2014年2月28日
ヤキモチ ①
双方自覚済みのナツ→←ルーシィのお話です。
長くなってきたので、とりあえず途中までうp。
オリジナル設定とかありますので、苦手な方はお戻りくださいm(__)m
何でもこいのお優しい方は、暖かい目で誤字脱字に注意してお進みください(^^)/
どぞ~ ^^) _☆~~
今、1人と1匹の魔導士がマグノリアに帰還した。
魔導士ギルド『妖精の尻尾』に所属する彼らの内1人は、ギルドの中でも一際お騒がせな人物。
炎をまとい自在に操る古代魔法の使い手 火の滅竜魔導士 ナツ・ドラグニル。
1匹はその相棒、見目も可愛らしい、しゃべれる、飛べる、幸せを運んできそうな青猫ハッピー。
ナツとハッピーは指名された依頼の為、泊りがけの仕事から帰ってきたところだ。
約1週間ぶりのマグノリアの空気を吸い込み、激しい乗り物酔いを醒ましながらフラフラと、久しぶりの我が家『妖精の尻尾』に向かっていた。
桜頭の少年ナツは、今回の依頼に同行できなかった金髪の少女を思い浮かべていた。
金髪の少女こと星霊魔導士のルーシィ・ハートフィリアは、ナツ自身が妖精の尻尾に誘ってきた魔導士で、普段は行動を共にしている。今回は他の仕事と日時が被ってしまい同行できなかったが、「いってらっしゃい!!」と言っていた彼女の笑顔が、瞼に焼き付いてはなれない。
きっと彼女の事だから、ギルドで自分たちの帰りを待っているだろう。そうと思うと、ナツの胸が高鳴っていた。
キルドの扉をくぐれば、きっとまたあの笑顔で迎えてくれるはずだ!!
「フフフッ。ナツ~!シャルルいるかな~??ルーシィも~!!」
「んぁ?そらぁ、、居るだろう?今日帰ってくるって知ってんだから!!」
ナツはハッピーを肩に乗せ足早にギルドに向かいながら、、、、だんだんと、嫌な予感に襲われ始める。
なんだぁ??街の奴らがチラチラとこっちを見てくる。。。
中には、指さしてくる奴もいやがる。
そんな奴らの手には、、、、、、、、、薄い紙切れ?。。。。雑誌か??
「ナツー!!なんか視線感じない??オイラ達何か怒られそうな事やってたっけ??」
「あぁ??悪戯した覚えは・・・・・・最近は、ねぇぞ?こっ今回は、破壊してもいいんだって依頼主のおっちゃんが言ってたんだぞ!!わっ悪いことはしてねぇ、、、、、、、筈だ。。。。!?!?」
その時から、なんだか胸の奥が騒ぎ始めてたんだ。
そこへ、「お前も隅に置けねぇな!!」っと、なじみの露天商の親父が投げてよこした雑誌。
さっきから、自分たちに視線を投げてくる奴らが握っていたもののようだ。
それは、昨日発売の週刊ソーサラー特別号だった。表紙には、スティング・ローグ・ネコ達・そしてユキノの写真。
『新生剣咬の虎』と特集が組まれていた。大魔闘演武後のギルドの様子や、魔導士たちの紹介。
色々と取材されていたが、、、、注目されている原因らしきものが目に入ってきた。
「あっ!!ナツが載ってる!!」
これは、、、妖精の尻尾のギルドなら すでに騒ぎになっていそうな記事だな。ナツの額に嫌な汗が一筋流れ落ちた。
「・・・ナツより、、、ルーシィの方が写真大きいね。。。?プフフフッ。」
そこには、それぞれの会いたい人まで書いてある。ご丁寧に、その人物の写真とハートで囲んである。
・・・・・・ルーシィの写真も、ナツの写真も載っているのだ。
『 剣咬の虎
現在リーダー スティング・ユークリフ
光の滅竜魔導士「白竜」の異名を持つ。
双竜の片割れ。
19歳。
左肩に白い紋章がある。
好きなものはレクターとナツさん、嫌いなものは昔のギルド。
今会いたい人は、金髪。スタイルが良くてよく笑う可愛い妖精の尻尾の魔導士。 』
そして、お似合いだね!!と書かれたポップの横に、、、、ルーシィの笑顔の写真。。。。
『 ローグ・チェーニ
闇の滅竜魔導士「影竜のローグ」の異名を持つ。
双竜の片割れ。
19歳。
マントの左肩に白い紋章がある。
好きなものはフロッシュ、嫌いなものは昼間。
会いたい人、人には極力会いたくない。フロッシュがいればいい。』
『 ユキノ・アグリア
星霊魔導士。「黄道十二門」の星霊の鍵を2つ持つ。
18歳。
左腹部に青い紋章がある。
好きなものはソラノ姉さん、嫌いなものは・・・・。
