2014年1月20日 『救出作戦 シリーズ4』
救出作戦③
ナツ(最近自覚)→←ルーシィ(自覚後、無自覚ナツに振り回され過ぎて諦め
・仲間でいいやモード)+ハッピーチームのお仕事に、セイバーのスティング君が付いてきちゃうお話です。
今回流血注意です。
そんな盛大な表現はありませんが、けがをする人がいます。
苦手な人は、避けてください。m(__)m
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『さくら。うれしい。るーしぃなかさない。るーしぃわらう。だいじ。さくら』
「だぁぁぁぁ!!もうさくら黙ってくれ~/////!」
真っ赤な顔で必死に桜を止めるナツに、ルーシィは頭に?を浮かべながら呆れた顔をしている。
「なにやってんのよ~。さくらちゃんは、難しい顔してるより 笑ってる方がうまくいくって言ってるんでしょ~!!も~!ナツ!!アンタが黙んなさい!!」
2人のやり取りを、ぼんやりと眺めていたスティングの口がポカンと開いた。
おいおい。
この人。。。。なんか変だとは思ってたけど。。。。。
もしかしなくても、超鈍感!?
しかも、始末悪い系!?
うわぁ~。。。ナツさん!!
・・・・・・なんか不憫です。。。
っ!!ナツさん!!ファイトです!!
先程からウトウトしていた、姉妹はさくらを枕にして夢の中だ。
そして、ようやく落ち着ついて、話し合いが始まった。
と言っても、ルーシィが案をみんなに説明しているだけなんだが。。。
「大まかに、やることは3つね!!
まず第一は、子供達とさくらちゃんの安全確保!
それと、このことを依頼主の町長さんの耳に入れましょう!!信用できる人と、そうでない人をはっきり分けよう!!
大人が全員悪い人だなんて、そんな思いをこの子達の中に残したくないの!!
それに、確認したいこともあるし!
で後は、問題のハンター達ね!まぁそれは、、、思いっきりやつけちゃいましょ!!」
ルーシィの意見に反論する者はいない。
「それとねっ。あの町長さんね。。。1年前に娘さんとお孫さんを亡くされてるそうなの。といっても、娘さんは行方知れずってことになっているらしいんだけど、
流行病で、床に臥せったお孫さんの為に薬草を取りに森に入って戻ってこなかったんだって。でも、、、娘さんが森に入る前にはお孫さんは息を引き取っていたらしくて、、、きっと失踪したんだろうって。。。」
「それが何か関係あるのか?」
ルーシィの説明に、眉を寄せるナツ。
「う~ん。確信は無いんだけどね?それに、似てるんだって、、、あの子達。亡くなったお孫さんに。」
「オイラ、ルーシィの言おうとしてることなんかわかるよ。オイラも あのおじいさんなら、この子達を助けてくれると思うよ!」
「うん!!だって、あの子達を心配してあたし達に依頼をくれたのは、町長さんだもの。」
そう言って、寝入っている姉妹に視線をむけるルーシィ。
そっと手を伸ばして、2人の手を握った。
「大丈夫。あなた達だって幸せになれるはずよ!ううん。幸せにならなきゃね。」
「1ついいっすか?この子達はその村長さんに任すにしても、このさくらちゃんだっけ?どーすんですか??」
スティングがルーシィに質問する。
「そうだよルーシィ。このまま放って置いたら、今のハンターを倒しても、また次のハンターが来るかもしれないよ!!」
ハッピーも、眉を下げて、心配そうにしている。
「そうなのよね。。。っで。ここからは憶測なんだけど。。。。。。。」
ルーシィの言葉を聞いて、ナツ達は驚愕していた。
ルーシィの集めていた情報が正確なら、、、、事態は大きく変わるのだ。
話し合いが終わると、まず、ハッピーが動くことになった。
ハッピーは全速力でギルドに向かう。
ルーシィの仮説が正しいとしたら!!
何としても、さくらを助けなければいけない!!
