2013X'masシリーズ『変化していく関係』その5
募る思い
クリスマスに向けてシリーズ第5弾 残すところあと2~3話かな?
今回は、ナツとルーシィがやっと、お話しできます♡
ハッピーの描写を入れたんだけど、、、ハッピーってかわいい♡再認識しました!
今後は、存在を忘れない様に注意しようと思う。。。
クリスマスが目前に迫り、ギルドに1つの大きな依頼が入る。
この時期、妖精の尻尾にくる街からの大切な依頼だ。
元々、ここマグノリアは 商業都市なだけあり それぞれの商店が協力し合い街を飾っていた。
そこにクリスマス本番付近だけは、魔法を組み込んでより煌びやか盛り上げるらしい。
朝から役割分担がされるというので、ルーシィはギルドにむ向かって足を急がせていた。
あー失敗!!
昨日熱中しすぎて、ろくに眠れなかったわ。。。はぁ。。
ルーシィは今、ナツへのクリスマスプレゼントを準備している。
そのプレゼントに気持ちも載せるため、一針一針心を込めて作っていた。
その為、最近ギルドに顔をあまり出しておらず 数日ぶりのギルドへの道は、心なしか足が軽やかで楽しみだった。
(フフッ。みんな元気かな~?・・・ハッピーや。。。ナツ///元気かな?)
ギルドの扉を押し開け、元気よく挨拶をする。
「みんなー。おっはよ~!!」
既に来ていたメンバー達が、笑顔を返してくれる。
真っ直ぐカウンターに向かい、いつもの席に腰を下ろした。
酒場の奥から、ミラジェーンが顔を覗かせた。
「あらっ。ルーシィおはよう!!なんだか久しぶりね~?」
ミラジェーンが、紅茶でいいよね?とカチャカチャと用意を始める。
「はい。ミラさんおはようございます!!へへっ。中々自分の用事が終わらなくって。。」
心配かけました?とはにかんだような笑顔を浮かべルーシィが挨拶を返した。
「ルーシィの心配はないと思うけど、、、ルーシィが来ない!!ってナツとハッピーは元気なかったのよ?」
「えぇぇ!!ナツとハッピーが??」
「そうよ~!ナツなんか不貞腐れて喧嘩もしないでこの席で突っ伏してたわよ!!」
紅茶をルーシィの前に出しながら、ミラがフフフフっと笑う。
「…ハッピーもをそうだけど ナツは、、、ミラさんやリサーナがいれば大丈夫ですよ!!」
ルーシィが、泣きそうな表情を隠す様に笑顔を作った。
「あらっ。ルーシィ。。。そんなことないと思うわ!!いつも一緒にいるのは、ルーシィでしょ??」
フワッとミラの掌が、ルーシィの髪を撫でた。
ルーシィはその暖かさをかみしめる様に目をつぶった。そして、ミラの目を捕え静かに笑った。
「・・・ミラさん。ただ・・・一緒にいただけですよ。・・・一緒にいれ無くなれば、、、それが当たり前になりますから。。。アタシは。」
「ルーちゃーん!!おはよー!!!」
ミラが言葉を挟む間もなく、ルーシィは呼ばれた方を振り向き挨拶を交わした。
「ミラさん!アタシ レビィちゃんとこ行ってきます!!」
そう言って、ルーシィはカウンターを離れていった。
(ルーシィ大丈夫かしら。。。。)
*
ナツは、冷たい水で顔を洗い、身支度を整えて、ハッピーと一緒に家を出た。
ギルドと家の往復の際は、自然と運河沿いに足が向かい ルーシィのアパートを見上げていた。
見上げた先のまどには、例の飾りがぶら下げられている。
すでに部屋の灯りは消えていて、人の気配はなかった。
おっ。もうギルド行ったのか?
知らないうちに、口角が上がる。
相棒にばれない様に、マフラーを口元まで引き上げた。
「ルーシィ もうギルド行っちゃったみたいだね~!!」
そう言って振り返った相棒の目は、期待に満ちていて ナツのテンションも上がる。
ギルドまでの道を 急いで進んだ。
「ね~ナツ~!!今日はルーシィ遊んでくれるかな~??」
「そ~だな~?何して遊んでやるかな~?」
ギルドに向かう途中、相棒の言葉に相槌を打ちながら、ナツ自身も期待に胸を膨らましていた。
「ルーーーーシィィィィィィ。オハァァァァァーーーーー!!!!!!!」
相棒が、ルーシィの胸に飛び込んだ。
ルーシィは、レビィやエルザとテーブルを囲んでいた。
また妙な緊張に襲われるが、、、相棒の勢いにのっかって マフラーを口元まで引き上げながら なんとか近づいた。
心の中で叫んだ。(こっち向け!!ルーシィ!!!)
