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2013X'masシリーズ『変化していく関係』その7

あふれる思い ~ナツの告白~

クリスマスシリーズ7話目。クリスマスイブの『ルーシィの告白』のあとのお話。
お目汚し失礼します!!誤字脱字に注意して進んでくださいm(__)m
ではでは、どぞ ^^) _☆~~

 

泥酔して眠り込んでしまったナツをギルドに残し ルーシィは、カルディア大聖堂の前まで来ていた。

特別ここを目指した訳では無く、部屋に帰る気も起こらず 街並みを眺めながら フラフラと歩いていた。まず駅前の広場には大きなツリーが目に止まったが、

そこに多くのカップルが視界に入り、なんとなくそこを避け人の流れに任せて歩き、行きついたのが大聖堂だったのだ。

 

ナツ気が付いたかな??

先日 レビィ達と行った魔導士ショップで、耐火性のリストバンドを見つけた時、これだって思い付いた。

レビィちゃんみたいに編み物とか、、、、恋人でもないのにプレセントするのはあからさまな気がして。。。気が引けた。

だから、手作りっていうのは諦めていたんだけど、、リストバンドだったら、、余分に持っていてもいいものだし、、、チームメイトとしてプレゼントしてもおかしくないかなって。

だけど、やっぱりレビイちゃん達と手作りをしていて 少し手を加えたいなって、、、この胸の内に秘めていた想い、、、でも気付いてしまったナツへの想い。

どこかで見て、覚えていた竜のモチーフを思い出して縫い付けることにした。

手作りだって気付かれ無い様に。。。

刺繍なんて初めてで、、、でも何とか、売り物でもおかしくない程度の出来になったと思う。

他に好きな人がいるナツ。

だから、正面切って伝えることはできないであろう。行き場のない想い。

アタシの初めての、、、どうしたらいいか、どこにいったらいいのかもわからない恋心。

こっそりと、、、自分で行き場を作ってあげたかった。

気持ちを想いを乗せて一針一針竜のモチーフに縫い込んだ。

途中、想いが溢れて何度も涙が出た。

ハルジオンで出会って、楽しかった事や 嬉しかった事ばかりが 鮮明に思い出されて、無理やり消化しようとすることに、、、針が進まなくなったりもした。

でも、それも全部糸と一緒に縫い込んだんだ。

アタシの変わりに、この赤い竜が伝えてくれるように「あなたが大好きです。」と。

だからどうか 幸せになってください。。。。ナツ。

 

ルーシィはカルディア大聖堂を見上げられる位置に立ち、ボンヤリと大聖堂の中に吸い込まれていく人達を、眺めていた。

『パパー待ってよ~!!』

『マーマー!!はやくはやくー!!』

大聖堂の出入り口から子供の声が聞こえてくる。

フフフッ。やっぱりここは家族連れが多いかな??

カルディア大聖堂の中にクラシックなツリーが飾られているのがルーシィの視界に映った。

 

あぁ。。。懐かしいな。

ママが元気な頃は一緒にお祈りにいって、その後は暖炉の前でいつまでも笑い合って 何でもない会話を楽しんでいたっけ。。。

ママがいなくなってから、そんな事。すっかり忘れていたよ。

ルーシィは星空を見上げた。

今日はいちだんと冷えるお蔭で 空気が澄んでいるのか、星がよく見える。

 

ねぇ。ママ。

アタシ、好きな人ができたんだ。

桜色の髪をしていて、とっても強いのよ。

やさしくて、仲間思いで、馬鹿正直。ちょっと、暴れん坊の破壊癖のある問題児。

人の気持ちを無視してふざけてばっかり。無茶してばっかり。アタシはからかわれてばっかりなの。

でもね?

いつの間にか、好きになってたの。

困ったことがあるとね、、、頼んでもいないのに全力で助けに来てくれるの。

一時期ね。。。アタシは彼の特別なのかもしれないなんて思ったりもしたんだ。

・・・だけど、、、、彼の特別はね、、、、違う人だったみたい。

 

ママ!!

恋って残酷!!・・・けど・・・・・素敵ね?