はやくミラに。。。。
残ったメンバーは、明るくなってから行動する為、仮眠をとることにした。
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「キャーキャー!!」
起きた瞬間から、ルーシィは大声で叫び、ナツの顔をぺしぺし叩いている。
「んぁ??うるせぇ。。」
「うるせぇ。。じゃないでしょ??放して!!」
「んんあぁ。」
がっちりと、ルーシィを抱きしめて眠りについていたナツは、眉間にしわをよせながら、腕の力を抜いた。
傍から見れば、幼い少女が岩場で体を痛くしないように抱き抱えているだけで、やましくは見えないのだが。。。。
本来は、お年頃のルーシィ。
堪ったものではなかった。
しかも相手は、、、ナツだ。
あたしは、ナツに特別な感情を持っている。
・・・でもそれは、あたしの独りよがりだ。
ナツは仲間思いで、何かとトラブルに巻き込まれるあたしを、何度も助けてくれた。。。
ピンチを、身を挺して助けてくれるのだ。
自分の為に、ボロボロになり傷つきながら、歯を食いしばって何度も立ち上がるナツが、いつも最後には、あたしを助けてくれる。
意識するな!好きになるな!という方が間違いだろう。
気付いた時には、すでに大好きだった。
でも、、、、それは、、、一方通行。
多分あたしがナツを好きだと言ったら、あいつは自分も好きだというだろう。
それくらい大事にされているのは、解っている。
・・・・・・でも、ナツの好きとあたしの好きでは 意味が違う。
・・・きっとナツには、恋愛感情というものが存在しないんだろうな~。
期待しては肩透かし。
互いに近くなりすぎたこの距離が、いつも素直にならせてくれない。
やさしくされると、期待して切なくなる。
冷たくされると、辛くて泣きたくなってくる。
誰よりも、、、大好きなのに!!
伝えたいけど、伝えたくない。
あたしの鼓動を勝手に早くして、、、見当違いの答えを返してくる。
毎日毎日繰り返されるナツの行動は、あたしを好きと言っているようで、でもそれは仲間としてなのだ。
だから、あたしは自分の中の女の子の部分を、仕舞って置くしかないんだ。
厳重なカギをかけて。
そして一々、心臓が飛び跳ねないように、鈍感に。鈍感に。。。
いつかナツに恋愛感情が芽生えて、あたしではない人がナツの隣を歩くのかもしれない。
そんな事を思うと、たまらなく漏れ出てしまう、自分の泣きたいような感情も、、、どうにか隠しているんだ。
なのにっ!!!また不意打ちだ!!!
真っ赤な顔に涙を浮かべて、ルーシィは力一杯ナツを蹴り飛ばした。
「いってぇ!!!!何すんだよルーシィ!!」
「ああああんたが、うううら若き乙女を抱き枕にして寝るからよ!!?」
「おとめだとぉ~??乙女とやらが、こんな強力な蹴りを繰り出せるわけないだろ~!?そんなのどこにいんだよ??」
「はぁ~!!あんたの目も前に!!!い・る・で・しょ??きーー!!!!」
ナツはニヤリ顔だが、ルーシィの頭からは、湯気が上がっている。
「「アハハハハハハッ!!ルーシィちゃん達おもしろーい!!」」
朝の一発目から、仲良く喧嘩する2人が 意外にも、場の空気を柔らかくした。
姉妹は大きな声を上げて笑っている。
昨日、初めて会った時とはだいぶ雰囲気が違う。
きっと本来の姿は、こっちなのだろう。
何やら騒がしい。。。
眠い目を擦って、目を凝らしてそちらを見ていたスティングは、朝から大きなため息を落とした。
・・・・朝からイチャついてんじゃねぇ。。。。はぁ。
ナツさん楽しそうだな。
あの人も。。。真っ赤な顔して怒ってるけど、生き生きして楽しそうだな。。。。
「スティングおにいちゃん!!おはよう。」
妹の方。胡桃だ。
昨夜から大分スティングを気に入ったようで、やたら懐いてくる。
別に子供は、、、、嫌いじゃない。
結構可愛いもので、特に懐いてくることがかわいい。
それぞれ、身支度を整えながら今日の予定を口にする。
「まずハンターが、いつ姿を現すか解らないから、杏ちゃんと胡桃ちゃんは、さくらちゃんとは別行動よ!」