会いたい人、妖精の尻尾のナツ・ドラグニルさん。お礼が言いたいです。』
そして、当然の様にナツのスナップ。
「・・・・・ナツ。よかったね!!モテてるじゃん!!」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
オレがモテたいのは、ルーシィだけだし!!とか思ってればいいのに。。。かなり捏造してます。あしからず。。。
*
ナツは、開いていた雑誌を閉じそれを握り締めたまま、ギルドへと駆け出した。
ギルドの酒場の入り口を潜る頃には、握りしめていた雑誌は跡形もなく焼け落ちていた。
ギルドのカウンターには、人だかりができている。そこですでにルーシィが囲まれていた。
しかも真っ赤な顔で。。。
・・・ナツの眉間にシワが寄った。イライラしているのが、傍目からも判る。
ルーシィに群がるパパラッチ紛いのメンバーを蹴散らし、ナツはその隣にドカッと大きな音を立てて座った。
振り返ったルーシィの顔には、笑顔が咲いている。
ナツの眉間に入っていたシワが少し和らぎ、軽く口角があがった。
「ナツ!!ハッピー!!おかえりー!!」
「おう。」「あい。ただいまルーシィ!!」
助かった~とばかりに、ハッピーを膝の上に抱えた。
ルーシィもいっぱいいっぱいだったのが、よくわかる。
いつも、悪戯をしてからかっては、ルーシィを困らせているのはナツとハッピーだ。
ルーシィの反応がいちいち楽しくって、ついついやり過ぎてしまう節もある。
が、、、ナツは自分達の事以外で、ルーシィを赤面させ、慌てさせられるのを見るのは面白くないようだった。
そんな事もお構いなしに、相棒がルーシィにニヤニヤ顔をむける。
「ルーシィ。。。モッテモテだね!!」
「うぅぅぅぅ///こんなの嬉しくないわ。。。」
グリグリと、ハッピーの頭をこねくるルーシィの態度に、今だ力の入っていた眉の力が抜けるのを感じた。ナツはどこかホッとしたようだった。
「おお!!もう一人の主役さん!!」
「ヒューヒュー!!ナツどうすんだよ??ユキノちゃん結構可愛いじゃん!!」
一旦引いたかに見えたメンバーとは違い、いつもの親父達とカナが、今度はナツも標的に入れて攻めてくる。。。
戦闘なら大歓迎だが、、、、こういう話題は、、、どうも苦手だ。。。
「ルーシィは?どうすんの??あの金髪の滅竜魔導士でしょ?スティングだっけ?ギルドの代表とか言ってカッコいいじゃない!!」
「///ふぇぇ。。。ってか、会いたいってだけだし!!本人はあたしって言ってないし!!ソーサラーが勝手に押しているだけでしょ?あっちも迷惑してるわよ!!」
「そうだ!!本人が言ってるわけでもねぇし、、、ありえねぇだろ??ルーシィだぞぉ??騒ぎ過ぎだ!!!」
何か言いたそうにしているが、それ以上 口を噤むナツ。
真一文字になった口元と、深く入る眉間のシワを、正面からその表情を見ている親父達とカナは、笑みを隠せない。
『ルーシィの隣には、オレとハッピーがいるじゃねぇか!!!』
目は口ほどにものを言う。といった処か。。。
「何ってんだ?ナツ。会いたいってのは、そういう意味だろうよ!!まんまルーシィちゃんじゃねぇか!!」
「そうだよ。ナツ!スティングとやらはルーシィちゃんに会いたいんだってよ!!」
「ルーシィモッテモテだな!!おっナツもか!?」
「・・・・・ちげぇって、、、だから。。。。色気もねぇし!ルーシィはそんな風じゃねぇもん。。。」
モゴモゴと尻すぼまりに声が小さくなっていく、ナツらしくもない様子に、親父たちのニヤニヤが止まらない。。
ナツの眉間により深いシワがはいり、より頬を膨らます。
その隣で ナツの言い方に、、、なんとも自分を否定されているようで、目線を下げるルーシィ。。。
(・・・なんか、あたしはありえないって、、、ナツがそう思てる。。。って。。こと?なのかな。。。
・・・・・少しはやきもちでも、焼いてくれれば期待できると思ったけど。。。やっぱりあたしって。。。。ただの。。はぁ。。。)
まわりを囲んでいる大人たちは、生暖かい空気でこの2人をからかっている。
‐そんなこと言ってっと、、、ルーシィちゃん怒らしちまうぞ~ナツ。
‐で、ルーシィちゃんは どうするんだ?