ルーシィが、ナツの方に振り返る。
「おはよう!!ナツ!!」
ルーシィがフワッと笑った。
(コイツって、こんな。。。可愛かったっけ////。)
ルーシィの笑顔を正面からとらえ、金縛りにあったようにナツは 固まっってしまった。
「・・・・?ナツ?どおしたの??大丈夫??」
そのまま、ルーシィがナツの顔を上目遣いで覗きこんでくる。
「うえ??いあ。。。」
ここ数日、今までにないほど考えたんだ。
いつも思い浮かぶのは、不法侵入に怒りながらもどこか楽しそうなルーシィ。
本に向かって、たまに怒ったり 悲しんだり 嬉しそうに笑ったりする横顔。
どんな状況に陥っても、あきらめない 強いルーシィ。
肉は少なくって、野菜ばっかり入った あったかいルーシィの料理。
一緒に見た、ハッピーみたいだって笑い合った 真っ白な雲。
あれがママの星なの!!って夜空に指をさした 綺麗な瞳とやさしい笑顔。
なんにでも一生懸命で、危なっかしくてほっとけるわけがない。
・・・・・その役割を、他の誰かに譲る気もさらさらない。
大切なんだ。
失ったら、、、失う事なんて想像もできないほど。
どんなにつらい日々でも、どんなにしんどい日々でも、きっとルーシィと一緒なら楽しくなれる。
ルーシィも、そう思ってくれているだろうか?
勝手にそうだと信じ込んでいたけど、確かめなきゃいけないらしいんだ。
彼女のあの消えそうな笑顔に、胸が苦しくなって いつまでも喉の奥に苦味が残ってる。
怖いけど、離れるつもりもさらさらないんだけど、ルーシィと並んで歩くために
気が付いたのは最近だけど、すっと抱いていたルーシィに対する想いを、、、伝えるんだ。
ルーシィを失わないために。彼女が、オレの隣に当たり前の様にいてくれるように。
視界の真ん中に、ルーシィがいる。
ナツは、顔に熱が集まっていくのを感じると、素早く近くの開いている席に座り 顔を隠す様にテーブルに突っ伏した。
(でも!!恥ずかしいもんは恥ずかしいんだ!!。。。畜生・・・情けねぇ)
「ナツ??」
ルーシィの不安そうな声が聞こえた事で、ナツは余計に焦り、ルーシィに顔だけ向けて
「なんでもねぇよ!!ちょっと寝不足なだけだ!!!!」
(あぁ、、、またやっちまった!?)
そっけない態度をとってしまう。
「ちょっと寝不足なぐらいで、ナツがばてるわけないじゃない!!」
臆せずルーシィがそう言って、ポスンとナツの隣に笑顔で座った。
「まさか、ナツが風邪??って、なわけないか!!」
ニコニコと隣からルーシィが見つめてくると、ナツはドンドン汗をかき始めてとうとう目を回した。。。
(ちょっ!?ちかい!!近いだろう////いつも怒るくせに、近いじゃねぇか/////)
「えっ??ナツ?ちょっと?えっ??・・・・大丈夫??」
ルーシィが、ナツの額にそのしなやかな掌をあてる。ひんやりした心地よい掌が、ナツの熱を少し奪った。
かに思えた。
(限界・・・・・・・・・・・・・・ぐもっ!!!!)
「やだっ!!ナツ!!本当に熱いわよ!!」
*
(・・・・参った。。。オレ・・・・情けなさ過ぎじゃねぇか?・・・・)
ギルドの医務室の天井を睨み付けるナツ。
「ナツでも風邪ひくのね~!!フフフッ」
何だかルーシィが嬉しそうにナツの額に冷たく絞ったタオルをのせる。
「何がそんなにおかしいんだよ?」
ナツが不貞腐れたように頬を膨らまし、ルーシィを軽く睨み付ける。
「だってさぁ、クリスマスが楽しみ過ぎて熱出すなんて・・・」
「あい。・・・子供です!?」
ルーシィとハッピーがクスクス笑っている。
「・・・うるせぇ!!」
「まあ・・・大したことなくて、良かった。。。少し眠れば?」
ルーシィが微笑みかけ、ナツは照れて布団を深くかぶった。
眠れるわけがない!!
