2014年3月27日
彼と彼女とアタシとアイツ~上~
ナツ→←ルーシィのナツルーと、ジュビア→→→←グレイのグレジュビ?です。
マガスぺを読んで、衝動的に書きはじめました。。。どうだろうか。。。結局みんなで、きゃいきゃい騒いでるだけの様な。。。。
オリジナルの魔法などの設定があります。何でもこいの方のみお進みください。
お目汚し失礼しますm(__)mどぞ ^^) _☆~~
太陽が昇ったばかりで、窓の外で空が薄明るくなってきた頃 ルーシィはんん~っと、両手を頭の上にあげ体を伸ばした。
まだ日が短い季節といっても、まだ外は暗いようだ。
どうやら、いつも起きるよりもずっと早い時間に、目が覚めてしまった。
・・・・・・息苦しかったからだ。
そして、その原因がすぐに視界に入る。
「もう。ハッピー!!」
なぜか人の身体の上で、丸まっている青猫。
ルーシィは体を起こして、その青猫ことハッピーを胸から引き剥がして首根っこを摘み上げた。
何時もならここで、逆に文句を言ってくるはずなのに、今日に限ってそれがない。
それどころか、普段ピンと張っている耳が垂れさがり、心なしか眉毛も下を向いてしまっている。
「・・・ハッピー?」
ルーシィがその顔を覗きこむと、青猫がゆっくりと口を開いた。
「ルーシィ。。。ルーシィはオイラの事、、、好き??」
眉間に入ったハッピーには似合わない縦ジワを見て、相棒のナツと喧嘩でもしたのかと、胸の奥がざわついた。
ルーシィは、青猫を優しく胸に抱き直し よしよしと頭を撫でながらやさしく囁くように言葉を紡ぐ。
「フフフッ。ハッピーは、、、ナツと一緒になってあたしに悪戯したり、余計なこと言ったり、困ったところもあるわね?、、、けど、可愛くって、仲間思いで、大好きに決まってるじゃない!!」
「うぅぅぅ~。。。ルーシィィィィィィィィィィィ!!!!」
目に涙を溜め腕の中で、胸にすり寄ってくる青猫の背をルーシィはトントンとさすってやる。
「大丈夫よ!!困ったことでもあるのね??あたしに何かできることがあるなら言ってごらん!!」
ナツとの喧嘩の仲裁。
そのくらいの軽い気持ちから出た言葉だった。
そして、腕の中で青猫の目の奥がキランと光っている事に彼女は気が付かない。
「ホントに!?ホントにいいの??ルーシィ。。」
何時も元気なハッピーの弱々しい口調に、ルーシィの眉毛まで下がってきてしまう。
「うん。ハッピーの為だもん!協力するよ!!」
腕の中で、ハッピーの身体が小刻みに揺れている。
肩を震わせて泣いているのだろうか?
ルーシィは心配になって、その表情を覗きこもうと青猫を顔の高さまで持ち上げた。
・・・・・・・。
丸い筈の青猫の目は、三日月の形に変わっている。
その目を見て、シマッタ!!と思っても 時すでに遅しだ!!