‐好きな子いじるって、、、園児かよ。。。
‐告白されちゃうかもね!!付き合ってみれば??ルーシィ。
‐ルーシィちゃんもとうとう、初彼氏か~!!
‐あぁ~。明らかにルーシィちゃん凹んじまってらぁ。。。
‐あ~あ、ナツってば やきもち焼いちゃって。。。
尚も、からかいは続く。。。
‐おぉ~!!自分も名前挙がってるからって、随分余裕だな~。ナツ!!
‐ルーシィちゃん盗られちまうって、焦ってんじゃねぇのかぁ?
‐で?ナツはどうすんだ??
‐お前、ユキノちゃんの落し物でも拾ってやったのか??
「うるせぇぇぇぇぇぇぇl!!!!」
とうとうナツが火を吐き、賑やかに乱闘が始まった。
少し話題が自分からそれて、ふぅっと短い息を吐いたルーシィ。
そこに、、、ギルドの看板娘ミラジェーンがやってきた。
「あらあら。最近面白い話題なかったから~、みんな面白がっちゃって。。。」
「うわ~ん//ミラさ~ん///皆してあたしをからかって!!もう!もう!!」
「あい。ルーシィってからかうと面白いからね!!」
「うぅぅ。。。猫にまで。。。はぁ。。」
ニコニコと、ひとしきりルーシィの愚痴を聞いてやっていたミラが、ゆっくりと話し出す。
「でね?ルーシィ。。。こんな時に悪いんだけど、、ルーシィに依頼が入ってるの。」
「えっ?あたしに・・・指名ですか?」
「ええ。ルーシィにしかできない事なの。明日一日だけ。危険はないし、報酬もはずむって!お願いできるかしら?」
「うぅ。。。はぁ。。。」
ルーシィはチラッと、そこで暴れている桜頭を見る。
泊りの仕事に出ていて1週間。
たった1週間でもルーシィにとっては、やっと帰ってきたチームメイトのナツ。
付かず離れずの関係は、ルーシィが妖精の尻尾にやってきた時から始まっている。
妖精の尻尾に連れてきたの自体が、ナツとハッピーなのだが。。。
( ナツのバ~カ!!久しぶりに会ったて、いつも通り。。。
・・会いたいなぁって、恋しいなぁって思って、意識してるのはあたしだけ。。。
あたしだって、こんなに可愛くって 実はモテるんだから!!
・・・・・・なによ。。なによ。。。。
いつだって、あたしに纏わりついてくるくせに。。。
結局あたしは、、、、ナツにとっては、ただの仲のいいチームメイト止まりなのかな。。。)
「あらあら。そうねぇ、、、ナツ機嫌悪いから、ルーシィが一人で仕事行ったっていったら、いじけちゃうかしら??」
「あい!!ナツはルーシィにくっ付いてないと落ち着かないからね!」
「///いやっ。。そういんなんじゃ。。。。はぁ。。。」
でも実際、ルーシィ1人で依頼を受けたと知ったら ナツは面白くないといじけるだろう。
それがどの好きからくるのか、ルーシィはまだ気づかない。
( 帰ってきたばっかりだから、ルーシィんちでゆっくりしようと思ってたのに~!!とか言いそう。。。
・・・まぁ、あたしもそのつもりでいたんだけど。。。
でも、、ナツは、ただの仲間としてなんでしょ?。。。。なんか悲しくなってきた。。。)
どうしようと迷っていると、ミラがよく透る声でナツを呼んだ。
「ナツー!!ルーシィに指名の依頼入ってるの~!!明日一日の撮影だけだからいいわよねぇ??」
ミラの言葉に、ルーシィが反応する。
「えっ?!撮影なんですか??」
「そうよ?言ってなかったかしら?」
「え~!!ルーシィまたグラビアやるの~??」
そう言えば最近ルーシィの元へは、雑誌のグラビアの依頼が増えていた。
たまに直接の依頼もあるのだが、たちの悪いものもあるからと、仲間達に心配され きちんとギルドを通して貰っている。
そうすることで、ミラが依頼を選別してくれるのだ。
( 随分とみんな、あたしには過保護なんだから。。。)
喧騒の中から、桜頭がこちらにやってくる。
「なんだよミラ!!撮影って、またソーサラーか??」
「そうよ。ナツも邪魔しないなら見に行ってもいいと思うわよ?」
「なっ!?あたし、御守なんていらないですよ!!」
「あらっ。引き受けてくれるのね?ルーシィ。」
