2014年1月15日 『救出作戦 シリーズ3』
救出作戦②
ナツ(最近自覚)→←ルーシィ(自覚後、無自覚ナツに振り回され過ぎて諦め
・仲間でいいやモード)+ハッピーチームのお仕事に、セイバーのスティング君が付いてきちゃうお話です。
ピンク色のバルカンに、穴ぐらのような所へ連れてこられた。
ここまで来る間、このバルカンはしきりに
『もう、さみしくない。いっしょ、たのしい。あんしん。』
そう言っていた。
バルカンの隙を見て、呼び出した処女宮の星霊バルゴは、穴を掘って攫われたという姉妹の捜索にあたっている。
それにしても。。。。
「ねぇ。。ルーシィ!」
「ん?」
なるべく小さい声で話しをする為、体育座りしたルーシィの膝の上にハッピーを座らせ、おでこがくっ付く位置で会話をしている。
後ろから見れば、お人形遊びをしているようにしか見えないだろう。
この穴ぐらに連れてこられたちびルーシィは、特に何をされるでもなかった。
ピンクのバルカンから、一方的に話しかけられて、ただうなずいていた。
ぜんぜん、怖い印象はなく概ね優しくされている。
特に印象的だったのは、優しい声色で言われた
『さみしくない。いっしょ。たのしい。』
という言葉だった。
バルカンと話している途中、抱えていたハッピーのお腹の虫が盛大になってしまった。
ピンクのバルカンは、にっこり笑ったようにして『ごはん。ごはん。』と言って離れて行ってしまったのだ。
・・・多分あたしのお腹の音だと思ったんだろうな。。。。
「あのバルカン。倒さなきゃいけないの??」
ハッピーは、心配そうに瞳を揺らしている。
「・・・人質救出が1番よね?」
「あい。でもあのバルカン、ナツと同じ色だし、やさしいし、オイラもルーシィも掠り傷ひとつ負わされなかったじゃない?」
「そうだね。」
かわいい耳と眉毛を下げてシュンとするやさしい青猫を、ちびルーシイは小さい腕でギュッと抱きしめた。
「きっと今も、お腹を空かせたルーシィの為にご飯の用意しているんだよ?」
「・・・きっと、そうだろうね。」
「意思の疎通ができるんだから、話せばわかってくれるんじゃないかな?」
「うん。アタシもそう思うよ?・・・・だからこそ、もう少し探ってみましょ?きっといい方法があるはずよ!!」
ルーシィの目の奥に宿る力強さを見てハッピーは、握った拳に力を入れた。
「そうだね!!オイラ達にできることをやろう!!」
ルーシィとハッピーは二ッと笑って、小さいアクションで拳を合わせた。
「・・・まぁ後は、状況判断よ!バルゴを待ちましょ?」
ルーシィ達から、離れた処を巨体がゴソゴソと動いている気配がしている。
たまに、『ごはん。ごはん。』と聞こえてくる。
忙しくこの穴ぐらの中を動き回っている様だ。
「姫。」
「わわっ!?」
いきなり、お尻が持ち上がり体勢を崩すルーシィ。
「姫。幼い姉妹を発見しました。お仕置きですか?」
淡々とした口調と真顔を崩すことなく、自分の頭で転がした主に、その顔をむける処女宮の星霊バルゴ。
「ちょっ!!?はぁ。。。。。。バルゴ。。ありがと。で何処??」
めくれ上がってしまったスカートを、ササッと直しながら、体勢を整えるルーシィ。
「姫。パンツの紐が緩ん「///それ以上言わないで!!」」
バルゴの言わんとしている事を、きっぱりとさえぎるルーシィ。
「・・・お仕置きですか??」
「・・・・・・はぁ。お仕置きはいいから。案内してくれる?」
主の言葉に、心なしかがっかりした様子の処女宮の星霊は、自分の通ってきた穴に主を案内した。
ルーシィとハッピーは、目を見合わせ いつもの事だと微妙な笑いを浮かべ、バルゴの後に続いた。
穴から頭を出して様子を伺うと、姉妹がなにやら作業をしている。
姉妹は いたって落ち着いた様子で、何やら荷造りをしているようだった。
「ありがとバルゴ。」
小声でそう言って、穴から出る前にバルゴを閉門する。
静かに穴から出たルーシィとハッピーは、その後姿に向かって歩み寄った。
「逃げる準備でもしているのかしら?」
ルーシィのつぶやきに、幼い姉妹が振り向いた。
そして、ルーシィとハッピーを目に止め、眉をしかめた。
「・・・だれ?」
少し背の高い方のきっと姉の方であろう少女が、ルーシィとハッピーを睨み付けている。
「魔導士よ!助けに来たの。もう大丈夫!一緒に逃げましょ?」
ちびルーシィの方が、小さかったようで見上げる形になった姉の方。
ちびルーシィと同じ高さの妹。
2人に向かってルーシィは、笑顔で手を差し伸べた。
だが、差し伸べた手は空をきる。
「どうしたの?」
ハッピーは、首を傾げてキョトンとした顔で2人を見ている。
「・・・子供と猫の魔導士?」
妹の方は、姉の後ろに体を隠し怯えた様な視線をルーシィ達にむけてくる。
「・・・それとも。魔法で変身しているの??」
以外にも、魔導にたけているのだろうか?
