二人の関係(ロメオver)
初小説です。ナツルーです。多分。。。ロメオ視点多。誤字脱字あるかもしれませんが、よろしければどうぞ。コメントいただけると、ありがたいです。
はっきり言って……甘く見ていたんだ。
……反省したよ。
そして//////、ごめん‼ ナツ兄。
* * * * * * * * * * *
さかのぼること、2日目。
最強チームが、依頼の討伐に出かけようという時だ。意を決して、俺は声を掛けたんだ。
ロメオ「なあ! 俺も連れて行ってくれよ~!」
「う~ん、どうすっかぁ~」
「……何事も経験だ。 が、今回はかなりハードだぞっ」
ロメオ「なあ~。エルザ姉頼むよ~。最強チームの戦いっぷりを見てみたいんだ!」
「……しかしなぁ…」
ロメオ「オレッ。ちゃんという事聞くからさぁ!」
「い~んじゃねぇか?」
「ロメオだって成長してんだし!なっ」
「……うむ」
絶対に、手出し無用。見学だけってことで、何とか動向を承諾してもらったんだ。
*
*
*
当初、依頼はスムーズに進んでいた。
バッサバッサと敵のモンスターを、薙ぎ払っていくエルザ姉。
ナツ兄は、ハッピーに抱えられ空中からの特大の咆哮。
敵の攻撃をかわしながら、こぼれた敵を的確に排除していくグレイ。
そんな攻撃特化の3人をうまく誘導して、後方支援に徹するルーシィ姉。
ルーシィ姉は、同時に巨大な敵の情報を解析し、素早く対策を立てているようだ。
やっぱり……最強チームは……すごい!!
巨大化しているモンスターを残し、殆どのモンスターをあっという間に倒してしまった。にじみ出る額の汗を、ロメオをは手で拭った。
ロ「今回の依頼、楽勝じゃんかっ」
「油断すんじゃねぇぞ! アイツ、かなり固いぞ」
「……そうだな。どう攻めるか?」
「ぶっ飛ばしちまえばいいだろっ」
「何でもぶっ飛ばせばいいわけじゃないよっ」
「そうね。……気になったんだけどさ、あの大きいの背中を気にしてるわよ」
地面で顔を合わせるエルザ姉・ルーシィ姉・グレイと、空から件のモンスターの相手をしながら、大声で叫ぶナツ兄。最強チームは戦いながらも、会話を交わしている。
「さすが姫さんだなっ」
「……よく見てんな。」
「…古傷だと思うの。背中の右下! 鱗が一部はがれてるわ!!」
「よしっ! ルーシィ、指示しろっ!!」
地表の3人は目配せをした。最強チームの面々が、コンビネーションよく動き始める。
「エルザはグレイに向かって、誘導して!」
エルザ姉が刀を構えて、ナツ兄に合わせるように敵の懐に飛び込んだ。敵の注意を引き付けてるんだ。
「あいつが来たら、背中を向けさせて! 一気に叩こう!」
指定された位置で、グレイが氷の地表を作ると、巨体は思った通りよろめいた。背中からの注意がそれた瞬間。鱗がはがれているところを、目がけて、一斉攻撃だ!!
「ナツ―‼‼」
ルーシィ姉の声が響いた。空中でナツ兄がニィっと歯を見せた。
「ああっ。まかせとけ‼‼」
地表でも、攻撃の準備に入っている。
「換装! 巨人の鎧!!」
「アイスメイク。キャノン!!」
「開け天蝎宮の扉! スコーピオン!!」
「火竜の…咆哮‼‼」
“どっか~ん‼‼‼‼‼”
(すげぇ!! 地面が揺れてる!! ……ルーシィ姉も、意外とやるんだなぁ)
黒髪の幼さの残る少年が、感心した様に鍵を治める金髪の少女を視界に入れた時だった。少女も同じときに少年に視線をよこしていた。その表情は何かに驚いているようだ。
( っと!?!?!?)
少年の足元は、まだ揺れているようだ。 ……イヤ。 …………崩れている?