眠れない理由が、すぐそこで笑っているのに。。。
好きなのになぁ。。。
何でこいつは気が付かないんだ??
こんなに、特別なのに。
もう無かったことになんか出来ないほど、、好きなのに。
この想いを知ったら、お前は笑ってくれるよな??
頼むぞルーシィ。笑ってくれ!!お前の笑顔が見れなくなる事なんて想像もしたくないんだ。。。
オレの特別はお前で、お前の特別は、、、、俺だよな??
あの夜の、グレイと仲良さそうに歩いてきたルーシィの姿が脳裏を過った。。。
*
ルーシィは、愛おしそうに向こうを向く、ナツの姿を目に映している。
・・・・このまま時が止まればいいのに。
そうしたら、ずっと見つめていられるのにな。
叶わないって知っていたのに、好きになってしまったんだ。
ナツと一緒にいると、ナツがアタシを好きになってくれる。
そんな、儚い願いが募ってしまう。
気持ちの整理を付けなきゃいけないのに。。。
それでも、、、ナツに会いたかった。
恋心がこんなに苦しいなんて、こんなに悲しいなんて、心が支配されるなんて知らなかった。
本気で、ナツが好きなんだって、ナツを思ってはじめて知ったんだ。
アタシは、これからもずっとナツが好きだろう。
ずっとずっとナツに焦がれるんだ。
たまに振り返って アタシに向ける笑顔に。
偶然触れた、ナツの指先の熱さに。
やさしい顔で、アタシを呼ぶ声に。
信頼して、背中を預けてくれる、、、ナツに。
アタシを好きになって、一緒にいてほしい。
でもそれ以上に、ナツの幸せを願っている。
好きの気持ちを飲み込んだら、見えてきたアタシの中に生まれた感情。
タイムリミットは、クリスマス。
それまでは、、、許してね?
片思いを楽しんで、自分らしくいさせてね?
気持ちを伝えたら、ナツの笑顔を奪ってしまうかもしれないから。
伝えられないアタシの想いを載せて、ナツに贈ろう。
もしかしたら、気付いてくれるかな?淡い期待も一緒に乗せて。
・・・・泣いたら、また抱きしめてくれるかな?
*
この2人の間に漂う 空気。
・・・・そして、オイラも 空気。。。そう空気に。。。成れそうにない・・・。
今日のルーシィは、本当に楽しそうに笑っていて ナツには悪いけどオイラまだここに居たいんだ。
大体、ルーシィに恋してるって自覚したら、変に意識しすぎて、頭沸騰するなんて、、、、、
竜のくせに、、、、情けないです。。。あい。
だからと言ってなんだけど、情けないナツに代わって にいろいろと、ルーシィに質問してみようと思うんだ!!
おいら、役に立つ猫になるんだ!!
「ねぇルーシィ??」
ルーシィの膝の上に座って、上目遣いになるように小首を傾げて ルーシィの顔を見上げた。
ルーシィの視線が下りてきて、オイラの頭をなでなでして笑ってくれる。
「なぁに?ハッピー。」
まずは、同情をひきつつ本題に持っていくんだ!!ルーシィは載せられやすいからきっとうまくいく!!
ハッピーの目の奥が、キラーンと光った。
「最近、ルーシィに会えなくて。。。オイラ寂しかったよぉぉぉ!!」
ルーシィの胸に、顔をスリスリすると、やさしい目で、オイラを見てなでなでしてくれる。
「・・・ごめんね。結構忙しくって!編み物って思ったより大変だったのよ!!」
オイラの顔を覗きこんで答えてくれる。
「そうなんだ。でも、ちょっと位オイラと遊んでくれてもいいと思うんだ!!ルーシィの部屋に行けないとつまらないし。。。」
耳を垂らしてしょぼんとしてみせる。
「ごめんね?・・・ハッピーはいいんだけど、、、レビィちゃんとジュビアの作ってるものだってあったから、、、ナツが暴れたら大変!!迷惑かけちゃうでしょ??」
仕方ないじゃない。とルーシィがまた、オイラの頭を撫でてくれる。
やっぱりルーシィの掌は、柔らかくて優しくって気持ちいい!!ナツじゃ無いけど口元が緩んできちゃうよ!!