姉と思われる少女が、ルーシィを睨み付けている。
どうも様子がおかしい。
ルーシィは内心困惑していた。
普通助けが来たら、喜ぶものだろう。
しかもこの子達は、はじめっから怯えている様子すら見えなかった。
その上、、、助けに来たと言ったら顔をしかめるなんて。。。
・・・妹の方は、すっかり怯えているわ。。。
いいしれないモヤモヤしたものが、ルーシィの頭の中で渦巻いていた。
「・・・帰りたくないのね?」
あまりにおびえた様子に、ルーシィは姉妹の前に膝をついて顔を覗きこんだ。
姉妹の肩が、小刻みに震えている。
あたし達は、この子達をおびえさせに来たわけじゃないのに。。。
「・・・あたし達にできることはない??」
兎に角、傷つける意思がない事だけでも伝わればいいんだけど。。。
そう思って声をかけると、
「じゃぁ、魔導士さん。あたし達とバルカンはもう居なかったことにして引き上げてくれないかしら?」
妹は姉の後ろに隠れたまま、姉がはっきりとした要望を口にした。
やっぱり。
あのバルカンは。。。。
この子達は、きっと友達を守りたいのね。
「あの子は悪くないわ!悪いのは大人!!」
「あの子?どういう事なの??」
姉の方が、捲し立てる様に大きな声で言った。
ハッピーが首をかしげる。
「ねぇ。詳しく教えてくれないかな?あたしは確かに薬で小さくなっているからこの姿は本当の姿ではないわ。でも、だからこそ、力になれるかもしれないわ。」
ルーシィは、精一杯やさしい視線をむける。
だが妹が、姉の服をギュッとつかんでいる。
そうか。そんな簡単に他人を信じたりはできないんだろう。
こんな幼い姉妹に、そう思わせてしまう環境を思うと、胸が痛む。
「大人なんて!!信じられない!!」
姉は庇うように、妹の前に立ち 凄んでくる。
ルーシィは頭を悩ませ、思いついたことを口にしてみた。
「う~ん。あたしね?今はこんな大きさだけど、産まれたのは24年前なの。そう考えたら24歳かもしれない。・・・でもね?実際は17年しか生きてないから本当は、17歳なの。。。」
「「??」」
何を言っているんだと、ポカンとする姉妹とハッピー。
「えっとね?実は7年間眠りについていたからなんだけど、う~ん。あたしが言いたいのは、、、、子供でもないけど まだ、大人じゃないかな??って事。」
小首をかしげてニッと笑って見せるちびルーシィ。
「・・・しかも今は、5~6歳の体だしね!!ルーシィは、君たちを助けるために小さくなる薬を飲んだんだよ!」
ハッピーがルーシィの腕の中で、ウインクする。
「そう。だから大丈夫!!あたし達はあなたたちの味方よ!!」
姉妹2人に向かって、改めて小さい手を差し出す。
「・・・・大人じゃないの?」
初めて、妹の方が口を開いた。
ルーシィは黙って頷いて、
「あたしはただの、妖精の尻尾の魔導士よ。妖精の尻尾は、あなた達を傷つけないわ!」
「オイラも!!妖精の尻尾の魔導士だよ!だから安心して!!」
妹は姉の手をぎゅっと握りしめ、姉の目を見た。
「・・・おねぇちゃん。。。助けてもらおうよ。。。」
妹の言葉に、姉の目に徐々に溜まっていた涙が、関を斬ってあふれ出した。
「ホッ本当に、、、たっ助けてくれる??」
姉の方が、ルーシィの小さい手を握った。
つられるように妹も手を伸ばしてくる。
「さくらちゃんを助けて!」
握った手に精一杯の力が込められる。
そして、少女たちの重たかった口が動き出した。
時折 相槌を打ちながらルーシィ達は姉妹の言葉に耳を傾けた。
まず、姉妹と一緒にこの街に来たのは、親ではなくハンターという人種なのだという。
彼女たちの母親は既になく、山の奥深くの村で、父親と暮らしていたのだ。
だが、その父親はある日森に入ったまま帰らなかったそうだ。
