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makurakotobaのmさんのリクエスト企画にのっかって、『ルーシィとレビィのショッピングや女子話』をリクエストしちゃいました(*'ω'*)

そして、お持ち帰りさせていただきました~!!!!mさんありがと~!!!!!!!!!

 

雨の味方 ―ルーシィとレビィとジュビア―


今日がどれほど楽しみだったか。お天道様は知らないのだろう。

「嘘でしょう……」
朝起きて、耳に入った音にハッとし、飛び起きて窓を空ける。清々しい、眩しいはずの朝。それなのに、空はどんよりと暗く、雨模様だった。
その日、ルーシィは仕事もなく、ある予定があった。何日も前から楽しみにしていた予定。それは、レビィと共に街へ買い物に行くというものだった。
毎日のように顔を合わせているのだから今更かもしれない。しかし、お互いに仕事が続いており、予定を合わせ、待ち合わせをし、街へと繰り出すなんてことも、久しく出来ていなかったのだ。
笑いの溢れる家族のようなギルド。そこから少しだけ抜け出し、ただの友達になれる瞬間。同じ位の年齢の女性たちが経験しているような、そんな楽しみ。想像しただけで笑顔になれる。
それが、雨。
「今日、新しい服下ろそうと思ってたのに。カフェテラスでミルクレープ、古本市散策……」
描いていたほんわか明るいひと時。それが消え去った絶望。ルーシィは口を開けたまま空を見上げた。

(たまの休みがこれって運がないな……)

どんなに囁かな楽しみでも、踏みつけられたら痛いのだ。
ルーシィはしばし考え込んだ。
雨足は早くなるばかり。出掛けられないこともないが、自分が出掛けたいばかりにレビィを雨の中、無理に連れ回すのも気が引ける。やはり今日は中止にした方が良いのではないだろうか。

その時、玄関からチャイムの音が響いた。

ルーシィは起きたままの姿の自分を見て、早急に人前に出られる格好に着替えた。髪を必死に撫で付け、頬を撫で、叩く。扉に向かって大きく返事をし、ドアノブに手を掛けゆっくりと開く。すると、ドアの向こうには、ニッコリ笑顔のレビィが立っていた。
「おはよう!」
「え! どうしたの?」
突然の訪問に戸惑うルーシィ。まだ予定の時間には早すぎる上に待ち合わせはルーシィ宅ではない。
レビィはオレンジ色のレインコートとブーツを身に付け、驚いているルーシィをニコニコと見つめていた。
「えへへ、吃驚した?」
「うん、吃驚。あれ、まだ待ち合わせの時間じゃないし、それに」
ルーシィはレビィの濡れた姿を見る。それに気が付いたのが、レビィはふふっ笑顔で返す。
「うん。ルーちゃん、天気のこと気にするかなって思って、先に来ちゃった」
照れくさそうに笑うレビィ。
きっと、自分と同じくらいに今日を楽しみにしていたんだ。
ルーシィはそれが嬉しくて、胸がぎゅっとなるの感じた。
「私は、雨でも大丈夫だけど、あの、ルーちゃんさえ良ければ」
「勿論行く!」
即座に返事を返すルーシィを見てホッとしたレビィはとても嬉しそうだった。

レインコート姿の少女が二人、ならんで街を歩く。
街中では皆が顔を隠すように傘を指しており、その間を抜けていくのは不思議な気持ちだった。
「人も少ないし、雨の日も良いね」
「雨の日セールもあったりするんだよ」
「うそ! それは良いこと聞いた」
二人はレインコートのまま暫くアーケードを進んだ。外から店内を眺めつつ、あれが可愛いこれが可愛いと笑い合う。レインコートを身に着けているので雨が降っていても自由に動き回れる。これだけ自由にしているのは自分達だけではないか、と二人は顔を見合わせる。
雨はしとしとと続く。今日は一日雨なのだろう。
「そうだ。ちょっと連れて行きたいところがあるの」
暫く雨の中を楽しんだレビィはそう言うと、ルーシィの前を歩き出した。ルーシィはただその後を追う。
ルーシィもマグノリアに住み始めていくらか経つが、まだまだ知らない場所も多い。
レビィは細い道を進んでいく。道順を覚えるには困難で、複雑だ。ボコボコ少し粗い石畳の小路に出たとき、レビィの足は止まった。

「ここだよ」
指を指した先には、木製の扉があった。窓から中を覗けば、どうやら喫茶店のようだった。
「入ろう」
レビィのあとに続き、ルーシィは店内に足を踏み入れた。
コーヒーの匂いがルーシィ達を囲む。微かに聴こえてくる、邪魔にならない音楽。暖かな色の照明が各テーブルの上にぶら下がっている。薄暗い奥にはカウンターがあり、そこには四十代くらいの男性マスターが食器を拭きつつ、此方を見てニコリと笑っていた。
「良いお店だね」
「うん。しかも、ほら」
レビィの指の先を再び見ると、そこにはルーシィの背丈ほどの本棚が幾つか置かれていた。店内を見渡せば、皆本を片手にテーブルに付いている。
ルーシィは本棚へと近付く。パッと見ただけでも興味深い、古くて滅多に手に入らないような本ばかりがそこには収まっていた。
レビィが言うに、その本は全てマスターの趣味で集められたもので、喫茶店を利用する客には無料で貸出しているらしい。本を読み、コーヒーを飲み、たまに甘いモノに手を伸ばす。長時間過ごしても嫌な顔をしない、じっくりと時間が流れる場所。
「ここ、たまに来るんだ。ルーちゃんにもいつか教えようと思ってたんだけど、二人で来ると本に熱中しちゃうじゃない? 折角遊んでいる時に、それもどうなのかなあとか思っちゃって」
「良い、良いね!」
興奮気味に、ルーシィは本棚へと手を伸ばす。
二人はそれぞれ気になる本を手に窓辺のテーブルに落ち着いた。コーヒーとケーキを注文し、二人は向かい合ったまま、本を開く。それからはひたすらにページを進め、たまに言葉を交わす程度。コーヒーの香りを楽しみ、合間にケーキの甘さに落ち着く。
一章読み終え、チラリと目の前を盗み見る。たまに目が合い、笑い合う。
そして時間はあっと言う間に過ぎ、休み休みに読み進めた本だったが、二人共一時間もしないうちに一冊目を読み終わっていた(選ぶ時に控えめな厚さにしていた)。