ルーシィ姉が、目を見開いて大声で何かを叫びながら、焦った様子で飛び着いてきた。
「ロメオ君‼‼」
「え?うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ‼‼」
ナツ兄の焦った声が響いてきたときには、体が宙に投げ出されていた。
「ルーシィィィィィィィィ!!!! ロメオォォォォォォォォ!!!!」
『ググッグァガァガァオオォォォ~!!!!!』
先程総攻撃を受けたモンスターが、最後の力を振り絞り攻撃態勢に入っている。
「ハッピー頼む!! ナツ・グレイ!! こっちはトドメだ!!!」
青い猫が羽を広げ、崖から落ちていく二人を追った。
*
*
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「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
高い高い崖だったようだ。刺さるように空気がとがって体にあたってくるようだ。金髪の少女は少年を抱きかかえ、素早く鍵をかまえ唱えた。
「開け!白羊宮の扉アリエス!!」
“リンゴーン”
「はわわわわっルーシィさん! 落ちてますよ!!」
「……アリアス。ウールお願いっ」
「はいぃ!ほわほわ~ウール~!!」
“ぽふんっ”
アリエスのウールにより、谷底への直撃を免れた。金髪の少女は、腕の中に少し幼い少年を抱えたまま、自分の星霊に労いの声を掛けた。このまま待っていれば、助けが来る。……そう思っていたことだろう。
「はぁ。助かったぁ。ありがとうねっ! アリエス…………って、きゃぁぁぁぁ~!! 流されてる~!!!」
*
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崖の上に残っている3人は体制を立て直し、モンスターを片付けた。ちょうどそこへ青猫が耳を垂らし、悲しそうにフヨフヨと戻ってきた。それにいち早く気が付くと、ナツはハッピーに詰め寄った。それに倣う様にエルザをグレイも集まってくる。
「ハッピー‼‼」
「ルーシィとロメオはどうした?」
「うぅぅぅ。ごめん。」
戦闘の砂煙にまかれ 見失ってしまったようだ。ナツは目を見開き、鋭い視線を崖下に投げた。
「ハッピー! 下に連れて行ってくれ!!」
「あいさー!!」
「まてっ! ナツ! ハッピー! 一度、落ち着け!!」
「!? 落ち着いてられる分けねぇだろうが!!」
「皆、気持ちは一緒だ!! 冷静に動かねば、2重で遭難することになる。」
「ルーシィがついてんだ。最悪の状況は免れてんだろっ!!」
ナツを諌めようとする、エルザもグレイも拳を握りしめ、眉間にしわを寄せ拳を握りしめている。
「 ……。」
「…………。」
エルザの指示により、ナツトハッピーがまずは捜索にあたることになった。その間エルザとグレイは一度報告に戻り、その後再度合流する予定だ。
「ナツ!! ムチャしてでも見つけてこい!!!」
「おうっ!!」
「ハッピー!ナツを暴走させるなっ!!」
「あいさぁー!」
ハッピーは、ナツを抱え翼を広げた。
*
*
*
「あれ?ここは?」
黒髪のまだ幼さを残した少年ロメオは、気が付くと大きな木にもたれかかっていた。その腹の上には、金髪の少女ルーシィの星霊 プルーがいる。プルーはロメオが目覚めた事に歓喜し、その場で踊りだした。ボーっとする頭を揺さぶりながら、ロメオは現状を思い出した。
「プーン。プププーン。」
「そうだ!! ルーシィ姉!!」
その場に立ち上がりキョロキョロと辺りを見渡すと、少し離れたところに金髪が揺れて見えた。少年はそこに向かて足を進めた。
「ルーシィ姉~!!」
少年の視界の中で金髪の少女が、振り返ったぁ!?!?!?!?
(んなっ!?)
振り返った金髪の少女と、目が合う少年。少年はその視界に振り返った少女を映し、声を掛けたままの体制で動けなくなったしまった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ちゃぷん。
「うわぁぁぁぁ!! ご、ごめんっ///」
少年は慌てて、後ろに体を向き直した。そう……金髪の少女は、裸なのである。
「///あわわわわ。ごめんね? ロメオ君。」
(なぜ、ルーシィ姉が誤るんだろう//////?)
「////ルーシィ姉 こんなとこでどうしたの??」
「あぁ///ここね、薬草の泉みたいなの。……擦り傷に効くと思って///ロメオ君は大丈夫??」
そう言われて、ロメオは自分の体を改めて見た。大した事はないが、確かにあちらこちらに擦り傷がある。
崖を落ちたのは、ルーシィ姉のアリエスという星霊が助けてくれて、無事だったようだが、その後川の激流にのまれここまで流されてしまったそうだ。ルーシィ姉は ずっとその胸に俺を抱えてくれていたらしい。
「俺は……平気だよ! ルーシィ姉助けてくれて、ありがとう。」
辺りは、だいぶ暗くなってきている。
*
*
「ルーシィ~~~~!!!!!」
「ロメオ~~~~!!!!!」
くっそぉっ!! どこにいるんだよっ!!
