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2014年10月20日

ノーブラルーちゃん

 

 

 

「よっ!!」

 

 小説を書くために机に向かっていたあたしの背中に、いつもの声が聞こえた。いつもの様に振り返って、そこにいたのは――いつもの桜頭。

 

「もう! ナツッ……さっき帰ったばっかりじゃない」

「あ? そうか~? ……家帰って……風呂入って……腹筋して……けんすいして……だから、何時間かはたったぞ?」

 

 現にハッピーはもう寝ちまったぞ。とナツは何でもないように答える。

 ――そういう事ではないのだが――。

 ルーシィは小さく息を吐いて、ふと思った。そう言えば、筆が進んで集中していたようで、大分時間が過ぎていることに気が付いていなかったようだ。

 

「お前……まだ寝無いのか?」

「ん~。そろそろ寝るわよ? だから帰りなさい」

 

 そう言いながらも、紅茶の1杯くらい入れてやるかと、きりのいいところまで仕上がった原稿を引き出しにしまい、ナツに振り向こうをしてルーシィはハタと止まった。

 ―何だか自分がいつもと違うのだ。

 ―机から体を放すと上半身にぶら下がる重み。

 ―その重さで……自分が今、胸の支えをとってしまっていることを思い出した。

 

 先ほどシャワーを浴びて、もう寝るだけだからと――そう、ノーブラだったのだ。しかも、今自分は薄いキャミソールしか着ていないのだ。

 

 ――つまり、そのまま動けなってしまったという事だ。

 

「あっナツ……アタシまだここ動きたくないから……もう帰って寝なさい?」

 

 顔だけナツに向けてルーシィがそう言うと、ナツの唇がにゅっと前に出た。

 

「やだ。オレ遊びに来たんだもん」

「何その言い方! こっちの都合はどうしたのよ!?」

「あん? 今、紅茶入れようとしてたんだろっ! 早くしろよ待っててやるからっ」

 

 既にナツはドカリとソファに身を沈めてしまった。

 

 ―今ならっ

 

 ルーシィは、ソファの後ろを通りキッチンに逃げ込んだ。お茶を出せと言ったら、お茶が出てくるまで帰らないのが――ナツなのだ。そうだ。無理やり追い帰してひと悶着するよりも、1つぐらい要求をのんでから帰す方が、無駄に損害がないかもしれない。

 さりげなくキャミソールの上から腕をまわし、そっと胸を持ち上げながらルーシィは、紅茶を入れるためにお湯を沸かし始めた。

 

「な~ルーシィ。怒ってんのか~?」

「おっ怒ってないけど……紅茶飲んだら早く帰ってねっ。あたし眠いのよ」

「あん? やだよ。俺、眠れねえから遊びに来たんだぞっ」

「……自分勝手っ。でも、これ飲んだら、今日はおとなしく帰ってよねっ」

 

 ナツの前に、ナツ用のマグカップに入った紅茶がことりとおかれた。そして、そのままナツの向かいには座らず、ルーシィは胸の前で自分のカップをわざわざ両手で持ったまま佇んでいる。

 

「? なんだ座んねぇのか? ルーシィ」

「すっ座るわよっ!!」

 

 仕方ないかと、ルーシィはナツの正面は避け、横の椅子に座った。紅茶の入ったマグカップを胸の前で持ったままで。いい加減ナツも不思議そうに顔を歪めた。

 

「ルーシィ……何隠してやがんだ? あっお前んだけはちみつ入りなのか!!」

「ばっか!! ちっ違うわよっ! ちっ近い~!!」

 

 ナツが身を乗り出してくると、ルーシィは咄嗟に後ろに下がった。その勢いに揺れたカップの中身が、パチャンと揺れて跳ね、ナツの手に少しかかった。それをペロッと舐めとると、「あ?あまくねえなっ」と呟き、ナツは元の位置に身を沈め自分のカップに手を伸ばした。

 

「同じじゃねぇかっ」

 

というナツの次の追及を避けるため、ルーシィは頭を巡らせた。

 

「さっ寒くて!! 手がねっ! ……ちょっと冷えちゃったかなって……」

 

 慌てるルーシィの様子に、ふ~んと紅茶を飲み干すと、ナツは静かに立ち上がった。ナツの動きを追う様に、ルーシィがジーッとナツの動きを見つめている――というか監視している。

 ナツはポリポリと頬を掻きながら、ゆっくりとルーシィに近づくとスッと出を伸ばした。その行動に、ルーシィの鼓動は一気に早くなった。

 

 ――まさか気づかれてあたし――襲われちゃう!?

 

 普段バスタオル一枚の姿をさらすこともあるのだが、――今ここにはいつも一緒の青猫がいない、その上、今の状態の方がルーシィ自身グッと、いやらしく感じていたのだ。口を開けたら、そこから心臓の音が漏れ出てしまいそうで、ギュっと口を結んだルーシィの手が取られた。

 

「うわっ。つめてぇ」

 

 普段と変わらぬ、自然なしぐさで自分の手に熱を集め、ルーシィの手にその熱を移してやると、ナツがにっと笑った。

 

「あったかくなったろっ」

「……うん」

「じゃオレ帰んなっ」

「え?……うん」

「また寒くなんない様に、あったかくしろよっ」

「ふふふっ。うんありがとっ」

 

 自分は、こんなにやさしいナツを、なんで警戒していたのだろう……。反省を込めて、ルーシィは優しく微笑んだ。そして「おやすみ」と口を閉じた。

 

 窓枠に足をかけながら動きを止めたナツが、マフラーを引き上げながらポツリと囁くように言葉を残していった。

 

 その言葉に……ルーシィは金縛りにでもあったように……カチンとその場で動きを止めてしまった。

 

 そして思い出したように動き出し、窓枠に手をついて外を覗いた。

 

 

 

『……ルーシィ。その服……上から胸が丸見えだぞっ!!』

 

 

 ――既にナツの背中は、豆粒ほどの大きさだ。

 

 

「ナッナッナツの…………ばあかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

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ノーブラって日本語だよね?英語だと・・・?ブラレス?そもそもブラって日本語かっ!!

って、いつ書いたんだろ?ってくらい前に書いてたんだけどねww

 

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