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2014年5月22日 5P

竜の血③

シリアスです。ナツ→←ルーシィのナツルーです。

 

 

「あなたは。。。」

「お嬢さん。いや、ルーシィ・ハートフィリアさん。巻き込んでしまって、つらい思いをさせてしまって申し訳ない。他の竜がくればまた違ったかもしれないのに。」

 

フードを被った小柄な人物はそう言って、2人分の食事をそこに置いた。

 

「ねえ!!さっきの女の子は??!!」

「・・・もう行きました。・・・くっ。。すまない。」

 

小柄なその人物は、震える手で拳を作ると 自分の太腿に強く押し付けた。

その様子を目にし、ルーシィは感情のままに舌に言葉を乗せた。

 

「・・・すまないって誤ったって!!こんなの間違ってる!!!おかしいわ!!」

 

小柄な人物は、苛立つように被っているフードを脱ぎ顔を見せた。

そこには、シルバークレイに輝く綺麗な髪色の少年。銀髪の隙間から鋭い目がルーシィを捉えている。話し方からすれば、そんなに若い筈がないが、見た目は10歳やそこらの少年その物だ。

 

「そんなことは解っている!!それでも、我々はこの道を選んだんだ。産まれてくる子供の父親には私がなる事になっている。・・・彼女は、あなたに成り変わった少女は、私の大切な許嫁ですから。」

「そんなっ!!」「何てことを!!」

 

小柄な男は拳を震わせている。少女が出発してしまったのであれば、後は帰ってくるのを待つだけという事なのだろう。

今までの緊張感が切れたように、小柄な男は感情を表に出している。

ルーシィが言葉を失っていると、ルーシィにかわってロキが口を開いた。

 

「君達って、本当はいくつなんだい?体は小さいけど、そのままの年齢ではないんじゃないかい??」

「ああ。・・・ええ。そうですね。。。私は今年で20歳になります。」

「えっ!?うそっ!!」

 

半ばどうでも言い様にそう告げる男に対し、ルーシィは驚きをそのまま口にした。小柄な男の見た目はまるで10代ないしはそれよりも若く見える。だが実際は自分よりも年上だというのだ。

 

ルーシィは素直に驚きを示してしまい、慌てて「ごっごめんなさい。」といって自分の口を手で塞いだ。その行動を見て、男はほんのわずか頬を緩ませた。

 

「貴方は、変わってますね?・・・なぜか和まされてしまう。・・・少しお話をしましょうか?」

 

そう言って、まるで少年のような見かけの小柄な男は、檻の前に腰を下ろした・

 

「・・・わたし達は生まれた時から少なからず太古の霧に魔力を供給しています。男は子を成せるようになればそれまでの倍の魔力と生命力を太古の霧に注ぐので、体が成長できないんです。まるで子供のようでしょう?女たちは、子を産まなければならないので成長を妨げる様な魔力の供給はさせません。それでも、外の人間たちよりも幼く見えるようですがね。私と許嫁の彼女は同い年なんです。ずっと一緒に過ごしてきました。」

 

「ねぇ。君は本当にこれでいいの?好きな子にこんな事させて。」

 

ロキの言葉に、小柄な男は握った拳に力を入れた。

 

「わかりません。喜ばしい事の訳がありません。ただ、、、彼女がそう決めたんです。自分から名乗り出ました。それに何の相談もありませんでした。

彼女は族長の娘です。次の族長です。他の者にやらせるくらいならと、そう決心した彼女を止める事が私には、、、できなかった。」

 

男は大きく息をはき出し、そっと自分の輝く銀髪に触れた。

 

「・・・私のこの銀の髪は珍しいでしょう?・・・高く売れるんですよ。霧から出ていった人の中にはこの髪のせいで捕らえられたものもいます。女などは、その身ごと売られたりもします。それに。。。」

「・・・それに?」

 

男が悲しそうに目を伏せて、言葉を詰まらせた。その表情は悲しくも見え、つらくも見え、怒りを感じている様にも、すべて諦めているようにも見える。

 

「ははっ。此処まで言ったら全部お話します。わたし達霧の民の中には特殊な能力があり、古来よりそれを生業にしています。・・・手品でもお見せしましょうか?」

 

そこで一息入れて、男は懐からただの石を取り出した。それを掌で転がし握りしめるとそれが手の中で光りだす。光りが収まり掌を開くと、ただの石が透けて光っている。

 

「ただの石が、、、水晶に大変身!なんてね。どうです?」

「・・・魔水晶?」

「そうです。わたし達は魔水晶を生成することが出来るんです。それも、一部の者ですがね」

「・・・すごい!!」

 

ルーシィは素直に驚き、初めて見た事がらに目を輝かせた。その傍らでロキも目を細めてその光景を凝視している。

 

「すごいですか?ですがその為に、先祖はずっと隠れて暮らしてきたそうです。わたし達は生命力を使って魔水晶を生成します。ですから、1週間に1個ぐらいでなければ体を崩してしまうんです。でもこちらの事情を無視して、時の権力者たちはこぞって魔水晶を欲しがり、無理やり作らされた先祖が何人も犠牲になったそうです。そして、残されたものは逃げ出し家族を連れてこの森に逃れてきた。。。」

「そんな悲しいことが。。。」

「・・・もう何世代も前の話しだよルーシィ。人は階級を作り貧しい人が売り買いされ奴隷として働かされていた時代さ。魔導士の数は今よりももっと少なくてね・・・迫害を受けていた頃だね。・・・本当に、、、ひどい時代だったよ。」

