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星霊魔導士 (後篇)

大魔闘演武後、ルーシィとハッピーで依頼に行きます。ナツルーなのに、まだ二人が直接逢っていません。。。

でもナツルーです。ナツ→←ルーシィのくっつきそうでまだ、くっつかない感じです。セイバーのスティングやユキノも出てきます。

キャラ崩壊とかしていたらごめんなさい。誤字脱字ごめんなさい。それでもよい方はどうぞ!!☆

 

 

 

 

「・・・おかしいですね?この木箱・・・・。」

 

 

 

 ルーシィの指摘を受けて、依頼主である男の顔色が変わった。ハッピーはルーシィの肩に乗って、少女の表情を覗き込んだ。

そこには真剣な表情、鋭い視線を男に向けるルーシィがいる。

 

 箱の中の魔力が 不規則に揺らめいている。何より先ほどの魔法ショップのおじいさんは、この街にもう20年は星霊魔導士はいないと言っていた。嘘をついているのは、おそらくこの男だ!!

 

  「……何か……誰かを、閉じ込めた?」

 

 ルーシィはその場に立ち上がり、腰にある星霊のカギに手をかける。

 

男「ちっ! 案外鋭いんだな。妖精のルーシィちゃんは!! ちょっと魔力をあててくれれば、あんたもこの中だったのに残念だよ」

 

 男を囲うように強い風が室内を渦巻く。アハハハハッと男は不気味に笑っている。

 

  「「!?」」

男「おっと動くなよ?」

 

 そう言うと男は、カタカタと動く木箱を手に取った。

 

男「クックック。そうだよ? この中には、星霊魔導士が入っている。」

  「「!!!!!」」

男「俺はなぁ、獅子宮のカギが欲しいんだよ。あの星霊を欲しがっている金持ちの女がいるんだ。一昨日おびき出した剣咬の虎のお嬢ちゃんは、残念ながら持っていなくてね?」

  (・・セイバー・・・って・ユキノ!!)

 

 男はそう言って、ユキノのカギを指にかけクルクルと回して見せる。

 

  「「ユキノ!!」」

男「おやぁ、知り合いか? じゃぁ~ちょうどいねぇ。お友達の星霊魔導士を助けたかったら、獅子宮のカギと交換だ!!」

  「汚いぞぉ!!」

 ハッピーが目を吊り上げ、男を睨み付けた。

 

 そんなやり取りの中ルーシィは、じっと獅子宮のカギを握りしめている。そしてポツリと呟いた。

 

「ごめん。ロキ……」

「えっ! ルーシィ?」

 

 ハッピーは驚いて、ルーシィを見つめた。ルーシィの呟きを耳に、男はニヤリと笑みを浮かべた。カギをギュッと握ったままのルーシィの掌に、汗が滲んでいる。その瞳は、強い意志を浮かべて「わかったわ」と呟いた。

 

 

男「よし。テーブルの真ん中にカギを置け。おっと、あんたが声出せちゃまずいからな?」

 

 男は、どこからか ラクリマの付いたブレスレットを出し ルーシィに投げつけた。

 

男「それをはめて貰おうか。あんたが声を出せちゃまずいからな。ちょっと魔力も吸っちまうが、まぁ、いいだろぉ」

 表情を少し曇らせ ルーシィは、ブレスレットを手に取った。そして、深く息を吐いた。

  「同時に交換するわよ? ……ハッピーは箱をお願い!」

 ブレスレットを腕に嵌めると、ルーシィは獅子宮のカギをテーブルにゆっくりと置いた。

男「よし。」

 

ハッピーが箱を抱え飛び上がり、男がカギに手を伸ばした時……まばゆい光が部屋中を照らす。

 

 

 

 

 

 

 ”リンゴーン!!”

 

 

  「はぁ~い。王子さま登場!!」

 光の中から、1人分の影が現れた。

男「!?なんで出てこれる?呪文は言えないはずだ!!」

 

 星霊魔導士が呼び出してもいないのに星霊が飛び出してくるという事態に、男は怯んだ。その隙に、ハッピーは箱を抱えたままルーシィの後ろまで飛んできた。

 

  「ふふふふっ。それは星霊である僕と主であるルーシィとの愛のぉ「ロキ!!」」

   “バチーーン!!”