「ルーシィは作ってないの??」
「えっ?あたし?アタシも もちろん作ったわよ!!しかも結構うまくいったの!!」
ルーシィが嬉しそうに、身振り手振りで教えてくる。
よぉっし!本当に聞きたいのは、、、、もう少しだ!!ファイト!!オイラ!
「ルーシィの作った物は、誰にあげるの??・・・もしかして、ナツ??」
オイラの可愛い眼を、三日月型に変えていつもの様に両手を口の前に合わせてプフフッと笑ってやった。
((!?!?))
これで、真っ赤になってくれたら、当りだ!!!
つい、期待の眼差しでルーシィを見つめる。
「ナツ??違うわよ?・・・な~に?猫ちゃん?そんな期待満々で、猫ちゃんは作って欲しかったのかな~??」
ルーシィが、悪戯っぽく笑う。
違うよルーシィ!!そんなのが聞きたいんじゃないんだ!!オイラ段々オロオロしてきちゃった!!
怖くって、ナツの方が見れないよ!!
「なに固まってるのよ!!結構うまくできるようになったのよ?あっハッピーに帽子でも編んであげようか!?猫ちゃんの耳が入るようなの!」
「っ!?あい!!」
ってニッコリ笑っちゃったじゃないか!!
だから違うってルーシィ!!オイラじゃなくって、ナツのだよナツの!!
「じゃぁ、誰のために作ってたんだよ!!」
ナツが、ブスウっとした表情を隠さず ルーシィに言葉をぶつける。
「えっ?ちがうわよ? 」
ルーシィが、目を丸くして言う。
「ルーシィ。違うって、何が違うの~??」
あんまりにも、ルーシィが焦ったように言うが、オイラにはよくわからない。。。
ルーシィが、恥ずかしそうに頬をポリポリと搔いた。
「・・・自分用よ。。。」
「・・・ルーシィて、寂しいやつだよね・・・」
なあんだ、、、、誰かにプレセントじゃないんだ!!
良かったねナツ!!オイラはこっそり、ナツの顔を覗きみてみた。
ナツは布団に顔を隠してる。きっとひっどい顔してるんだ!!プフフッ。
後で、大きい魚買ってもらわなきゃ!!
「もう!!そんなこと言うなら 猫ちゃん様の帽子作ってあげないわよ~!!」
「あっルーシィ オイラに作ってくれるの??」
「欲しいって言うなら、、、良いわよ?」
ルーシィがはにかんだように笑った。よしよしいい方向に話が回ってきた!!さすがオイラ!!
「・・・でも、オイラだけじゃ、、、ナツがかわいそうだよね。。。」
ナツには聞こえるだろうけど、小さい声でルーシィに耳打ちした。ルーシィは、弾かれた様にオイラと目を合わせた。
「ナツ?・・・・大丈夫よ!ナツはニット帽なんて かぶらないでしょ?・・・・ナツには・・・///」
最後はもごもごして聞き取れなかったけど、ルーシィがハッピーに耳打ちした。
ほっぺを赤くして恥ずかしそうにするってことは、期待してもよさそうだよ!ナツ!!
ルーシィは、口の前に人差し指を立てて、内緒よ!ってウインクしたけど さすがにこの位置じゃ ナツに聞こえてるって!!
気が付かないのかな?・・・・さすがルーシィです!!
「そう言えばぁ。ナツがルーシィに聞きたいことがあるって言ってたよ!!ね?ナツ!!」
ハッピーは、ルーシィの膝の上から ナツの胸のあたりに移動して、布団に埋もれているナツの顔を探す。
ハッピーの言葉にナツはパクパクと口を動かして、、、焦ってる!!クフフフッ面白い!!