「プップップフフフッ!!!星霊魔導士は、約束破らないんだよね!ルーシィ!!」
「謀ったわね!!」
ルーシィの叫びが、まだ寒い部屋に響いた。
*
ハッピーからのお願い事は、何て事の無い事だった。
ただ、仕事に一緒に行ってほしいという。
まぁ、、、逃げ道を塞いでくる頼み方からすれば、、、何かあるのだろう。。。
渋々身支度をすますとルーシィは、ハッピーに言われてとりあえずギルドの向かうことにした。
まだ外は薄暗く、ひんやりした空気が ルーシィのむき出しになっている頬を 赤く染める。
そう言えば、ハッピーは一緒に相棒のナツを連れてきていなかった。
それもなんだか不思議に思い、ギルドに向かいながら詳しい話を聞こうとすると、腕の中のハッピーが反目になり、ふうっ吐息をはき出した。
「オイラもまだ内容は、知らないんだ!!!」
「はぁ??」
「でもねっ。昨日マスターがミラに渡してた新しい依頼書の中に、チラッと見えたんだ。。。ナツ・・・に指名の依頼。」
「へぇ~。相変わらず指名されてるのね?大人気じゃないナツのくせに!!」
「あい。ナツは強いし、大魔闘演武でもルーシィ違って大活躍したからね!!」
「・・・ちょっとぉ?あたしと違ってだなんて、わざわざ言わなくてもいいじゃない!!」
ルーシィの頬が、プクッと膨らんだ。
「プフフフッ。ルーシィがしょぼいのは今更だったね!!」
「もう!猫ちゃん!?あらっ?お髭曲ってるわよ?アイロンかけてあげようか??」
「うにゃっ!?・・・・ルーシィって案外凶暴だよね。。。」
「・・・・猫ちゃん?」
「・・・なんでもないよ?ルーシィっていっつもかわいいね!!」
「あらっ!ありがとう!!正直な猫ちゃんね!!」
「あい。今日は焼き魚な気分です!!」
「ちょっとぉ??」
腕に抱えたハッピー目を合わせながら言い合っていると、足元に大きなの影が現れた。
「わぁっ!!」「キャッ!!ったぁ。。」
気付いた時にはハピーの後頭部とルーシィのおでこが、その陰の持ち主にぶつかった。
その衝撃でルーシィは、持っていたカバンを地面に落とす。
一緒に落としそうになったハッピーを抱えなおしながら、ルーシィは顔を持ち上げた。
ハッピーは目を回してクタリとしている。
「やだっ!!ごめんなさい!!」
「ルー。。シィ。。オイラの。。。プリティな。頭が。。。。。」
目の前の人物は逆光で顔がよく見えないが、男の人のようだ。
「・・・朝から、姫さん達は賑やかだな!!」
頭の上から、よく知っている声が降ってきた。
「グレイ!!」「・・・お・はぁ。。。」
「おっす。おはよっ。。。姫さん、ちったぁ気ぃ付けろよ?」
グレイはスッとかがんで落としたカバンを拾ってくれた。
「ありがとう。グレイ。おはよう!!」
カバンを受け取ろうと手を伸ばすと、グレイは鞄を持ったまま歩き出してしまう。
「これくらい持ってってやるから、ハッピーちゃんと抱えてやれよ!」
半分ずり落ちそうになっているハッピーを抱え直しルーシィはグレイの脇に並んだ。
「・・・ルーシィ。。。酷いや。。。」
「へへっ。ごめんごめん。・・・それにしてもグレイ今日は早いわね?」
「ん?ああ。ミラちゃんが依頼入ってるから今日は早く来いって、昨日の帰り際言われてな。指名なのかもな?朝早ぇとだりぃなぁ。。」
「ふ~ん。そうなんだ。。。ナツもグレイも、エルザも指名の依頼で忙しそうね~!!」
「ま~なっ。仕事が無いよりいいけどな!!」
「フフッ。そう言えば、大魔闘演武の前はみんな仕事なくって困ったもんね~。」
「だろ?」
ルーシィのカバンを持った手を肩に置きながら、グレイはルーシィに会わせてゆっくりと歩く。
「・・・・あい。でもオイラ、大半は別に指名してこなくってもいいと思うんだ!!」
「それもそうだな。。指名されていってみたら、握手してください!!とか言われんのも飽きてきたな。」
「うわぁ。。サラッと自慢したぁ?今。。」
「あい。サラッとモテ自慢です!あい!!」
