二人の関係(ウエンディver)①
今回は、ウエンディ視点かな?ナツ→←ルーシィのナツルーです。長くなってしまったので①と②に分けます。
誤字脱字あるかもしれませんが、よろしければどおぞ(@^^)/コメントいただけるとありがたいです。
こんにちは。
わたしは、マグノリアにある魔導士ギルド『妖精の尻尾』に所属する 天竜の滅竜魔導士の ウエンディといいます。
今日は、同じギルドの 火竜の滅竜魔導士のナツさんと、星霊魔導士のルーシィさん、ナツさんの相棒青いエクシードのハッピーと一緒に依頼に来ています。
もちろん、わたしの相棒の白いエクシードのシャルルも一緒です。エクシードっていうのは、まぁ猫みたいなかわいい種族です。
いつものメンバーの、妖精女王のエルザさんと 氷の造形魔導士のグレイさんは ほかの依頼に行っているので、ナツさん達は2人と1匹で依頼に向かおうとしていた所、パッピーに誘われて ご一緒させていただくことになったのです。
今回の依頼は、『 薬草採取 』です。
その薬草は、とぉっても希少で、ある山の山頂付近にしか生息しておらず、月の光の下でしか採取できないことも重なり ギルドに依頼が来ました。採取は、天気に左右されるそうです。少し時間がかかるというですかね。
そういう訳で、依頼主さんの山小屋に泊り込みで 薬草を探すことになりました。
*
「はぁはぁ。。ふぅぅ。。。(山道、結構つらいなぁ。。。)」
「るぅしぃ?もうばてちゃったのぉ?山小屋までもう少しだよぉ!!そんなに足にお肉がついているんだから、もっと頑張りなよ!ウエンディだってシャルルだって頑張ってるのに。」
「うっ。。。ってか、人の背中で何か言ったかしら?猫ちゃん!?!?!」
朝から、シャルルと一緒で うれしすぎて はしゃぎ過ぎて 早々にバテてしまったハッピーは、ルーシィのリュックの上に腰を掛けて ルーシィに運んでもらっているのだ。
「まぁったく、この猫ちゃんは なんて言い草かしら?」
ルーシィは、ハッピーの方に手を伸ばす。その様子を、めずらしく黙ってみていた 影が動く。
「たぁっく!しゃぁねぇえなぁ~!!ほらっ。」
と言って、ナツはルーシィに向けてさっと手を出す。
引っ張ってくれるのかしら?
「ふぇいっ!」
ナツの差し出した手に、自身の手を重ねるルーシィ。
(・・・///うわぁ、やっぱり仲良いよなぁ・・・私たちお邪魔なんじゃ。。。)
「っっ。ちげぇ!!に・も・つ ダ!!」
「うわぁぁ///ごめん!!」
重ねた手を、慌てて戻すルーシィ。
「ププププッ。ルーシィー恥ずかしぃ!」
ガサゴソ。顔をほんのり朱に染め
「もう!ハッピーのいじわる~!!」
荷物を、ナツに任せハッピーを追いかけるルーシィを他所に、
「ほれっ。ウエンディも。」
ほれほれと、大きい手を差し出すナツ。
「あわわわっ。わたしは。。。大丈夫です!!」
パッと、顔を上げウエンディは顔を横に振るが、
「こういう時は、素直に甘えるものよ?まだ先は長いかもしれないわよ?」
シャルルに言われ、
「ほれほれ。貸しな!!ルーシィだけだとヒーキだからな!!」
カッカッカッカとナツが笑う。あははは。と笑い、じゃぁありがとうございます。とナツに荷物をわたす。
ナツは、ウエンディの荷物を右肩にかけ ルーシィの荷物と右手に持つ。
そして・・・もう一方の手で、もう一度ルーシィの手をとって歩き出す・・・。
・・・ごく自然に。。。
ハッピーはいつの間にか、ルーシィの腕に収まり目を閉じている。
ルーシィは、頬を朱に染め、引っ張られながら 恥ずかしそうに 嬉しそうについていく。
(・・・はぁ。ラブラブです。恥ずかしい!!)
