2014年3月21日
好きかもしれない
「ナツが好きなのかもしれない」
ルーシィが、ポツリとそう洩らした。
先を歩いていたナツは、足を止め、ゆっくりと振り向いた。
確かめる様な『え?』っと言った表情を浮かべ、ルーシィを視界にとらえたままただ、立っている。
ルーシィは、ナツのその動作を視界にとらえ、真っ赤になって固まってしまった。
「ありゃりゃ~。ナツに聞こえちゃったみたいだよ~!!ルーシィ。」
「うっ。えっ。あっ////あうぅ。。」
ニヤニヤとした顔の青猫が「ほらっ。ちゃんと言ってあげなよ!!」とルーシィの背中を押す。
押されるまま2・3歩前に出ると、ルーシィはギュッと短いスカートを握りしめ、
1歩づつ今度は自分の足で、ナツに向かって近づいていく。
ナツに後1歩というところでピタッと止まって、相手の目を見る。
「ナツッ。」
声が震える。
緊張する。
世のカップルというのは、みんなこんなドキドキを乗り越えて想いを伝え合って、いるのだろうか!
それは、すごい事だと思った。
心臓がこれ以上ないくらい早く動いている。
胸の中から電磁波が出てギュッと肺を、心臓を鷲ずかみにされてしまったようだ。
「ルーシィ?」
目の前の、桜頭の少年。
少年というほど幼くはないが、幼さの残る顔には青年というくくりはまだな気がする。
ナツも、こんなにドキドキしたのだろうか?
「ナツ!あのっ。。。あのねっ!!!」
「ん。」
スカートを握りしめていた手を、いつの間にか胸に押し付け両手を握りしめていた。
手が震えている。
「ナッナツ!!!」
「おぅ!!」
待ってる。
待っててくれる。
ナツはあたしが言うのを待ってる。
待つの、苦手なんだろうになっ。
「えっとぉ。。そのっ。。」
言わなきゃ。
ちゃんと、言わなきゃって思ってたじゃない!!
ナツは言ってくれたのに。
ずっと、あたしの言葉を待ってくれているんだから!!
「スッ。。。。。。。好き。。。。」
騒音にかき消される音量しか出なかった。
いくら耳のいいナツでも、聞き取れないかもしれない。
口の中でだけ、ちいさく声が響いた。
再び、、、息を吸い込んで、、
「・・・ナツが、、、」
言いながら、顔を上げた。
真っ直ぐと、やさしい眼差しを向けてくれる、大好きな人がいる。
「・・好き!!」
またも消えそうな音量だった。
でも、ナツには届いた。
目の前にある、いつものやさしい顔が、嬉しそうに崩れて笑う。
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ナツに告白された前提。。。前にブログれあげたやつです。