ルーシィの言葉に姉妹は不安な顔をする。
「・・・さくらちゃん」
心細そうに肩を落とす姉妹に対して、ナツが頭を撫でてやる。
「大丈夫だ!!さくらはオレが守ってやるから!!なっ!!」
ニッと歯を見せて笑うナツに、ルーシィが頷き、さくらの腕をつかんだ。
「さくらちゃん。狙われているのは、あなたなの。でも、絶対守るから!!絶対!!助けるから!!」
『るーしぃ。だいじょうぶ。さくら。だいじょうぶ。』
バルカンの桜は、笑ったように顔をゆがめている。
「それじゃぁ、小さい彼女達を、、、スティング君!!守ってね!!!」
ルーシィがスティングに向かって、笑顔でウィンクする。
「・・・了解。・・・で、あんたは?」
「ん?あたしはね、重要人物の村長さんをここに連れてくる。」
「っ!?ルーシィ!!ハッピー戻るまで待てぇねのか?」
「うん。ハッピーが戻るまでには、確認しておきたいじゃない?」
「・・・・・・。」
「大丈夫よ!!あたしは1人じゃないから!!と言っても、まだこの大きさじゃ信用無かぁ・・・?でも、そろそろ戻ると思うのよね?!」
ルーシィの笑顔に、押し切られ作戦を開始する。
といっても、行動を開始するのは、ルーシィだけだが。。。
ナツとさくらはペアで待機。なるべく目立たないようにして置くこと。
スティングと姉妹のグループは、安全第一。
奇襲される恐れのあるさくらとは距離をとって、身を隠す必要がある。
ハンターがどこで待ち構えているか解らないので、街にはまだ戻れない。
ここで待機するしかないが、戦闘になったら素早く退避して、少女たちを守る。
「じゃぁ、行ってくるね!!」
穴ぐらの入り口までルーシィを見送る為、ナツが付いてきた。
「なぁ、せめて体が戻ってから、、、「ん!?」」
ルーシィの体が発光しはじめた。
「あっ!ほらっ戻るみたいよ?」
カチャカチャと、ベルトを緩めながらルーシィが笑った。
『パーーーン!!パーーーン!!!』
その後ろから、銃声が鳴る。
「くぅ!?」
その場にしゃがみ込んだルーシィを、ナツは素早く 穴ぐらにひき戻した。
「ルーシィ!!!!!!」
締め損ねたベルトと、それにくっついていた星霊のカギがその場に取り残されている。
ナツの腕の中で項垂れる、ルーシィから鮮血が流れ落ちる。
っくそおぉぉ!?ちきしょう!!
なんでだ!!ルーシィは、ルーシィなら大丈夫だろうと思ってしまったんだろう?
腕の中で、ルーシィが身じろいだ。
「ナツ。落ち。着いて!!。さ。さくらちゃんと。。子。。供たちを。。。」
こんな時まで、ルーシィは自分以外を心配をするんだ。
そうだ、オレだって 守っているつもりで、ずうっと守られてきた。支えられてきたんだ。
オレは、お前を守れるように強くなりたいと願っているのに。
「あぁ。大丈夫だ!!奥にいる。」
「ふぅ。ふぅ。。。くっ!。カ。。ギを。。!!」
「ルーシィ!!しっかりしろ!!」
「だいじょ・・・うぶだから!。。はぁ。」
ルーシィを支える様と回していた腕に、チクリと痛みが走る。
ルーシィに力一杯掴まれたのだ。
「しっかりすんのは。。。あ。んた。。でしょ?」
そうだ!!守れなかったばかりか、失望させてどうするんだ。
「るーしぃ。待ってろ!!」
ルーシィをそこに寄りかからせ、敵の元へ。
すぐやっつけて戻ってくるからな!!
ルーシィの首に、自身のマフラーを巻き付け 粘着質の炎で拾ったキーケースを握らせた。
ナツが外に飛び出した。
「ぐぅ。。開け獅子宮の扉。『ロキ』!!ナツの。。援護よ!!」
ロキは現れたとともに、強烈な光を放ち、ナツを魔法弾の猛攻からそらす。
そうだ!!!オレの背をそっと押してくれるのは、いつもルーシィの強さだ。
込み上げてくる想いがある。
お前が望むもんは!!オレがぜってぇ叶えてやる!!
そして2度とお前を、キズつけさせなぇ!!
すぐさま臨戦態勢に入り、ナツとロキが連携して敵を薙ぎ払う。
魔導士ではないようだが、ハンター達は 魔法具を巧みに使いこなしている。
・・・・・だが、魔導士の敵ではない!!