「あぅ!?・・・はい。」
「・・・・・御守じゃねぇし。。。」
「プフフフフフッ。オイラは御守でもいいよ?付いていこっかなぁ~??」
ナツとハッピーの呟きは、ミラに阻まれ ルーシィには届かなかったようだ。
ルーシィは、耳打ちで撮影の内容をミラから詳しく聞き、、、口元を若干ひきつらせていたが、最後には頷いた。
翌日の午前中から、街の中で撮影が始まると言う。
ミラの話を聞いてからルーシィは、頑なにナツの同行を拒否した。
「何でだよ!!」
「だって、、、なんか見られてると恥ずかしいじゃない///」
「別に、、、恥ずかしいもなんもねぇだろ!どうせ、雑誌に載るんだし。色気もねぇんだから恥ずかしい写真なんて撮んねぇよ!!」
「っ!?また言ったぁ!!!むっかつく!!もぉぉぉぉぉぉ!!とにかく絶対来ないでね!!何か壊して報酬減らされたくないし!!」
ガタンっとルーシィが立ち上がる。
「ルーシィィィ。おいらルーシィと一緒に行きたいなぁ。。。?」
「駄目っ!!ハッピーは、ナツが来ないように監視してて!!!・・・・・・・フンッ!!!」
ぴしゃりと言い放ってルーシィは、怒ったまま家に帰ってしまった。
唇を尖らせたまま、ナツはルーシィがでていった扉を睨み付けていた。
ルーシィと入れ替わる様にギルドに入ってきた、半裸の男がハッピーの頭を撫でてその脇に座った。
「ナツ~。もっと素直になればいいのに。。。」
「・・・・。」
「ハッピー。ムリだろ。このトリ頭、、、何回失敗しても同じこと言って姫さん怒らしちまうんだから。」
「・・・・・うるせえ。。。変態パンツ、、、服着ろ!!」
「うおっ!?いつの間に!!」
「ナツ~。一緒にいたいんだ!!って言えばいいんだよ!!」
「むっ////」
「おっ。赤くなってらぁ。いっちょ前に。。」
ギロッとグレイを睨み付けるナツ。
「お前さぁ。そんな片時も離れらんねぇんなら、さっさと自分のもんにしちまおうとか思わねぇのか??」
「うっ////////////。」
「・・・・・ウブだな。」
「・・・・・・ウブだね。」
「っ!!ウブじゃねぇ!!!!」
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ナツのお兄ちゃんでもある、服脱がなきゃイケメン グレイさん。。。
猫じゃなきゃ、、、かなりできる男だと思うハッピー。。。
*
翌日。
ナツとハッピーはルーシィのアパートの前に流れている運河の堀の上に座って待っていた。
見上げた部屋の中では、ルーシィが慌ただしく身支度をしているようだった。
そこに、カメラをぶら下げた男と、大きめのカバンを肩から下げる若い女が歩いてくる。
ナツ達を目に止めニコッと笑い会釈をし、ルーシィの部屋に向かって階段を上っていく。
暫くすると、そのカメカマン達を引き連れて、ルーシィがアパートから出てきた。
真っ直ぐとナツとハッピーの元へと向かってくる。
「・・・・・ナツ!ハッピー!!もう!!」
大きくため息をついて、ルーシィが肩を落とす。
「よう!」「おはっ。ルーシィ!!」
お構いなしに、ニコニコと手を置あげる1人と1匹にガクッと肩を落とすルーシィ。
『パシャリ。』何故かシャッターがきられる。
「何でここにいるのよ~!!」
「ん?偶然!!」「オイラはナツの見張り!!」
「来ないでって言ったのに!!!ついてこないでよね!!」
そう言い残して、ソーサラーの記者たちと連れだって駅の方へ向かうルーシィ。
その後ろを、頭の後ろで手を組んだナツが、少し距離を空けてフラフラとついてくる。
今日のルーシィはなんだかいつもと違う。。。なんだかフワフワしてやがる。
ヒラヒラしたワンピースなんか着やがって。。。。。
面白くないと、眉をよせるナツ。
「ナツゥ。。。今日のルーシィ。なんかいつもより可愛いね?」
素直に言葉に出す相棒に、少し負けた気がして頭を垂れるナツ。
しかし、それだけじゃない。
心なしか、彼女の顔がほんのり赤い。
「・・・・・なんだぁ??」
ルーシィのやつ緊張してやがんのかぁ?