ぐっと背伸びしたレビィは、冷えたコーヒーに口を付けつつ、窓の外へと視線をうつした。
「私、晴れの日も好きだけれど、雨も好きだな」
雨音に負けぬようにと、レビィはルーシィに顔を寄せる。
「雨音がするから、こうやって顔を寄せ合って話したりさ。ぼおっと外を眺めてても良いし。あと、本を読んでいる時の良いBGMだよね」
静かな音楽の中に雨音。囁き声が何処かから聴こえてくる。皆が皆、ひっそりと雨を楽しんでいる。
「特別な気分になれるよね」
今日は特別なことをした。しかし、これだけ充実出来たのは、レビィと共に居たからだろうと思う。一人でこれだけ胸はいっぱいになるなんて出来ない。きっと、憂鬱だと、窓の外を見つめるだけだろう。本を読むだけなんて普通の女の子同士であれば退屈かもしれない。けれど、自分達らしい雨の日。少しだけ余裕を持って、視点を変える。特別を感じることは、とても簡単なのだ。

充実感に浸っていたルーシィは、そうだとレビィを見る。
雨といえば、あの子がいた。
「そうだ、このケーキお土産に買っていこうか、ジュビアに」
「そうだね。あ、ケーキだとエルザにも買わないと」
「拗ねちゃうかもね」
アレもコレも。あの人にもこの人にも。二人の頭の中ではお土産が増えていく。

*

ギルドにて、グレイの隣ではジュビアが申し訳なさそうに座っていた。
「雨鬱陶しいな。仕事行こうと思ってたのに行く気しねえ」
「すすすすみません、ジュビアのせいで!」
「…いや、別にお前のせいだとか思ってねえから」
グレイはしまった、と顔を顰める。
「それに、雨は降らなきゃ水がなくなるだろ。人間にとっちゃ必要なもんだ」
「そうですよね……」
口ではそう言うが、ジュビアは苦笑いを浮かべたまま。
実際、この雨はジュビアのせいではないだろう。しかしジュビアの前では配慮に欠ける発言だった。
ギルド内では雨のせいで足止めを食らっている者達がうだうだと過ごしていた。そんな、どこか曇った雰囲気の流れているギルド。
グレイは先程の自分の発言を後悔したが、すぐさま何かを見つけ、ニヤリと笑ってジュビアを見る。
「ほら、見てみろよ。嬉しそうな奴らだっているぜ」
グレイはギルドの門へと目を向ける。ジュビアがその視線を追えば、そこにはニコニコと笑顔でギルドへと駆け込んでくるルーシィとレビィの姿があった。

「あ、居たいた! ジュビアー! お土産ー!」
ジュビアを見つけ、駆け寄ってくる二人。グレイはニヤニヤとジュビアを見つめる。
レインコートやブーツを身に付け、頬を赤らめ、楽しそうな笑顔。外は変わらずどんよりとした雨模様。しかし、そこから来た二人はとても楽しそうに笑っている。
雨の日を楽しんでいる。
「あのね、レビィちゃんに教えてもらったお店のケーキなんだけどねー!」
「ケーキ……?!」
「大丈夫、エルザにもちゃんと買ってあるから! ね! ちょっと!」
興奮気味に叫んでいたルーシィをエルザが捕まえる。ぎゃいぎゃいとギルド内は騒がしくなり、雨音は遠くなった。
「雨の日を楽しむってのも良いかもな」
エルザが目の色を変えている様をグレイは笑って見ていた。
「……ええ。ここは、どんな日でも楽しいんでした」

明るくて、楽しくて、安心出来る場所。
ジュビアが居ても、じめじめなんてしない場所。
どんなに空が暗くても、皆が顔を合わせれば、笑顔が照らしてくれる。

「ほら、ジュビアもこっち来て選びなよ! なくなっちゃう!」
「……もう、ルーシィ。叫ばなくても聞こえてます」
ジュビアは頬を染め、しょうがないなと席を立つ。ケーキの箱を囲んで覗き込み、どれにしようかと迷っている女子達。
グレイはその後ろ姿を目で追いつつ、雨ももう暫く降っていて良いかな、と微笑んだ。


・・・

「ルーシィとレビィ」のショッピングや女子話

の、はずが少しずれて別物に。女子話という部分しか合っていない…。なんでも!という言葉に甘えました(すみません!)。

moさんのみフリーでお持ち帰り頂けます。
リクエスト有難う御座いました!

 

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mさんありがと~!!!!!

超かわいいセブンティーントリオw (*'ω'*)うふふふwww

雨の中を、ワキャワキャ楽しそうに並んで歩くルーちゃんと、レビィちゃんが!!!!

何気に、グレジュビw

大変おいしくいただきました~wwww

ホントありがとうございます~(*'▽')♪

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