「ナツー。これっ!!」
見覚えのある、ピンクのほわほわした物。
「アリエスのウールだ!!」
「だよねっ! ってことは、やっぱり激突は免れているね」
「だなっ!!でも匂いがねぇ。……」
「……じゃぁ」
青猫は、川の激流に目を向けた。
「はぁ。……だな」
「ここからじゃ、回り込めねぇな。」
「あい。大丈夫かな? るーしぃ・・・。ろめおぉ・・・。」
*
*
*
「ナツ!! ハッピー!!」
「あっ、エルザ!!」
「どうだ? 何かつかめたか??」
「あぁ」
桜色の少年は、ピンクのウールのこと、においが消えているので川に流されたらしいこと。を、つたえた。
「それなら、ルーシィが何とかしているな。ひとまずは無事だろう。」
「だと思うぞ。」
「この暗闇でむやみに川を下るのは危険だな。」
「でもよぉ!!」
「あぁ! 私たちは、上から回る。」
ナツは、相棒とアイコンタクトをする。
「パッピー!まだいけるか??」
「あいさぁ!!!」
*
*
「はぁぁぁ。寒くなってきたわね?」
ぶるぶるっ。
先ほどメイド姿の星霊が、着替えと毛布を持ってきてくれたが、一度水に浸かってしまったので、体が芯から冷えてしまっているようだ。寒くて仕方がない。
それに……少しだが…段々、心細くなってきた。
ぶるぶるっ。
!?
ふわりとロメオは背後から、柔らかく温かいものに包まれた。
「大丈夫よ? 今、ナツが探してくれているわ。」
ルーシィは、ロメオの背後からそのまだ小さい体を、温めるように抱きしめた。ロメオは、ずっと何でもないことだと平気な顔をしていた。が……本当は怖かったに違いない。不安がないわけがないのだ。
(……ルーシィ姉……温かいな……///)
「すぐに、見つけてくれるわよ!」
ルーシィは、瞼をおろし桜色の髪の少年に思いを馳せた。
(ルーシィ姉って、ナツ兄に事……。……信用しているんだよなぁ。心から。オレ、個々に一緒にいるのがルーシィ姉でよかった。)
「大丈夫よ!」
しばらく瞼を下ろしていたルーシィが再び目を開けると、そこには強い力が宿っているように見える。そしてルーシィは、ロメオに向かってふんわりとほほ笑んた。
(/////やっぱりルーシィ姉って……///かわいいくって、やさしいよなぁ///)
「目を閉じていていいのよ?」
「……うん」
ロメオは、ルーシィに寄りかかる様に抱きついて目を閉じた。
(……なんだろう? ルーシィ姉って安心する。)
*
*
*
*
「ロメオ! ロメオ!!!」
(??)なんか……あったかいなぁ。
「ナツ! シィ――」
「なんでだよ?」
「ナツ~。起こしたらかわいそうだよぉ~?」
「でもよ~。もうすぐ朝だぞっ!!」
「きっと、緊張していたのよ?こんなこと初めてでしょうに、弱音も言わず頑張っていたのよ?」
「ふ~~ん。そぉっかぁ。まぁ、無事でよかったけどよぉ!」
「もう何イライラしてるのよっ。シィ――」
「……オイラ。魔力回復してきたから、エルザたちのとこ行ってくる!」
「ハッピー! ありがとう」
(クフフフッ。ナツってば、ロメオにまでやきもち焼いてるwwクフフッ)
「ナツー! ロメオにやきもち焼いてたって、起こしちゃダメだと思うよお~!!」
「……ッ/// そ、そんなんじゃねぇぇぇぇぇ‼‼」
(えっ……///まさかねぇ?///だってロメオ君よ?///)
ハッピーの投下した爆弾に、ナツは日が昇り始めたばかりの空に向かって火を吐き、ルーシィは真っ赤に…湯気があがるほど顔を赤く染めた。そして……
(……ビクッ)
ナツの大きな声に、ルーシィに抱き着く形でその胸に頭を埋めて眠っていたロメオが、目を覚ましたようだ。まどろむ思考の中で、よく知る声のする方に顔を向けた。
「……ナツ兄?」
「おっ!? 起きたかロメオ!」
(……!? ホントに来てくれたんだ。ナツ兄!!)