シャルルの顔を見ると、呆れた顔をしている。
「シャルルおいで。」
ウエンディもシャルルを抱きかかえ後を追う。
「まぁったく、ラブラブよね!」
「ラブラブだね!!」
「でも、でぇ~きてぇるぅ じゃないのよね?」
「でも、ラブラブだよね?」
「でも、恋人ではないそうよ?」
「でも、大切な人同士なんだよ。きっと!」
*
急な斜面を登りきると、平原が広がっていた。
ひときわ大きな木の脇に、小さなログハウスが見える。あれが依頼主の言っていた、山小屋だろう。
「はぁぁぁ~。やっと・・ついたぁ。はぁ。。」
ルーシィが両腕を広げ 風を受けながら 空を見上げている。
「空気がキレイで気持ちい~~!!!」
金色の綺麗な髪が、光をうけ ルーシィが動くたびに ゆらゆらと風に乗る。
(ルーシィさんキレー!!!)
ふと、見惚れていると 隣で同じように見とれていただろう人から ほぅ。と息がもれる。
「とりあえず、きゅーけーい!!」
大きな木の下に、コロンと転がるルーシィは、先ほどと違って いつもの様に、かわいらしい。
「お茶入れるね?」
体を起こし ルーシィがそう言うと、「おう!」「ルーシィ、おかしはぁ?」1人と1匹はルーシィの隣に寝転ぶ。
「お茶したら、とりあえずログハウスの中掃除ね?数日だけでも泊るんだから。」
「おぉ。じゃぁ、ハッピー!!俺達魚つってくるかぁ~??」
「あいさー!!」
掃除しない気満々なナツとハッピー。ははっと息を吐きながら水筒で持ってきたお湯で紅茶を淹れるルーシィ。
( ほわぁ~。なんか、絵になるなぁ。)
「ウエンディ!シャルルも!こっちおいでぇ~!!お茶はいったよぉ。2人はお掃除手伝ってくれるよね?」
やさしく微笑むルーシィ。
「はい!!」
「まぁ、しょうがないわね!」
2人が承諾すると、「るぅしぃ~!笑って脅したらぁ、2人がかわいそうだよぉ~?」おどけてパッピーが言う。
「そおだぞぉ!!ルーシィ!ガミガミしているとシワ増えるぞぉ~??」
「・・・あら2人とも、今夜は外で寝たいのね?」
すかさずハッピーが うそだよ!!ルーシィ~。ナツが無理やりぃ~ と、ルーシィの胸に飛び込む。
「まったくもぉ!!」
と、ルーシィは呟き やっぱりやさしい笑顔を向ける。ひでぇぞハッピー とぼやいていたナツも、つられてニカっと笑顔をつくる。
( フフフッ。ハッピーのお母さんみたいだなぁ~。ルーシィさんって。ハッピーもシャルルがいても関係なく甘えちゃうんだね? かわいいなぁ。)
*
小屋の中には、小さいキッチンとテーブル、大きなベットが1つと、人が寝れそうなソファが一つ。
3人と2匹には、十分な広さだ。トイレとシャワーは、外かな??それと 上をむけば 大きな天窓があり、柔らかい光が降り注いでいる。
先程、近くに池を見つけて ナツ達が釣ってきた魚をルーシィが料理してくれている。
パパッと慣れた手つきで魚をさばいていると、
「ルーシィ!!あれあれっ!?アツアツパッパ??だっけ?あれがいい!!」
「おさかなぁ~~~!!」
「・・・アクアパッツァね?」
「そうそうそれ!!」
「お~さ~か~な~~~あ~~~ぁ~~~~!!!!」
「はいはい。了~解!!ハッピーうるさい!!」
( 何してても、一緒にいるんだなぁ~。フフフッなんか、いろいろ飛び越えて もう家族みたい///)
ルーシィは、ササッと一緒にサラダを作って、テーブルに並べる。
(わわぁあ!!ルーシィさんって、お料理上手なんだ。おいしそう!!)