ナツに向かってくる魔法弾は、その体に届くことなく、ナツの纏う炎に焼かれ落ちる。
常人よりもはるかに性能のいい耳が、鼻が、目がハンターの居場所を捉える。
「ロキ。お前は左だ。」
「オッケッ!」
アイコンタクトで、素早い動きで一斉にばらけ、敵を追い詰める。
目で捉えられなくなったナツ達に、慄きハンターは魔法弾を乱射する。
もう一歩というところに敵を視界に捕らえたまま、木の影に身を隠すロキ。
(・・・あっちは大丈夫か?)
焦る気を落ち着け、深呼吸をしてから相手の視界に入らない様に徐々に距離を詰めていく。
ロキが、徐々に距離を詰める中、ナツは真っ直ぐ狙撃種へ突っ込んでいく。
(この火薬の匂い。コイツだ!!)
ナツの体を覆う炎が、どす黒く揺らめく。
目前まで迫ってくるナツに向かって、正面から魔法弾の猛攻をかけるハンター。
ナツは、膝に力を溜め、大きくジャンプした。ナツの動きに合わせハンターが銃口を動かす。
傾いてきた日が、銃の中に反射して入ってくる。
!?思わず目をつぶった時だ。
目の前に桜色が揺れたかと思うと、そこに竜が立っている。
自分と竜を囲み火柱が上がった。
「テメェが、ルーシィを撃ったんだな!!許さねぇ!!」
*
「姫。手当を。。。」
「。。バルゴ!。。。うん。。。おね。。がい!!」
自分の魔力でゲートをくぐってきたのであろう、元の大きさに戻った処女宮の星霊は、素早く星霊界の薬で主のに応急手当を施す。
ルーシィの右の上腕と左の太ももを、魔法弾が掠っていた。
掠っただけと言っても、魔法弾だ。
魔法弾がかすった箇所は腫れあがり、出血が激しい。
「姫。沁みますのでご注意を。。」
「くあぁっ!!」
ルーシィがわずかに悲鳴を上げた時、ルーシィの目の前をピンクの巨体が揺れた。
「駄目!!!さくらちゃん!!!」
隠れて、事のあらましを見ていたのかもしれない、その顔には怒りが見えた。
しかしさくらが穴ぐらから飛び出すと、トラップが発動した。
さくらの体重で反応するようになっていたのだろう。。。
網状の鎖が地中から飛び出し、さくらの巨体を包んで宙づりにし動きを奪った。
『ピュ~~!!』
何処からか、口笛のような音がする。
「さくらちゃん!!」
ルーシィは撃たれた足を庇いながら、さくらの元へ飛び出す。
「駄目です!姫!!何処から狙撃されるか解りません!!」
「バルゴは閉門!!っくぅ。。開け人馬宮の扉『サジタリウス』。。サジタリウスは狙撃を相殺して!!。。。くぅぅ。。。」
「ご無理をなさらずに!!姫!!」「了解でありますからして~もしもし!!ルーシィ嬢は下がって。。。もしもし!!」
ルーシィはサジタリウスの言葉を最後まで聞かず、腰にある鞭にをしならせた。
『パチ~~ン!!』
星の大河を使い、吊るされているさくらの元へ登っていこうとする。
「さくら。今助ける!!!」
腕や足に力を入れると、手当された傷から血がしたたり落ちる。
『るーしぃ。るーしぃ。。。』
さくらの大きな目から、大きな雫が流れ落ちた。
穴ぐらの方から、金属のこすれる音と口笛のような音が響いてくる。
「ちっ!!時間がねぇ!!火竜の咆哮!!」
ナツが空に向かって、口を開けた。
炎がおさまると そこには、髪の毛をチリチリに焦がすハンターの男と、その周辺の木がチリチリと煙を上げている。
少し離れたところで、火柱が上がった。
ハンターの女が、そちらに気を取られると、ロキはすかさず後ろから回り込み、まぶしく光る拳で銃を奪い取り、ハンターを羽交い絞めにした。
ルーシィの背後で、ひときわ大きな炎が上がった。