 

ロキは眉間に皺をよせ、目を伏せた。思い出せる酷い記憶でもあるのかもしれない。そんなロキの様子に、ルーシィは胸を痛めた。どうする事も出来無いからとでも言うように、ロキの寄り添ってやる。

 

「さすが星霊ですね。よく知ってらっしゃる。」

「そりゃぁね。伊達に長くは生きてないよ!!」

「もうロキ!話の腰を折らないで!!」

 

ルーシィがわざわざ頬を膨らませると、男はフフッと含ませるように微かな笑顔を見せた。

 

「・・・この森に逃れてきた先祖たちはここに一族を集め集落を作りますが、人と共存していたはずの竜たちが世界中で暴れだし、それに対抗するために人々はまた魔水晶を欲しがりました。自然からとれる水晶は限りがありますし、見つけるのが大変です。そして、、、やはり頻繁に一族は人攫いにあうようになったと聞きます。そんな中太古の霧が現れたのだと。。。」

 

小柄な男は、顔を持ち上げ、何もない天井に視線を移した。

 

「太古の霧は恩人であり、父であり、母であり、兄妹であり、友であります。とても大切な存在なんです。太古の霧が居なくては生きていけない!!わたし達はそうやって教えられ育ってきました。そrを・・・今まで不幸だなんて思ったことはなかったのに。。。」

 

小柄な男は話している間にいつの間にかまた拳を作っていた。握りしめていた拳を開き掌を上に向けた。そこには何もない。ただの何もないのだ。空虚なそこを見つめ、男は悲しそうに呟いた。

 

「太古の霧よ。我々はどうしたら。わたしはどうしたらよかったんだ!!あなたも、彼女も私のとってはかけがえもない、存在なのに。。。」

 

その瞬間、この空間を暖かい霧が包み込んだ。その男を抱きしめる様に。

 

「太古の霧よ。声を聞かせてください。そして教えてください!!」

 

男の叫びが牢屋に響いた。

太古の霧と呼ばれた霧はまるで生きている様に蠢き、何もなかったように空気に混じってしまった。『太古の霧はもう喋ってはくれないの』少女の声を思い出す。

 

「なぜこんなことをあなた達に話してしまったんでしょうね。彼女が帰ってくるまでしばらくかかるでしょう。。。また来ますね。」

 

男は静かに立ち上がると、静かにその場を後にした。

 

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

むずかしいですねぇ。。。事情は分かったことだしさぁ、ルーちゃんのターンですね!!

 

 

 

 

ルーシィはロキの肩に頭をのせて寄りかかって目を閉じて思案していた。

この場にロキがいてくれよかったと思う。何だかんだと頼りになる友達だ。きっと一人では、迷ってしまったかもしれないし、決心が揺らいだかもしれないな。

そう思いながら、ルーシィは閉じていた目を見開いた。視線の先に牢獄の高い天井が映る。

やらなくてはいけない。ルーシィは心に言い聞かせ、自分を奮い立たせた。

 

「・・・どうしたんだい?ルーシィ。」

「・・・うん。」

「・・・同情しちゃった??」

「同情?そんなことはないわよ!!ただ。。。」

「ただ?」

「あたしは、あの人たちの決死の覚悟を、、、ぶち壊すんだな~と思ってね?」

 

ルーシィが静かに笑って見せた。

 

「仕方ないよルーシィ。皆、僕らを心配してると思うしね。大体やめて!!って言っても聞かないんじゃないかな?」

「・・・そうね。彼らは、怒らしちゃいけないギルドに、手を出しちゃったんだもんね。」

「じゃぁ、、、そろそろ行くかい??」

「・・・うん。やるからにはとことんやっちゃいましょ!!」

 

ルーシィは立ち上がるとロキの額に掌をあてた。グッと魔力を練り、言葉に練った魔力を込める。

 

「ロキ!!強制閉門!!」

 

ロキの体が光だし、その場の空気が揺らぐ。びりびりと一点に向かってロキの体が吸い寄せられた。ルーシィの掌に獅子宮の鍵が握られ、その場にはロキを拘束していた足枷だけが転がっている。

 

「ふう。」

 

思ったとおりだった。星霊自らは帰ることはできないけど、星霊魔導士が強制すればゲートは開くのだ。ただ、、、さすがにロキの強制閉門には魔力をそがれてしまった気がする。後の事を考えれば少し魔力を温存しておきたいところだが、、、ルーシィは獅子宮の鍵に心の中で語り掛ける。

 

『どお?許可貰えそう?ダメなら強硬手段でいくわよ!!』

『ちょっと待ってルーシィ。今こっちの洋服を用意しているから。』

『うん。』

 

ルーシィはじっと待っていた。その脳裏には、自分に成り変わった少女とナツの姿が浮かんでしまう。

ナツは大丈夫?あたしは何を根拠に大丈夫だと言っているんだろう?

何だかんだ言ったって、ナツも男の子だよね。。。きっと。。。

あたしには色気が無いとか言ってくるんだから、色気がどういうものかわかってるってこと?

あたしは色気が無くてだめでも、あの子はどうだろう?

姿はあたしでも、、、あの子には色気があるのかな??

・・・・ナツ。。。

 

やだな。なんか、、、ヤダ!!

ナツが・・・・そんなのっ!!ヤダ!!

ナツが、誰か知らない人に、、、あたしじゃない女の人に触れるの??

