかったのは本当なんだよ!」

「えっ?」

「プフフッ。何でルーシィとはチーム組んだんだろうね?」

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

エバルー→子悪党ですね。。。パロディってなんか書いてて不思議な感じ♡

続きます(*'▽')ノ

 

Anchor 4
bottom of page