うれしいような恥ずかしいような、そんな入り混じった感動を覚えたんだ。そんな中耳に届く、どすの利いたナツ兄の声。
「よし! ロメオ。……起きたんなら、離れろ」
「ナッナツ? 何言ってんのよ!!」
目の前にあるルーシィ姉の顔が、真っ赤に染まった。振り返ると、ナツ兄は目が座っている。
(あれ……オレ……??)
そういえば、何ともやわらかい感触にいい匂いがしている。そのさわり心地のいい安心するような感触に、思わず頬を擦り付けてしまった。
スリスリスリスリ。
「ひゃわわわっ!?」
ルーシィ姉の驚いた声が上がるが、なんかこの暖かさに心の底から安心してしまう自分がいるんだ。普段こんなことはできないが……ここは、寝ぼけたふりをして甘えてしまおう。なんか、ナツ兄の反応も面白いしっ。
「っ!? ロメオ――! は~な~れ~ろ~~!!」
「ブハハハハッ! ルーシィ姉は、ナツ兄のものじゃないだろ~?」
「っ‼‼‼ ロメオ、お前っ‼‼」
「アハハハハッ! ナツ兄って独占欲強すぎだろっ~~!」
腹の底から笑いが込み上げてきて止まらない。笑い声と共に目に涙をにじませながら、起き上がった。すると、すかさずナツ兄の腕がルーシィ姉の肩を後ろから抱いたんだ。真っ赤になり固まったままのルーシィ姉を腕に抱き留め……
「ルーシィは、俺のもんだ~~‼‼」
ナツ兄が、空に向かって火を噴きながら叫んだ。
ルーシィ姉は、ナツ兄の腕の中でぱちくりと瞬きをし、頭から湯気を出しながら暴れだした。
「///////っ。ナツのばかぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
*
*
*
おまけ
ロメオが、自分の胸で眠ってしまった後、ルーシィは残りの魔力を振り絞って、星霊のカギを星空に向けた。
“ピュ~~~~~~~~ッ パァ~~ン!!!!”
どうにか1発だけ、星霊の花火を打ち上げることができた。
(……これで……大丈夫だよね)
しばらくすると、夜空から耳慣れた声がかけられた。
「「ルーシィ!! ロメオ~!!」」
桜頭の少年と、その少年をぶら下げて飛ぶ青猫が、空から降ってきた。
「ナツ。ハッピー」
金髪の少女が、桜頭の少年達に向かって大きく手を振った。
「よかった! 無事みたいだね!!」
青猫が金髪の少女の胸に飛びつこうとするが……失敗してしまった。
先客がいたのだ。ロメオだ。ルーシィの胸に顔を埋めるように抱き着き、すっかり眠り込んでしまっている。
「ロメオどうかしたのか??」
桜頭の少年の問いかけに、金髪の少女は首を横に振った。ふんわりと笑いながら、自分の胸で眠る少年の髪を撫でてやっている。
「疲れちゃったのよ。」
「フフフフッ。そうしてるとルーシィ、おかあさんみたいだね?」
くすくすと笑う青猫に、金髪の少女は照れた様に頬を染めた。
「ケガは、ないんだな?」
「うん。ふたりとも、擦り傷くらい……よ////」
「どうしたのルーシィ? 真っ赤になちゃって」
「うん。さっきねぇ/// ロメオ君が寝ているうちにと思って、薬草の泉に入ってて、
そしたらちょうどロメオ君起きちゃって……//// ロメオ君だから大丈夫かと思ったんだけど、ロメオ君ったら顔真っ赤にしちゃって///びっくり知っちゃった///…もうすっかり、男の子なのねぇ///」
「ってルーシィ。こんなところで 薬浴してたの~??」
「えへへへっ。そのうちあんたたちが助けに来てくれるって、わかってたからさっ」
(…………。なにっ!? うっかりってなんだよ!! うっかりにも程があるだろう!!! ロメオだって、もう十分男だろう!!!!! 何やってんだよルーシィ!!!!
……俺らを信用してくれてんのは、……うれしいけど。もっとしっかりしてくれよぉ~~)
そして、ロメオは揺り起こされたのだ。
『ロメオ! ロメオ!!!』
(いい加減離れろよぉぉぉぉぉ!!)