両親の残した家で姉妹2人で、何とか生き抜いていたのだろう。
村の人達は皆やさしくしてはくれるが、貧しく一緒に暮らしてくれる人はいなかったそうだ。
それでも2人は、住み慣れた村で畑を手伝ったり、施しを受けて暮らしていた。
天気のいい昼間なんかは、森に入りキノコや果物を採ったりもしたそうだ。
2人一緒にいることで、色んな事を乗り越えてきたのだろう。
いつか父親が帰ってくるのを信じて。
そんな中、森の深くまで入ってみると、ピンクのバルカンに出会ったのだという。
人語を巧みに使いこなし、物腰のやさしいバルカン。
すぐに打ち解けてしまった2人は、足しげく森に通い絆を深めていったそうだ。
しばらくして、村に2人のハンターが現れた。
珍しい毛並みのバルカンがいると聞きつけて、毛皮を取りに来たのだという。
よく森に入っていた姉妹は、ピンクのバルカンの事を聞かれたが、嫌な予感がして 知らないと言って誤魔化していたらしい。
だが、村の大人から森の案内するよう命じられ、早朝からそのハンター達と一緒に森に入った。
その時ピンクのバルカンが、姉妹の元に寄ってきてしまったのだ。
その場は何とかバルカンを逃がしたが、そのままピンクのバルカンは森には戻ってこなくなったそうだ。
ハンター達に、ピンクのバルカンと姉妹たちの絆に気付かれてしまった。
親のいない姉妹を 善意で引き取ると、いつの間にか村の大人たちを言いくるめていたのだ。
村の大人に、何度も嫌だと告げたが、「お前達のためだ」といって、聞き入れてもらえなかったそうだ。
そして、逃げていったピンクのバルカンを追う様に、無理やりこの街まで連れてこられたのだ。
ハンター達の狙いは、姉妹を囮にピンクのバルカンをおびき出そうということだ。
だが、なかなかピンクのバルカンを見つけることが出来ず、ハンター達は情報集めだと称し、姉妹をほったらかしにし、帰って来なくなったそうだ。
姉妹は、その隙にハンター達よりも先に、ピンクのバルカンを探して逃がそうとしていたらしい。
そして、先日やっとピンクのバルカンと再会したのだという。
まだハンター達には気付かれていない。
何とか、一緒に逃げだそうとしていたのだ。
話を聞き、体の小さくなったルーシィには、2人を包み込んでやることはできないが、力一杯姉妹に抱きついた。
ハッピーも、ポロポロと涙を流しながら、姉妹に抱きついた。
ルーシィとハッピーの体温を感じてか、姉妹もその場に崩れ落ちる様にしゃがみ、ワンワン泣き出した。
「話してくれて、ありがとう。」
「2人とも偉いよ!!」
姉妹が泣き止むまで、ルーシィとハッピーはその場を動かなかった。
「ねぇ。自己紹介しようか!!あたしはルーシィ。ルーシィ・ハートフィリア。星霊魔導士よ!で、こっちが、、、」
「あい。猫のハッピーでふ!!」
シュタっとその場で敬礼するハッピー。
「・・・それとね?怖がらないで聞いてほしいんだけど、外にあたし達の仲間がいるの。会ってくれる??」
さっきまで、異常なほど大人を、、、いや他人を警戒していたこの子達を、怖がらせてしまうかもしれない。
自分も、今この姿だから受け入れられたにすぎないのだとしたら、せっかく話をしてくれたのに、また警戒されてしまうかもしれない。
だが、彼らに協力してもらわなくては、、、場合によっては、依頼を果たせない上にハンターと戦闘になるのかもしれないのだ。。。
祈るような思いで、ルーシィが姉妹の返答を待っていると、もじもじしていた妹の方が先に口を開いた。
「あたし。胡桃」
「わたしは、杏。それと友達の名前は、サクラちゃん」
妹に続いて姉が名乗る。
照れたように僅かに笑う姉妹。
!!何だか胸の奥が熱くなる。
「ルーシィちゃんは、17歳なんでしょ?お友達は・・・・・・大人なの?」