「指名の無いあたしに、嫌味かしら??ってかグレイ服!!!」
「うへっ。。。べっべつにそんなつもりじゃぁ。。。いあ。わりぃ。。」
慌てて、脱いだジャケットを拾うグレイ。
ルーシィは半分瞼を下げ、ジト目でグレイを見上げる。
「フフフッ。冗談よ?ねっハッピー。」
「あい。グレイはいくらフラグたっても片っ端から、それを折っていくジュビアがいるから!結局残ってるのはジュビアだけだしね!!」
「そうね。それもいつも通りね!!クスクス。」
「うぐぅ。。。ったっ頼んでねぇけどな!!」
今まで、ルーシィとハッピーに目線を合わせて話していたグレイが視線を上の方に反らした。
「ま~たまた~!!最近いい感じじゃない!?」
「あい。みんな いつ付き合い始めるかって賭けてるんだけどね?」
「ほ~んと。グレイはそういうとこ意気地ないからなぁ~。。。いつまでも当らないわぁ。」
ルーシィもハッピーと同じように、ニマニマと笑みを浮かべている。
軽く照れた顔をしながら、グレイが強い口調で言う。
「なっ!?だからオレ達はそんなんじゃねぇよ!って何回も言ってんだろうが。儲けたかったら、ジュビアが諦めるに、賭けとけよ!!」
「あら?オレ達ねぇ??今複数形使ったわよ?ハッピー。まるで自分の付属品みたいな言い方ねっ!!」
「あい!オイラもしっかり聞きました。まるで夫婦みたいです!」
「おいおい!!」
「アハハハッ。怒んないでよ?昨日言ってても、今日は違うかもしれないじゃない?人の心ってそういうものでしょ??」
フフフフフフフフッ。とルーシィが楽しそうに笑っている。
ギルドを目前に捉えたところで、桜頭がルーシィの視界に映った。
ルーシィは、大きく手を振る。
腕を離されたハッピーは、ふよふよと飛んでグレイの頭に乗った。
「ナツーーーーー!!」
ルーシィが大きな声で名前を呼ぶと、こちらを向いた桜頭がどんどん大きくなってくる。
どたどたと駆け寄ってきた桜頭の少年ナツは、ルーシィの隣にグレイがいるのに気付くと眉間にしわを寄せた。
そのままグレイを鋭く睨み付けた後、いつもと変わらぬ顔でルーシィに向きなおった。
「おはよー。ナツ!!」
それに気付かず、ルーシィがナツに満面の笑顔をむける。
「っ///はっはよ。ルーシィ!!」
さっさとギルドの入っていこうとしたグレイが去り際にクスリと笑った。
それを頭の上の、空気の読めるネコも真似る。
「・・・どもってやんの!!」「やんのっ!!」
「あんだとぉぉぉ?!」
「なんだよ?朝からやんのかぁ??」
毎度のごとく、ナツとグレイがにらみ合う。
グレイの頭の上では、ハッピーが口に手をあてて笑っている。
「ちょっ!!やめなさい!!2人とも。朝から街の人が迷惑するでしょ!!」
そう言いながら、ルーシィは慌ててナツの袖を掴んだ。
「ムムッ///」
ナツは、グレイの胸ぐらを掴んでいた手を素直に放した。
グレイも何事もなかったように、向きを変える。
「姫さん、カウンターに置いとくなっ!」
「あっ。グレイありがと~!!」
グレイが、ギルドの扉をくぐった。頭に乗っているハッピーも一緒に。
そこに取り残されたナツが、グルリとルーシィに向きなおる。
「なんでグレイと一緒なんだよ?」
「ん?そこで会ったのよ?・・・何?朝から不機嫌??どうかしたの??」
「・・・・いあ。何でもねぇ。。。。んで?なんでグレイに御礼言ってんだ?」
「ん~?転びそうになっちゃってね?ハッピーがぐったりしちゃって、、、まぁ、鞄持ってもらってたの!へへっ。グレイってば優しー。さっすが姫予備してくれるだけあるわね~!」
そう言ってニコニコとルーシィが笑うと、ナツの眉間のしわが深くなった。
なんとなく下唇がとんがっているナツの表情がおかしくって、ルーシィはくすくすと笑いだす。
「フフッ。そんなにグレイと張り合いたいならなら、ナツを今からあたしのかばん持ちにしてあげようか?」
「!?ちぇっ。。。何だよそれ??」