 

 獅子宮の星霊ロキの口上を遮り、ハッピーが声をかけ、ルーシィが鞭をふるう。

 

 

  「おっとぉ。レグルス・インパクト!!」

 

 

 

 

 ……あっけなく気絶した男を縛り上げると、ルーシィに変わりロキが評議院に連絡を入れた。

しばらくすれば、男を拘束しに評議院の役人が到着することだろう。

 

 ハッピーは、ブレスレットを外そうと奮闘するルーシィの傍らに立ち、その顔を心配そうに覗き込みながら声をかけた。ルーシィは徐々に魔力を吸われ、肩で息をし始めていた。だが、少しでも早くその箱に閉じ込められているユキノを救いたいのだ。何とか外すことはできないかと、試みていた。

 

  「ルーシィ大丈夫? それ外せそう??」

  「・・・・・・・。」

 

 ルーシィは心配そうに眉を下げ、ハッピーの抱える木箱を見つめた。その視線を受けるハッピーの耳はしょぼんと垂れ下がっている。

 

  「うぅ~ん。この魔水晶が容量オーバーして壊れるまで魔力を込めないと外れない仕組みだね。」

 

 ロキは、ルーシィの傍らに膝をつき、覗き込む様に顔を近づけ ルーシィの腕にはまったブレスレットを観察するように触っている。

 

  「……///」

 

 その顔の近さに、ルーシィは頬を紅くして、怒ったようにロキを押し返した。だがロキは、それでも離れずにルーシィにくっついたままだ。

 

  「残りの魔力を考えたら……ごめんね。僕の魔力だけじゃ足りないみたいだね。評議院の到着を待つとルーシィの魔力が、ユキノを助ける分まで持たなそうだしねぇ? どうしよっか?」

 

 ロキは、わざわざルーシィの耳元に囁きかける。その近さに真っ赤な顔をした主のルーシィが、は・な・れ・ろ・!と口をパクパクさせているが、獅子宮の星霊のロキは気付かないふりをしてその位置から離れようとはしない。その様子に、ハッピーは呆れた表情を浮かべた。

 

  「ローキー。離れなさ~い! ってルーシィが怒ってるよ~!!」

 

 ハッピーがロキを押しのけ、箱を抱えたままルーシィの膝の上を陣取った。そんなハッピーの頭をよくやったとルーシィは片手で撫でてやり、ユキノの閉じ込められている箱にハッピーの手の上から心配そうに自分の手も重ねた。主のその様子に、獅子宮の星霊は眉を下げた。

 

 「はいはい。解っているよ。ハッピー。 なんだか、もうすぐ助けが来そうな気もするし……離れるよ!」

 

 そうこうしている内にルーシィは、肩を揺らし声の出なくなった口で 荒い呼吸を繰り返しながら、その場にへたり込んでしまった。慌てたロキは、ルーシィの腕のブレスレットに手をあて、自分の魔力を吸わせてやった。これで少しはルーシィの負担が軽減されればいいのだが……。

 

  「ルーシィ! 頑張れ!!」

  「きっと、帰ってきたらルーシィがいない! って騒いだナツがもうすぐ、来るころだよ!!」

 

 パッピーが、膝の上でルーシィに言葉をかける。ルーシィは少し微笑みながら、ハッピーの頭をなで、ロキに口をパクパクさせ 『あ・り・が・と・う』 とでない声をかけた。

 

 

 

 

 

 

『…ぅ…し……ぃ!!』

 

 離れたところから、聞きなれた声が響いてくる。

 

『ル――ィィィィ!!!!』

 

「ナツだぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

「そろそろ来ると思っていたよ。」ニッコリ

「……ハァ……ハァ…(ナ・ツ・ッ!!)」

 

 声のする方に、1人と1匹と1体は振り返った。そこに桜色が揺れて見える……。……だが、そこに見えるものは、桜色だけではなかった。

 

「「「!?」」」

「……いっぱい居るねぇ??」

 

 ロキがつぶやき、ルーシィは目を丸くしまばたきを繰り返す。ハッピーは羽を出して飛び上がっていた。

 

「ナツ!! エルザ! グレイ! スッスティング~? えぇぇぇぇぇ!!」

 

 ハッピーが耳をピクピクさせながら、駆け寄ってくる仲間に声をかける。

 