心の中が、アイツでいっぱいになって、都合のいい想像をしちゃうの。

すっごく幸せで、それが当たり前みたいに感じちゃう。

アイツの事を思い浮かべるだけで、くすぐったい幸せが溢れてきちゃうの。

 

もしね?もしもよ!ママ。

彼がフラれて落ち込んでいたら、やさしくして慰めてあげて、心の隙っていうの?滑り込むの。小説みたいに!!

そんな事をね、、、、考えちゃう自分がいるの。

アタシってこんなに嫌な奴だったっけ?・・・ホントやんなっちゃう!!

誰よりもアイツには幸せになってほしいのに。

一日の中で、グルグル頭の中を色んな思いが巡っていくの。

恋をしたら、恋愛小説も書いてみようって密かに思ってた。読んだ人が胸をキュンキュンさせる様な。。。

・・・・・でも、実際は 小説にできそうにないかな~。

やっぱり、アタシの書く小説はハッピーエンドがいいもの。

 

・・・ママ。

つらかったけど、でもねアタシ 逃げなかったよ!!

直接渡せなかったけど、沢山の想いを贈ってきたわ。

今日は一日中ドキドキして、もしかしたらもしかしたらって、勝手に沢山期待して。。。

背中を押してもらって 『大好きだよ!』ってメッセージも残したの。

アイツ、気付いちゃうかな??

仲間の好きって思ってくれるかな?

気付いてほしいけど、、、気付いてほしくないな。。。

 

ママ。

最近ね。。。友達にもいっぱい、心配かけちゃったの。沢山反省することがあったわ。

アタシの友達はね!みんないい子達で、可愛くって、やさしくって・・・・・・恋をしているの。

前に向かっていく恋。

いつかアタシも この想いを忘れて、、、幸せいっぱいの恋ができるのかな?

 

ねぇ。ママ。

この気持ちは、どこへ行くのかな??

ナツの恋が叶って、、、、そしたら嬉しいはずなのに、、、アタシはどこへ行けばいいんだろう?

自然と消えてくれるのかな??アタシ、、、笑えるかな??

ママ!!苦しいよ。苦しいの。どうしよう!!どうしたらいいの??苦しい。。。

わがままを言って、ここにいて欲しいの。。。。1人にしないで。。。

 

ねぇ。。ママ。

妖精の尻尾にきてね?

ナツの前では、自然に泣くことができたの。何でだろうね??

ママがいなくなって、どこで泣いたらいいのか解らなくなってたのに、涙を流してもいい場所をやっと見つけられた。・・・そう思ってたの。

・・・・これから、どこで泣けばいいのかな?

 

ナツ!!ナツ!!ナツ!!!!

助けてよ。。。苦しいの。。いつもアタシを助けてくれるのは、ナツの役目だったじゃない!!そうでしょ??

ねぇ?ナツ。。。お願いよ。。。ナ。。。ツ。。。

 

 

大聖堂の、少し開いている扉の中から、聖歌が聞こえてくる。

今日、この大聖堂は眠らないのだろう。

沢山の人たちに、祈る場を与え、明日への糧をあたえるために。

ルーシィは、聖堂の中には入る事が出来ず、踵を返すことにした。

そして、、、振り返ったルーシィの視界に桜色が揺れた。

 

「・・・・・・・シ・・・ィ!!!!」

 

聞きたかった声が、自分を呼んでいる。

見間違えるはずがない。聞き間違えるはずがない。

彼の声だけが鮮明に、直接脳に届いたかのようにはっきりと聞こえてくる。

トレードマークのマフラーが、はためいている。

彼が口を動かすたびに 白い息を吐き出して、真っ直ぐルーシィの元へと。

ルーシィは言葉を失い、そこに立ち尽くしていた。

ナツが視界に映り込んでから、関を切ったように涙があふれ出てくる。

人ごみをよける様に、向かってくる。桜髪がふわふわと揺れている。

 

「・ル・・・・シィ・・!!!」

 

ルーシィは動けずにナツが到着するのを待っていた。

大聖堂の、鐘が静かに鳴り響く。

イブが終わりを告げ、クリスマスが始まる。

目の前に、、、、ナツがいる!!