 

胸が締め付けられる思いだった。

先程までそこに、獅子宮の星霊がいたから考えないですんでいた事だった。

でも不意に1人になり、言い様のない不安が押し寄せて、ルーシィを追い詰めている。

 

あたしに、ナツを束縛する理由も資格もない筈なのに。。。

・・・あたしどうしちゃったんだろう??

何でこんなにハラハラするの?苦しいの??資格??理由??

・・・・そんなの。

ルーシィは眉をしかめて、何かを押さえつける様に胸に手をあてた。

 

ナツがあたしを女の子として見てくれないから、ずっと気付かない振りするしかなかったのに。忘れていられたのに。。。こんな時に思い出したくなかった。

恋愛などに興味なさそうなナツの素振りにいちいち傷つく自分が嫌になって、重い蓋をして厳重に鍵をかけた想い。ナツにむかっている自分の中の想いに掛けた鍵がいつの間にか外れてしまっている。

 

溢れ出して、足元がゆがみ馴染めるとルーシィは目を閉じ大きく首を振った。

 

そんな事は無い。違う。違う。あたしの好きは、、、仲間の好き。。。

ナツは仲間をそう言う目で見ない。。。見ない。。。あの子はあたしじゃないってすぐにばれちゃうんだもん!!ナツなら判るもん!!

滲んできた涙を瞼の裏に閉じ込めて、ぐっとこらえるとルーシィは笑顔を作る。

 

うん。あたしが今やる事は?

悩むのは、行動した後!!行動もしないで、落ち込むなんてお門違いなんだから!!

自分の心に言い聞かせ、ルーシィは天井を射据えた。

 

暫くして何もない空間から、スーツを纏った手が出てきて星霊界の服がルーシィの膝に落された。それを受け取るとルーシィは、カーテンの後ろに隠れ素早く着替え迎えを待った。陽が完全にくれたころ、獅子宮の星霊が迎えにやってきた。

 

星霊界を通って、この牢獄から抜けだそうというのだ。

ロキが居れば扉を壊すことなど簡単な事だが、不用意な事をして、また捕まるわけにはいかない。相手は瞬間移動の魔法陣を組めるのだから。また捕まれば、次はもっと厳重に拘束される恐れがある。

 

ほんの一瞬。ほんの一瞬であれば対して時間はとばないだろうと思って、ルーシィは星霊界に足を踏み入れた。それに、取り上げられてしまった友達たちがどうにも心配だったのだ。

 

無断で通り過ぎるわけにはいかないだろうと、星霊王に挨拶だけし、人間界に戻ってきた。途中バルゴたちが見えた。星霊界にいるってことは一先ず無事なのだと、ルーシィは胸をなでおろした。

「絶対、鍵は取り戻すからね!!」そう言うと、バルゴは「私達の鍵はナツ様の処にあります。」そう言っていた。ではついでにと、ナツに伝言を頼んだ。結局星霊界にどれくらい居ただろうか?小1時間ほどか?大した時間ではないはずだが、思いのほか時間がかかってしまったことに、内心焦りながらルーシィは今日の日付をロキに尋ねた。

 

ルーシィが攫われてから、既に6日目。早朝だ。

 

 

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あ~あ。。。裏技使っちゃった気分です(*ノωノ)星霊界通るとか、、、反則的だね(*‘ω‘ *)でも見逃してください。

きっとmoの作文なんかを読んでくれてる方はやさしい方だから、気に止めないでくれると願ってるww

 

 

 

一方妖精の尻尾その酒場では、ルーシィ救出の為ナツ・ハッピー・グレイ・エルザが出発の準備に取り掛かっていた。すぐにでも出発したいナツは柱に縛り上げられているのだが。悠長に準備なんかしてを思うかもしれないが、相手は魔法を使う上、今まで表舞台たっていない存在。しかも正規ギルドの者を攫ったとあれば、闇ギルドと間違われても仕方のない状況だ。

 

少女から聞いた事情を考えれば、いろいろと手を回しておく必要があるかもしれないからだ。

早朝のギルドで、ナツとエルザ達が顔を突き合わせている時、妖精の尻尾6代目マスターのマカロフが魔法省から帰還した。今は状況を説明しているとことだ。霧の民が今まで誰にも知られずに暮らしていたのであれば魔法省に報告しなければいけない事は多いかもしれない。彼らの今後にかかわることなのだ。

 

「エルザ!!グレイ!!まだかよ!早くしろよ!!」

「ちょっと待てって言ってんだよ。単細胞!!ただ行ったって助けになんねえんだよ!じーさんが今手を回してる!!指示を待てよ。」

「そうだ。ナツ。。。今回の事で、間違ったほうに事が運べば、ルーシィが悲しむぞ?」

「!?そんなん助けてからでもいいだろ!!!」

「・・・だからな?トリ頭。。。」

「ナツ。少し黙っておけ。」

 

グダグダとうるさいナツに、エルザの氷のような視線が突き刺さった。ナツはその様子をいらいらしながら待っていた。

そこに、相棒のハッピーが魚をくわえてやってくる。

 

「ナツ~。ナツも魚食べる~??」

 

気の抜けた声だ。苛立つ相棒を気遣ってわざとそうしてくれているのだろう。

そう言うところがだんだんルーシィに似てきたななんて思う。…優しくも聡い猫だ。

 

「ハッピー!!!」

 

相棒を乱暴に呼びつけると、ナツの表情が険しくなっている。今までナツを拘束していたロープはあっさりと消し炭に変わっていた。

ナツの声と上がった煙に、ちょっと離れていた場所にいるメンバーもこちらを向いた。

 