「ルーシィィィィィィィ!! ぶっ、無事かぁ~!?」

「ルーシィ!! ハッピー!! 大丈夫か?」

「姫さん、ハッピー、ロキ!? 何ともないか?」

 

 チームメイトに代わる代わる声をかけられ、ルーシィは額に汗をにじませながらも、目を細めてにっこりと花が咲くようにほほ笑んだ。ルーシィの額から流れ落ちる脂汗に、いち早くナツが気が付いた。

 

「ルーシィ!! どうしたんだ!!」

 

 ロキを静かに押しのけ、ナツはルーシィの隣を陣取った。華奢な肩に片手を置き、もう片方の手でその汗をぬぐってやる。

 

 エルザとグレイは、疲れてはいるようだが ルーシィの無事な姿に安堵し、駆け寄ったナツに後はまかした! と、ロキとパッピーに事のあらましを説明を求める。ちらっと、ナツたちの様子を目に止め、エルザたちの方にスティングも近づいていく。

 

「っ!? ルーシィ? 何があったんだ!?」

 

 焦るナツに肩をつかまれ、前後に頭をゆすられルーシィは、まあまあ落ち着けとジェスチャーで伝える。そして、ルーシィは腕に嵌っている魔水晶付きのブレスレットを、ナツの目前に差し出した。

 

「……? これのせいなのか?」

 

 うんうん。とルーシィはうなずく。

 

「……壊してほしいのか?」

 

 涙目+上目づかいでコクンと頷き、ルーシィはナツに懇願した目を向けた。

 

「おぉ。まかしとけ。」

 

 とうっすらと頬を染めながら、ルーシィの腕をとるナツ。

 

 ……腕をとられ、頬を染めるルーシィ。

 

 ………ぴったり額をくっつけ合い……二人の世界に。

 

 

 

 

「ねぇ。グレイ……」

「んあ?」

「あれっ」

「……いうな。」

「あい。」

「仲が良いのはいいことだ!!」

「見せつけられる……こっちが恥ずかしいっつうの。」

「あい。……スミマセン。」

 

 ハッピーとグレイ、エルザの会話にスティングが割り込む様に加わってきた。

 

「あっあのっ! ユキノは。」

「あい。ロキが、クル爺に調べてもらってるって言ってたよ?ルーシィが回復したら解除できるみたいだよ」

 

 その言葉を受けスティングは、パッと顔をあげルーシィのいる方に振り返った。

 

「ル、ルーシィさぁ~ん!」

 

 お願いしますっ。 とばかりにルーシィたちのところへ行こうとするスティングだが。その足はすぐに動きを止めた。その視界は、ナツとルーシィの様子にくぎ付けになった。

 

 額をくっつけたまま、頬を桜色に染めるナツとルーシィ。

 

 手を取り合い、視線を絡ませるナツとルーシィ/////。

 

 ナツの手元が、淡く魔力を放出している。

 

『パリンッ』

 

 ラクリマの割れる音が響く。

 

「ありがとっ。ナツ!」

 

 顔を上げ、満面の笑みをむけて笑いかけるルーシィに、破顔するナツ。

 

「おう!」

 

 そのナツ笑みに、顔を真っ赤にさせるルーシィ。

 

  その後ろから、破顔するナツと目が合ってしまった、スティング。

 

「あっ……////」

「「「「やれやれっ」」」」

 

 仲間の溜め息交じりの呟きを耳に、額を寄せ合っていたナツとルーシィはパッと離れた。ハッピーは、ニヤついた笑みを向けた。

 

「でぇ~きぃてぇるぅ!!」

「「できてねぇ(ない)!!!!」」

 

 2人の声が、合わさった。

 

「えっ? できてないんすか?」

 

 心底驚いた声を出すスティング。……なぜか少し照れたように。

 

『ディアァーーオッ‼‼ 解析が終わりましたほマ。』

 

 突然現れたクル爺の声に ルーシィは我を取り戻し、木箱のもとに急いだ。

クル爺に手渡された、魔法陣の描かれた紙の上に木箱を乗せ、その上に自身の両手を被せ 目を閉じ静かに魔力を高めるルーシィ。

 

 フワァァ~っと魔方陣を通ってルーシィの魔力が、やさしい光に変わってあふれ出し、辺りを暖かい空気が包み込む。その中心で、より集中するルーシィ。眉間にしわを寄せ、脂汗をかいていても それは、とても美しい光景だ。