「なんで泣いてんだよ!!!!」

ナツは、ギュっっとルーシィを抱きしめた。

 

「ルーシィ!!!泣くなよ!!!」

ルーシィの冷えた体は、ナツの暖かさに包まれた。

涙が頬濡らしていたが そのままルーシィの顔は ナツのマフラーに埋められた。

「…泣かなくていいんだ!!」

逞しい腕は、華奢な肩をきつく抱き締めた。桜髪が揺れ、ナツはルーシィの綺麗な金髪に頬ずりをした。

「ルーシィだよ!!ルーシィなんだ。オレはルーシィが。。。。」

抱きしめる腕に力が入る。

「好きだ。ルーシィが好きだ!!他の誰でもねぇルーシィなんだ!!」

ルーシィの耳に息がかかる距離でナツは囁くように、しかし力強く言葉を紡いだ。

 

ナツは呪文の様に好きだ好きだと何度も言葉を重ね、抱きしめていたルーシィの顔を覗きこんだ。

ルーシィの瞳が涙で揺れて見える。

彼女の綺麗な琥珀色の瞳に、自分を映しこんでもう一度確かめる様に。

「他の言葉なんて解んねぇけど、オレが好きなのはルーシィだ!!だから、、、ほらっ笑え!!笑えよ!!泣くなよ。。。」

ルーシィの目から落ちる雫をそっと指で掬い上げ、ナツがいつもの様にニカっと笑う。

いつもの、ルーシィにだけむける やさしいやさしい眼差しで。

「うん。」

その手をそっと握りルーシィが、頷いて静かに微笑んだ。

 

オレしか見ることを許さない。ひどく独り占めしたくなるルーシィのとろける様な笑顔。

その笑顔を見たら、オレの中の何かも溶けてしまった様だった。

周りにいるはずの人が、視界から消えた。

注目を浴びていようが、もうルーシィしか見えない。

「好きだ。」

そう囁いて、頬を両方の掌で挟みこちらを向かせた。

視線が絡むと、引き寄せられるように唇を重ねる。

すぐに開放して驚いているルーシィに、もう一度「好きだ!」と囁いて、また唇を重ねた。

 

唇を開放して、瞼を上げると真っ赤な顔のルーシィと視線を絡らんだ。

「ルーシィ。お前も、好きだって言えよ!」

ルーシィは、これでもかってほど真っ赤に茹で上がって固まっている。

そこに、顔を傾けてまた、リップ音を立てた。

「ルーシィ。好きだぞ!!」

おでこをくっつけて、ナツが笑った。

(あたしも!あたしも好きだよ!!)

全身が痺れたように固まって言葉を発することが出来ないルーシィは、自然とつかんでいたナツのマフラーを引き寄せて、チュッっとナツの頬に唇をあてた。

ルーシィの頬に、今度は暖かいしずくが流れた。

真っ赤な顔のまま、にっこりと微笑むルーシィ。

彼女のその行動にナツはボッっと全身を桜色に染め、嬉しそうに顔をゆがませ幸せそうに笑った。

 

『パチパチパチパチ』

『お二人さん幸せにな~!!』

『こんなところでイチャついちゃいかんぞ~!!』

『良かったな~!!』

『お目でとうさ~ん!!!』

何処からか、拍手と歓声が上がり2人は我に返りった。

リンゴの様に真っ赤な顔の2人は慌ててその場を後にした。。

 

 

 

 

 

「ねぇ?ナツ。本当にあたしでいいの??」

2人は広場のツリーまで歩いていた。

「アタシでってなんだよ!オレはルーシィが、、、好きだって言ったろ?」

ナツは厳しい顔で、ルーシィと目線を絡めた。

「何勘違いしてるか知んねぇけど、オレは。。。。」

ナツの顔に一度退いたばずの熱が戻ってくる。

「よく聞けよ?」

潤んだ目でルーシィは、真っ直ぐナツを見上げる。

「オレは、はじめっからルーシィしかいねぇ。ルーシィだから好きになったんだよ///わかったか?」

「///嬉しい///嬉しいけど。。。。」

「けどなんだよ!!!」

ナツが頭をカシカシと掻き毟る。

 

「だってぇ、、、りっリサーナといる時だけ、ナツの表情が違うのよ?」

さっきは勢いに押されてしまったけれど、ナツは自分の本当の気持ちに気付いていないだけなのかもしれないと、ルーシィは心の中の不安が拭えない。

「違くねぇよ!!」

「違うもん!!真っ赤になって、照れたりしてるじゃない!!アタシとは行かなかったお店にも一緒に行ったりしてるし。。。まだ、、、自分で気付いてないだけじゃないの??」