ハッピーは注目を浴びて『えっ?えっ?』と、キョロキョロしている。

 

「なっナツゥ???」

 

ナツは素早く手を動かして、青猫の首根っこを捕まえた。

その衝撃と、突然の事にハッピーはギュッと目を瞑った

 

「ナッナツゥ~オイラは本物だよぉぉぉ!!ぐえっ!!」

 

喉の潰れた様な声が酒場に響き、ハッピーがより青く染まる。

ナツの腕で出来た影が消え、首元が軽くなるとハッピーは恐る恐る目を開けた。

 

「・・・ナツ?」

 

目の前で、相棒が青猫の愛用の風呂敷を広げている。

 

「ナツ!!親しき仲にも礼儀ありだよ!!何すんのさっ!!」

 

いつの間にかハッピーの後ろにはエルザとグレイもやってきている。

ハッピーの風呂敷からルーシィの鍵を取り出すと、ナツはそれを掌にのせた。

処女宮の鍵が、淡く光っている。

 

『リンゴーン!!』

 

久しく聞いていなかった鐘の音がどこからか聞こえてきた。

瞬く間に、メイド服を着たピンク色の髪色の少女が、顕現された。

 

「お久しぶりです皆さん。」

「「「「バルゴ!!」」」」

「姫から伝言を預かってまいりました。」

 

その場にいた全員が一斉に身を乗り出した。

ナツはバルゴの肩を掴みガクガクと揺さぶっている。

 

「ルーシィは!!ルーシィは!!」

「ルーシィさんは??「ルーシィはどうしたのよ!?」

「おいどういうことだ説明しろ!!「おい「ルーシィぃ!!!」バルゴ!!!」!!」」

 

いきなりのルーシィの星霊の出現に、その場にいた者が押し寄せた。

思い思いに口を動かす。そこに大きな手が影を作り、騒ぎ立てる仲間を拘束した。

 

「落ち着けバカ者どもが!!」

 

マカロフの冷静な声が人の少ないギルドの中に響いた。

 

「マスターマカロフ。ありがとうございます。」

 

メイドは深く一礼した。顔を上げると、マカロフではなく桜頭がバルゴの視界に飛び込んできた。早々にマスターマカロフの巨人の手から逃れてきたナツだ。

 

「ルーシィは!!」

 

落ち着けと言われたばかりだ。そんな事、解っているがナツは叫んでいた。

 

「ナツ様。姫は無事です。先程星霊界を通って、囚われていた場所から脱出しました。

迎えに行っていただけますか?」

「!?あったりまえだ!!!」

「では、伝言です。姫に化けている少女と、ウエンディ様もお連れするようにとのことです。」

「ふえ?私ですか!?」

「はい。ウエンディ様あなた様です。何かやって欲しい事があるとか。」

「!!はい!!」

 

バルゴは、用件だけを言うとポンッと消えた。

 

 

 

「よぉし!!ナツゥ!!エルザ!!グレイ!!ハッピー!!そして、ウエンディとシャルル!!よいな!無事にルーシィを連れ帰って来い!!」

 

マスターの声に送られギルドの扉から一歩踏み出した。

 

朝陽と共に、ルーシィを欠いた最強チームにウエンディとシャルルを加えたメンバーが、ルーシィの救出に向かった。

 

そこには、バルゴより伝えられた通りルーシィの姿の少女もいる。

 

「あんた。名前は?」

 

グレイの問いに、少女はポツリと口を動かした。

 

「アリシア。」

「アリシア、誠実な者・・・・・・まじめ過ぎるのも考え物ね」

 

少女の名を聞き、シャルルがそう呟いた。

 

 

 

 

星霊界から出てくると、太陽がてっぺんにきている。ちょうどお昼のようだった。少々の時差を感じながら、思いのほか日数がってしまっているのではないかとルーシィは焦りながら今日の日付を確認した。

 

星霊界でバルゴに伝言を頼んだけど、、、皆大丈夫かな。。。

数日たっていたなら、他にも伝えるべきことがあったかもしれない。

・・・心配かけちゃっただろうなぁ。・・・・ナツ、怒ってるんだろうなぁ。

 

ルーシィからすれば小1時間程度だったが、やはり星霊界は時間がたつのが早い。

あまり不用意に星霊界に足を踏み入れない方がよさそうだ。とルーシィは改めて思っていた。

 

星霊界でキャンサーに会えれば、ほんの数秒でもザンバラの髪を一先ず揃えてくれただろうが、生憎そんなにうまく事は運べなかった。。

ルーシィはそっと短くなってしまった髪の端を指でなでた。バッサリと無遠慮に切られてしまった髪に少しのさみしさは残るが、鍵が戻ってキャンサーを呼べれば、すぐ元に戻してくれるだろう。・・・・・・少しの間くらい我慢しなくっちゃ!!