くすくす笑い あんた達ホントは仲良しなんじゃないの~?と言いながら、ルーシィはギルドの扉をくぐる。
1歩遅れて、ふざけたこと言ってんじゃねぇ!!と言いながら、ナツも扉をくぐった。
カウンターでギルドの看板娘 魔人ミラジェーンがナツ達を待っていた。
*
「ナツー!!ルーシィ!!おはよう!!」
ギルドに足を踏み入れると、それを待っていたかのように早々と、ミラジェーンから声をかけられる。
ナツとルーシィは、まだ少し言い合いをしながら そちらに足を向けた。
そこには、さっさと中に入っていたグレイとハッピーもいる。
1人と1匹は、並んで朝食をとっているようだ。。。
ハッピーは魚を頭からかじりながら、グレイはひえひえ定食を前に、ミラも加えて、ナツとルーシィを見ながら楽しそうに何やら話している。
「おはよーございます。ミラさん!!」
「はいおはよう。ルーシィ。あなた達もなにか食べる?」
「うっす!ミラ。アツアツ定食!!なんだ?仕事か??」
「はい。ナツもおはよう!ルーシィはサンドイッチでいい?ナツに指名の依頼が入っているの!!お願いね!!」
ルーシィの「はい。」と言う声を聞いて、カウンターに一枚の依頼書を置いてミラは調理場に消えていった。
「グレイも目通しておいてね?」
そのミラの発言に、グレイはやっぱりかとガクリと頭を垂れた。
「「うげぇっ!!」」
その依頼の内容は『花の採取』だ。
魔導士ギルドに依頼を出してくる位だから、簡単な話ではないのだろう。
しかも、ナツとグレイ。
つまり採取には、炎と氷が必要だという事だ。
指定された名前を見て、ナツとグレイはそろって眉間にしわを寄せている。
そしてなぜかにらみ合う。
「もう!!早速喧嘩しないの!!」
ルーシィが睨み合ったままくっ付きそうな額に手を挟んで引き離と、渋々2人は引き下がった。
「オレヤダ!!もう変態パンツとペアで仕事はいかねぇって!!」
「そうだよミラちゃん。エルザだってそう言ってたじゃねぇか!!クソ炎と2人でってのは、、、ちょっと。。。」
先日、この2人で依頼に出かけた時の事を言っているのだろう。
モンスターの討伐を終えても、喧嘩が止まらずこの2人は数日帰ってこなかったのだ。
森の中だからよかったものの、街中で被害がでれいたらと思うと、、、、、それからエルザが2人だけで依頼に行くことに、難色を示していた。
付き合わされたハッピーは、たまったものではないはずだ。。。
ナツとルーシィの朝食を持ってミラが戻ってくると、2人が文句を口にする。
「あん?なだよ!!つーか、こっちから願いさげだ!!露出狂なんかと!!」
「露出狂じゃねぇっての!何度も言ってんだろ!!テメェは、脳みそまで燃えちまってんのか?トリ頭!!」
「あんだぁ?!やんのかぁ??変態パンツ!!パンツ1枚で叫んでも説得力ねぇっての!!」
いつの間にかパンツ一枚になっていることを今更指摘されて、いそいそと服を着始めるグレイ。
「パンツ。。。。。くっそぉ。。。変態じゃねぇ!!」
「変態じゃねぇか!!どこでも脱ぎ散らかしやがって!!気色ワリィんだよ!!」
いよいよ襟首を掴み合った。
諦めたように小さくため息をついて、ルーシィは笑顔でミラから自分の朝食を受け取る。
「いっただきま~す。・・・・ナツ?食べないの?冷えちゃうわよ?グレイも、冷え冷え定食温まっちゃうってるよ~?ねっハッピー!」
「あい!!」
「「っ!?・・・うぐぅ。。。」」
睨み合うのをやめてナツとグレイは ドスンと、ルーシィの両脇にそれぞれが座って食事を再開させた。
そして、、、、いつの間にか、どっちが早く食べ終わるかの競争になっている。。。
それを見て、カウンターの中で「かわい~わねぇ~」と、ミラが微笑んでいる。
「ねぇルーシィ。私からもお願い。今回は、ちょっと頭も使わないといけないと思うのよね~。」
「あい。あの2人じゃ、、、貴重な花も、何もかも破壊しちゃいそうだし。。。」
オイラ、、、止めてくれる人いないと、、、今度こそ死んじゃう。。。