少し遅れて、そこから少し離れたあたりで閃光が走った。
続いて、サジタリウスと交代してバルゴが戻ってきた。
「姫。ハンターと思しき2名、確保いたしました。その他怪しい人物は見当たりません。さくらさんは、私どもが救出いたしますので、下りてきてください。」
バルゴの言葉に、気の緩んだルーシィは急激に痛みに襲われる。
「くぅ。。。」
その場に崩れそうになるルーシィを、ナツがキャッチした。
「なんで出てきたんだよ!!ったく。」
ポスッと、ナツの腕の中に納まるルーシィ。
その手はしっかりとナツから預かったマフラーを握りしめている。
「へへっ。。。ごめん。。」
ロキが、さくらを持ち上げた鎖を断ち切る。
自重で落下してきたさくらは、ストンと着地しルーシィとナツの元へ駆け寄った。
涙を流しながら、2人に頬擦りする。
「姫。手当の途中でした。一度あの大きな穴に戻りましょう。」
バルゴの冷静な判断に従い、縛り上げたハンター2人をロキとサジタリウスが担ぎ さくらの穴ぐらの中まで戻ってきた。
「まったく君って人は。。。。ルーシィ!!しっかり治すんだよ?まぁ、後はナツがいるから。。。。。用があったらまた呼んでね!!じゃっ!!」
ロキは、ルーシィの紋章に口づけを落としウインクして、そのまま光の渦に消えていった。
「アハハッ。もー!!ありがとう。ロキ!サジタリウスにもよろしく言っといて!!」
ナツの腕に抱えられたままのバルゴの治療を受けるルーシィが、笑顔で友達を見送った。
「痛っ!!・・・・・バルゴ~!!」
不意に、治療してもらっている腕を包帯で強く縛られる。
「。。。。姫。痛いのは当然です。2か所も撃たれているんです。」
「・・・掠っただけよ?」
「姫。掠っただけでも多量の血が流れました。これは応急処置ですので後で、きちんと医者に診てもらってください。」
「・・・はい。ありがとう。バルゴ!!」
平静な表情のまま淡々としゃべるバルゴに、ルーシィは笑顔で感謝した。
「・・・・・・ワザとキツク縛ったので、、、、お仕置きですね?」
心なしか、頬を染めてバルゴが 主の前にひれ伏した。
「。。。ありがとうって言ってんのに、馬鹿ねっ!!」
表情は変えず、奥の方をキラキラと輝かせた目で、ルーシィを見る処女宮の星霊。。。
「・・・・・・うぁ。。。バルゴ。。え~い閉門!!」
「姫をお願いいたします。ナツ様。」
ルーシィの声に従い、輝く渦の中にバルゴが帰っていった。
「おう。分かってんよ!!」
バルゴが消え、ルーシィの治療が終わったのを見計らって、姉妹とさくらちゃんが寄ってきた。
「ルーシィちゃん!!大丈夫??」
「ルーシィちゃん。おっきいお胸。。。。」
『るーしぃ。いたい。ごめんね。』
と言ってさくらは、ルーシィの近くに座り込んだ。
心配してルーシィの顔を覗きこむ姉と、そ~っとルーシィの胸に手を伸ばす妹を、ルーシィは痛む腕を広げて抱きしめた。
「大丈夫よ。こんなのすぐ治るわ!!あなた達は、ケガなぁい??」
「そうだお前ら、大丈夫か??」
ルーシィにつられて、ナツも口を挟む。
「うん。スティングお兄ちゃんが守ってくれたから!!ねっ!」
「うん。スティングおにいちゃんがずっと、抱っこしていてくれたんだよ!!2人一緒に!!」
だから、怖くなかったと幼い姉妹は、笑った。
ナツはスティングに振り向き、ニッと笑顔を見せる。
「スティング君。ありがとね!!」
ルーシィが、スティングに向かってふんわりと笑った。
/////なんだ??
ドキドキしてきた??