他に誰が見ているでもないんだし。。。

 

大きく深呼吸すると、ルーシィは片手で握り拳を作って、もう片方の掌に『パン』音をたてた。・・・・そう、誰かさんの様に。。。

 

「よ~し!!燃えてきたぁ!!!」

 

そう気合を入れる主の仕草に、その姿に、ロキはやさしく微笑んだ。

 

「短い髪もよく似合うよ。ルーシィ。」

「うん。ありがとロキ。」

 

ロキは眉を下げながらも、にっこりとほほ笑んでいる。優しく語り掛けられ、ルーシィは眉を下げた。

 

「・・・乙女の命の髪を無残に切り取った恨みも晴らさなきゃね!!」

「うん。キャンサーなら伸ばす事も出来るし、気に病むことはないよルーシィ。少しの辛抱さ!!どうせだから、スキな髪形を頼むといいよ!!」

「フフッありがと。うん。そしたら早く妖精の尻尾に帰らなきゃね!!」

 

ルーシィとロキは、霧の民が好んで着ているらしいフード付きのローブを調達し、そのフードを、目深にかぶった。

 

牢から抜け出してから数日はたってはいるが、突如自分達が牢獄から消えたのだ。状況がわからない。まだ捜索網が張られているかもしれない。

ただ隠れて山を下りては何の解決にはならないのだ。何とか太古の霧と話がしたい。多分ナツも、、、もうすぐナツ達が来てくれる。ここは慎重に行動した方がいいだろう。

 

とりあえず状況を探りに、ロキが集落へ紛れ込んでいった。

ロキだけなら、星霊界を通って移動可能だからだ。自分が一緒に行ってまた人質には。。。そんなことには、なれない!!足枷をつけられ目の下にクマを作っていたロキの姿が記憶に新しい。

ルーシィは静かに集落の外れにある大きな木に上に鞭を使って静かに登った。

上からならここから動かなくても、集落の様子がわかると思ったからだ。

それに、案外人間は自分の頭上は見ない。盲点で見つかり辛いとも考えたからだ。

 

だが、そこに声がかかった。

 

「ルーシィさん。そんなところ危ないですよ!」

 

ルーシィは恐る恐る下を見る。ここ数日この声はよく耳にしていた。

そこには何時もの小柄な男がこちらを見上げている。

 

「少し、お話をしませんか~?」

 

そして、男がなぜかのんきな顔を覗かせている。ルーシィは訝しげに男を見るが、その表情には含みは見られないように感じた。だが、気を緩める気はない。油断させるつもりかもしれない。再び星の大河を握りしめたルーシィに向かって男が両手を上げた。

 

「私、肉弾戦は得意じゃないんです。まだ他の者は気が付いていませんし、また少しお話ししませんか?」

 

このまま放置すれば、他の者を呼ばれる可能性もあるし、何よりルーシィにはこの男が自分を捕まえようとしている様には感じられなかった。

 

「私もそちらに上げてもらえませんか~?」

 

ルーシィは星の大河を男の元へ伸ばした。

男は、鞭で攻撃される恐れもあるというのに、その場から動かずじっとルーシィを見つめていた。そして、星の大河が男をルーシィより少し下の位置にある枝に連れてきた。

縦に並ぶような形で、ルーシィとその男は枝に腰を下ろした。

 

「そう言えば自己紹介もまだでしたね。わたしはリアンと言います。」

「リアン。。。守護者?随分立派な名前ですね。」

「・・・ええ。生まれた時から彼女の、、、あなたに成り変わったアリシアが族長になる定めなら、私は、生まれた時から霧を守護する者ですから。」

 

多分そう言う意味で名付けられたのでしょう。どこか寂しげに男が言った。

どうやらこの集落には、族長の他に守護者なるのもがいるようだ。祈祷師や占い師のような役割なのかもしれない。ルーシィは思考を巡らせていた。

 

「貴方は、あたしを捕まえないの?」

「・・・ええ。捕まえた方がいいんですけど、、、私は分からなくなってしまって。あなた方と話をしてから、自分が解らなくなってしまった。。。」

 

男は、自分の両手を胸の前で上に向け、何もないそこを見つめている。

 

「・・・リアンさん。あなたはちゃんとアリシアさんと話をしたんですか?本当は、、、始めから納得してないんじゃないの?」

 

ルーシィは、眉間に眉をよせ少し下にいるその男を見据えた。男は自分の何ものっていない手の上をボンヤリと見つめている。その肩はわずかに震えているようにルーシィには見えた。

 

「彼女が、、、アリシアが自ら決めた事です。私が口を挟めることでは。。。」

「貴方達は、恋人同士じゃないの??」

「ええ。お互い好き合っていると、、、私は思っています。」

 

「貴方、最低ですね。」

「・・・・・・。」

 

ルーシィの言葉に、男の体に緊張が走るのが見て取れた。わずかに震えていた肩も、ピタリと動きを止めている。木の枝の上には、木漏れ日が差し込んできている。

 

「だってそうでしょ!?いくらでも、あなたなら止められたわ!!止めもしない癖に、被害者ぶってるだけじゃない!!どんなに大切な存在の為だって、どんなに頭で納得したって、心が苦しいわ。彼女は、、アリシアさんは心が切り裂かれる想いだったはずよ!!それを好きな人にすら止めてもらえないなんて!!あんまりだわ!!彼女が可哀想よ!!」

「私はアリシアの為に!!彼女の決断を尊重した・・・ん・・・だ。。。」

 

怒鳴ったかを思えば、すぐに勢いは消え男は言葉を失った。

男が見上げた先にいる、ルーシィの目からは大粒の涙が流れている。

 

「・・・勇気がないだけよ!!彼女を止める勇気も!覚悟も!!!・・・無いくせに、、、1人で不幸を背負って落ち込んでんじゃないわよ!!」

 

ルーシィはつい大声で叫んでいた。丁度偵察から戻ってきたロキが慌てて、ルーシィの側へと飛んできて、口を押えた。

 

「ルーシィ!!とりあえず。落ち着いて!!」

 

口を塞がれルーシィはロキを睨み付けた。ルーシィの涙に濡れながらも、それでも輝く様な強い眼差しに、ロキは「静かにね。」と囁いて手を放した。

 

「だって!!この人は自分が不幸だって嘆いてるだけ。彼女の為にって、彼女の意思を尊重するって!?