ルーシィの目はすでに潤んでいる。

そんなルーシィに対して、ナツが大きくため息をついた。

「店って、、、あれだろ??レビィ達と一緒にいた時のだろ?」

ルーシィはコクンと頷いた。

「アタシが行きたいって言った時は、いつも嫌がってたじゃない!!でも、リサーナとなら行くんでしょ??」

「だから違うって!!」

 

ナツはポケットから桜色のリボンを取り出し、ルーシィの前にグイッと突き出した。。

何度も握りしめていたのか、それはすでにリボンがよれよれになっている。

照れくさそうに、ルーシィの掌に握らせた。

「ん。」

「これ?」

まっすぐ、ルーシィの前に立ち、その琥珀色の瞳に自分を映すナツ。

「相談してたんだ。ルーシィに何をプレゼントすればいいのか。」

「あたしに?」

「おう。散々からかわれたんだ!!顔も赤くなるっての!!!」

ナツが、いつもよりもやさしい眼差して、ルーシィを捕える。

 

「あけて・・・いい?」

ルーシィが震える手で、桜色のリボンに触れる。

「・・・これ、お揃いね?フフッ」

ルーシィの顔に、笑みが戻ってきた。

その小さい包みの中から、ピンク色の羽を模したようなチャームが現れた。

「!?これっ!!」

心底驚いた顔をし、ルーシィはナツに向ける。

「あぁ!!驚いただろ??オレも、これ見て驚いた。」

ナツは、ルーシィから贈られたリストバンドを顔の前に掲げた。

そう。それはルーシィが以前目にし、リストバンドに刺繍する時の参考にしたものだった。

「これ竜だろ?それも竜の形なんだ!!オレが一緒にいれない時でも、ルーシィを見守っていられる様にって 選んだんだぞ!!・・・でもまぁ、、、しかしよぉ?」

 

ナツは、腕嵌められている竜と、ルーシィの手の中にある竜を並べた。

そこには、まるでペアで誂えた様によく似たドラゴンが向かい合った。

合わさることによって、ハートの形が浮かんで見えるようだった。

キョトンとした顔で見ていたルーシィの顔に熱が集まる。

 

「ルーシィ。オレも感謝してるぞ。お前と出会えたことに。つーかよぉ、ルーシィと出会って色んな事が始まったんだ!!オレにはルーシィしかいねぇ!!これはもう運命だろう?!ルーシィがいいんだ。ルーシィに傍にいてほしいんだ。」

見上げたナツの顔は、見た事もないほど真っ赤に染まり、その瞳は真剣そのもので、ルーシィは ただただ頷くことしかできなかった。

「言葉なんてなくっても、ルーシィは笑ってくれてて、、、甘えてたんだよな。オレさぁ、お前が隣で笑っていてくれれば他には何もいらねぇ。明日も明後日もその先も一緒にいような!!」

そう言って、照れくさそうにナツが笑い、そっとルーシィの肩を引き寄せた。

暖かい涙が溢れて止まらないルーシィは、静かにナツのマフラーに顔を埋め、ナツの背にまわした手を服ごと握りしめた。

 

 

 

 

いつまでそうしていたんだろう?

ゆっくりと確かめる様に、しっかりとアタシを抱きしめて、ナツが微笑んだ。

ナツの暖かい体温と、心地のいい鼓動。

さっきまで、孤独の底に落ちていた心が、暖かいものであふれてくる。

 

ナツが、帰るか!と手をとって歩き出した。

今日が寒くて良かったかもしれない。

寒いからと言っていつもよりくっついて歩いてみたら、握られた手が強く握り返してきた。

耳まで赤くなった彼の腕に、同じように赤くなった自分の顔を隠した。

ニヤケてしまう顔が気恥ずかしくて、前を向いたままのナツが、、、アタシと一緒かな?と思うと嬉しくなった。

 

しっかり部屋に上がり込んだナツは、暖炉に自分の炎を灯した。

ホゥとルーシィの部屋が心地いい暖かさに包まれる。

ルーシィがお茶を用意している間、ナツは久しぶりのルーシィの部屋でお気に入りのソファに身を沈めていた。

 