・・・・しかし、こういう時は、ナツさんがくっついていても文句言わないんだな あの人。
子供らも、バルカンも良くなついてるし、いい人なんだろうなぁ。
ナツが、ピクンと頭をあげた。
「おっ?ハッピー戻ってくるな!!」
ナツが、鼻をひくつかせている。
風にハッピーの匂いでも混じっているのだろう。
「それと、もう1人。。。ですね。」
スティングも、ナツと同じように鼻を動かしている。
「すご~い!!お兄ちゃん達!よくわかるね!!」
「すご~い!何で?何で?」
姉妹は顔を見合わせて、キョロキョロしている。
ほどなくして、ハッピーの声が聞こえた。
「ナツー!!!ルーシィ!!!みんなー!!何があったの~??」
外の様子で、戦闘があったことを悟ったのだろう。
ハッピーの声色に緊張が乗っている。
「あんずちゃ~ん!こももちゃ~ん!!」
もう一人とは、先程ルーシィが呼びに行こうとしていた人物 村長のようだ。
村長の声に、さくらの肩がびくぅっと小さく跳ねた。
「「さくらちゃん??」」
そのさくらの様子を心配して、姉妹がさくらにしがみついた。
そんな姉妹の頭を、ルーシィが撫でる。
「うん。大丈夫!ねっ?さくらちゃん?!」
振り返った姉妹と、さくらにやさしい笑顔をむける。
「ハッピー!!こっちだ!!」
ナツが大きな声を出すと、スティングが立ち上がる。
「ナツさん。オレ呼んできます!!」
が、ほどなくして青い塊が飛んできた。
「ナツー!ルー。。シィ??えっ!?ルーシィィィィィィィ!!」
ルーシィの姿を目にし、ハッピーがルーシィの胸に飛び込む。
「うぐっ!!・・・殺す気?ハッピー!」
ゲホゲホとせき込みながら、反目をハッピーに向ける。
「・・・・心配してんのに、残忍な奴だな!!」
少しおかしそうに、ナツが歯を見せて笑った。
「もう!!」
「ルーシィ!!どおしたの??だ誰にやられたの!?」
心配で、ついルーシィの肩を揺するハッピー。
「あの~。。」
ハッピーに続いて、入ってきた人物が顔を出した。
「村長さん!!」「あい!さっき近くをウロウロしてたから、つれてきました!!」
立ち上がろうとするルーシィを、ナツが支える。
「ルーシィさん!!あっ。杏ちゃん!!胡桃ちゃん!!」
村長は、姉妹の元へ走り寄った。
その姿を、目を見開いてさくらが凝視している。
「「さくらちゃん??」」「???!!!」
『・・お・・・・とう・・・さ・ん・・・。』
つづく
*
おまけ ハッピーがミラの所に急いでいる中、の穴ぐらで
「んっ!結構ゴツゴツして痛いわね・・・。」
ルーシィが寝っ転がれる場所を探し、地面を整えている。
「贅沢言うなよな~ルーシィ。寝れりゃどこでもいいじゃねぇか。」
「むぅ。。あんたと違ってあたしは、か弱い女の子なんだから!!」
呆れた顔をするナツに対して、ルーシィは瞼を半分降ろしてジト~っと白けた視線を送る。
「皮膚だって、あんた達みたいに固くできてないのよ。女の子は柔らかくできてんだから!!」
だから、余計に痛いの!ときっぱりと、宣言したルーシィ。
「・・・そんなにやらかいんすか?」
ふと疑問に思って、ひょいっとスティングが腕を伸ばすと、、、、、、そのまま体が動かなくなった。
「うぐっ!!」
服の襟首を後ろから掴まれている。
(!?なっなつさん!?)
そんな事をつゆ知らず、差し出された手にむかって、ん~と腕を差し出すルーシィ。
「??確かめるんじゃないの?」
いつまでも、その場で止まっているスティングに、首をかしげるルーシィ。
「何 腕差し出してんだよ!ルーシィ。別に触りたくないよなぁ?スティング!」
ルーシィにそう言い、スティングの耳元で、微かな声でナツが囁く。
「てめぇ、触ろうとしてんじゃねぇ!!」
(・・・・・・くっくるしぃ!!)
ルーシィは、ムッキーっと怒って、ナツ達に背を向けて、目をつぶった。
その様子をしばらく眺めていると、しばらくしてスースーと寝息が聞こえてくる。
ナツはルーシィの隣に腰を下ろし ちびルーシィを胸にのせ、腕で抱え込んで眠りについた。
・・・ナツさん。
起きてる時に、やってやればいいんじゃ。。。。
ていうか、こんな縮んでるルーシィさんに触ろうとして、あんな怒る事じゃ・・・・・。
みんなこうなるんだったら、俺しばらく好きな人要らないわ。。。。。
はぁ。。寝よ。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
戦闘シーンって、、、、難しい。。。 書いててこんがらがる(/ω\)moの頭は、猫よりしょぼいので。。。。
誰かかっこいい、戦闘シーンの書き方教えてください!!その他ご感想などありましたらお待ちしております(*'▽')ノ