 皆がそんなルーシィに見惚れていると、『ぽんっ』と軽い音と共に、魔方陣の周りがまぶしい光に包まれた。

 

 光が薄れてくると、1人だった影が2人分見えてくる。

 

「ユキノ!!」

 

 1つの影が、もう1つの影を抱きしめた。

 

「ル、ルーシィ様」

 

 ポロポロと抱き合う2人の目から、涙が滲んで流れ落ちていく。

 

「よかった。……ユキノが無事でよかったぁぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ→

 

 

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おまけ

 

ユキノを助け出した後、魔力の切れた金髪の少女はその場に崩れ込み眠り込んでしまった。

今は、駆け付けた火竜の腕の中で吐息を立てている。

 

「ルーシィ様!ありがとうございます。」

 

涙を流し礼を口にする星霊魔導士は、ふと顔を上げると スティングを見つける。

 

「スティング様!!」

「ユキノ!無事でよかった。」

「すべて、ルーシィ様のおかげです。箱の中では、外の様子が少しだけ伝わってきました。ルーシィ様がきて 十二門のカギがそろったからか、星霊界を通じて、『ユキノ!大丈夫よ!』『必ず助けるから』と何度もルーシィ様の心が聞こえていました。本当にお優しい方です。」

 

涙ながらに、ユキノが口にした言葉に、当然だ!!というがごとくチームメイトたちが胸と張った。

 

ユキノ(・・・いつか・・私も・・・ルーシィ様のように!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ2→

 

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おまけ2

 

エ「ロキ!ハッピー!!状況を説明しろ!!」

ハ「ぐっ!?首がしまっでばずぅぅ。エルザさま。。。」

グ「エッエルザ!!それじゃぁ、喋れないだろう・・・。」

エ「あぁ。スマン。気が急いてしまって。さぁ!説明しろ!!!」

ハ「あいぃぃ!!」

ロ「依頼は、星霊魔導士がロックした木箱のロック解除の依頼だったんだけど、実は、僕のカギを狙った罠だったんだ。」

ハ「あい。どっかのお金持ちの女の人が、ロキを欲しがったみたいだよ?」

グ「おい。お前がたらし込んだ女のわがままかぁ?変な奴にてぇだすなよ!!」

エ「・・・ロキの・・・せいか?」ギロリッ

ロ「えっ!?知らない人かもしれないじゃないか~?!あの男だって、売りつけようとしていただけで 頼まれたわけじゃなさそうだったし!!」

 

エ「まぁいい。先を続けろ。」

ハ「そそそれでね? なんか始めから、ルーシィをいやらしい目で見るいけ好かない奴がいて、木箱を見たら、ルーシィが黙って考え込んじゃって」

ロ「あ~。あれはね、クル爺に箱の解析を頼んだり、僕たちと会話していたんだ。カギに手をあてていただろ?」

グ「ほぉ~。そんな事できんのか??」

ロ「ルーシィの魔力は上がっているからね!前までは、僕らが勝手に覗いていたんだけどね?今は、覗くのもシャットアウトされてしまうんだ。。。あっ!?」

エ「ほおぉぉぉ。今までは!勝手に!!覗いていたのか!!!!!」

ロ「イッ!?!?」きゅるん。

ロキが星霊界に逃げ帰ってしまった。

エ「後で、説教だな!それでどうなったんだ!!ハッピー!」

 

ハ「ああああい。ルーシィがインチキに気づいて、ユキノの箱とロキのカギを取引しようって言われて・・・・・・・・ってことです。あい。」

 

エ「さすがワタシのルーシィだ!!」

グ「あぁ。うちの姫さんは聡明だな!!」

 

ス「・・・・・・皆さん、ルーシィさんが大好きなんですね?」

 

ス(綺麗で、かわいくて、にぎやかで、頭良くて、皆に好かれていて、、、、、ナツさんの彼女は、やっぱり素敵な人だなぁ///はぁぁぁ///)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

なんか、だらだらと長くなってしまいました。

いろいろ書ききれない!収まりきらず、分かりずらくてスミマセンm(__)m

ここまで読んでくださってありがとうございます。

キャラ崩壊スミマセン。

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