窓の外に、雪が降ってくるのが見える。

「寒いと思ったら、降ってきたわね?」

ルーシィが、マグカップにいれた紅茶をナツに手渡し、ナツの隣に腰を下ろした。

「あぁ。もっと降ればいいのにな?」

「そうね~。寒いのはヤダけど、窓に映る雪景色は綺麗だよね~。」

 

ルーシィにはまだ少し寒い部屋の中でナツに寄り添うと、ナツの暖かさが振れたところから伝ってくる。

ナツはルーシィの首の後ろから腕を回し、暖かい掌でルーシィの頬を撫でた。

「もう!くすぐったいわよ!!」

カーッとルーシィの顔が赤くなると、ナツが噴き出した。

 

「ルーシィ変な顔すんなよ~!!」

「んもう!!誰のせいよ!!ムッキー!!」

 

頬を膨らませて、ナツに抗議していたルーシィは、うっとりとした眼差しで、窓の向こうに視線を運んだ。

クリスマスのイルミネーションに、降ってくる雪が照らされて暗闇に色とりどりの雪が浮かんで見える。

ナツはベットに飛び乗り窓から顔を覗かせようとした。

ルーシィもそれに続きナツと並んで雪のイルミネーションを眺めていた。

2人の上に、カナからもらったキッシングボールが飾られている。。。

自然と目線が絡み合い、瞼が下りると2人の唇が一瞬重なった。

 

ルーシィが目を開けると、視線の先のキッシングボールが揺れた気がした。

(???)

次の瞬間。

 

「なぁつ!!」

熱っぽい視線を送り、ルーシィが甘い声で囁くとナツの肩に細い腕を回し抱きついた。

「うぉ!?」

ナツの首元に猫のように擦り付き、その距離から潤んだ目で ナツを見上げ囁く。

「なつぅ~!だぁ~い好きだよぉ~。」

クシャッと目を細め、そのままスリスリと頭をナツの首筋に擦りつける。

 

その度に、ナツの鼻先で綺麗なルーシィの金髪が揺れ ルーシィの花の様な甘い香りを運ぶ。

 

「ルッルーシィ??どどどっどうした!?!?」

ナツは、溜まらずルーシィの肩に手を置き体を引き離すと、ルーシィの顔を覗きこんだ。

その瞳は、潤みトロンと今にも溶けそうな印象を受ける。

頬は上気し、少し開いたぷっくり形のいい真っ赤な唇から目がそらせなくなる。

ナツの心臓が早鐘を打つ。

 

「だぁからぁぁ~!」

ルーシィは、体を揺すってイヤイヤするようにして、ナツに抑えられた肩をはずして再びナツの胸に飛び込んだ。

「だいすきだからぁ~~あまえるのぉ~!!」

そう言って、ナツの胸板に頬擦りをし、ルーシィがふにゃりと笑う。

「おわっ!?なっ!!ちょっ!?」

突然のルーシィの変貌に驚きながらも、好きな相手に、しかもついさっき やっと手に入れた大事な相手にこうも甘えられては、たまらない。

 

「なぁ~つ!!」

ルーシィは幸せそうに、ナツに巻き付いて頬擦りをしては、たまにナツにとろけて潤んだ琥珀色の目を見せ「大好き」だと言って微笑む。

ナツの腹のあたりにルーシィの柔らかいものがさっきからあたっている。

 

「ルゥーシィ。。。」

 

ナツは平常心を逃がさない様に深呼吸を繰り返しながら、腕をルーシィの背に回し、綺麗で指通りのいい金髪を何度も撫でていた。

 

ルーシィは気持ちよさそうに身じろぎ、潤んだ眼差しでナツを見上げた。

 

2人の視線が絡み合うと、ナツがグッとルーシィを抱きしめたかと思うと、その背中を抱え込むようにベットへ沈め込んだ。

 

腕の中にルーシィを組み敷き、ナツが顔を近づけると、トロンとしていたルーシィの瞳が瞼の後ろに隠れる。

ナツがルーシィの唇を一度塞ぎ、ルーシィの表情を覗き込んだ。

 

 

一転、両手で表情を隠し、真っ赤な顔で狼狽えるルーシィが目に飛び込んできた。

目が合うと同時に、視界いっぱいにルーシィの鉄拳が。。。。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁl!!!!!!」