ハッピーがそう言って瞳に涙を溜めるのは、前回の依頼で、数日間もナツとグレイが喧嘩をやめなかったという経緯がある。
ナツどグレイは、さっさと食事を終えて、どっちが早かったと胸ぐらを掴み合っている。。。
「もう!約束しちゃったし!!しょうがないなぁ。でも、あたしだって喧嘩止められるか解らないわよ?」
「あら。そんな事ないと思うわよ?さっきも止めてたじゃない?」
「えぇ??さっきって?。。。あれは~まだ喧嘩になって無かったからですよ!!」
ルーシィが最後のサンドイッチを頬張りながら答えると、ミラがギルドの中心を見て目を細めた。
「試しに止めてみたら?これ以上グラスとか割れちゃうとピンチなのよねぇ。」
そう言って、ミラが酒場の中心で殴り合って居るナツとグレイの方に視線を送った。
「・・・・・はぁ。」
今は、ギルドの風紀委員エルザはウエンディと限定スィーツの為に近くの街まで依頼に出かけている。
ルーシィは、ミラからのプレッシャーを感じて肩をすくめた。。。
このままじゃ、修理代チームで連帯責任ね?なんて笑顔で言いだしそうだ。。。
仕方ないとルーシィは、大きく息を吸い込んだ。
「こらー!!あんた達いい加減にしなさ~い!!」
出来るだけ大きい声で叫んでみるが、巻き込まれて喧嘩に参加していた数人がこちらを振り返った程度だ。。。
・・・2人の喧騒は止まない。。。
ルーシィ達の目の前で、椅子の足が折れ、、、テーブルの料理がひっくり返り、、、グラスや皿が割れていく。。。
カウンターの中から、静かな怒りが漂ってくる気がするが、重苦しい空気が漂っていそうで ルーシィはそちらを向く気にはなれなかった。
「・・・・・・はぁ。。」
本日数度目の溜め息をつき、ルーシィが立ち上がった。
「・・・ルーシィ。今日は何個も幸せが逃げちゃったね~。」
「…うるさいわよ猫ちゃん??その内何個が、、、猫ちゃんのせいかしらね?」
さっきまで目に涙を浮かべていた青猫は、ムシャムシャと魚を頭から丸かじりしている。
ルーシィの額に、青筋が立った。
腰にぶら下げていた愛用の鞭に手をかける。
『バチーン!!』
鞭のしなった音が酒場に響く。
その音で、騒ぎから逃れる者もいるが、中心の数名は気にする素振りもない。
『ピュッ』と星の大河が伸び一人の足を捕らえる。
その男を後ろの壁に貼り付けると、次の人物の腕に鞭を絡める。
「アンタ達??ま・だ・や・る・の?」
胸ぐらを掴み合っていた、桜頭と半裸男を一緒に縛り上げた。
「ルーシィ御見事!!」
ミラが、楽しそうにカウンターの中から拍手を送る。
「・・・はぁ。無駄に魔力使っちゃったじゃない。。」
捕らえた2人の元に近づいて、ルーシィは腰に手をあてて2人に向かって顔を近づけた。
桜頭と半裸男の目前で、ルーシィのたわわな胸が揺れる。
「もう!!こっちまで怒られちゃうじゃない!!」
「・・・見てんじゃねぇよ。変態。。。」
「ああ?見てんのはテメェだろ。このムッツリ!!」
「あんだとぉ!?」
「なんだよ?やんのかぁ?ごらぁ」
星の大河で、絡められながらも、お互いなじり合うのをやめないナツとグレイ。
この2人には、ルーシィの額に浮かんだ青筋が見えていないらしい。。。
「ちょっとぉ!!ま・だ・や・る・のぉ・!?」
ルーシィから、あまり発せられることのないドスの効いた声が出てきた。
ナツとグレイは肩を揺らして、ルーシィを見た。
「ねぇ?もう、、、やめるよね?」
反目のまま、口元だけでにっこりとルーシィが笑う。
「「もうしません。」」
「じゃぁ・・・片付けなさい。」
「「あい。」」
騒いでいた連中が片づけをする中、帽子を被った青い髪の少女がギルドの扉をくぐった。
「あらジュビア。おはよう。」
カウンターの中から、いつもの様にミラが笑いかける。
ジュビアは酒場の中をぐるりと見渡し、グレイの位置を確認してからカウンターまでやってきた。
「おはようございます。ミラさん。ハッピーと、、、ルーシィ。」