やっぱり俺が付いて行って、緊張ほぐしてやった方がいいんじゃねぇのか??
ニコニコと、ルーシィに近づこうと足を急がせる。
ナツとハッピーが追いつく前に、ルーシィ達が駅前の広場に着こうとしている。
ソーサラーの記者が指さす方に、ベンチに座っている見た事のある金髪。。。。
と、その相棒らしき、、、ベストを着た茶色い猫。。。
ナツの眉間に深いしわが刻まれた。
「えっ??なんで??」
ハッピーも気付いたようで、目を白黒させている。
耳を澄ますと、微かに聞こえてくる記者とカメラマンたちの声。
『本日は晴れてよかったですね~。
今回の対談は、スティングさんの今会いたい人ってことで、ルーシィさんに来てもらいました。
私たちは、離れたところから写真を撮らせてもらうので 好きにデートしてください!!
途中、すこそお話も聞かせてもらいますんで よろしくお願いしま~す。』
その声はハッピーにも届いたようだった。
「デッデッデデートだとぉぉぉぉ!!!!!」
「えぇ???ルーシィ、デートなのぉ???」
つい、大きな声が出てしまう。。。
っ!?ヤバイ!!慌てて自分で口を塞ぐ。
チラッと、ルーシィが振り返った気がしたが、目の前の視界が回っていて、よくわからない。
ルーシィが、、、、、スティングと、、、でえと?。。。デイト?。。。。デーート!?!?
へらへらっと笑って、後頭部に片手をあてながらルーシィに向かって挨拶をするスティング。
そこに笑顔で、手を差し出すルーシィ。
2人が握手した。。。いやもう1匹いた。。。
ルーシィの腕の中に収まったレクターも一緒に握手をしている。
どうやら一緒に行動するようだ。。。
レクターを腕に抱いたルーシィが不意に顔を上げた。。。
「アーーー!!!オイラの!!オイラの場所!!!」
ハッピーが思いのほか大声で叫んで、飛び出してしまった。。。
スティング達に向かって、にっこり笑っていたルーシィが、ナツとハッピーに向って指をさす。
次に、ルーシィが笑顔で手招きしてくる!!
「ナツー!!ハッピー!!」
・・・・・なんだぁ??