一転心配そうな顔を見せる。
「う~ん。歳は本人にも解んないんだ。でも、絶対ルーシィよりは、子供だね!!猫よりしょぼい脳みそだし!!でもね!とっても強いからハンターなんかに、負けないよ!!安心して!!」
ハッピーが、安心させるように、楽しそうに笑って見せた。
*
その頃ナツはピンクのバルカンに、羽交い絞めにされていた。
さかのぼる事数分前。
ちびルーシィとハッピーが連れていかれた バルカンの寝ぐららしき洞窟の前で、スティングはナツを質問攻めにしていた。
「はやく合図来ないですかね~??ナツさん!!」
「あんっ?ルーシィは始めっから時間をくれって言ってたんだぞ!!黙って待ってろ!」
「・・・・にしたって、何やってるんスかね?遅すぎですよ!!ねっ?ナツさん!!」
「あぁ??だから、ルーシィに任しとけばいいんだよ!!」
ナツは、スティングに対して苛立ちを感じるが、ギルドを出た時にルーシィに言われたことを思い出して頭を切り替える。
「、、はぁ。・・・なんでそんなに信じられるんすか?」
やっと構ってくれるようになったのに、ナツさんは、なんでもあの人が中心だ。。。結局面白くない。小さく息を吐き出した。
「ん?ルーシィか?ん~。ルーシィを信じるのは そんなん、ルーシィだからだろ!!」
そう言って、ニカっと歯を見せてナツが笑った。
「ふ~ん。ナツさんにとって、、、ルーシィさんってなんなんですか?」
「!?//////////」
ぼっと燃え上がるように、ナツの顔が赤く染まった。
「んなっ!!なに聞いてんだよ!!」
「だって気になるんすもん!!教えてください!!ナツさん!!!」
縋り付くような視線をナツにむけるスティング。。。
ふぅ。と小さく息を吐いて、ナツが答える。
「だっ大事な奴に決まってんだろ!!」
「・・・・なんで・・大事なんですか?」
「んあ///んなもん。。。好きだからに決まってんだろ///って!!なんでお前に言わなきゃなんねぇんだよ!!」
我慢ならず、真っ赤に茹で上がったナツは、そこで火柱を上げてしまった。
それに構わず、スティングが続ける。
「それって、女としてってことですよね?」
「んぁ///そうだよ!!!だから、なんなんだよ!?」
もうすでに、やけになっているナツ。声を落とすことも忘れて、割と大きな声で話しているので静かな森の中にナツの声が響いている。
「・・・ナツさ~ん。女を好きって・・・どんななんすか??そんなに夢中になれるもんなんすか?」
スティングの直球の質問に、またも狼狽えるナツ。
スティングを視界に入れると、純粋に質問してきているようではぐらかす訳にもいかず、ナツは渋々口を開いた。
「夢中にっていうか///気付くと考えちまうんだよ。ルーシィの事を。こう、、気持ちがざわざわして、落ち着かなくなって、でも心地よくって。
毎日会いたくて、ルーシィの隣で話して、怒らして、笑わして、そんだけでなんかうれしいんだ!!ルーシィはわらってる顔がかわいいからな!!
いつだって、ルーシィには笑顔でいて欲しくってなっ!!そんでもってルーシィを泣かす奴は、ぜってぇ許せねぇ!!」
言っているうちに、段々テンションの上がっていくナツ。
「きっとな、ルーシィと一緒なら、どんなことでも笑ってられて、どんなことでも叶えていけるんだ。そんな気になんだよ!!ルーシィがいる事が、オレの力になるんだ!!
って!!だから、なんでお前にこんなこと言わなきゃなんねぇんだ!?!?」
「はあ。。。」
ナツの話を聞いて、少しうなだれた様子のスティング。
「おまえ。。。好きな奴つーか、誰か好きになったことないのか?」
「!?ナツさんです!!!・・・・・・ってそういうんじゃないっすよ。。。いや。ってか、いないとおかしいっすか?
