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秘密結社『妖精の尻尾』シリーズ  

~ O作戦 ~②

 

「ね~本当にこれだけで平気なの??」

「あ?そう言ってたぞ?ミラが。おまっ、、、仲間が信じられないのか!?」

「ああっ。ミラさんがね!じゃぁ平気ね。信じられるわ!」

 

ルーシィの呟きに、なんだよっ!と ナツの唇がにゅっと突き出された。

 

「そのパンツはね、下着メーカーと妖精の尻尾で共同開発中のセクハラ防止グッツの1つなんだって。」

 

ルーシィの肩に乗ったハッピーが、耳元で説明してくれる。

 

「いやらしい念波とか、魔力の類を感じたら、ピンクの部分がそれを発している人物を特定して、そのピンクの柄がそいつに飛びつくんだって。」

 

「・・・・・へぇ。。。それっていいの?魔法とか。。。」

「ん~?仕組みとかは明かさないんじゃないかな?企業秘密とかで。。。」

「ああ?どっちにしろ、、、魔導士が穿かなきゃその機能も発動できねぇんだろ?一般向けの商品じゃねぇんだろ!!」

「へぇぇぇ。妖精の尻尾って、そんな事もやってるのね。。。」

 

ルーシィが感心してそう言うと、その肩に乗っているハッピーは怪しげに目を細めた。

 

「ルーシィには親切に教えてあげるんだね?それに、まともな事も言えたんだね!ナツ。」

 

いいとこ見せたいんだね~!!と、ナツの肩に飛び移ったハッピーがナツの耳元でルーシィには聞こえない声で言うと、ナツの体温が少し上がった。

 

「ばっか!言ってんじゃねぇ!!」

 

階段の方に注意を払っていたルーシィは、いきなり背後からナツの大きな声を聞いて、グリンと振り返った。

 

「もう!うるさい!!」

 

!?!?

鼻と鼻がかすめるくらいの近距離にナツの顔があった。

瞬時にルーシィの顔が真赤に染まった。頭から湯気をだし、慌てて階段の方に向き直った。

 

「あっ//いあ。。ワリィ。。。」

「え?///あっ////うん。。。//」

 

何ともむず痒い空気が流れたところで、人の流れが近づいてくる。

 

「にゃぁ!!(二人とも!被害の多いタイミングだよ!イチャイチャしてないで気合入れて!!)」

「「!?!?おっおう。(うん。)」」

 

ルーシィが人込にまみれて、歩き出した。そこから数メートル離れたところをナツが付かず離れず歩いていく。

すると、ルーシィに近づく怪しい男の影が。。。ナツの眼光が鋭くなる。

・・・マックスの情報とよく似た男、、、、ではない。

 

その男は、ルーシィの後ろに付くでもなく、徐に腕を掴んで、ルーシィの足を止めた。

ナツも、近づきすぎないところで歩みを止めその様子に聞き耳を立てた。

 

「・・・・かわいいね~。」

「急いてるんで。」

「じゃあさっ。今度あそぼ!連絡先教えてよっ!!」

「は?教えるわけないじゃん。」

 

ルーシィがその場を離れようとするが、男がルーシィの腕を離さない。

 

「メアドじゃなくてもいいからさっ!!ラインとか!ねっ?それくらいいいでしょ~??」

「もうっ!!しつこい!!お断り!!どっかいってよ!!」

 

強引に掴まれていた腕を振り払い、ルーシィはその場を足早に去って行った。 離れたところで、視線はむけず聴覚を頼りにその様子を探っていたナツも、ゆっくりとルーシィの向かう先に足を向けた。

ルーシィの持っているゲージの中から、『にゃ~!!』と猫の鳴き声が聞こえてきた。

ルーシィにも、ナツにも猫の声にしか聞こえないただの鳴き声だ。

ナツは誰にも聞こえない様に「うるせぇ。。。」とひとりごちた。

 

一つ目の階段を下りて、違うホームの階段を上ろうとした時、ルーシィの後方に先程から同じ風体の男がいる。

今度こそ、マックスの言っていた男と特徴が一致する。 ルーシィは、そのままホームまで上がり電車を待つため、人の列に並んだ。

その男は、ルーシィの真後ろにならんだ。

ゴソゴソとジャケットのポケットの中を探っているようだ。 ナツもさりげなく、その後ろを陣取った。

男が手に持っている鞄を地面に置いて、そっと足でそのかばんを前に進めている。

そう、ルーシィの短いスカートの中が見える位置まで動かしているようだ。

まだ、ルーシィの穿いているパンツは反応しない。。。

 

その様子を、額に青筋を立てながら伺っているナツ。

 

次の瞬間、人の流れに合わせる様に男の手が、、、ルーシィのおしりに向かって伸びた。

 

(てんめぇ!!!)

 

ナツは思わず男のその腕を掴んでいた。

ルーシィの持っているゲージの中から「にゃ!!」と短い鳴き声が聞こえる。

男が驚いた様子で、ナツに振り向いた。

 

「なっ何をするんですか!!!」

 

ナツの手を振り払おうと、男が声を荒げる。

だが、そんなこと知ったことではない。

今この男は、ルーシィの尻に向かって手を伸ばしたのだ!!頭に血が上ってしまったナツは、男の腕を捻り上げている。

 

「ナツ!!」

 

振り返ったルーシィが、慌ててナツの腕に飛びついた。

密かにあたる柔らかい感触。

ナツの視界に金髪が入り込んできた。

 

「ナツ!!落ち着いてよ!もう!!」

 

ナツの視界の中心で、ルーシィが目を丸くして、自分の顔を覗きこんでいる。

 

「あっ。。。」

 

状況を理解したナツ。やってしまったを言う表情を見せた。そこでやっと駅員が集まっていた見物人をかき分けて走ってきた。

 

「どうしましたか!!」

「この男が急に腕を掴んできて!!!」

 

ナツに腕を掴まれたままの男がわめきたてる。

その額には汗が、、、、、、、、、ルーシィが冷めた視線て、その男を見ている。駅員も何かを察したようで、その男を両側から囲み逃げられない様に拘束した。

そこで、やっとナツは男の腕を離した。

 

「離せ!!離せ~!!」

 

なおも喚く男。ナツが大きく言いを吸い込んだ。

 

「うるせぇ!!テメェがルーシィの尻触ろうとすっからだ!!!」

「そう見えたかもしれないが、僕は何もしていない!!ビデオも持っているだけで、、、変なモノは撮っていない!!」

 

男が叫んだ。が、近くにいた駅員が男のカバンを拾い上げ、別室へと連れていかれる。

その後ろを、ナツとルーシィもついていった。ルーシィはナツの腕に飛びついたまま、いつの間にか手を引いている。

 

 

ハッピーの「にゃあ!」は何と言ったのだろう??やっぱルーシィ可愛いからね!ナツよく我慢したね!!とか??(´艸`*)どっちでも、たのしいからいい♡そして、、、マックス。。。。うんそのうち出てくるよ・・・・・。(;´・ω・)。。。。うん。。。

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