 

 

ナツはベットの下に落ち、そのまま胡坐をかいてベットの上のルーシィを恨めしげに見つめている。

「・・・・ルーシィ??」

「・・・・はい///」

ルーシィはベットの上で、膝を抱えた腕の隙間に赤く染まっている顔を埋め込んでいる。

「もっ戻ったのか・・・?」

「・・・・はい///」

ルーシィは顔を隠していた腕を少しずらし、ナツを見た。

「・・・キッシングボールが揺れたかと思ったら、、、、なんかね////」

これ以上ないくらい赤くなったルーシィは声を震わせそう訴えた。

 

・・・・じゃぁ何か?

キスしたら、おかしくなって、キスしたら戻りましたと。。。。。

・・・・・・・・・・・・・カナか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔人か?

・・・・・・・・・・・・・・・ちきしょう!!!!

 

ナツはがっくりと肩を落とした。

「ナッナツ??大丈夫??」

ルーシィは慌てて、ナツの顔を覗きこむと、ナツは不貞腐れたように、唇がとがらせている。

「・・・大丈夫じゃねぇよ!!」

 

ナツはその場から、しばらく動けそうにない。。。。。。(笑)

 

ルーシィは心の中で、ナツも男の子なのね。。。と、なんだか納得した。

でもでも!!今日の今日でとか////

そッそりゃぁ。。。。ナツとなら。。。。キャーキャー////

1人で百面相をするルーシィに、なんだか絆された気になったナツは、そう言えばと切り出した。

 

「ルーシィ!明日、、、つーかもう今日か?なんか予定あんのか??」

ルーシィが、キョトンとした顔でナツを視界に映し首を横に振った。

「ん~ん。特別には何も。。。」

「そっか。」

ナツが何しようかと考え始めると、ルーシィの方が先に口を開いた。

 

「ねっ。明日はケーキ買って、ターキー焼いてハッピーも呼んで3人でクリスマスしよう!!」

「あぁ?・・・・ハッピーもねぇ?」

「・・・そうよ?悪い??」

「いんや。ハッピーも一緒だ!!当たり前だろ!!」

 

ナツに貰った竜と、ナツに贈った竜をヘッドボードに並べ、先に横になっているナツの隣にルーシィは潜り込んだ。

逞しい腕に頭を載せルーシィが見上げた先に カナからもらったキッシングボールが揺れる。

ちょっと悪戯されちゃったけど、、、幸せを運んできてくれて ありがとう!!

おまけ

 

 

「ナツー!!このお店だよね??」

「おぉ。そうだな!!」

ナツとハッピーは、ルーシィいきつけの小物屋さんに来ている。

今度のクリスマスで、ルーシィのサンタクロースになろう大作戦!!をハッピーと2人で遂行中だった。

 

その店に入ろうとすると、ハッピーが動きを止めた。

「ナナナナツさん!!オイラこの先には進めないよ!!」

ハッピーの視線の先には、今にも動き出しそうな大型犬の縫ぐるみが置かれていた。。。。

「・・・ハッピー。縫ぐるみも駄目なんか。。。」

ナツのつぶやきも、、、すでに遠くに避難したハッピーには届かないようだ。

 

「ちわ~!!」

ナツは真っ直ぐ、店員の元へと足を運んだ。

「いらっしゃいませ~!!」

店員は愛想よく笑顔を作り 作業していた手を止め顔を上げたが、ナツを視界に入れ 訝しげに眉を寄せた。

「何かございましたか?お客様。」

丁寧に対応してくる店員に、ナツは直球で質問を浴びせた。

「おう。ルーシィが欲しそうにしてたもん教えてくれ!!」

ニカっと笑うナツに対して、店員の眉間のしわが濃くなる。

「ルーシィとは。。。金髪の??」

「おうそうだ!!金髪で、髪の毛半分を耳の上で縛ってってな、胸がでかくて面白れぇ奴だ!!」

店員の顔には、明らかに『怪しい奴だな!』と書いてあるようだ。

「他のお客様の事に関しては、お教えできません!!お帰りください!!」

ナツの表情を見ない様に、店員はグイグイとナツの背中を押して、店の外に追い出した。。。。

「うおっ!?何でだよ!!!」

流石のナツも、こんな街中で暴れられず、どうしたもんかと頭を悩ませていると、助け舟が現れた。

「ナツ??」

ナツが顔を上げると、リサーナがいた。

丁度いいところに現れたリサーナを巻き込み、店員に事情を説明してもらった。

 

そんな時、大好きな匂いが、風に運ばれてきた。

「・・・ルーシィ??」

 

確かルーシィは、ギルドにいたはずだった。

「ハッピー!!ルーシィが近づいてくる!作戦G(誤魔化せ!!)だ!!」

ルーシィ達も、こちらに気付いた様だ!!