その笑顔に、ついワクワクしてしまった。
いそいそとハッピーと一緒に、ルーシィ達に前に駆け寄った。
「よっ!・・・・偶・・然・・だ・・な・・・??」
「ナツさん!!」
「ナツ君。ハッピー君。」
「・・・・・・・ぐ・・う・・ぜ・・・ん・・ね?・・じゃあ、用事はないんだし・・早く戻りなさい。。。」
先程の笑顔は何処へやら、、、反目のルーシィが、ジト目で見てくる。。。
クイッと目線と顎で、ギルドの方を指される。
暗に、早く帰れと言っているんだろう。。。
・・・・・はぁぁぁ。。。。
ルーシィの冷たい視線が突き刺さる。
「じゃっじゃあなっ!!」
上げたままの片手を、ヘロリと振った。
錆びた鉄の様にしか身体が動かない。。。。
ギギギギギィと効果音を背負いながら反転して、肩を落としたまま歩き出すしかない。
それまで黙っていたハッピーが、肩を震わせ叫んだ。
「ルーシィィィィィ!!ひどいや!!ルーシィのおっぱいはオイラの、、、オイラの収まる場所なのに!!!酷いや!!酷いや!!行こうナツ!!ルーシィィィの、、、ブァカァァァ!!!」
ハッピーが涙ながらに叫ぶと、尻尾でナツを掴んで飛んで行ってしまった。
「//////ハッピー?」
どうやら、ソーサラーの企画で、話題になったスティングとルーシィをデートさせるという事らしい。。。
ギルドに戻って、カウンターで項垂れるナツとハッピー。
「・・・・・・はぁぁぁぁ。。」
「・・・・・・・・ぐすん。。。」
大きなため息と、あからさまに落ち込んだ鼻を啜る音。。。
見かねて、ミラがドリンクを差し入れる。
「あらあら。落ち込んじゃってぇ。。。ソーサラーからの依頼なのよ?仕事よ?」
「でも、ルーシィ。。。帰って来てから、、、まだオイラの事抱っこしてくれてないのに。。。」
「・・・・・昨日膝に座ってたじゃねぇか!!」
「膝の上と、ルーシィの柔らかいおっぱいじゃ、全然違うんだ!!」
「・・・///そらぁ、、、そうだろうけどよう。オレなんか、、、、怒らしただけだぞ。。。」
何でそんな依頼OKしたのーー!!!と、天井に向かってハッピーが叫ぶ。
その脇で、相棒のナツは、項垂れたままだ。
「あらあら。ルーシィが足りてないのねぇ~。ふたりとも。」
ニッコリを笑みを浮かべるミラ。
「ナツ。ハッピー。ごめんなさいね?私が頼んだ依頼だから、ルーシィも嫌がってたんだけど断りずらそうにしていたのよねぇ。
・・・・でもね?
昨日ナツが怒らせるから~。。。ルーシィも勢いでOKしちゃったんじゃないかしら??フフフッ」
残念ねぇ~っときれいに笑う魔人に対して、、、、言葉も出ない。。。
「・・・・・ルーシィ。オシャレしてたね。。。」
「・・・そうか?」
「そうだよ!!なんか気合入ってた。オイラ猫だけど、可愛いと思ったもん。」
「・・・・・・・・知らねぇし///」
「あらあらナツ。そんなんじゃ本当にルーシィ、スティングに盗られちゃうんじゃない?」
「・・・あい。ナツはもっと女心ってのを考えた方がいいと思うよ。。オイラこの先心配だよ。」
「そうねぇ~。私もそう思うなぁ。。。可愛いルーシィに照れて、可愛くねぇ~!とか色気ねぇ!!とか、思ってもないこと言っちゃって、、、幼稚園生かっての!!」
何処からかでてきたリサーナも会話に加わる。
「あらあら。。ナツそんなこと言ってちゃ、スティングが頑張らなくっても、ルーシィ自ら逃げて行っちゃうんじゃないかしら?」
「あ~あ。ナツ。。。捨てられたね。。。」
「捨てられる前に、相手にされてないかもです!!あい。」
「・・・・・・ムムッ。。。」
矢継ぎ早に、ストラウス姉妹とハッピーに攻められ ドンドンと凹んでいくナツ。
カウンターに飲み物を頼みに来た喧嘩仲間が、見かねてナツに声をかける。。
「おいおい。燃えカス。。。凹んでんじゃねぇか。。。」
「・・・・・うるせぇ。ヘタレ氷。。」
「フンッ。ヘタレはテメェだろ?ションボリ帰ってきやがって。。。ジメジメしてうぜぇんだよ!!」
胸ぐらを掴んでやろうと思ったが、相手が半裸のため睨み付けるだけに留まった。
じゃぁ、、どうしろと言うのだ!!
それが解んねぇんじゃねぇか!!
今までだって、十分ルーシィの近くにいる努力をしてるっつうのに!!
大体、ルーシィが可愛いのも、今日ちょっとオシャレしてんのも、そんでいつもよりちょっと女の子らしいのも、、、、、知ってるっての。。。
・・・・・なんでだよ。
ほんの数日、ギルド空けてただけだぞ??
なんだこの状況の変化は。。。。
・・・・・オレと出掛ける時は、そんなめかしたりしねぇくせに。。。
「・・・・・・・・絶対邪魔してやる!!!」
ナツの呟きに、魔神が振り返る。
「あらあらナツ~?私が仲介した仕事なの。。。分かってるわよね??」
魔人の微笑みに、グレイも一緒になって、縮みあがった。
「敵は、身内にいたみたいだな。。。」
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
そうだ。魔人には逆らうな!!命が大事だろ??