他の人の想いや思惑・意志が渦巻く中で、彼女は立場があったでしょうし、強い意志が彼女を動かしたのでしょう?でも!!彼女の心を守る事が出来たのはあなたじゃないの!?意志!意志!って、人は意志だけで生きてるんじゃないのよ?感情は?あなたは、彼女の決断を彼女のせいにしているだけ。彼女のせいにして、、、だから納得できないんでしょ?貴方は自分は傷つかない様にして、より彼女の心を傷つけていることに気が付かないの?」

 

呆然とした表情を見せていた男は、唇を噛みしめ苦い顔を浮かべてた。

見かけは10歳とそこらの少年のようだが、その表情は大人その物男の顔だ。

 

「・・・アリシア。。。」

「貴方だけじゃない。彼女だけでもない。・・・でも、、、あなた達はそうして生まれてくる子供を本当に愛せるの?その子には何の罪も責任もないのに、その子を幸せにできる?その子の存在があなた達の笑顔を奪ってしまうんじゃないかしら??

誰かの不幸の上に立って あなた達は、あなた達の大切な太古の霧は、幸せ?

あたしなら、大切な人たちを犠牲にして助かりたくない。そんな事をされたら、、、助けられた方がもう、笑えないわ。・・・誰も、幸せにはなれないわ。」

 

涙を流しながら、懸命に言葉を並べる少女の肩を、ロキがそっと引き寄せた。

静かに、ただ静かにルーシィの横に並んで男を見つめている。

 

「じゃあ、じゃあ!!どうすればよかったんだ!!!」

 

男は、握りしめていた拳を大木の幹に叩きつけた。

 

「彼女は、、アリシアさんは、もうすぐここに来るわ。・・・私たちは、妖精の尻尾はこの集落を破壊することになるでしょう。妖精の尻尾は仲間に危害を加えられて、黙っていられるギルドじゃないのよ。。。それまでに自分で考えなさい。」

 

ルーシィはロキと共に立ち上がった。真っ直ぐと進む先が見えているとでも言うかように、強く先を見据えている。

 

 

アリシア。

ずっと、ずっと君との明るい未来を夢見てきたんだ。君となら、ずっと僕は幸せでいられるって。君と一緒なら、不幸だって幸せに変えられるって。。。

2人で君の好きなハーブを育てて、朝起きたら、君の淹れてくれる砂糖たっぷりの甘いハーブティを飲んで、朝から甘すぎだって文句を言いって、じゃああなたが淹れなさいよって怒られて、1日中小さなことでも喧嘩しても笑い合って、、、、そう過ごしていきたかった。

 

君の決めた事なら、誰が反対したって応援するよ。僕はいつだって君の味方だから。その背中を押してやりたかった。でも、それじゃあ君は笑ってくれないんだね。・・・・僕も、笑える気がしないよ。アリシア!!!

 

気付くのが遅くなってすまない!!私が守りたいのは、君の笑顔だ!!

君の決断が君の笑顔を奪うなら、いくら君が望んだって、、、何があっても僕はそれに抗わなければいけなかったんだ!!僕は、君の笑顔が消えた世界では幸せにはなれないよ。僕の未来は、君と幸せに暮らしていきたいんだ。

 

「リアン!!」

 

地面から声がかけられた。見つかってしまった。

小柄な男は、チラッとルーシィを見上げ、目配せをする。

ローブを纏った霧の民が数人、ルーシィ達のいる大木の下に集まっている。

 

「リアン!!ようやく見つけたか!!そのままこちらにお連れしなさい!!」

「お嬢さん。危害を加えたくないんだ!!事が済むまで大人しくしていてください!!」

 

木の下からかけられる声に、男は軽く腕を上げて応えた。

そしてルーシィに向き直った。男の目には意志が灯って見える。

 

「アリシアはもう帰ってくるんですね?」

「ええ。あたしの仲間が連れてくるわ。」

「ルーシィさん。このまま山を下りれば結界魔方陣によってまた転送されてしまう恐れがあります。あなたには印がつけられているので。転送されれば、すぐに捕まってしいます。・・・・此処から頂上に抜けると、社が見えます。そこには、守護者しか近づけません。・・・ありがとう。」

「太古の霧と話がしたいの。仲間がくればうまくいくかもしれないのよ!!」

 

男に促され、ルーシィは従うふりをして足場を確かめた。いつでも飛び出せるように。

 

「太古の霧は、民に災いが降りかかったり、集落に侵入者があれば現れるでしょう。社には抜け道もあります。どうにか合流してください。さあ。行ってください!!」

 

そして男は、大きく息を吸い込んだ。

 

「今降りる!!・・・・さあ行って。。」

 

男はルーシィに手を伸ばすふりをして、一か所を指さした。

そして次の瞬間、その男はその木の中腹から『ズサササアァァ。』と音を立てて滑り落ちていった。

 

「うわぁ。あれは痛いね。」

 

今まで黙っていたロキが口を開くと、ルーシィを抱きかかえて木の枝をけった。

 

 

 

 

「ロキ!!」

「うん。いくよっ!!」

 

ルーシィはロキの腕の中で、ギュッと目をつぶった。

 

『獅子光耀!!』

 