「アイサー!!」

ハッピーは、翼をだしルーシィの元へ飛び込んでいった。

 

そんな中、リサーナが店員を説得し協力を得てきてくれた。

「もう。ナツってば、ルーシィの事だと頑張っちゃうのね!!そ~んなに、大好きなんだぁ~!?」

リサーナが、思いっきり楽しむようにナツをからかい、ナツは反論できず頬を染めた。

 

ルーシィ達が近づいてくる。

ハッピーの様子から、作戦Gは成功しなかったようだ。。。やべぇじゃねぇか!?

と思っていたら、リサーナのおかげて深く追及されないで済んだ。

・・・・あ~あせった~!!

 

落ち着いてルーシィを見ると、なんかルーシィらしくない顔で笑った振りしてやがる。。。何だ??

変だと思っていたら、ジュビアにルーシィンチの出入り禁止を喰らった。。。。

厄日だ!!・・・・今日はついてなさすぎる!!!

何でだよ。。。あいつらが泊りに来るって、ルーシィ楽しそうにしてやがる。。。ちぇっ、、、しょうがねぇか。。。

 

ルーシィ達と別れて、小物屋に入った。

先程の店員が、罰悪そうに笑っている。

リサーナが、ナツのギルドマークを指さし店員紹介してくれた。

「この子ね!ルーシィが大好きなの!!だからどうしていいか解んないのよ!!店員さんよろしくしてあげてね!!」

リサーナがウインクして、店の外に出た。

ナツは、顔を真っ赤に染め上げ(///ちきしょう///リサーナめ///)店員に助言をもらいプレゼントを選んだ。

「ナツさんの髪の色だったんですね。」

店員が、ぽそっと洩らした。

「なんだ??」

「ええ。」

店員は、リボンを1つ手に取ってナツに見せてくれた。

「ルーシィちゃん、この桜色のリボンがお気に入りみたいでね?よく手に取って眺めていたんだよ!!」

ナツは、おお!!ホントにおんなじ色だな!!とニカッと笑って、それも一緒に買って帰っていった。

 

「おいハッピー!!お前今回何もしてねぇじゃんか!!」

「あい。。。でも、リサーナを見つけました!!あい!!」

 

 

 

 

 

 

「ナツー!!やっぱりさぁ、ルーシィのサンタさんは、ナツ1人に任せたいと思います!!!あい!!」

 

 

+ + + + + 

 

あとがき

 

思ったより、シリーズ長くなってしまった。。。過去最長の文字数ではないかな。。。

 

構想としては、カナからもらったキッシングボールに魔法が仕掛けてあって、その下でキスをすると

①ルーシィに魔法がかかって、酔った時みたいに超ナツに甘えちゃう。

②ナツのスイッチが入ってしまって、ルーシィを襲っちゃう。

③映像ラクリマが起動して、ギルドで上映されちゃう。

④2人とも眠ってしまって、気付いたらギルドで、お祝いされちゃう。

⑤ピンクな展開になるけど、キスするとルーシィが寝ちゃってお預け。

 

なんて考えてたんだけど、、、①と⑤混ぜ混ぜしてみました。。。んん~(/ω\)変な落ちでごめんなさいm(__)m

 

お読みいただいた皆様。

お付き合いいただきありがとうございましたm(__)m

ブクマや評価やコメントを頂けると、やる気がみなぎります!!

ありがとうございました。(´艸`*)♡

 

このナツルーで、年越しまで引っ張ろうかな。。。。なんて(*ノωノ)

年末温泉旅行とか。。。時間があれば頑張ってみようかと、、、考え中です。

 

ハッピーを加えての、クリスマスはどうなってるのやら。。。。可愛いナツルー目指します|д゚)

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