オレは強くなりたい!!!ナツさんに追いつきたい!!強い奴を倒したい!!今はそれしかないっす。変ですか??」
「いんや?・・・オレも、ルーシィに出会うまでは似た様なもんだったからな!!」
彼女を思い浮かべているんだろうか?
そう言ったナツさんの横顔が、男らしくて、、、やっぱり自分より年上で自分よりずっといろんなものを持っているんだと思った。
それと一緒に、ナツさんにこんな顔をさせている存在。 あの女!!、、、、イライラする。
話が盛り上がり過ぎて、、、、バルカンにずっと気づかれていることも、話を聞かれていることも、いつの間にか接近していたことも、まったく気が付かなかった。
イヤ。。。。滅竜魔導士2人に気配を気付かれないバルカンがすごいのだろう。。。。
ナツはいきなり後ろから、羽交い絞めにされ、ピンクのバルカンに何故か頬擦りされている。
涎をまき散らされ 頬擦りされ、唾液でびちょびちょだ。。。
「ナツさん!!!」
すかさず、スティングが攻撃に出ようとするが、ナツがそれを許さなかった。
「おい!!ルーシィの合図がまだだ!!手ぇ出すんじゃねぇ!!」
臨戦体勢のスティングを諌めるナツ。
「ナツさん!!そんなこと言ってる場合じゃないっすよ!!」
ナツに凄まれ もう、どうしたらいいか解らないスティング。
だが、少しでもナツを傷つければ!!直ぐに攻撃を加えようとするも、そんなそぶりが見られない。。。
ナツは、何とかバルカンの腕から逃れ距離をとるが、襲ってくる気配はない。
「・・・ナツさんどうしますか??」
「・・・・どうもこうもねぇ。ベットベトだ。。。」
「ハハッ。。。しかしあの人何やってるんすかね?!」
『さくらいろ。さくらといっしょ。』
距離をとってウロウロしながら、チラチラとこちらを伺うバルカンを前に、不貞腐れたようにスティングが口をとがらす。
「気付かれちまったのは、こっちの落ち度だろ!」
『さくら。さくらいろ。』
バルカンは呟きながらナツ達の周りをウロウロしている。。。
ナツの頭が気になるようだった。
「・・・髪か??」
「同じ桜色だからっすかね?」
ナツが、自分の髪を引っ張ってバルカンに向かってニッと笑って見せた。
すると、バルカンが手招きした。
『おいで!なかま!おいで!!さくら。るーしぃ。なかさない。』
どうやらねぐらに招待してくれるようだ。
(ぐぁ///コイツ聞いてやがったな!?ルーシィに聞こえちまうんじゃねぇか~////)
(・・・何言ってんだコイツ。。。。。)
『るーしぃ。泣かしたら。だめ。だめ。ゆるさない。るーしぃ。さくらともだち。』
ナツは少し考えたようだが、バルカンの発言を何とか辞めさせなくてはと、バルカンについて行ってしまった。
(うおい!!・・・どうにかして、アイツの口塞がなきゃなんねぇな。。。ヤベっ思わず、着いてきちまったけど。。。。。。。まぁ、いっか。)
(・・・・・・ナツさん!?)