目くらましで、追手の足を止めると ルーシィとロキは男の言っていた社へと向かった。

大きな木々に囲まれ、神聖な領域とでも言うのだろうか、高い木の隙間から差し込む光が地面に円を描き何とも幻想的な雰囲気を醸し出している。そこに建つ大きくも小さくもない社。他の建物と違い、木造であろうその建物は祈りの為の場所なのだろう。

リアンも言っていた通り、催事にしか村人でもここに足を踏み入れることを許していないのだろう。人の気配は全くしない。

優しい風が葉を揺らしたカサカサと言う小さな音まで耳に届くほど、静まり返っている。

 

ロキはルーシィを抱えたまま、その社の開いていた窓から中に忍び込んだ。

ようやく気を休められそうだが、ロキはまだ窓の外を伺っている。

そして、追手が来ないようだと悟るとルーシィに視線を向けた。

 

「ルーシィ。。。」

 

獅子宮の星霊が、主に向かって反目をむける。女性には やり過ぎなほど紳士的なふるまいをするロキにしては珍しい表情だ。

先程は黙っていてくれたが、言いたいことはたくさんあるようだ。

 

「ロキ・・・?」

「はぁ。。。君は目を離すとすぐこれだね。。。」

 

ロキは大げさにため息をつきながら、頭をかかえてみせる。

まったく頭が痛いよ。と言いながら、いつも桜頭にしょうがないと言う自分の主の様に、顔をゆがめた。

 

「彼、ふっきれたみたいだったね。」

「うん。ちゃんと彼女と会って自分の思いをぶつけられるといいわね。あとは彼女が何て答えるかだけどね?フフッ。」

 

「・・・まあね。でもそれはナツがアリシアちゃんに手を出していないって前提の話しだね?」

 

ロキが目を細めた。表情は笑っているが、目が鋭くルーシィを捉えている。

 

「えっ?」

「もし。。。ナツがアメリアちゃんに手を出していたら??彼の告白を聞いて、やっぱりこんな事して欲しくなかったのに!!って言われたらアメリアちゃんはどうなるかね??」

 

「・・・・。」

 

ルーシィは言葉を失っていた。顔から色が無くなっていく。

考えもしなかった。・・・イヤその可能性は、、、頭をかすめた。でも、考えたくなかったんだ。ルーシィの目には、世界が暗く霞んで見える。

 

「ルーシィ。きつい事を言うけど、もしそうだとしても、彼らが当初望んだことだし、彼らはルーシィの綺麗な髪を無残に切り裂き、その美しい顔にあってはならない傷をつけたんだ。。。」

 

そこで言葉を区切って、ロキは青いサングラスの位置をクイッと指で直した。

ロキの目がうすい青色の後ろに隠れた。もうその目の表情はうかがえない。

 

そうだ。この人は、、、こういう人だった。

・・・冷静な振りして、、すっごく怒ってくれてたんだね。

 

ルーシィにまで、その心の内が響いてくるようだった。ルーシィは一度目を閉じ、胸に手をあて、また瞼を持ち上げた。真っ直ぐと真剣な面持ちで獅子宮の星霊を見ている。そして、ロキはまた口を動かし始めた。

 

「だから、そうなったとしても当然の報いだと思うよ。僕は・・・でもね?もしそうなったら、ルーシィ。君は当然の様に胸を痛めるだろう?そうじゃないって信じるのは分かるよ。僕だって、ありえないって思っているよ?何せ仕掛ける相手があのナツだしね?」

 

そこでようやくロキの口元が弧を描いた。

それでもルーシィは緊張した真剣な面持ちでその話に聞き耳を立てている。

 

「でもね?すぐに感情移入して、そのことで新たに君が傷つくかもしれない事をしないでほしいな?仮にも彼らはルーシィをさらった敵だよ。逆上した相手に、正論が通じないことだってあるんだよ?あんまり無茶はしないでおくれよ。」

 

サングラスの奥で、獅子宮の星霊の瞳がやさしく揺れた。

それを見てルーシィもその表情をゆるめた。

 

「・・・ロキ。」

「うん?きついこと言っちゃってごめんね?ルーシィ。」

「・・・ロキ。」

「なんだい?」

「いい加減降ろしてくれないかしら?」

 

にっこり微笑みながら、ルーシィは腰にぶら下げた星の大河を握りしめた。星の大河はルーシィの魔力を浴びて光だしている。

 

「ルッルーシィ??降ろすよ!!降ろす!!!今すぐに!!!」

 

ロキは額からじっとりとした汗を垂らしながら、ルーシィの足を地面につけた。

 

「お尻も触らない!!」

「あっあは?ばれちゃった??」

 

お道化てみせるロキに、ルーシィは力なく笑いかけながら口を開いた。

 

「・・・わかってる。不可抗力だってあるし、ロキが言いたいのは、、、ナツの事でしょ?ナツだって男の子だもんね?」

 

笑っているはずのルーシィの瞳には、不安が揺れて見える。

 

「それに、あたしがナツに対してどうする事も出来ないわよ?ただのチームメイトよ!!あたしとナツは。」

「ナツはそう思ってないかもよ?」

「・・・そんな事。」

「霧の民は、なんだっけ?・・・竜の寵愛がなんだっけ?クスクス。」

 

先程までシュンと沈んで、今にも泣き出しそうに肩を震わせたかと思えば、キィー!!と怒って見せて、その次は寂しそうに笑って、今は頬を赤らめて困った顔をしてみせるルーシィに、ロキは眉を下げて笑いかけた。

 