ルーシィが、ナツの顔を覗きこもうとした時、ナツの額にあったタオルが落ちた。
それを拾い上げ、ルーシィは冷たい水で絞りなおした。
そしてまた、「はい。」と言って ナツの額にのせた。
そのルーシィの手をナツが掴んで、体を起こした。
ジィッとルーシィの目を見据えて ナツが、不機嫌そうに唐突に聞いてきた。
「プレゼント ・・・グレイに渡すんじなかったのか?」
明らかに、喧嘩腰である。
「はぁ??だから・・・・」
急に何で怒り出すの??ビックリして、ルーシィの口が開いてしまった。
「グレイが・・・・好きなのか??」
いつになく真剣な眼差しで、ルーシィの目を見てくるナツ。
「・・・グレイには、ジュビアが何か作ってたわよ?ホント大量に。。。」
ルーシィの口元が、微妙な感じにゆがんだ。
ハッピーは、目を丸くして2人のやり取りを傍観している。
「グレイが・・・・好きなんじゃないのか??」
ナツは なおも聞いてくる。
「・・・・・なんでグレイなのよ!!」
ルーシィは、何だか少し頭に来て ナツを睨み付けた。
「だってお前、、、あのへんな飾り、グレイから受け取ったじゃねぇか。。。」
段々ナツの声に勢いがなくなっていく。
「変な飾りって、、、キッシングボール??それがどうしたのよ??」
ルーシィは訳が分からず、首をかしげる。
途端、ナツが焦ったように、ぎこちなく視線を宙に泳がした。
「かっカナがよう『男が贈るのはキスしたいって意味で、女がそれを受け取るのはOKの意味だ』 って言ってたんだよ。・・・お前が知らないで、受け取っちまってたら・・・まずいかと・・思ってよ。。」
尻すぼまりで声がだんだん消えていくナツらしくない物言いに、ルーシィはなんだかおかしくなった。
「フフッ!!カナに騙されたんじゃない??アタシそんなこと聞いたこともないわよ!!フフフッ!!もしそうでも、グレイはアタシにキスなんかしないわよ!!」
「わっ笑うなよ。。」
「プフフッ。ナツ騙されたんだね?オイラだって知ってるのに~!!」
ニヤニヤ顔でハッピーがルーシィに笑いかけた。2人で、目を合わせて、笑い合っている。
「な~に?心配してくれたの?(少しはやきもち焼いてくれたのかしら?)」
ルーシィは嬉しそうに、声を出して笑った。
その膝に座ったハッピーも、目を三日月に変えて笑っている。
尚もおかしそうに笑うルーシィに、ナツは羞恥心に耐えられず 段々と腹がたってきた。
そして、お約束。 言わなければ良い事を口にしてしまった。。。、
「だよな!!色気もねぇルーシィだもんな~!!キスとか恋とか似合わねぇし!誰も相手にしねぇよな!カッカッカ・・・」
と爽やかに笑った。
ルーシィは直ぐに、唇を膨らませて文句を言ってくるはずだった。
でも、ルーシィはあの消えそうな壊れそうな笑顔を一瞬見せた。
(!?)
「・・・似合わないって何よ!!アタシだって、女の子よ!!失礼しちゃうわ。」
プクッと頬を膨らませて、むこうを向いてしまうルーシィ。その眼は、すでい潤んでいる。
それに焦って、ご機嫌をとろうとナツが手を伸ばすと、ルーシィがそっぽを向いたまま、
「・・・・アタシだって、恋くらい・・・してるのよ。。。」
また、寂しそうに消えそうに笑った。
「ルーシィ!」
ナツが焦りハッピーが心配そうな顔を向けるが、
ルーシィはその今にも消えそうな笑顔を隠す様に部屋から出て行ってしまった。
「。。。ナツのばか!!!」
その後ろ姿を見送ると、ハッピーがナツに振り返った。
ナツはベットに腰かけたまま、自分の膝に肘を立てて顔を隠す様に額に手をあてて うなだれた。
(・・・オレ。何やってんだよ・・・・。なんで こんな事だけ舌が回っちまうんだよ!!)
(やっぱり、そうだよね?ナツがやきもちなんて。。。自分の場所をとられそうだから、、焦っただけ。。。私がどうとかじゃないんだ。。。やっぱり、、女の子としては見てくれないのかな・・・?)