あっ手伝わなきゃ!!と思い、立ち上がりふと振り返ると、青い猫がどこからか持ってきた花を白い猫に渡している。白い猫、シャルルも 文句を言いながらも最近は、まんざらじゃないようで 話は弾んでいるようだ。その脇で、桜色の髪の青年は 手に顎をのせ、テーブルに肘をつき、奮闘するルーシィの方をジーっと見つめている。
(///うわわわぁぁ、ナツさんって!ナツさんって!!そんなやさしい顔するんだぁ/////)
見てはいけない物でも、見てしまった様で クルッと金髪の少女に振り返り、手伝いま~す!とかけよる青い髪の少女。
「はぁ~い。出来たわよぉ~!!」
食事を食べ終え、食後のお茶を入れきて、ルーシィが席に着く。
「ねぇ。ナツゥ、ウエンディ。今回の薬草って珍しいって聞いたけど、どんななのかね?」
「おー。見ればわかるって言ってたなぁ~。」
「!?ナツ!!すごいよ!!めずらしく話聞いていたんだね!!」
「・・・ハッピー!!!テメェ・・・!!!」
「ちょっとぉー、そこの二人!!せっかくルーシィが入れてくれた紅茶、冷めちゃうわよ?」
シャルルに諌められ、争いを治める2人。
「月明かりの下でしか見つからないなんて、不思議ですねぇ。」
「そうなのよね!生憎今日は雲が厚くて月明かりが届かないから、今夜は無理そうだしね?」
「明日は、晴れるといいですねぇ!!」
「そうね。昼間はなにしようか?少し散策したいわね。」
などと話しているうちに、夜は更けていく。
「ウエンディ達、寝ちゃったわね。ナツ!ベットに運んであげて。」
「おぉ!!」
「そぉ~っとよ?そぉーっとよ!!」
「わぁってるって!!」
「しぃー。」
眠ってしまた少女と猫たちを、そっとベットに移し そのまま 自分達も床に着く2人。
「・・・・・・ナツ?」
「んぁ?」
「あんたは、むこうよ!!!」
バキッ!!!金髪の少女に反目でウエンディ起きちゃうでしょ?すごまれ、
「ぐぁっ!!れっ冷酷な奴め!!」
退却!
トボトボと、ソファに転がる桜色。。。
「「おやすみ。」」
*
トントン トントン トントン。
リズムのいい音がする。
ふわふわ~っと温かい湯気がただよってくる。
「ふぁぁぁ~。」
ソロ~っと目を開ける。と、
「ウエンディおはよーー!!!」
「あら、起きたのね?おはよう。ウエンディ」
2匹の猫たちが顔をのぞき込んできた。ちょっとびっくりしながらも、ウエンディは にっこり微笑んでおはようと返す。体を起こし、いい匂いのする方に顔を向けると、金髪の少女が忙しそうに朝食をつくっている。
「・・・・・。あわわわわっ。おはようございます!!ルーシィさん!!手伝いますよ~~!! っっ!?きゅわぁ!?!?」
トスンッ!!
慌てて、飛び起きようと腰を起こすと、慌てすぎてベットからずり落ちた。。。
「うわっ!?ウエンディ!!面白い起き方だねぇ?」
「ほんそそっかしいわね~。ほら起きて」
「おはよう!ウエンディ。大丈夫??もうすぐできるから、顔洗っておいで!!」
朝一番 自分のドジっ子ぶりで、顔を赤らめ ウエンディは顔を洗いに小屋の外に向かおうと、扉に手をかけた。
「ウエンディ!!ついでに、ハッピーの顔も洗ったげてくれる?あとぉ、外にナツ居るからご飯~!!って声かけてくれる?」
金髪の少女ルーシィに声をかけられ、ウエンディは
「はい!!」
と元気よく返事をしハッピーを連れて外に出る。
外に出ると、ハッピーの顔を洗い拭いてやった。
「ウエンディはやさしいねぇ。」
ニコニコとハッピーが笑いかけてくる。
「ナツは、痛いんだ!!! ルーシィは、痛くないけど。。。ナツがやきもち焼くからあんまりやってもらえないんだぁ。。。」
続いて、ウエンディも顔を洗っている脇で そう言うハッピーの頭に、ポコンッ!!
「そんなんじゃねぇっ!!」
という声と、小枝が降ってくる。ナツだ!!