「ナツだって男の子。じゃなくて男だよ。ルーシィ。油断してると襲われちゃうんじゃないかって、僕は心配しているんだけど??」

「もう!!馬鹿なこと言わないの!!」

「ナツは他の女の人には興味なさそうでも、ルーシィに対しては違うと思うよ。だからちゃんと偽物には気付いてくれると思う。でもね?いろいろとね?・・・許してあげてね?」

「・・・はぁ?っていうかあたしには関係ないってば///。・・・?ロキ何か知ってるの・・・?」

 

ルーシィは何かに気が付いたように、ロキに詰め寄った。詰め寄ってくるルーシィの手を取ってロキが笑いかける。

 

「うん。はい。」

 

ロキの手から、ルーシィの友達たちの鍵が渡された。

自分の手の中にある鍵の束を目にルーシィは、瞬きを繰り返しキョトンとした表情をロキにむけた。

 

「え?」

「う~んと、バルゴが自分達の鍵を持ってきてくれたんだよ。伝言のお遣いは完了したからってね。星霊界を通って。鍵が無い場所には顕現できなっからね!僕を通してなら、ルーシィの元に帰れでしょ!!」

 

そう言って、ロキはパチンとウインクしてみせた。

 

「!!ありがとう!!ロキ!!みんな!!」

 

ルーシィは満面の笑みで、飛び跳ねた。今にもロキの胸に飛び込んできそうなテンションだ。それをいち早く察知したロキが両腕を広げてルーシィが飛び込んでくるのを待つが、、、ルーシィはその場で友達たちをギュッと胸に抱きしめた。

 

“キュルン”

 

「お兄ちゃん。姫は、お兄ちゃんの胸には飛び込まないみたいですよ。」

「え?」「あ!!」「「バルゴ!!」」

「隠れているようですので、登場の鐘の音はカットさせていただきました。姫、勝手に出てきちゃいました。お仕置きですか?」

「もうっ!!」

 

無表情のまま小首をかしげて見せる処女宮の星霊に、ルーシィは笑みをもらす。

 

「姫。もうすぐ皆さんが御着きです。ナツ様が何をしてしまったかは、、、このバルゴがきちんと見ておきましたので、気になるようでしたらお教えしますが?如何なさいますか??」

「えぇ?!?‼バッバルゴ??」

 

ルーシィは大きな目をパチクリと瞬いた。

1人あーでもない!こーでもない!!とワタワタとその場で百面相する主の姿に、バルゴがゆっくりと口を開いた。

 

「・・・姫の心配するようなことは。・・・そうですね、ナツ様の唇が寝込みに奇襲を受けて奪われた位です。まるで姫がナツ様を襲っているその様子がなんとも萌えましたが。。。それ以上は腰砕けになりながらも、何とかナツ様は逃げてましたのでご安心を。」

「へぇ。。。」

 

口元をひくつかせながらバルゴの言葉を聞くルーシィ。その目は何処となく寂しそうに揺れている。密かに顔色を青くし、シュンっと元気をなくす主の姿を目にしながら、バルゴが続けて口を動かした。

 

「ナツ様は何度も一生懸命目を擦っておいででした。どうしたって見かけが姫なので、強く出れなかったようですよ。ブツブツと「違う!こいつはルーシィじゃねえルーシィじゃねえ。。。」と呟きながら床を這っていました。それにしても、本物の姫があんなふうに迫ったらと思うと、、、、バルゴ萌えます!!キャピッ」

 

無表情で、キャピッのポーズ付きだ。無表情なのだが処女宮の星霊は、ルーシィの目には、ほんのわずかだがバルゴが微笑んだように映った。

その表情の変化に、ルーシィはおかしそうに口元を緩めた。

 

「・・・もう!バルゴってば///」

「姫。おめしかえのご用意が出来ています。」

 

早々に話題を切り替え、処女宮の星霊は主に指示通りの服を手渡した。

そしてロキを一瞥する。

 

「お兄ちゃんはもう帰ってください。姫の魔力が無駄に減ってしまいますので。」

 

ケロッと、何でもない調子でバルゴがそう告げると、一瞬驚いた表情を見せたロキだが、次の瞬間には微笑んで「はいはい。独り占めして悪かったね!」と言ってバルゴの頭を撫で、ルーシィには「いつでも呼んでね!!それと、素直になるんだよ?」とウインクしてゲート度くぐって星霊界へ帰っていった。ルーシィはロキにベッと舌を見せた。

 

「・・・バルゴ?」

「・・・姫。バルゴ寂しかった!!」

 

ロキの言葉をうけてか、精一杯棒読みをしたバルゴがルーシィに抱きついた。無表情のまま。だが、そのバルゴのぬくもりが、とても暖かくルーシィに伝わっていく。

 

「うん。あたしも寂しかった。鍵盗られちゃってごめんね!!来てくれてありがとね!!」

 

ルーシィの顔には晴れ晴れとした笑顔が咲いている。

 

「あっ。姫。」

「ん?」

「『てめぇ。鍵を盗られてんじゃねぇ!!何度目だ!!後でお仕置きだぁ!!』とアクエリアスからの伝言です。」

「あっ・・・ハハッ・・・ハハハハッ・・・」

 

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星霊はみんなルーシィが大好き!!ロキの言いたいこと伝わったかな~?毎度悩みますが、表現って難しいですね(*‘ω‘ *)

とりあえず、moの中で ロキはルーシィが何よりも大切で、傷つくのが耐えられそうにない!!だから超過保護したいけど、ルーシィの為にならないからたまには説教もしなくっちゃと思うけど、、、結局強くでたままでいれなくって、、、要は、超過保護なルーシィの守護者ですね。 

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