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201506 Twitterにて、トコヤさんのリメイクしたいなぁ~の呟きに、乗っかっちゃいましたっ!! 

 以前書いた『だって眠いんだもん』とリメイクしてもらいました!!!

おんなじ内容?なのに、ホント違うものになってびっくりドッキリ楽しい!!!さすがトコヤン!!!!

何か感動と共に、感心しました!!! 貴重な体験ありがとうございます!!!   

 

だって眠いんだもん~トコヤさんversion~

 

布団に入っても一行に訪れることの無い眠気。

不意に体を横に向けて時計を見やれば時刻は午前2時を指していた。

 

ーー眠れない事は前々からあったものの、今日ほど意識がはっきりしているのも珍しい。

 

ナツはハッピーを起こさないようにハンモックから飛び下り、開け放たれた窓に近付きそこから夜空を見上げた。

光輝く星々が煌めく澄み渡る夜空。

月が出ていないのが些か心残りだが、それでも星が散りばめられた夜空は美しい。

ぼんやりと眺めていると、不意に脳裏に浮かぶ少女の笑顔。

 

「そうだ!」

 

思い付いたら即行動。

ナツは勢い良く家を飛び出し足取り軽やかに夜のマグノリアの舗道を駆け抜けた。

 

 

耳元で叫ばれる声と音。

肩を掴まれ乱暴に体を揺さぶられる感覚は乗り物酔い時の胸の不快感にも似ている。

地を這うような不機嫌全開の呻き声をあげ、ルーシィは眉間に皺を寄せながら重い瞼を持ち上げた。

眠り眼をしょぼしょぼと瞬けば、目の前には夕方別れた筈のチームメイトが満面の笑みでそこにいて。

 

「ルーシィ!外見ろよ!星がきれいだぞ!」

 

その無邪気にはしゃぐ様子はまさに年端いかない小さな子供そのものである。

ルーシィは視線をずらしてナツの肩越しに窓から覗く星空に目を向けた。

確かに、星々が輝く夜空は美しい。

しかし、それ以上に抗い難い睡魔がルーシィをベッドへ誘う。

ルーシィは、くあ、と小さな欠伸を一つして、ナツの腕からするりと抜け出し温かなベッドに身を沈め布団を頭まですっぽりと被った。

途端に聞こえてくる安らかな寝息に流石のナツもこれには顔を顰めるしか他ならなかった。

 

「ルーシィ」

 

邪魔な布団を剥ぎ取ろうにも思いの外布団を掴んでいる力が強い。

ナツは諦めルーシィの肩があるであろう付近に手を置き再び安眠に入っている体を揺すり始める。

 

「オレ寝れねぇんだって。だから遊べよ」

 

しかしルーシィからの反応はなく、もぞりと窓際に向かって寝返りをするばかり。

それでも諦めないのがナツ・ドラグニルという少年だ。

ルーシィの耳元付近に顔を寄せ、ルーシィ遊べ、と連呼し続ければ意識が無理矢理浮上させられるのがオチであり。

ルーシィは苛立ちながらも寝惚けた頭をフル回転し、バッと布団をはね除け驚き身を引く少年の頭を掴んで自分の胸元に引き寄せ抱き締めた。

 

「んなっ!?」

 

前振れも無く突然抱き締められると思わず胸がドクドクと脈打ち跳ね暴れ始めるのは当然の事であり。

柔らかくなだらかな双丘の感触を顔で堪能しつつもナツが全身を使って更に少女の柔らかく瑞々しい四肢を堪能しようとルーシィの細い腰に手を伸ばした瞬間。

 

「……もう、ハッピーったら。しょうがないんだから」

 

少女の寝言にまるで脳髄に焼きごてを入れられたかのようなカッとなる衝撃がナツの頭を直撃した。

 

ーー時々朝起きたら姿が見えないと思っていたら、ルーシィの所に行っていたのか!

 

ナツはギリギリと奥歯を噛み締めつつ、オレはハッピーじゃねぇんだぞ、という抗議の意味を込めながらルーシィの細い腰に腕を巻き付け絶対離さないように力を込めて瞼をゆっくりと下ろした。

 

 

「にゃ"あ"あ"あ"あ"!?!?」

 

意識が若干浮上したところで真っ先に聞いた色気の無い叫び声。

微睡み始めた意識を覚醒しつつ瞼を開けた瞬間頭に強い衝撃がはしる。

二回、三回と視界と意識が反転し、やっとで落ち着いた世界に広がる反転した少女の部屋と若干痛む己の頭。

下を向けば、顔を真っ赤にして肩で息をしている上下反転した少女の姿が視界に入った。

 

「な、あんた、何で……?!?」

「昨日眠れなかったらルーシィん所に遊びに来たら抱き着かれて寝れなかったんだよ」

 

不承不承と言ったていでナツは起き上がり大きな欠伸を一つした。

少年の言った事実を受け入れられないでいるルーシィを他所にナツは再び大きな欠伸をしてルーシィに抱き着きながらベッドへと沈んだ。

その姿勢はまさしくナツがルーシィを押し倒していると言っても過言ではないものであり。

 

「ちょ、ちょっと!ナツ!」

「うるせー。寝かせろ」

「だったら自分家で寝なさいよ!」

「やだ。ルーシィとじゃなきゃあ寝れねぇ」

 

少年の無自覚の口説き文句にルーシィは顔を赤らめ思わず抵抗を止めてしまう。

それを良しとしたナツはルーシィを抱え直すと大きな欠伸を一つして再び意識をたゆたい始めて深淵へと沈めていった。

 

頭に柔らかく触れる細い指先を感じながら。

 

 

 

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