*
医務室の扉を勢いよく開けると、そこにリサーナがいた。
ちょうど飲み物を持ってきてくれたところだったようだ。
「あれ?ルーシィ?行っちゃうの??ナツ、寂しいんじゃない??」
ルーシィの分も持ってきたのに~と可愛い目をパチクリさせる。
「・・・・リサーナが、いてあげて。」
リサーナと、医務室の中に人物にむかって、ルーシィは潤んだ目のまま微笑んだ。
「えっ?ルーシィ?どうかしたの??」
異変を感じたのか、リサーナがルーシィの肩に手を伸ばした。
ルーシィの肩が、ビクッと跳ねた。。。
「あっ。。ごめんっ」
ルーシィが、リサーナの脇をすり抜けて酒場にできている輪に溶け込んでいった。
ルーシィは、リサーナが医務室に入っていくのを、悲しそうな目で捉えていた。
リサーナは、飲み物をのせたお盆を抱え、壁にもたれかかって呆れたようにナツを見た。
「ナツ。。。あんた、また何かやったの??なんかルーシィ変だったよ~。。。」
「あい。ナツが、また余計なこと言っちゃったんです。」
「・・・そんな、怒るようなことでもねぇだろ・・・。」
なんで、、、、オレ。情けねぇ。。。
ただ、ルーシィと同じ空気を吸って、目を見て笑い合いたいだけなのに
伝えたいけど、うまく表せない。
自分の体なのに、、、大切な奴なのに。。。
*
少ししてナツは 医務室を出ると、開いている隅っこのテーブル席に座った。
向こうで、いつも通りのルーシィが笑っている。
たまに泣きそうな消えそうな笑顔を見せることもあるが、しばらくすると普通にもどる。
オレと話していると、何で、あんな顔するんだよ??
・・・・まさか、オレ嫌われてんじゃないよな。。。。
「よぉ。」
後ろから声をかけられた。
振り返ると、グレイが隣に座った。
「・・・なんだよ。」
下唇を突き出して、ナツはテーブルに肘をつき グレイとは反対側に顔を向けた。
「お前さぁ、、、馬鹿だよな?」
「あぁ??」
眉間にしわを寄せて、グレイを睨み付けた。
「・・・だって、馬鹿だろ?ルーシィ見て発火するなんて!!クックック」
グレイの言葉を聞いて、ボフンッとナツの顔が茹で上がり ナツは口を金魚の様にパクパクさせる。
「・・・それとな。部屋から出てきたルーシィ。・・・泣いてたじゃねぇか!!しっかりしやがれ!!」
ぐうの音も出ない。。。無言のままナツはグレイの言葉を聞いている。
「オレは、姫さんが いくら好きだっつっても、その辺の奴に持ってかれるのは、、、おもしろくねぇ。」
ナツは何かを感じて、グレイの顔を睨み付ける。
「面白くねぇからなんだってんだよ!!」
ナツがグレイに喰って掛かった。
「オレを睨んでどおすんだよ。。。まぁ聞けって!」
グレイは小さく深呼吸して、ナツを真っ直ぐ見た。
「クソ炎。・・・その辺の奴は認めねぇが、お前位ルーシィを大好きな奴なら、話は別だってことだ!!・・・だから、泣かすなよ。しっかり捕まえてやれ!分かったな!」
それだけ言って席を立つグレイ。
ナツは、突然出張ってきた 傍から見てもルーシィを大事にしている男の言葉を噛みしめていた。
「・・・・お節介。。」
その背中に、感謝を込めてナツはポツリと呟いた。
「ああオレはな、妖精の尻尾の 愛の伝道師だからな!!」
グッショブ。。。氷の魔導士。。。
フラフラと酒場のテーブルの間をすり抜けていくグレイの後姿を、目をハートにしてコソコソとついて歩く水の魔導士が目の端に映った。
もうすぐ、クリスマスパーティだ。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
お粗末さまです。
目を通していただきありがとうございますm(__)m
心理描写って、難しですね((+_+))何度もおんなじこと悩んでるじゃん!!
気持ちが行ったり来たり、moの頭の中もグルグルです(*ノωノ)
そして、街の飾りつけどおした~!!!
・・・・・・愛の伝道師・・・(=_=;)
ただ、氷の魔導士らしいことを言ってほしかっただけなんですが、、、、ごめんなさいm(__)m
さて次は、クリスマスイブ編です。頑張るルーシィを、可愛く書きたいです!!
コメント ありがとうございます。
いつも励まされて、何とか小説を綴れております(*´▽`*)ノ感謝♡感謝♡です!!