「ひどいよナツゥ~!!ルーシィにいいつけるよぉ~!!」
とハッピーは、ナツのいる大きな木の上に飛んでいく。顔を洗い寝ぐせの付いた青い髪を梳かし、軽く身支度を整えると、
「ナツさ~ん!!もうすぐ御飯ですって!!」
ナツに声をかけ、降りてくるのを待つ。
「おう。」
と声と共に、桜色の髪が木の上から飛び降りてくる。
「おはよう!ウエンディ!!」
「おはようございます。ナツさん!」
「おさかな~!!」
*
ウエンディが、外に出た後の部屋の中、朝の支度が終わり、席について ルーシィはシャルルと話し込んでいた。
「ルーシィって、意外と家庭的なのね?」
「・・・以外って!!これでも一人暮らしの女の子よ?お料理位。。。」
サラッと言ってくるシャルルに、プクッとほほを膨らませてルーシィが答える。
「そうだけど、メニューが。。。朝から、ガッツリね。。。ルーシィならもっと女の子らしいものつくりそうなのに。」
あぁ~そういう事ねっとルーシィは、
「まぁね。いつもあいつらが不法侵入してくるから、料理するのも 片づけるのも、ナツ達仕様に 慣れちゃったのかもね?」
少しため息交じりにこたえると、ニヤリとシャルルは笑みを浮かべる。
「まぁ、お熱いことで。」
「お熱いって、そんなんじゃないのよ?懐かれているだけよ!!はぁ。」
コロコロと、表情を変えながら 話に花を咲かせる女の子2人。
「懐くっていうより、あれは執着にちかいわよ。」
「・・・執着ねぇ。。確かにしつこい事もあるわね。」
「ナツの行動は、独占欲 丸出しよ。」
「ははっ。でも頼りにもしてるのよ。やりすぎな面もあるけど。。。」
「嫌ならはっきり言わないとだめよ!!!」
「フフッ。・・・・でも本心でいやだなんて思ったことないよの実は。」
「あら。よく『イヤー!イヤー!』って叫んでいるじゃない?」
「まぁ、そうだけどね。。。」
「・・・ツンデレね?」
「ツンデレは、シャルルでしょ~!!」
「ちがうわよ!失礼ね!!」
プンッとそっぽを向くシャルルとニッコリ笑うルーシィ。
「フフッ。ツンデレじゃないけど、構ってあげるとあいつらって、やさしい目でホッとしたように子供みたいに笑うのよね。」
「そう。それがかわいいと?それじゃぁ、お母さんみたいよ?」
「かわいいわね。確かに。・・・・なんか、・・・家族みたいでしょ?」
心があったかくなるの と、微笑むルーシィ。
「おままごとね。」
呆れたように、言葉をはくシャルル。
「うん。いいのよ!!まだ、おままごとがしたいのよね。・・・アタシ まだ子供だからぁ~!!」
「まあ、気付いているだけ、まるっきり 子供じゃぁないとは思うわ。」
(独占欲丸出しでも 気付いていないのも 居るだろうし。)
「フフッ。ありがと。シャルル。」
ふたりで、微笑み合う。
「でも子供の延長ね。すっとこのまま あいつらの、ナツのおかぁさんで いるつもりなの??」
ドキッと肩を跳ねさせ、ルーシィがうつむく。
しばらく間をあけて口を開いた。
「あたしの中で、ナツはね、いなくちゃいけない存在だと思うの。大切に思っているわよ!もちろんハッピーも。でも、・・・///・今は・・///・・・まだ・・ね?・・・///」
内緒よ?と顔を紅く染めウインクするルーシィは、明らかに恋する乙女であろう。
「「・・・・しかし・・、顔洗いに行っただけなのに遅いわね?・・・・。」」
扉に手をかけ。動きを止める滅竜魔導士2人。
そう、常人よりもはるかに 耳のいい2人には中の会話は筒抜けである。
ウエンディがチロッと、ナツを見上げると ナツはマフラーをクイッを持ち上げて顔を隠している。
「ナツゥ、ウエンディ~中はいらないの~??オイラ、おなかすいちゃったよ~。」
ハッピーには中の会話は聞こえていないようだ。扉の前で止まっている2人を邪魔だとばかりにふよふよと浮いている。
(ナツさん、今の会話聞こえてたよね・・・?アッ!!)
「ナツさん。耳真っ赤です///」
「うぇっ!?」
ハッピーが2人をすり抜け、ガチャ!!「ルゥシィー!!サカナ~!!」ばぁーんと扉を開け、ハッピーが飛び込んでいく。
「ハイハイできてるわよ!」
と、スープを温めなおしに席を立つルーシィ。
シャルルは、「ウエンディ?どうしたの?」扉の所で、なかなか入ってこないウエンディのところに、飛んでいくと、その後ろに立つ顔を朱に染めた桜色を発見。
(・・・聞こえていたのね。。。)
シャルルはニヤッと笑みを浮かべて、「ほら。お子様はほおっておいて、ご飯にしましょ?ウエンディ。」
「っ!?シャルル///」
ますます顔を赤くしたナツは、「オッオレッ!!顔洗ってくる!!!!」そう大きな声を出すと、踵を返し外に飛び出す。
「ナッナツっ~??まだ 洗ってなかったの~!!!」
ルーシィの叫び声を背に受け走り去る、、、、、、、、しばらく戻ってこないナツでした。
そんなこんなしながら、昼間は各々自由に過ごし、夜起きれるようにと、夕方早めに休むことにした。