「おはよう。ジュビア。今日は珍しくゆっくりだったのね?」
「はい。グレイさま人形にほつれがあったので、治療してから参りました。」
「あらあら。朝からご苦労様。」
「ハハッ。相変わらずね。。。」
そこへ、片づけを終えた桜頭がやってくる。
「ルーシィ!!ヒデェじゃねぇか!!キルドの喧嘩で、星の大河使うなんて反則だろ?」
「アハハハッ。あんた達言っただけじゃ効かないんだもん。ごめんごめん。」
「ったく、喧嘩がわかってねぇなっ!ルーシィは。」
「わってたまるか!!」
「あら~。私が頼んだのよ?ナツ。壊したテーブルや椅子。お皿にグラス。次の報酬から払ってもらうからね?フフッ」
「うっ!!オッオレだけじゃねぇだろ?」
「もちろん。グレイも、他の人もよ。」
ミラの言葉にナツの後から来ていたグレイも顔をひきつらせる。
「あい!ルーシィが止めなきゃ、支払いは倍だったかもね~。」
「そうねっ!ルーシィに感謝しなきゃね?2人とも。
」
ミラと笑い合った後、青猫がクルリと宙を舞った。
「何だ?ルーシィも一緒に行くんか?」
「・・・・はぁ。そうよ?ハッピーに誘われてね!!」
「あい!!約束したんだもんね!ルーシィ。」
「、、、嵌めたんでしょ?ってか、今日はもう既に疲れたわ。。。」
体力ねぇな~とナツが目を細めて笑っている。
その暖かい手は、ルーシィの肩に置かれたままだ。
「姫さんが一緒か。。。ならしょうがねぇ、引き受けるぜミラちゃん。」
「フフフッ。そうこなくっちゃ!頑張ってきてね!!」
「まっ。姫さんが一緒なら、このトリ頭も暴走しねぇだろ!!」
その一言に、ルーシィが行くならとすでに準備運動を始めていたナツがグレイを睨みつける。
が、グレイの後ろから鋭い視線を感じで目が点になる。
水の魔導士がくねくねと体を揺らしながら、こちらを見ている。
ナツに無理やり準備運動させられていたルーシィも気付いたようで、その人物に声をかけた。
「ジュッジュビア?こっち来たら??」
『ジュビビビィィィン!!』
ルーシィの呼びかけに、素早くジュビアが移動してきた。
「ルッルーシィ!!今ジュビアも誘ってくれましたね!!ありがとう!!喜んでご一緒させていただきます!!」
「へっ??」
ジュビアはどうにか同行しようと、チャンスを狙っていたようだった。
無論、断ってもどこかで見ている可能性は残るが。。。
顔を引きつらせるグレイと目をキラキラ輝かせるジュビアの姿に、クスクスとミラが笑っている。
「いいんじゃない?依頼は、ナツとグレイを含めたメンバーなんだから。」
「・・・はぁ。。」
頭痛のタネが増えてしまったと、頭を下げたルーシィの身体がグンと前に引かれる。
「ほら行くぞ!!ルーシィ!!」
「いくぞ~!!」
ルーシィの腕を引っ張るナツとナツの頭の上にハッピー。
その後ろから、のそのそと歩き出すグレイ。
グレイの斜め後ろから腕を絡めようと狙っているジュビア。
‐ちょっ!!そんなに引っ張らないでよ~!!
‐あんだよ?ルーシィはのろまだな!!
‐ルーシィは体が重いからしょうがないよナツ!
‐おおそうだったな!!
‐ちょっとぉぉ??どういう意味よ!!
‐グレイさま~!!
‐ジュビアんなくっつくな!歩き辛い。
‐ああ~ん。そんな冷たいグレイさまも素敵ですぅ!!
‐・・・・だから歩き辛いって。。。
‐グレイさま!!でっでは、手・手を繋ぎますか///??
‐いあ。。遠慮する。。前見て歩け。
‐あぁ~ん。クールなグレイさまも素敵ですぅ!!
‐・・・まぁ///氷の魔導士だからな。。。
‐!?グッグレイさまさすがです!!ジュビアひんやりしました!!
少々珍しい組み合わせだ。
騒がしいメンバーが出ていくと、ギルドの中に一瞬の静寂が訪れる。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ジュビア来た!!なんかなかなか本題に入らない感じ。。。gdgd。。誰か助けてぇ~
やっと出発!!