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秘密結社『妖精の尻尾』シリーズ  

~ O作戦 ~①

 

今、あたし達は地下鉄のホーム近くの階段を見張っている。

 

 

それは、先日酒場での出来事だった。

サラサラの黄色に近い金髪に、あごの無精ひげ。

痩せたひょろっとした体格、背は高くも低くもない、男の人。

 

カウンターで、分厚い本を開いていた金髪の少女の元に、その人物が声をかけた。

 

「そこの可愛いお嬢さん!!ルーシィだっけか?仕事しねぇか??」

「え///?」

「オレは、マックス。マックス・アローゼ。普段は外で働いてっけど、れっきとした妖精の尻尾の魔導士だ。」

 

そう言って、本から顔を上げ振り向いた金髪の少女ルーシィの前にすっと手を差し出した。

 

「はぁ。。」

 

可愛いと言われて、ほんのり顔を朱に染め キョトンとした表情のまま そっと握手を返そうと手を伸ばしたところで、ルーシィは体ごと後ろの引っ張られた。

 

「うっぴゃっ!?」

「ぶはっ!!ルーシィ!!なんだその声!!カッカッカッカ~!!」

「プフフフッ!ルーシィは鳴き声も面白いんだねぇ~!!」

 

ルーシィの肩をナツが後ろから抱き寄せ、ルーシィの膝の上にハッピーが乗った。

 

耳元にナツの息がかかり、そのあまりにもな近距離に ルーシィはより顔を真っ赤に染め上げた。

 

「もっもお!!!かっか弱いおっ女の子に何すんのよ!!」

 

転んじゃうじゃない!そう言ってルーシィは、自分の背から肩を回って自分を引き寄せている逞しい腕をぺしんと叩いた。

 

「うおっ!いってぇ。。。どこに、そんなか弱そうなナツがいるってんだよ。。。」

 

ルーシィに叩かれた腕をもう片方の出て撫でながら、ナツが口を尖らしている。

 

「おいおい。ナツ・・・お前もうちょっと攻め方替えてみたら、どうだ??」

「・・・んだぁ??誰かと思ったらマックスじゃねぇか!!久しぶりだなっ!!」

「さっきから目の前に居んだろ。。。お前の自慢の鼻はどうしちまったんだ?ん?」

「あぁ??マックスの匂いに混じって、、、変な匂いもすんだよな。。。」

 

クンクンと鼻をひくつかせながら、ナツが首を傾げた。

 

「おおぅ。そうだった。さっきまで潜入調査で香水つけてたんだった。Barのイケメンバーテンデーだったんだぜ!!さまになるだろっ!!」

「んあぁ??まぁ、、、なんでもいいけどよぅ。仕事ってなんだ??」

「なんだぁ~~??」

 

マックスの話はそっちのけで、ルーシィとの会話に強引に入ってくるナツとハッピーの姿に、マックスはついつい苦笑を洩らした。

そして、そっとナツの耳に口を近づけた。

 

「クックックッ。噂には聞いてたが、、、随分ご執心のようだな!ナツ!!」

「うっ。。。うるせぇ。。。べっべつに良いだろう?!!」

 

素知らぬ素振りで、ナツはマフラーを引き上げ口元を隠した。

そんな事をしてもマフラーから出ている耳が、ほんのり赤く染まっている。

 

マックスは、笑いを押さえられずクックッと笑っている。

堪らなくなって腹を抱えようとしたところで、視界の端でナツの足が動いた。

自分の頭めがけて伸びてきたナツの拳を、すんでのところで避けた。

 

「おわっ!?あっぶねっ!!いちいち殴るこたぁねぇだろうナツ!!」

「あぁ??たまたまだ!!たまたま!!」

「・・・悪い悪い!!もう笑わねぇからよっ!!」

 

マックスの胸ぐらを、今度は逃がすまいと ナツが掴んでニヤリと口角を持ち上げたところで、割って入る声がある。

 

「ナツうるさい!!黙って!!マックスさん!!お仕事ってなんですかぁ??」

「そーだよ!!ルーシィに仕事ってことは、オイラ達も当然一緒なんでしょ??」

「ん?ああ。さんはいらねぇぞ。こっちも呼び捨てにさせてもらってるし!なっ?ルーシィ。」

 

マックスが、笑顔でそういうとルーシィは照れ臭そうに笑って頷いて見せた。

 

マックスからの依頼は、マックスの仕事の手伝いだ。

それは、最近地下で勃発している盗撮・痴漢の検挙強力だった。

その変質者は、何度か身柄を確保するも証拠を見つけることができず、逮捕まで至っていないのだという。

確かに、その変質者が盗撮を行っている時に確保したにもかかわらず、盗撮した映像が発見できないのだ。

最近では、誤認逮捕だ!!訴えてやると騒ぎ出す始末で、、、被害を訴えた女の子にまで嫌がらせをしているというのだ。

 

という事で、今ナツとルーシィは、問題の地下鉄の階段付近に潜んで、その痴漢が現れるのを待っているのだ。

もちろんハッピーも一緒だ。ただ、一般人の目もある為、念の為猫用のゲージを持ってきている。

 

「そうだルーシィ!!」

 

ナツがニィっと歯を見せて笑った。ナツの肩にのっかっているハッピーはニヤリと目を細めている。

・・・・・嫌な予感しかしない。

 

「ほらっ!これ!!」

 

ナツから手渡されたのは小さな紙袋。その中には、小さな白い布

 

「なに??」

 

紙袋から、それを取り出そうとするとその手を押さえられた。

 

「ここで出すなよ!!ルーシィも変態なのか??」

「はぁ??変態って。。。あんたが渡してきたんでしょ~!!」

 

ルーシィがキッとナツを睨み付けると、ナツは素知らぬ顔で、でけぇ声だなと耳を塞いだ。

なによ!なんなのよ!!そう思いながら、ナツに言われた様にそれを紙袋からは出さず、袋の中で探る様に見た。

 

ん? 白い肌触りのいい布。薄いピンクのプリント。。。。

あれ?ああ!これは妖精の尻尾の紋章と同じ形だ。。。。

??なんかこの肌触り。。。

 

ナツの肩から、ルーシィの肩に青猫が飛び移ってきた。

ルーシィの耳元でコソコソと話しかけてくる。

 

「作戦O(オー)だよ~!!」

「O??」

「あっ。この場合はO作戦か!!さっルーシィそこのトイレで早くそのパンツ穿いてきて!!」

 

ハッピーの言葉を耳にし、ルーシィはバッと紙袋を一度見て、その後しれっとしているナツを見た。

パカッとルーシィの口が大きく開いた。

 

「ぱっ!!!」

 

パッと叫んだところで、ナツが口を塞いだ。

 

「おまっ。目立つだろ?早く履き替えてこいよ!!O作戦なんだぞ!!」

「だから、、O作戦って。。。。。。O??。。。。えっ?もっもしかして、、、囮?」

 

ルーシィの視界に、ニヤリと笑うナツとハッピーが映った。

 

 

O作戦→囮作戦ですな。。。マックスの握手でも、独占欲丸出しのナツが、、、耐えられる作戦なのか??なんか、変なテンションで書いております。作文も変だったらごめんね(;´・ω・)ファイトー!!!

 

 

 

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