スティングも、ナツから少し遅れて 警戒しながらも バルカンの寝ぐらに足を踏み入れた。
ルーシィたちと幼い姉妹の自己紹介が終わった頃、ナツを引き連れてピンクバルカンことさくらちゃんは、姉妹の元へ向かっていた。
ハッピーの耳に何かの声が聞こえる。。。
『さくら。なかま。うれしい。たくさん。るー「だぁ!!」なかさない。さくら。るー「あーあー!!」』
「ねぇルーシィ。ナツの声聞こえない??」
「えっ??」
声のしてくる入口の方を見つめていると、岩の影から巨体が揺れた。
「「さくらちゃ~ん!!!」」
その姿を目に止め、姉妹が走り寄る。
『こもも!あんず!!たっただいま。そとになかまいた。つれてきた。るーしぃのなかま。るーしぃ。なか「だー!!あーあーあー!!」い。』
「「えぇ~!?」」「「ナツ!?!?」」
ピンクのバルカンに続いて、桜頭が揺れる。
「ナツ!!何叫んでるのよ!ビックリするじゃない!!」
ルーシィのお叱りに、グッと言葉に詰まったが、額に汗を滲ませて 何とか言葉を探すナツ。
「よっ!!ルーシィ///ハッピー!!」
さくらちゃんの後ろから現れたナツは、少し顔を赤くして片手を上げてニカッと笑っている。
そして、ナツの後ろからピョコンと金髪が揺れた。
スティングだ。
「ナツさ~ん。大丈夫ですかぁ~??」
全員集合だ。
ナツとスティングに姉妹から聞いた話をつたえると、ナツはそっと姉妹を抱き寄せた。
「お前ら~!よく頑張ったな!」
そんなナツを、ルーシィは嬉しそうに目を細めて見つめていた。
その様子を、ただ眺めているスティング。
「オレは、ナツ。炎の滅竜魔導士だ!!ぜってぇ、どうにかしてやる!!」
そんで、、とスティングに視線を移すナツ。
促されるようにスティングが口を開いた。
「剣咬の虎のスティングだ。。。俺も滅竜魔導士だ。」
トテトテっと、妹の方がスティングに歩み寄っていき、服の裾を引っ張った。
「胡桃だよ。スティングおにいちゃんは、ルーシィちゃんと違うマークだね!見せて!!」
スティングの足元で、にっこりと少女が笑った。
「あ?////あぁ。。。」
スティングは、その場にしゃがみ込んで、左肩を見やすく前に出してやった。
「剣咬の虎のマークなんだぜ!かっこいいだろ??」
目の前にいる少女に笑顔を見せるスティング。
*
おまけ
この後どうするか話し合おうとしていると、ピンクのバルカンさくらが大きめな声を出した。
『るーしぃ。なかしたら。ゆるさない。るーしぃ。わらってる。うまくいく。』
そう繰り返しながら、さくらちゃんは、ルーシィを肩にのせ みんなのまわりをクルクルと回っている。
!?ナツの動きが止まった。燃える様に顔に熱が集まっていく。
「わわっ・・・・えっ?えっ?」
目を丸くしていたルーシィが、、、、何か思いついてにっこりと笑って、バルカンのさくらの頭を撫でた。
「ありがと。さくらちゃん!!そうねっ!笑うのね!うん。きっとうまくいくわ!!」
ルーシィから体ごとを隠す様に、身を縮めて真っ赤になっている顔を隠すナツ。
そこに青猫と姉の杏が近づいていく。
「ナツでしょ??」
ハッピーの問いに、頭から湯気が出始める。
「う゛っ////」
「やっぱりナツが言ったんだ!!」
クフフと口に手をあてニヤけるハッピー。
ナツは、背を向けてその場で胡坐をかいた。
「ナツお兄ちゃん、ルーシィちゃんが好きなの??」
「そうだよ!!ナツはルーシィが大好きなんだ!!ねっ!!」
杏の問いかけに、ナツに替わってハッピーが答えた。
「ほっといてくれ////」
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
何やってんだかわかんなくなっちまったぜ(/_;)
オリキャラに、、、、名前つけちまった!!!なんか照れる///
短編挟んだので、なんか話それて・・・・ないよね!?!?大丈夫かな・・・・?
スティング君は書いてて楽しいんだけど、キャラ崩壊してたらごめんなさい。
彼は、ナツ!!ナツ!!で、きっと初恋もまだなんじゃないかと。。。
と こんなかんじに、moの中で変換されてしまいました!!Σ(゜Д゜)グハッ
スティングファンの方ごめんなさい。(*ノωノ)。
けして、moの中に腐は生まれません。。。産めません(*'▽')
嫌ってるわけじゃないんだけどね。。。いろんなかたちがあるよ。。。きっと。。。
慌てるナツと、鈍感ルーシィ。。。。うまく描けませんね。。。文章力が欲しいです。うぅ~ごめんなさいm(__)m
ブクマや評価など、ありがとうございます☆mo頑張ります!!(*´▽`*)ノ”
スティングの紋章の位置確認したくて『スティング』だけでググったら、、
『「Amazonスティング」お急ぎ便で当日、翌日お届け可能好きな時に受け取れるコンビニ受取も』
『「スティングなら眼鏡市場」眼鏡市場で国内独占販売!STINGサングラスNewモデル登場!』
とかでて、なんかウケタ。色んなスティングがいるのね(´艸`*)!!